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ERICnews120421 fromERIC atERIC ERICニュース 

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ERIC NEWS 282号 ともによりよい質の教育をめざして  
at ERIC/from ERIC 主催研修/受託研修
これからの未来へ 人権研修に、いまのリアルを取り入れる
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBも)

地球環境基金への申請が不採択。もう5-6回も不採択が続いている。というか、カンボジアへのボランティア派遣以降、取れたことがない。
そして、毎回、ERICが申請しているのは「人材育成」のための枠組みだ。コミュニティ学習であったり、エネルギーであったり、PLTの教材の翻訳と、日本への紹介と兼ね合わせて、申請してきている。

今回の不採択の理由には、笑ってしまった。「対象が絞りきれていない」。

教育は変わらなければならない。

そのためには、教育的人材育成が変わらなければならない。それはとりもなおさず、高等教育や専門教育機関が変わらなければならないということだ。

いったい、日本は、そのために、どのようなプランをたてているというのか?

どの推進母体が、対象を絞り、明確にし、それぞれに対して、どのような改善計画をたてているというのか。NPOとの連携を呼びかけているというのか。ESDの推進母体であるユネスコ協会か? ESD-Jか? あるいは文科省か? 文科省関連の独立行政法人か。

統制のとれた改革など、望むべくもない、アメーバのような教育改革運動がうごめく中で、「リスク・コミュニケーション」についての人材育成に取り組みたいと、大学の先生方との連携を始めようと、今回は申請した。結果は「対象が絞りきれていない」だ。教育改革のいまが、わかっていないのだ。彼らには。

いまだに、日本社会においては、教育が変わらなければならないということにすら、同意も合意形成もできていないと、思う。

ESD 持続可能な社会のために、わたしたちは変わらなければならない。そのために教育が変わらなければならない。そのはずなのに、2002年のヨハネスサミットで、日本政府が「ESD」を提案したとき、追加的な教育分野だと理解していたとしか思えない。追加的なESDの試みの百花繚乱。そんな事態だけが、続いている。そんな活動にどんどん助成金をつぎ込んでいる。

ERICが対象を絞りきれないとしても、無理は、ない。協力すべき、変革のための大きな青写真がどこにもないのだから。

ESDという分野だけではない。人権教育においても、国連10年の次の2010年から2014年の第二フェーズが提案されている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/kyoiku/pdfs/k_keikaku_02ap.pdf
そこでの第一項目が「高等教育」である。

「高等教育機関は、その主な機能を通じて、平和の構築、人権・民主主義の価値の擁護に取り組む倫理的市民の教育だけでなく、貧困撲滅、差別、紛争後の復興、持続可能な開発および多文化理解などの、現在の人権課題に対するグローバルな知識の形成にも社会的責任がある。」

「教育に「カリキュラムの内容だけでなく、教育のプロセス、教育方法および教育が行なわれる環境」が影響するため、」・・・全ての要素が人権の学習につながることを確保する。」

「平等、無差別、尊重、尊厳、公平性、透明性という人権教育の原則を尊重する指導者」

などなど。読んでいると、うらやましい限りである。ひるがえって、日本の高等教育における採用の基準を見てみると、専門分野の研究業績一辺倒でしかない。

いつになれば変わるのか。

大阪ですすめられている教育改革によって、学校は変わるのか。
理念なき、改革、コストカットのための改革は、どこへ行くのだろうか。
公共的な資金の配分の正義としての「Restortive回復機能」すなわち、歴史的社会的差別による格差を是正するための保障としての支出であった「部落問題」「女性問題」への支出がどんどんカットされている。
http://ericweblog.exblog.jp/14998769/

いまだ、高等教育への進学率に格差が存在する被差別部落、いまだ、生涯賃金格差が世界一大きい女性たちは、「回復機能」のはしごも外され、競争原理のただなかへ、投げ出される。その競争原理によっている社会を見直そうという時に。

わたしたちは、変わらなければならない。

さまざまな力を持つ人々が、参加できる社会に。
誰しもが、愛とつながりに、支えられる社会に。
異なる力を発揮して、支えあう社会に。
共に生きることを、学びあう社会に。

そのような変革がなぜ必要なのかを、わたしたちは、地球についての理解、生き物についての理解、人間についての理解が広がり、深まる中で、諒解してきたのだ。1970年代からの知識爆発の中で、確認してきたのだ。それが、あまたの国際会議、国際条約、国際合意が積み上げてきたものだ。

近代の人間化。近代は、わたしたちにたくさんのものをもたらしてくれた。しかし、よりよいものに、なりえるはずだ。それが、近代の人間化という課題だ。

それは、ものではなく、人間の進化によってのみ、可能な変化だ。

わたしたちは変わらなければならない。

価値観を育てること。
そして、その価値観に支えられた行動をとれること。

オランダの教育が、学校で「公共心」「市民的行動」を育てるように、
フィンランドの教育が、高等教育のあり方を、ESDへとシフトしているように。

日本の教育改革は、理念をもって、すすめられなければならないのだ。

改革に痛みはつきものだ。そうだ。しかし、それは、弱者の痛みではなく、強者が痛む改革でなければ、道は開けない。

゜゜・☆彡*:.。.:*・゜+.今年は、ここから始めよう! +.☆彡・゜・。・*:.。.:*・゜

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□■□■□■□■  TEST in 大阪 2012 ■□■□■□■□
  解放教育・教育運動が果たした役割をふりかえり、  
         ESDの未来を開く        
   (TEST = Trainers Effective Skills Training)
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   ☆2012年4月28日(土)・4月29日(日)開催☆   
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ERIC国際理解教育センターで、年度末に開催される「TEST教育力向上講座」に、「行きたい! でも東京は遠い! なら講師を大阪に呼ぼう!」ということで始まったTEST in 大阪。2004年からはじまり、今年で9回目の開催となります。
「持続可能な社会のための価値観と行動を育てる」というテーマでご案内をすでにご案内をお送りしていましたが、日程が近づき、さらに具体的&いまこの時期に大阪で開催されるプログラムとしての概要が届きました!

