57-4(240) 「個性」を煽られる子どもたち−親密度の変容を考える
土井隆義 岩波ブックレット、2004 親密圏の重さ、公共圏の軽さ つながりに強迫さりた日常 内閉化する「個性」への憧憬 オンリーワンへの強迫観念 生来的な属性としての「個性」 生理的感覚としての「自分らしさ」 「優しい関係」のプライオリティ などなどの言葉が目次に並ぶ。 基本的には友だち関係の重さがいまの子どもたちを追い詰めているという考察です。 昨日もファシリテーターのミーティングで、小学校1年生から日曜日にはアポ取りによって4名程度で遊ぶということが指摘された。前々回のカレッジ講座で確認された「時間空間仲間の三間へが自然発生的であったかつての時代と、人為的にならざるを得ないいまの時代の違いがあるのだろう。だからこそ、いまの友だち関係が「重く」もなり、気を使うものにもなるのだろう。 ----------------- 親友とは? 個人的なことには触れられない、どうふれたらいいかわからないし、奥の奥まで触れたら逃げられてしまう。4 盛り上がって、「また会おうね」でおわり。それやらなければみんな逃げていっちゃう5 屈託なさの裏の駆け引き、対立が顕在化しないようにする高度な配慮5 いつも友人と同じ行動をとり、一人だけ目立つことはしない。 けんかしない、怒鳴りあわない 親密さは気の許せる関係とは別、親密だからこそ気を許せない!7 ------------ なるほどね。行動では目立たない、でも個性は求められる。そこで「感覚」に個性を求めるんだね。 ------------ 参考 NHK世論調査部若者調査 「素の自分の表出」vs「装った自分の表現」 関係の破たんが怖くて、出せない7 狩りの対象とは他者ではなく、「獲物」11 私たちは公共の場では不関与でいるべきだという規範に実は協力して関与しあっているのです。これは意味ある人間として他者を認めた上で初めて成立しうる演技としての無関心13 過剰な配慮と無配慮=親密圏にエネルギーを使い果たした現れ? 15 友だちの目ほどは世間は気にならない 優しさの技法 ・「とりあえず、とかする?」「わたし的には...みたいな」ぼかし表現 ・雰囲気重視、表面的馴れ合い ・「遊びモード」の軽い人間関係−いじめて笑い、いじめられて笑う やさしくできる範囲がせまい18 思い遣りではなく関係性の維持そのもの18 はずれるとヤバイ 対立の回避が陰湿ないじめに19 全体の共同性へと統合されないまま、それぞれの小宇宙がお互いに交信不能な状態で併存しているだけ23 「班が県、学級が国」ほどの違和感23 その社会的背景として「個性」への憧憬24 社会化による成長という観念の喪失29 教師と生徒という役割を演じあう公共性の関係の崩壊29 学校空間の公共圏的性格が肥大化した親密圏によって侵食される29 「好き嫌い」「いい感じ」=内発的衝動の切実さが重要32 「いま」だけがリアリティを持っている。過去から未来へという自分を保てない34 歴史感覚の欠如と感動志向39 歴史性を見い出しにくい時代、背景の膨大な物語りの堆積を実感できない 状況依存的で容易に変容しやすい生理的な感覚や内発的な衝動は、一貫した態度を基礎付けるための自律的ジャイロスコープとしては不向き45 個性への依存、しかし自律的ではありえない、そのために知者からの肯定的な評価によって支えてもらうことを必要とする45 「個性の重さ」が「友だち関係の重さ」に転換する46 「優しい関係」が満たしてくれる承認要求48 言葉の介在を必要としない親密圏では、他者は他者であって他者でない。54 自分と同質な感覚の延長上にしか認識されない54 鏡像関係によって維持される自分 共依存的な「友情」56 それが破たんしたとき、社会生活からの撤退59 女の子の方が依存度が高い61 男の子には上昇志向的な役割期待がまだ働いているので、「友だちの評価を気にせず」がありえる62 伝統的役割期待から解放されている分、親密圏への依存が高まる63 人間関係を築いていくに際して、かつてよりも高度なコミュニケ−ション能力が必要。...いまの若者のコミュニケーション能力が劣っているように見えるとすれば、それはコミュニケーションの困難さがかつてより目立ってきているから66 内発的な衝動や生理的感覚に「本当の自分」の根拠を見い出すとすれば、親密圏において、願望としては「素の自分の表出」を求めたい。しかし、それをすると対立を顕在化する。「演じている意識」の強さ68 70 個性を創りあげるものとしてとらえること。 人間の成長とは「個性を延ばす」ことにある。 次の世代に何を託すか、から教育を考える 小林道雄「少年事件への視点」『世界』2000-2001年 セネット「公共性の喪失」晶文社、1991
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| 2004-09-28 15:02
| ■週5プロジェクト04
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