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問題解決の交渉学

66-2(299)問題解決の交渉学
野沢聡子、PHP新書、2004年

以前紹介していながら、なかなか購入しないままに時間がたってしまいました。平積み、とまでは行きませんでしたが、棚に平置きしており、売れているようでした。
ついでに、インターネットで「野沢聡子」さんを検索したら、「ひとりでできるよ」というNHKの子供向けお料理番組の主役と同姓同名のようで、混乱したイメージが形成されることがわかりました。

さて、もう内容は紹介すべきものもないのですが、野沢さんがご自分の留学体験から言っているのが18-19
・日本ではコミュニケーション能力、スキルについて学校や家庭で学ぶことがない。
・アメリカでは研究も進んでいるし、大学院でそのトレーニングコースが存在する。
・最初の修士課程は1982年。

さて、わたしたちは、修士課程なみの二年間「ファシリテーター養成」を目差しているのですが、コースコンテンツなど、アメリカの大学院のものなども役に立つのだろうと思います。今度、機会があれば再び野沢さんを招いて勉強したいなと思います。

しかし、この本を読んで残念だったのは現在の米国で実践されている交渉術が東洋的な問題解決を取り入れた産物であるということなのに、それについての掘り下げがないことです。あくまでも、米国で作り上げられた結果を噛み砕いて日本の文脈に合わせて紹介しているだけで、「なぜ、日本には東洋的な問題解決の方法が、どのようにして根付き、継承されており、だからこそ、この米国版解釈によって、わたしたちの問題解決能力形成のどこをどのように変革すべきであるのか」という視点がないということです。国際教育学という修士コースに留学された方だけに、とても残念だなと思います。

ところで、昨日はYFUというわたしが高校交換留学体験をした団体の帰国生総会がありました。と言っても1期から20期までが中心の会らしく、現在47期派遣中のより若いリターニーはまた別の会を立ち上げているようです。2007年が50周年にあたるとかで、ぜひ、大同団結帰国生もこれから派遣予定の人もともに集い、交流できる会を実現したいものですね。

帰国直後は、私立大学進学者、私立中高一貫校、ないしお嬢様学校の方が多く、遊び方も派手で、価値観にずれを感じてリターニーの会には足が向かなかったのですが、あれから30年もたってみると、逆に価値観としての共通項に眼がいくようになりました。みなさん子どもたちを育て上げ、YFUの留学生を受け入れ、また自分の子どもも送り出し、など、さまざまな異文化交流体験を積み上げ、定年も視野に入る世代となり、早い方はすでに52歳で定年を迎え、社会貢献として留学生のお世話に熱を入れだしているなど。

特に、すごかったのは92歳の篠原会長夫人が、お元気で参加されていたことです。いやいやあやかりたい。あ、写真を送りますね。やっぱり人生100年時代ですね。
by eric-blog | 2004-11-29 06:42 | ■週5プロジェクト04
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