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ペスト

ペスト
カミュ、新潮社、1969
原著 1947年
1961冊目

疫病が流行し、閉鎖された町で、人々がどのように生き延びたかを描いた小説。ナチスに対する闘争での体験も下敷きに、「悪」と戦う人々の姿を、医師、神父、新聞記者、判事、など、さまざまな登場人物の人生に寄せて描き出している。

疫病という事態に向き合った時の認知のパターン「正常性バイアス」や、変わりない日常を送ろうとする心理なども描き出されている。

「絶望になれることは、絶望そのものよりもさらに悪いのである。」

1941年から書き始められたというこの著書は、著者のレジスタンスの体験と重なりながら、編まれたものなのだ。人間模様を描き出しながら、底に流れるのは、人間にとって、正義とは何かという問いなのだ。そして、カミュ自身が生き延びたことが、希望なのだ。
by eric-blog | 2013-05-06 16:20 | ■週5プロジェクト13
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