・゜*:.。.:*〈ファシリテーター・角田尚子さんからのメッセージ〉*:.。.:*・゜

今朝、月刊解放教育、最終号二巻を読みながら、解放教育が1970年代から果たして来た役割はなんだったのだろうかと、考えていました。http://ericweblog.exblog.jp/15041674/
せっかく大阪で開催される「教育力向上講座」。ぜひ、そのふりかえりを行うものにしたいと思いました。PRA的手法を取り入れて、キーパーソン・インタビューを行い、そして30日には、その成果をいろいろな人に見てもらう。あるいは、別の日程を考えて、あるいはどこかのロビーを借りて、成果を共有することができればと思いました。
2日間では短いのですが、ぜひ、取り組みたいと思います。実力派ぞろいですからね。Yes, we can!

・゜*:.。.:*★3/19-20にERICで開催されたTESTの記録はこちら↓・゜*:.。.:*

http://ericweblog.exblog.jp/14912208/

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日 時 4月28日(土)~4月29日(日)
    4/28は9:30受付開始、4/29は17:00終了の予定。
プログラム S1 共通基盤づくり ○一年をふりかえる
        ○価値観は育ったかな○市民性は育ったかな
      S2 PRAのすすめ方とツール ○What's PRA?
        ○12のものの見方・考え方のツール
      S3 調査の準備 ○ツールとシークエンス ○キー
        パーソンの洗い出し○グループ・インタビュー、
        訪問インタビューの可能性○通行人インタビュー
      S4 調査の実施
      S5 調査のまとめ
      S6 未来のビジョンと行動計画
      (S=セッション、各2時間の予定)
場 所 市民交流センターなにわ
    http://kouryuu-naniwa.com/index.html
    JR環状線「芦原橋」駅南口改札南側より徒歩2分
講 師 角田尚子さん(ERIC国際理解教育センター)
定 員 20名程度
参加費 2万円以内(予定)
※このワークショップは、“主催者-参加者”という関係ではなく、“その場にいる人みんなでつくる”あり方をめざしています。ですので、当日の運営は全員で分担して行います。費用に関しても実際にかかった経費をその場で精算します。
 「予定」となっているのはそのためです。
※1日目(4/28)夜には、懇親会を予定しています。

★オプション・プログラム ふりかえりもご一緒に!
これまで、2日目の終了後に行っていた2日間のふりかえり。疲れていたり時間がなかったり場所がなかったりで、なかなかじっくりというわけにはいきませんでした。また、予定としてご案内していなかったので、参加したくてもできない方も。そこで、今回は30日(月・休)の午前中にあらかじめ設定。
「評価」や「省察」をテーマとした2日間そのものを「ふりかえる」貴重な時間となります。ご都合のつく方は、ぜひご予定ください(参加費は会場費の実費程度になるかと思います)。

★申し込み連絡先 栗本敦子(test.in.osaka@gmail.com)★

↓↓↓ 参加申込はココから下をコピー・記入して送信 ↓↓↓

TEST in 大阪 2012 参加申し込み
なまえ:
連絡先メールアドレス:
所属・ふだんしていること:
当日の役割分担立候補:(会計、記録、お茶、懇親会、etc…)

参加にあたって期待することなどあれば…:

゜゜・☆彡*:.。.:*・゜+.at ERIC 2012年の主催研修+.☆彡・゜・。・*:.。.:*・゜

1.テーマ「環境」/PLTファシリテーター養成講座「リスクに焦点」 2012年6月23-24日
近日、PLT Focus on Riskの翻訳をウェブで共有予定です。リスク・コミュニケーションの力を現場で伸ばしましょう。

2.テーマ「国際理解」 2012年7月21-22日
ERICの共通基盤、ワールドスタディーズの「気づきのためのアクティビティ」の開発力を伸ばします。

3. テーマ「人権」 2012年9月29-30日
ERICの人権三部作、人権教育指導者育成のためのカリキュラムを、クリティカルに検討することで、開発力につなげます。

4. スキル「対立」 2012年10月27-28日
前向きなコミュニケーションの力があれば、「対立は怖くない」。セルフ・エスティームを育てることが、対立の扱い方の基本です。

5. スキル「市民性」 2013年1月26-27日
社会は変わる、それとも変える? もういい加減、追いつき、追い越せの後追い改革は頭打ち。わたしたちが生きたい社会のビジョンを描く。そして行動する。発信する。学校教育は、そして、教育は、市民を育てるためにある。

6. スキル「TEST13 Teachers' Effective Skill Training 教育力向上講座 
  2013年3月
価値観は、育ったかな。市民性の行動は身に付いたかな。成果はどれぐらいあがったかな。一つひとつふりかえり、検証し、改善する省察的実践家をめざして。社会の教育力をあげましょう。
by eric-blog | 2012-04-18 14:13 | ERICニュース
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