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カレッジ講座「人権」

人権教育研修04

1997年に人権教育の指導者育成を手がけだしてから7年。これまでERICの主催研修は人権教育を担当する人にどのようにアクティビティを指導するか、どのように流れのあるプログラムを構成するか、カリキュラムの柱に求められるものは何かなどを行ってきました。今年感動だったのは、講座に参加した人たちが「人権教育の指導者育成の課題」をひとつの共通課題として認識されていたということ。もちろん、明日から生徒たちに、と思っている人も参加されていましたが、それでもそのような指導ができる自分育てと人材育成の課題を重ね合わせて考えてもらうことができたように思います。

あさってからの研修は徳島で「男女共同参画」のためのリーダー育成。わたしのねがいとしては
・一人ひとりのエンパワーメント
・参加型を活かした出会いの場
・コミュニティのビジョンとインプルーブメント

そこに向けて、もっともホットなものとして今回の人権講座から応用できることは何か。そんな視点で、講座をふりかえってみましょう。

セッション1
「声」を主題に、自分の名前を音感たっぷりに紹介するアイスブレーキング。「あやしい」と遅刻してきた参加者には言われながらも、参加者全員が「声」がでるようになったなと、わたしは実感。特に、子どもの頃に呼ばれた名前を名札に書いた人がそれを紹介し、そしてわたしたちがその名を呼んだ時の表情の変化、若返りは忘れられない。
参加者アンケートで「アクティビティ」「プログラム」「カリキュラム」「ファシリテーター」などのカタカナ言葉についてのイメージ、理解、実態を共有。用語の統一と参加型の共通基盤の整備を1つのアクティビティで。
次に「人権教育つの側面」についての理解を進めるために巨大チャートの読解と読解したことを全体で共有。ハウとコンテンツの両方が満たされたセッションでした。

セッション2 流れのあるプログラムの体験
木野さんが進行役で、「ジャパニーズ・オンリー」を題材に、新規開発したものを提示。途中の流れを「しがらみの糸」に変えたりということはあったが、みんなで、このプログラムについて検討しつつ、参加型プログラムによって深まる理解とは何かを実感。木野さんのファシリテーターとしてオープンな、すなわち「半構造化」された姿勢がすばらしかった。

セッション3 検討と新たな課題の共有
プログラムを「ねらい」「参加型手法のハウ」「内容」の角度からふりかえり。伝えたいことをどのように内容を整理し、また参加型のハウを工夫したかを知るためにはとてもいい方法だ。
新たな課題を考えるために、この5年間をふりかえって、自分自身にとって「新たな人権課題」だと思ったものを洗い出してもらった。それを「事実」「感情」「価値観」「判断」のORIDで分析。自分の中に何を育てれば、「人権に敏感」な自分をそだてることができるかを検討した。このあたり、「男女共同参画」「ジェンダー意識の形成」ということでは使いたいなー。ただ、どのように一般化して語れるかの問題だね。

セッション4
では、プログラムづくりを行う予定であったが、その前に前日韓国料理やで参加者と夕食していた時に、「社会的有利性の概念がわからない」という会話があったので「教室の中の世界探検」から入ることにした。いずれ人権について考える時には必要な共通基盤であるので。
その上で、アクティビティ開発、プログラムづくり、対象別のグループ分け。

セッション5は発表と課題への肉薄。「教育指導者育成の課題」「3つの教育の比較」「半構造化されたからだ」教育はいかに非公式的、公式的、技術的に伝えられるかの分析は弱かった。これもジェンダー意識の形成については大事な視点であるはずだ。

セッション6はふりかえりと共有でした。「わたしがいちばん○○だったことは...」をサークルタイムで輪唱のように共有したいと思いつつ、ちょっと中途半端。でも「お勧めの本」を共有できたのは収穫でした。
なるほどね。ジェンダーは教育と不可分なんだよね。わかりました。徳島が楽しみです。
by eric-blog | 2004-12-16 18:45 | □研修プログラム
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