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科学は誰のためのものか      原発事故後の科学と社会

科学は誰のためのものか 原発事故後の科学と社会
科学2011年9月号 Vol.81 No.9、岩波書店

東大の藤垣先生にインタビューをした時、科学9月号のことを教えられた。とてもおもしろい特集号である。

備忘録として、いくつか抜粋しておきたい。

「科学通信」より
福島市内に、市民放射能測定所が立ち上がった。情報的自立をはかるためだ。
http://www.crms-jpn.com/

エネルギーの神話時代を超えて 卒原子力時代を迎える条件 北澤宏一
・ 日本は再生可能エネルギーの導入に遅れている。
・ 米中は、再生可能エネルギーに対する投資、世界1、2位である。
・ 系統安定性は、再生可能エネルギーの側ではなく、火力やダム式水力で調整できる。
・ 原子力分を代替すると、平均電力料金が2000円ほどあがる。「この程度なら」と思うかどうか、価値観が変わってきている。
・ 風力やソーラーが国土の3%ぐらいに立ち並ぶ姿を選ぶのか、それも大型原子力発電所をいまの5倍、250基ほどにしていくのかの選択。
・ 風力はたくさん立てれば、どこかで風が吹いているので、安定した電力減になる。
・ 送電も直流超高圧送電技術や超伝導を使うことができるようになってきている。
・ 世界の現実は雇用・投資を生む再生可能エネルギーへ動いている。
・ 再生可能エネルギーの導入は「国民負担」なのではなく「国民投資」。
・ 日本の娯楽費は100兆円。電力費は15兆円。原子力はそのうち4.5兆円。
・ 再生可能エネルギーを復興のモデルに。
・ 日本が率先して次の時代に向けて走り出さないと、世界中が原発で一杯になってしまう。

特集「科学は誰のためのものか」より

福島原発事故と科学者の社会的責任 吉岡斉
・ 間接的な加害者
➢政府の原子力安全委員会、原子力安全・保安院 危険な原子炉施設について安全性を保証した。
➢「国策民営」方式で原子力拡大してきた原子力委員会、経産省。とくに資源・エネルギー庁
➢Mark I 型格納容器を備えた沸騰水型軽水炉と上部に置かれた核燃料プール。を製造・販売してきた原子力メーカー。GE、東芝、日立。
➢原発立地に関与した人々。政治家、地方行政関係者。
➢科学者。
・ 組織・集団の責任については、その個々の構成員が連帯責任を負う。
・ 2011年3月31日の「緊急建言」
・ ihst.jp/wp-content/uploads/.../a878c2278ed8b8fef1afbc7f30830aea.pdf

原発事故後の”日本的対応”を読む
・ 「中立」な立場から知識が出てくるわけではない。

御用学者がつくられる理由  尾内隆之、本堂毅
・ 科学と社会的判断
・ 科学者集団の政治性
・ 科学の適用限界を超えて、発言してしまう。
・ 科学者に価値判断までも委譲してしまっている社会
by eric-blog | 2011-09-16 21:25 | ■週5プロジェクト11
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