ブリーフ・セラピー 理性感情行動療法のアプローチ
アルバート・エリス、金子書房、2000
2085冊目
1955年に考案された「理性感情行動療法Rational Emotive Behavior Therapy」のベースが、45年を経て、全貌として翻訳されたのがこの本である。
ブリーフ・セラピーとは、心理療法が長期間かかるところを、10回程度で終わらせることから、「短期療法」と名付けている。
ビリーフというのは信念。
「深く」「集中的」なREBTとは、患者がもっている自己非難、破滅的、過剰一般化という非機能的、反経験主義的、非理性的なビリーフの背景にあるものを探り出し、それらを、別の認知的、感情的、行動的な方法で置き換えていく。
初期のABCの枠組みは、
Activating Event: A 不快なできごと
Consequence: C 結末
ある出来事から、引き出される結果をつなぐのが
Belief: B
である。
REBTの目標は、
Irrational Beliefs: iB’s 非理性的なビリーフ
を選ぶ傾向から
Rational Beliefs: rB’s 理性的なビリーフ
を選ぶようにすること。
ノイローゼをひきおこす三つの基本的な「ねばならない」13
1.絶対、成功しなければならない! 結果は不安、抑うつ、絶望、無価値観。
2.他者はわたしに愛情をこめて接するべきだ! 結果は、怒り、興奮、激怒。
3.私の生きている状況は絶対に居心地よくあらねばならない! 結果は、自己憐憫、とても低いフラストレーション耐性、怒り。
この基本的なABCに
Disputing: D 論破
Effective new philosophy, emotion, behavior: E 効果的な新しい哲学、感情、行動。
REBTを実践する療法士は、かなり厳しく突っ込むんだねえ。