突破する教育 世界の現場から、日本へのヒント
池上彰、増田ユリヤ、岩波書店、2013
2164冊目
日本の教育の行き詰まり感をなんとかするために、海外を見てみよう。
あほか、という企画である。が、「知る」ことは無駄ではなかろう、希望も持てようかと思うので、紹介する。
□アメリカ大統領選挙から民主主義を考える
1.ハーレムでの大学進学率を向上させるプロジェクト。「大学に行って、゛世界を変えよう」
2.若者の声を政治に反映する、Kid’s Voteなどの試み
わたしが1974年に米国交換留学で高校に通った時、社会科の内容に「大統領になるためのキャンペーンのはり方」というのがありました。日本の教科書のどこに、選挙のための教育内容があるのでしょうか?さらには、行動化のための学習はどこにあるのですかねぇ。
彼らは言う。「学校に政治を持ち込む」のではない。「学校で政治について学ぶ」のだ。・・・今の日本の民主主義に必要なのは、こうした訓練であろう。」p.43
□民主主義をどう教えるか(対談)
□エネルギー問題をどう考えるか
➢「信頼」に基づいて邁進するフィンランドの教育
リスクについて学ぶ高等学校「答えのない授業」「人生はリスクの連続、みんなで考えていく」
➢原子力発電の責任の取り方の違い
➢対談「フィンランドではますます教科を越えた学習をする方向に舵を切っている。」「子どもたちがどう生きていくのかが大事」「日本では、テストの点数が下がっているからというような議論で教育が語られる」99
➢「日本はねばならないが多すぎる」
これは映画『10万年後の安全』を見た人ならば、驚く内容ではない。議論可能性の存在、その背景としての「信頼」
□いじめ問題にどう対処するか
どこの国でも、特に中学生の問題行動は目に余るものがある。
➢人権からアプローチするフランス
➢何でも言える環境づくり
➢フランスと日本の「いじめ対策」の違い「道徳心を重視する日本」「人権教育の大切さ」
□被災地でエル・システマをやろう! 音楽で合奏、オーケストラをすることで、子どもの力をのばす。
➢大分県豊後高田市で、「おカネをかけずに学力アップ」講師はまちの人材活用
日本でどう受け止め、どう活かしていくか。
そんなことをもう数十年繰り返しているよね。