Learning to Care:
Education and Compassion John Fien Australian School of Environmental Studies Director, Griffith University EcoCentre Professorial Lecture 15 May 2003 http://www.griffith.edu.au/__data/assets/pdf_file/0018/314613/fien03.pdf 日本語訳は三部に分かれています。 http://ericweblog.exblog.jp/18988618/ http://ericweblog.exblog.jp/18988625/ http://ericweblog.exblog.jp/18988628/ 地球憲章は普遍的なものですが、先生や保護者たちにとっては、これらを教化になるのではないかという懸念は拭えませんでした。教員養成において、学生は、教授法において、教化がいかに悪であるか、そしてバランスのとれたアプローチのためのさまざまな方法を教えられます。教化ではなく、バランスのとれた視点と中立性が徳目として奨励されます。しかしながら、バランスと中立性を求めることは、カリキュラムを決定する計画者や教員の現実を否定するものでもありました。 教育は、その他のすべての社会的諸機関やプロセスと同様に、人間が行うものです。その特徴や目的は人間の価値、歴史、権力のパターンの変化によって決定されるものなのです。なぜ教育が中立でありえないかという理由のもう一つは、教えることのできるものすべてを教える十分な時間はないのです。そのためにすべての教育的な目的、カリキュラムにおける強調、学級でのプロセスは、文化の選択ですし、そこからカリキュラム立案者や教育は、目標・内容、資源と教授法を選択するのです。それらの選択を、優先順位を決定するのに働く価値観なしで、理性的に行うことはできないのです。このように、教育のプロセスは、生徒たちにに、フィルターを通した経験に暴露することになり続けるのです。そのために、GrantとZeichnerは次のように結論しているのです。「中立的な教育活動は存在しない。」と。さらにStanleyは教育は「ランダムな選択でもなければ中立的なプロセスでもなく、目的を持ち、価値に根ざしているのです。」 これは、教育者によっての鍵となる価値と倫理の問題は、ある種の考えやアプローチが教化であるか否かではなく、どのように、そして、どのような価値と目標に向けて、学校や教員は「教化」すべきかということなのです。あるいは「教え込む」かです。少し柔らかい表現を使うなら。求められていることは、学級で、専門性のある倫理的な方法で、価値の問題を扱うための現実的な方法です。 結論として、わたしは、倫理とケアする心、慈悲のためのそのような現実的で倫理的な教授法は二つのための情緒的な柱を弁別することで可能だと思います。一つは価値であり、一つは態度です。これらの概念は、両方とも人のアイデンティティに関わる情緒的なものですが、価値は態度よりももっと安定的であり、長続きするものです。 Rokeachは、価値を長続きする信念であり、特定の態度あるいは生存の、他に比較して望ましいあり方であると定義しています。価値はわたしたちが生きていく上で従うべき重要な原則であり、そのために努力する目標なのです。態度は、価値に由来していますし、状況によっては価値の表現形だと言えるでしょう。つまり、態度は、特定のかつから来る信念であり、特定の状況で起こるべき今年についての視点を表現しているものです。そのために、価値は、態度につながり、態度は、価値と行動をつなげるのです。このように、態度は、特定の状況で起こるべきことについての意見の表明であり、日々の生活の中で起こるさまざまな状況についての意思決定と行動をガイドするものなのです。 人々が、ある状況についての態度を決定する時に直面するジレンマは、彼らが持っている価値観の間での緊張です。これは、異なる価値観に対して、個人的にどの程度重要性を感じているかということの程度によって起こります。さらに、状況は時には、いくつかの価値が競合しあい、それぞれに重要性を比べ合った上で、態度が決定されるということになり、特定の行動へとつながる意思決定となるのです。 では、価値と態度について取り組む先生方の役割はなんでしょうか? どのようにわたしたちは専門性が高く倫理的な方法で、若い人々を、なぜ、どのように彼ら自身を、互いを、そして地球、そして人間以外の創造物をケアするのかということへの学びへと導く事ができるのでしょうか。この質問に対しては、二つの部分があります。 まず、価値については、わたしは、先生の役割は、積極的なものだと思います。ケアの倫理を意識的に取り入れた学習経験を計画し、生徒に積極的な継続的な内省を行わせ、そこにある価値や原則との一貫性を求めさせるのです。 第二に、態度の形成については、先生の役割は、婉曲的です。熱意のある教育者の役割は生徒に彼らの価値が特定の問題についてどのように当てはめられたかを伝えることではなく、ましてやその結果どのように行動するかを伝えることでもありません。わたしは先生たちは特定の価値を推進することに責任があると思いますが、彼らに、これらの価値から導きだされる態度を指示する権限はありません。この違いは、「価値の明確化」という教授テクニークが、間違った名前を与えられており、「態度の明確化」と呼ばれるべきことがわかります。 この違いを示す例をあげましょう。立つ江波、農業で使われる殺虫剤、食品の化学添加物の問題を教えるのに、先生は、生徒に生態系的相互依存や軽やかに地球に生きる、人間の基本的にニーズを満たすことなどの原則からこの問題を評価するように提示することができます。これは、そのような価値が絶対的なものとして教えられるべきだということではありません。しかし、人々が有用だと感じてきた倫理的なガイドとして、生徒がクリティカルな分析や評価に使えるものとして提示できるのです。また、彼らの決定が社会や一人ひとりの生活にどのような貢献をすることができるかを見る鏡の役目も果たすでしょう。しかし、価値が生徒によって応用され、態度が明確にされる時、その結果としてどう行動するかを決めるときは、生徒が、調査をしている地域の食料生産の政治的経済的な即路面を総合的に検討した上で行われるべきなのです。 ケアする心の中核となる価値を推進推進することと、現実的な態度を教えることは控えるというこの弁別は、Newfield and McElyeaが20年前に教化について提示した定義によっています。 彼らは、教化が教育で起こるのは、先生が生徒を特定の状況や問題についての前提をもって、証拠とは無関係に、それを提示するときに起こると言います。証拠が疑われた時、評価にかけられた時、信念のようなものとして提示された時、あるいはまったく何も提示されない時も同様です。教化についてのこの考え方は、価値ではなく態度を教えることを明確に言及しているものです。生きていく上での原則でありながら、価値は、証拠とは無関係です。しかしながら、態度は、特定の状況に関係し、背景となる理由を求めるために、証拠を評価、特定した上で、決定されるものなのです。 殺虫剤の例に戻ると、先生は、生徒が価値の原則、生態系的相互依存、地球に軽やかに生きる、人間の基本的なニーズを満たすなどの原則の関連性を評価するように奨励し、その上で、殺虫剤のスプレイの退部や量、使い方のレベル、地域の条例などの遵守などをモニターするなどのさまざまな方法の代替案を検討するようにさせます。しかし、生徒がどのような態度をとるか、行動を選ぶかは、彼ら自身による適切な証拠、社会的環境的な文脈と、提案されたプロポーザルの特性と影響、その地域の農業実践に対する影響についての証拠などに基づいてなされるのです。 価値を教えること、特定の態度を教えるのではないことは、環境教育でとりあげる問題に対する現実的で倫理的なアプローチです。なぜならば、それは教化についての多くの問題を解決するからです。それはカリキュラムに存在する価値の問題を、ケアの倫理に照らした価値を推進することによって解決し、しかしながら、生徒が特定の問題にどのように反応するかを指示するのではないのです。
by eric-blog
| 2013-11-18 17:48
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