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悪魔に仕える牧師-なぜ科学は神を必要としないのか-

76-3(353) 悪魔に仕える牧師-なぜ科学は神を必要としないのか-
ドーキンス、早川書房、2004年
A Devil's Chaplain< Richard Dawkins,2003

早い翻訳だね。『利己的な遺伝子』『遺伝子の川』なども手がけている垂水雄二さんによるもの。
初の本格的エッセイ集。らしい。編者がいいのだろうね。章立てがおもしろい。32のエッセイが次のような分類で収録されている。

第1章 科学と感受性
第2章 光が投げかけられるであろう
第3章 感染された心
第4章 彼らはわたしに言った、ヘラクレイトスよ
第5章 トスカナの隊列でさえ
第6章 私たちの中に、アフリカとその驚異のすべてがある
第7章 娘たちの祈り

3-1 ジャンクと伝言ゲーム  211-
模倣は特定の言語を学ぶ手段である。
ミームというのは1976年以来使われている遺伝子の相同物。定義する必要なしに、ふつうに使えるもの。それが普及の度合いを示す。「非遺伝的な手段、とくに模倣によって伝えわたされていくと考えられる文化の一要素」OED
世代から世代への垂直移動と水平移動。
215
中国のジャンクの絵を描くことで伝達することを続ける場合と、折り紙で示していく場合とでは何がどう違うだろうか。217
絵を描く実験における継承はラマルク主義。「産物のコピー」各世代の表現型は遺伝子かだでもある。
折り紙実験ではワイスマン主義。「指示のコピー」紙の表現型ではなく、それをつくるための一連の指示である。ワイスマン主義的ミームの指示系列。

3-2 心のウィルス
『解明される意識』ダニエル・デネット

第5章はグールドの本に対する書評を集めたものである。
「グールドは、アメリカの科学文化に巨大な影響力をもっており、すべてを考慮すれば、善いほうが勝っていた。...多くの点で私たちは意見を異にしたが、自然界の驚異に魅了される歓び、そしてそのような驚異こそ、まさしく純粋に自然科学的な説明に値するという熱い確信を含めて、共通するところも多かったのである。」332
by eric-blog | 2005-02-16 12:25 | ■週5プロジェクト04
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