女性のためのグループ・トレーニング 出会いと回復のレッスン

女性のためのグループ・トレーニング 出会いと回復のレッスン
河野貴代美、学陽書房、1995
2035冊目

女性と家族
なぜ、女性は「家族」に苦しむのでしょうか?
その苦しみからの出口は、どこにあるのでしょうか?

フェミニストカウンセリング神戸のホームページより
●フェミニストカウンセリングの生い立ち
1970年代の欧米で、女性同士が語り合うCR(意識覚醒)グループができました。
「私がこう感じるのは、私らしいことで、おかしくないんだ」と思うようになりました。
日本では1982年に河野貴代美さんが始められました。
フェミニストカウンセリングでは、女性の抱える問題を、本人の性格や病理の問題のみにその原因を求めず、社会が女性に求めているあり方や役割が、個人であ る女性の生き方や考え方に深く関わり、女性の生きにくさに影響を与えているのだととらえ、女性の抱える問題は、私たちの社会がつくりだしている問題だと考 えます。

●「女性への暴力」とフェミニストカウンセリング
セクシュアルハラスメント、ドメスティックバイオレンス(DV)、性虐待、性暴力など、「女性への暴力」の被害にあった女性をサポートするには、被害女性の視点と立場に立つフェミニストカウンセリングが特に有効です。
フェミニストカウンセリングは、女性への暴力はなぜ起こるのか、被害を受けた女性はどんな影響を受け、心身ともにどのような状態になるのか、どのような回復の道を辿るのかを、被害女性に寄り添い、共に歩む中から理解し、よりよいサポートに向けて常に研鑽を積んでいます。

http://www.femi-c-kobe.com/about.html


フェミニストカウンセリングとは
女性のための、女性によるカウンセリングです。
伝統的なカウンセリングとは違い、「女性の生き難さは個人の問題ではなく、
社会の問題である」というフェミニズムの視点をもって、それぞれの女性の問題解決をサポートします。
また、個人カウンセリングの他にCR(意識覚醒グループ)、SET(自己尊重トレーニング)、
AT(アサーティブネストレーニング)など、女性のエンパワメントのためのグループワークにも力を入れています。

日本フェミニストカウンセリング学会 より
http://nfc505.com/modules/contents/index.php?content_id=9
1993.10.2~3 初めてのフェミニストカウンセリング全国大会開催

河野さんのこの本は、その基本となるものである。

河野さんの原体験は「シナノン・セッション」。シナノンは、依存症などの人々の自助施設。その中の核となるセッションは、自助グループであり、専門家が役に立たない。

「フェミニズムは、男女がそれぞれ「らしさ」の呪縛から解き放たれて、もっと楽に自由に生きようと提言しています。シナノンは、マイノリティがマジョリティに共生を呼びかけた。治療者vs患者という分断がない。」16

「一人の人間が強者としてばかり生きられないのと同様、一つの地域社会も国家も、強者のメンバ刈りで生存するのは不可能です。強者と弱者を分断するのではなく、どう共生するか、そこにしなやかで強い思考や実践が求められると思います。」16

対立や分断の関係ではない共生の思想、そしてそれを実践に導く、自立する市民のメッセージがシナノンにはあった、と。



この前書きを読んでいると「ベテルの家」を思い起こしてしまう。

このシナノンのことについて、教育の人間化を実現する会の伊東博さんが翻訳にかかわった本から引用されている。『グループ・エンカウンター 入門』

伝統的治療とは何だったのだろうか。

それとフェミニズムの視点が隔絶するのは「リーダーレス」であること。著者は、自分自身が「グループワーク」と呼んでいる活動の特徴を三つ上げている。女性を主な対象とすること。リーダーレスであること。共生をめざすこと。

「グループワークとは、同じような体験をベースにしながら、話し合いを通してグループ内で起きる相互作用を支えに、個人的回復や市民としての成熟、つまり自己変革を目標にし、ひいては社会変革までを視野におさめる小集団のさまざまな活動」19

これを読むと「アサーション」トレーニングに最初触れた時に感じた「限界」を思い出す。アドボカシー、社会的変革のための提言、政治的な視野なしでアサーションを考えるのは限界があるだろうということだ。

いま、フェミニストカウンセリングを自称している団体が「、個人カウンセリングの他にCR(意識覚醒グループ)、SET(自己尊重トレーニング)、
AT(アサーティブネストレーニング)など、女性のエンパワメントのためのグループワークにも力を入れています。」という時、このリーダーレスという考え方、そして社会変革の視野との関係はどうバランスしているのか、とても興味が湧いた。

河野さんは、この本を書いた当時、「全国組織を持つ相互援助的グループ(qs5f@
AA)まで、たくさんのグループが形成され、様々な活動がなされています」と指摘しています。そうだったんだと、驚く限りですが。そうなのでしょう。

1993年、CAPが爆発的に広がったのも、その頃だった。

ちょっとおもしろい。ちょうど20年前。
1948年生まれが45歳? なんか意味があるかなあ。

河野さんは、これらのグループが広がった背景を
1. 家庭における要因機能の不確かさ
2. 人為的な集団を求める
3. 異常と正常の境界のなさ

近代性容易学に対する批判と、専門科以上主義が薄れていく傾向。

女性は相互成長を目的とするようなグループワークの体験が少ない。
男性主導文化において、女性のたしかな自己感覚、知者との建設的な関わり、責任や義務の履行といった社会的感覚は十分に学習されていません。25

もうフェミニズムは旧いと言われるが、そんなに簡単に「女らしい」思考や感性や行為から自由になったのか。

女性の「感じているところのもの」がそれでよいと小人される機会はほとんどありません。

「お前何にする?」
「ギョーザ二人前」
(なぜ、「お前なに食べたい?」ではないのか。)

「お母さん、今日傘いるかな」
「あんた放課後、どっかいくの?」

自分に向きあう=われにかえる



ということで第二部はグループワークの実際です。

◯自己尊重トレーニング
◯自己主張トレーニング
◯CRグループ

自己確立に至るプロセスのイメージ
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by eric-blog | 2013-09-07 17:39 | ■週5プロジェクト13 | Comments(0)
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