人気ブログランキング | 話題のタグを見る

君死にたもうことなかれ

君死にたもうことなかれ
吉田隆子、新宿書房、2005
2151冊目

吉田隆子さんによるオペラ『君死にたもうことなかれ』の台本と、いくつかのエッセイをまとめたもの。

吉田隆子さんは、1910年明治43年に生まれ、1956年に亡くなっている。戦中は何度か、投獄もされている。

劇団プークにもかかわっていたと、どこかで読んだような気がしたが、この本には、そのあたりのことは書かれていない。

堺女学校が、大阪府立泉陽高等学校の前身である縁で、与謝野晶子に関する評価は、いろいろと聞かされてきた。「君死にたもうことなかれ」の詩が反戦歌であるという評価をうけ、なんと、同窓会名簿からはずされていたのだ。それが名誉回復をとげるのは、わたしが卒業した後、1975年以降のことではなかったと。

不敬罪に問われたのは、運営していた文化学院の自由主義的な教育方針が戦時体制に合わないからと、校長が逮捕されたところからかもしれない。

オペラの中では、晶子が、道行く「壮士」にからまれるシーンが出てきたりと、戦意高揚気分の中で、対抗する女性として描かれている。

Wikiによると、戦争推進ともとれる歌も残しているとあるが、優れた歌は、優れた歌そのものを見るのがよさそうだ。そして、その歌に動かされる人々の心も。
by eric-blog | 2014-02-03 15:38 | ■週5プロジェクト13
<< UMY選挙事務所おっちょこちょ... おくにことばで憲法を >>