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社会調査入門-量的調査と質的調査の活用

85-6(398) 社会調査入門-量的調査と質的調査の活用
K.F. パンチ、慶応義塾大学出版会、2005年
Introducation to Social Research: Quantitative and Qalutative Approaches by Keith F. Punch, 1998

質的な調査と量的な調査を綜合ことの必要性が近年高まっているが、そのための入門書として書かれたもの。

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方法としての科学の本質的な要素は、
第一に、現実世界のデータ、科学は経験的なデータに依拠するものである。データをもってそのアイデアを検証する。
第二に、理論が担う役割。説明するための理論。データを説明すること。
すなわち、データと理論が科学の本質的要素である。そのいずれもが存在していること。

世界に関するデータを集めること、理論を構築してこのデータを説明すること、さらに他のデータでその理論を検証することは、科学的な試みである。

社会科学という用語は、人間の行動に対する科学的な研究の事。社会が意味するのは、人々とその行動のこと。科学は、研究するための方法。
社会科学の目的は人々とその行動に関する説明理論を作り出すこと。13
社会学、心理学、人類学、経済学、政治学が主要な基礎社会科学としてあげられる。
さらにそこから応用社会科学として、教育学、組織論、行政学、経営管理学、ソーシャルワーク、看護学、保険衛生研究、医学や公衆衛生学、家族研究、児童発達研究、マーケティングと市場調査、余暇研究、コミュニケーション研究、法学や司法研究、政策下学と政策評価、そして社会経済発展の研究などなどなど。13

科学的知識の階層構造26
個々の事実から経験的一般化があり、それらをたばねる説明的理論がある。=実証主義的な視点に由来する考え方であり、知識についての法則定立的な見解を強調する。下から上。

よい調査問題と悪い調査問題66
●明確である
●具体的である
●答えることが可能であり遂行可能である
●相互連関的である
●実質的に適切である

量的なデータは収集と分析についての議論の背景が深い。
質的なデータについては以下の研究方法が出されている。
・インタビュー
・観察
・参与観察
・文書データ

第11章では、質的調査と量的調査の統合についての問題が検討されている。結合のアプローチとしては次のようなものがある。340-341
1. トライアンギュレーション三角測量の論理
2. 質的調査による量的調査の促進
3. 量的調査による質的調査の促進
4. 総合的な見取り図を描くための量的・質的調査の結合
5. 構造と過程=質的調査は過程をとらえるのに優れている
6. 調査者の視座と対象者の視座=質的調査は出発点に対象者の視座が取り入れられる
7. 一般性の問題
8. 質的調査による変数間関係の解釈
9. マクロ・レベルとミクロ・レベルの関係
10. 調査過程における段階
11. 混合Hybrids

評価の基準349
●調査の「骨組み」
●調査で利用された経験的な手続き
●データの質
●調査で得た知見と結論
●調査のプレゼンテーション


368
分析的折衷の用語
量的 質的
変数指向的 事例指向的
範疇化 文脈化
分析的 総合的
エティック(音声的) エミック(音素的・意味的)
分散理論 過程理論
by eric-blog | 2005-05-27 16:54 | ■週5プロジェクト05
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