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右派の/正しい教育 市場、水準、神、そして不平等

右派の/正しい教育 市場、水準、神、そして不平等
マイケル・アップル、世織書房、2008
Educating the “Right” Way, Market, Standards, God, and Inequality
2006

日本語版への序文に言う。
「社会において不平等な権力が再生産され、競われる方法について分析する者は、いかなる者であれ教育の問題を取り扱うべきである。教育制度はそれを通じて権力が維持され、挑戦される主要なメカニズムの一つである。・・・教育はたいてい公共空間の一部であり、国家によって規制されているので、それはまた闘争の場でもある。」

No Child Left Behind法、「誰も見捨てない」2002年に成立した初等中等教育法である。

達成主義、目標の明確化、試験、手だて。科学的に証明されたしっかりとした教授法、親の選択などが眼目であった。

アップルは「監査文化」が、実際には人々を見捨ててきていると。

主要教科におけるテスト主義は、できない生徒が結局は学校そのものからドロップアウトすることにつながっている。

また、伝統的家族を賞讃することが、ジェンダーと人種の秩序の復活に依存した。179

キリスト教原理主義的な動き。
権威主義的大衆主義的宗教運動。

(私たちは選ばれたもの達であり、真理は私たちとともにある)という反多元主義と、合衆国の平等主義の奇妙な組み合わせ。

この分厚い本の内容を的確に伝えることは、できないが、日本国内でも起こっていることと、共通していると感じる。どこか、原理主義に対する怖さと、どこか、権威主義的大衆主義に対する怖さが、共通している。

社会を信頼しつつ、恐れつつ。だからこそ、いまのわたしの思いを表明しつつ。

この本の訳者は大田直子さん。教育的アクティビズムの次のインタビューをお願いしようと思う。
by eric-blog | 2011-08-30 10:26 | ■週5プロジェクト11
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