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裏切る政治 なぜ「消費税増税」「TPP参加」は簡単に決められてしまうのか

裏切る政治 なぜ「消費税増税」「TPP参加」は簡単に決められてしまうのか
小林興起、光文社、2012
主権在米経済 「郵政米営化」戦記
小林興起、光文社ペーパーバックス、2006
1873冊1874冊目

鳩山首相が「最低でも県外」と普天間基地移設問題について言った。しかし、その政策を実現していく人材がいなかった。はしごをはずされてしまった。防衛省の高見沢のぶしげ防衛政策局長は、米国に対して「早い時期に柔軟な対応をすべきではない」と述べている。127

官僚の裏切りだ。国民が信託した内閣の意思を裏切り、米国のためにする政策をすすめている官僚の実態。それを描き出しているのがこの本だ。小林氏は、小泉政権の時に、郵政民営化に反対し、「刺客」を選挙区に送り込まれ、落選するにいたった。なぜ、そんな落下傘候補が、勝つのか。それは政党活動助成金を、党首が自由に采配できるがゆえに、新人であっても、2000万円もの活動資金を得て、選挙ができるからだ。つまり、いまの政党政治は、代表、一部権力者が国民の税金で、自分の主張に従わない議員を干すことができる「権力集中体制」になっている。

内閣総理大臣の首根っこさえ押さえれば、国政を左右することができる。米国にとってなんともやりやすい状況を創り出して来たのが、「小選挙区制」「政党活動助成金制度」なのだという。

米国がねらっているのは、金融。郵貯のきりくずしと、共済の保険化。日本独自の金融のあり方を切り崩し、米国基準化しようとしている。

田中優さんは『どうして郵貯がいけないの』で、国が郵貯のお金を自由に活用できるシステムにメスを入れた。そして、未来バンクを提案した。しかし、現実は、未来バンクは限定的な試みに留まり、大勢は、国が米国金融界に変わっただけだということか。

金融改革はいかにあるべきだったのか。その方向性の共有がないまま、システムだけが変わって行く。共済のように、運営にコストがかからない体質から保険のように私企業化していくことが合理化なのか?

『主権在米経済』で、同氏は、さらに郵政民営化をすすめた小泉政権の問題を掘り下げて追求している。

昨日の平川氏講演会でも指摘されていたけれど、いまの民主制を評価する試み、民主制の民主化の手続きが必要だなあ。

金融については、金融によって何をしたいのかが、知りたい。「共済」には理念があったのではないだろうか。もうけるためだけの金融になっていってよいのだろうか。

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by eric-blog | 2012-09-25 07:54 | ■週5プロジェクト12
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