歌舞伎町アンダーワールド

66-4(301) 歌舞伎町アンダーワールド
安晃龍一あこう、角川書店、2001年

新宿歌舞伎町は、戦後歌舞伎劇場を建設する構想があった場所であるからつけられた名前だと初めて知った。闇のビジネスの特徴は、短期間で回転するということ、取り締まりとのいたちごっこであるということ、ともすれば規制を厳しくすればそれがまた新たなビジネス・チャンスになるということ、そして経済格差が彼らの暗躍の元になること。

闇の世界の大きさは、発展の代償や影なのではなく、発展の格差の大きさなのだと思う。そこにビジネス・チャンスがあるからである。本書に示されている彼らの資金源を見てみよう。
・売春、風俗、パブ、ヘルス
・出会い、ホスト、ゲイバー、奴隷
・プリペイドカード、裏ロム、偽造コイン
・カジノ
・麻薬
・殺傷請負
・ミカジメ、ショバ代
・密入国補助、偽装結婚
・窃盗品販売
・拳銃密売

闇の世界は物理的・知能的実力の世界、動物的かんの世界、ビジネスセンスの世界であるから、つまらん男は、みじめにのたうつだけなんだろう。そんなことは別に構わない。そこにおける大多数のオスは兵隊アリにすぎない。でも、気になるのは女かな。どう考えればいいのか、心の均衡の支点が見えない。怒ればいいのか、嘆けばいいのか、どんな力を彼女らにつければいいのか。彼女らがどう生きていけばいいのか。というのも、オスがこの世界に迷い込んで、自分の力はどこかで、あるものなら発揮されるだろうし、ないものならあきらめもつく。しかし、迷い込んだ女の運命は、つまらないなー。性という一点の持つ重さが、つまらないなー。そして、迷い込む道は、一瞬の「魔」であることもありだと、わかる気がする。そしてその魔がこわくて、防衛的になる生き方のつまらなさも、思う。

格差の大きさに支えられて香港の闇の世界が広がっているのも、そうだろう。そこでもまれた人々が日本のやわなヤクザと抗争したら、九龍が勝つんじゃない?と思う著者の気持ちもわかる。

香港マフィアの大手の一つ「新義安」ナンバー2の夢は「私は、自分に与えられた運命に従うだけだ」という言葉は、まさしく時代の流れの中でおのれの才覚でオポチュニスティックにしのいでいく気概の表れだろう。

光と影。光が強ければ闇が深くなる、そうよく言う。それは違う。この本を読んでわかったことは、格差こそがやみの世界の力の根源だということ。学歴、職業、収入、階級、階層、男女、それらの属性による違い、格差が広がれば広がるほど、闇の世界は息づくのだ。のし上がるために。
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by eric-blog | 2004-12-01 10:42 | ■週5プロジェクト04 | Comments(0)
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