ハラスメント or Not?
以下のような表現について、「ハラスメントだと思う、思わない」、なぜそう思うかを考え、話し合ってみましょう。 ハラスメントというのは、基本的には「力の強い立場の人が、その力を及ぼすことのできる範囲の場所で、行なう」「いやがらせ」のことです。 セクシャルハラスメントというのは、その中でも特に性的な嫌がらせのことです。 思う? 思わない?なぜ? なんで結婚しないの? 子どもはまだ? ちゃんとやってんの? やり方、おしえたろか? 酒のつきあいもできないのか? かわいいね 身体に触れる ○○ちゃん、呼び捨て、下の名前で呼ぶ 年齢や未婚既婚など、個人的なことを聞く 水着姿の女性のポスターや待ち受け画面のヌードなど 化粧が濃いね 「女の子」と女性社員のことを言う スカート、短いよ いつ結婚するの? 女性なんだから、お茶入れてよ まだ昇進しないの? 実は男好き? チビ・デブ・臭い 女ったらしやろ? 女好きやろ? もてるやろ? あ、薄なった? 増えたんちゃう? 毎回、セクハラの問題はプログラム立案で出される。たいていは「意識化する」「なぜ、何がいけないかを考える」「べからず集をまとめる」などで終わってしまう。どうすれば、「働きやすい職場づくり」という展開につなげることができるか、課題である。 今回も2グループが取り組んだ。結果出された「ハラスメントにあたる表現」が上記のようなものであった。 特徴的な発言は、すでに「ハラスメント」の考えが浸透しているために、起こっている問題があることだった。つまり、横で聞いている人が、「ハラハラする」横ハラも、ハラスメントになってしまっているということだ。これは、学級経営でも課題になることで、直接叱っている子どもではなく、叱られているのを聞いている横にいる子ども、子どもたちがストレスを抱えるという課題と共通している。 確かにこれでは「ハラスメント」にあたる表現は、拡大する一方だ。 だからこそ、「人間関係」でハラスメントを捉えていては、限界にぶちあたるのだ。コミュニケーションは常にコミュニティの中で成立していることを忘れないこと。だからこそ、どのようなコミュニティでありたいのか、あるべきなのかが課題だ。 二つ目は、多少ジェンダラスな会話、ハラハラ会話でも、この人間関係であれば許される、例えば、男性同士の間でだけなら大丈夫だろうというような会話について、排他的に感じることがあるということである。居心地のよい会話は「仲良し」を感じさせ、それが「お前は入れないよ」というメッセージになっている。 もう一点、今回の話しあいで気づいたことは、「職場」に何を求めるのかの価値観が違っているということである。職場の人間関係が重要で、主要なものである場合、そこでは「素」の自分で心地よく居たいと思う。それは、「ではどんな会話をしたらいいのですか? 何の話もできなくなる。会話が成り立たない」という発言にそれが現れている。一方で、ほとんどの「女性制」は、役割としてそこにいる感覚を強く保持したままで、職場にいるのだと感じた。 これについて、何らかの調査などがないかどうか、知りたいなあ。 いずれにしても、「職場」という公共空間にふさわしい行動や話題があるだろうと思うし、職場ごとに方針やあり方を共考しておくことも必要なのだろうなあと思った。わたしたちはますます多様なコミュニティに生きているのであるし、また、「横ハラ」の感覚は職場内のみならず、来客、通行人すら判断を持つ時代なのだから。 そして、男性優位な文化の男性中心社会で、これまで「居心地の良かった」会話を、勇気をもって解体してみること。その上で、話題やコミュニケーションによる関係性を再構築する努力も、求められているのではないだろうか。 男性優位文化とは、女性にコミュニケーション場面で「サービス」と感情労働を求めていることも忘れてはならない。 あなたは職場に何を求めていますか?
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| 2011-11-12 13:00
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