ESDと大学 人間文化研究叢書別冊 ESDブックレット1
名古屋市立大学人文社会学部編、成玖美・寺田元一監修、風媒社、2013
2157冊目
序論において、別所良美さんは、「ESDはこれまでの教育と根本的に異なっている。それは「について」の教育ではなく、「のための」教育であるからであり、・・・あらゆる教育の目的が、そしてあらゆる学問研究の目的が「持続可能な開発」でなければならないから」と、ESDの難しさと重大さ、複雑さを紹介しています。
学部が、1996年にかかげた「Well-being豊かで人間らしい生き方」を基盤に、ESDに取り組む姿勢が明確に打ち出されています。
2014年11月10日ホヌフに値に、「ESDユネスコ世界会議あいち・なごや」が開催される。
「DESDの基本的なビジョンは、誰にとっても教育から恩恵を受ける機会があり、そして、持続可能な未来の構築と、現実的な社会転換のために必要な価値観や行動、ライフスタイルを学習する機会がある世界である。」(ユネスコ2005:174)
さらに、別所氏は、第一部の報告の「2.人文社会学部がなぜESDなのか?」で、SD概念がなぜわかりにくいのかを解説しています。内部に対立や矛盾を孕んでいる概念である。にもかかわらず、「持続可能な発展」とは、環境と開発・発展との対立・矛盾が解消されるべきであるという要請であり、希望を表明する言葉にすぎない。そこには先進国と開発途上国の対立がある。
「持続可能な発展」が可能になるには、価値観の転換を促す広範な教育が必要だということです。
ESDのE=教育とは、持続可能な開発を可能にするために、人々の価値観を変革することを意味します。32
・・・これらの知的作業はまさに人文社会学部がこれまで「Well-being豊で人間らしい生き方」として探究してきたものなのです。33
「持続可能な開発」は、民主的で誰もが参加できる社会制度と、社会や環境への影響を考慮した経済制度を保障し、個々の文化の独自性を尊重しながら、人権の擁護、平和の構築、異文化理解の推進、健康の増進、自然資源の維持、災害の防止、貧困の軽減、企業責任の促進などを通じて、公正で豊かな未来を創る営みです。
ESD-Jホームページより
http://www.esd-j.org/j/esd/esd.php?catid=85
このような理念が、後退することがあってはならない。
http://www.nagoya-cu.ac.jp/item/130474.htm
http://www.ncuhum.jp/wp-content/uploads/2014/01/3cac5ed7831b66cf132be52aef740d73.pdf
なぜ、ESDは、こんなにマッチョなのかねぇ。
多様性とは、いくつかの視点で見ることができると思うけれど、少なくともこの三つは大切だよね。
・グローバル
・ジェンダー
・バリアフリー