12のアイデアactivist編 ESD持続可能な社会のための教育は、「〜のための教育」という未来志向の教育です。このままでは続かない。わたしたちは変わらなければならない。 だとすれば、わたしたちはどんな社会に生きたいのか、ビジョンを持つ必要があります。そして、ビジョンにはビジョンを実現するための行動が必要なのです。 教育は過去を教えるものではなく、未来を探るためのものになる。 教育者は、「教える」ことと、「共に考える」ことの両方ができる必要が生まれるのです。 先達として知っていることを教えつつ、しかし、不確定な未来について、「教える」ことができるわけではないのだという限界を正直に認める。 子どもたちと取り組むことができる「世の中を変えながら生きるためのアクティビズム」には何があるのだろうか。 すでに、被災地や学校でこんな取り組みが始まっている。 ○子どもたちが、自分たちでチームを組織して、被災地で食料の配達などを手伝う。 ○顔の見える関係で、支援する。 ○防災教育の現場を訪ねて、学習する。 希望のための行動をとること。それが健康さのポイントです。 1. 子ども自身と「持続可能な未来」のための学習カリキュラムを創る 確かに大変な状況だけれども、「子どもを受け身にしない」ことが大切。自分たちでカリキュラムを考えたり、時間の使い方、そして時間割などを決めることは、「子どもの学習への参画」でもっとも大切なポイントだ。 教科の時間以外に、「今回の震災から学ぶ」時間を設けて、その時間で何を学んでいきたいか、話し合おう。一週間に数時間をとれないだろうか。 2. 被災地以外で、考えるべきこと 被災していない地域でできることは何だろうか。日常を生きる、でも、違う道を選択するために、少しずつ変える。変わらないのであれば、別の場所で、同じことが起こる。 ○「環境交流箱」を、姉妹校、交流校を想定して、創ってみる。自分たちの生活は、この震災によって、どのような影響を受けたのか、あるいは受けなかったのか。どのように変わったのか、変わらなかったのか。いまを伝えるために、記録してみよう。 ○「がんばろう、日本」本当にすべきこと。 西日本の多くの地域は、今回、直接被災していない。地震もほとんどない。 しかし、中部電力、関西電力、中国電力、九州電力、四国電力、すべて、原子力発電所を持っている。 いま、原子力発電所の20km圏内の人々は「警戒区域」として、自宅や田畑や仕事の場を離れさせられて暮らしている。福島県内の学校や公共施設に対しては、「校舎や校庭の使用について」年間20mSvを超えないことを目安に学校生活、学習活動を指導するように言われている。 そのいらだちや不安は、確かに政府や東京電力に向けられたものかもしれない。しかし、「日本」が決めてきたこと、選んできたことが、53基の原子力発電所という現実。それに対する責任は、「がんばろう、日本」を口にする人すべてにあるはず。 福島の人は言う。自分たちは東北電力の圏内で生きていて、福島第一の電力は使っていないのだ、と。なぜ、福島が、危険な目に遭わなければならないのかと。 避難区域の人たちの声、思いを受け止めて、しっかりと考える。それでも原発を選ぶのであれば、彼らの人権が守られるように、手だてを確立していく。そのために、できることを考える。 あなたは、いま、住んでいるところを捨て、学校やつながりを捨てて、避難しろと言われたら、最低限の保障として、何を求めますか? まるで「宇宙船地球号」のようなアクティビティですが、いろいろな人権カードを使って、ランキングをしてみるのもいいかもしれません。そして、いま、避難民の人たちが侵害されている権利はどれなのか、考えてください。 3. 未来の世代に対する責任を考える 今年だけで、世界の630カ所の原発で、68971000キロのウランが求められ、それは86213750個分の広島型原爆に等しい。 (WNA World Nuclear Association 世界核協会? http://www.world-nuclear.org/) 1トンの核燃料からは1トンの核廃棄物ができる。(核分裂から出るエネルギーは、一般的な酸化という燃焼とは違います。核廃棄物の量が少なくなったとしたら、放射性物質が原子炉外に漏れたということ。) WNAのデータには、すでに全世界が保有している核燃料廃棄物の総量は、わかりやすくは提示されていません。しかし、原子炉を動かせば動かすほど、核燃料廃棄物=放射性廃棄物はたまっていきます。そして、ひとたび事故が起こって、それが環境中に放出されるようになったなら・・・今回と同じ問題が起きるのです。 ▶日本国内の放射性廃棄物について www.jaea.go.jp/04/ztokai/torikumi/kankyou/haiki/images/19_1.pdf 4. 共に生きる社会をデザインする時の共通原則を確認する 持続可能な社会は、共通の価値観によって築かれます。一人ひとりの歩み、社会の方向性を、これら原則に即して、チェックしてみる。そして、方向転換をしていく。それがPlan, Do, Check, Actionのシステム思考なのです。 未来のための共生の社会の共通原則を、いくつか、紹介しておきます。 あなたは、どの価値観に合意ですか? そのような価値観で築かれる社会は好きですか? そのような社会のために、どのような行動をとりたいと思いますか? 共生の森の技術理念 大原則1 すべての人に等しく幸せを与えるものであること 大原則2 その受け入れ容量以上に環境に負荷を与えるものでないこと。 中間技術の夢 □環境倫理に即した技術であること、(環境的公正さ) □科学技術社会論的観点=専門家と市民をつなぐ □学び続ける組織、社会という観点 便利さの気掛かり 一 現代の便利さはどの人にもあてはまるか 二 便利さのおかげで手に入れた時間を何に使っているか 三 この便利さを生命の安全を犠牲にして手に入れているのではないか スウェーデンのナチュラル・ステップの4つの視点 1) 自然の中で地殻から堀り出した物質の濃度が増え続けない。 2) 自然の中で人間社会の作り出した物質の濃度が増え続けない。 3) 自然が物理的な方法で劣化しない。 4)人々が自からの基本的ニーズを満たそうとする行動を妨げる状況を作り出してはならない 不完全なわたしが、未成熟な社会と関わりながら、これらの視点をガイディングスターとして、成長していく。それが「学び続ける」ということです。 (出典は、このブログの「検索」を利用すれば、確認できます。)
by eric-blog
| 2011-04-23 20:45
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