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ファシリテーターのふりかえり

主催者からは、次の問題意識が共有されていた。

○参加者に、差別語・差別的表現について「正解」「即効薬」を求める傾向がある。
○差別そのものについても「べからず」の感覚が強い。

どうすれば、人権尊重、差別のない社会を作る課題へと視線が向かうようにできるだろうか?

今回、大きな流れは、ほぼ予定通りに、「共通基盤」「現状分析」「未来のシナリオ」「行動計画」という流れを踏んだ。
共通基盤づくりの中で「名前だけの自己紹介」のアクティビティを経験学習の四段階ですすめた。1分間でなるべくたくさんの人と自己紹介をする。ふりかえり。互いに紹介しあった名前を確認して席に戻る。ペア作業でふりかえる。そのふりかえりの視点を全体で共有する。経験学習の四段階の「学びを紡ぎ出す」段階でファシリテーターがどのような「点検の視点」を提示できるかが、アクティビティを単なるコミュニケーション・ワークに留めるか「人権」に関わる重要な概念に気づき、共有し、気づいたことを「応用」する「気づきのためのアクティビティ」となるかの分かれ目になる。
次に参加型学習の共通基盤として「傾聴」。そして、「話し合いの心がけ」

セッション2は「現状分析」。わたしたちのコミュニケーションを、他文化と対比して見つめる。ペア作業で。全体共有。
点検の視点として、ネウスプトニーの「日本のコミュニケーション」を提示。
「長所を生かして対立を解決する」のアクティビティを入れることで、問題解決の効果と、発揮した力の効力感の二次元軸で分析してもらう。
ここで「指摘の仕方・受け止め方」を入れるかどうか、省察。二つの理由で却下。まだ目指すべきコミュニケーションのあり方を共有していない。対立の解決を中心にコミュニケーションをふりかえったので「指摘の仕方・受け止め方」は当然ずれた課題となる。参加者からは「どう指摘するかが課題」という声もあったが不採用。積み残し課題に書いておく。

セッション3のやり方を最終的に意思決定するために、セッション2の最後に「ふりかえりのeQi」を行って、ニーズを把握。差別語・差別的表現がいつ出てくるか楽しみだと言う人がちらほら。
セッション3で、PRAのトレーニングで行う「いいコミュニケーション/悪いコミュニケーション」の寸劇づくりを行うか、予定通り「未来のシナリオづくり」を行うか省察。

「いいコミュニケーション/悪いコミュニケーション」を行えば以下のことが確認できる。

○いいコミュニケーションをデザインすることは時間がかかる
○わたしたちは誰しも、悪いコミュニケーションのパターンを知っている。教えられた訳でもないのに。

しかし、PRA主体的参加地域評価法のファシリテーター訓練としては適切なのは「調査法」としてのインタビューだった。職場や家庭のコミュニケーションをデザインするには、やはり「何を目指すのか」の意識化が未だしである。ビジョンの共有があるべき。

そこで、未来のシナリオづくりだが、3つのことを前提に寸劇づくりをしてもらう。

○未来に実現したいことを共有する。
○30年後、どうなっていたいかを寸劇で表す。
○それが実現していく背景のプロセスも含めて表現する。

実現したいことを共有するためにグループを作る時に「仲間探し」の方法を採用。時間は45分。グループ作業の場所はどこでも可。ご自由に。
16時25分から発表・共有。

最後の発表として、わたし自身が「アクティビティ伝達ゲーム」をやったので、17時00分ギリギリで終了。ノートテイキングの時間のみ確保。
1日目、終了。

新しいアクティビティを二つ作りました。「人権感覚磨きアクティビティ伝達ゲーム」と「差別語ガイドラインづくり」です!

差別語ガイドラインづくりはやってみると、最初からこれやっときゃ良かったんちゃう?と思うような出来でした。

「人権感覚磨きアクティビティ伝達ゲーム」は未来のシナリオの一つとして、2041年の、ある「人権感覚磨きデー」に「スターター役」に当たっているわたしが、過去のコミュニケーションを体験し、自分たちを改めてチェックするアクティビティを、二人の人に対して行い、その二人それぞれがまた二人に対して行ってもらうようにお願いするものです。おもしろかった!あっという間に全員が終わってしまいました。

ふりかえりができなかったのが残念。

ericかくた なおこ
by eric-blog | 2011-08-27 11:08 | □研修プログラム
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