開けられたパンドラの箱 やまゆり園障害者殺傷事件

開けられたパンドラの箱 やまゆり園障害者殺傷事件

月刊『創』編集部、創出版、2018

3267冊目


201610月号で事件についての特集を組み、その後も『創』でこの問題を取り上げてきた。その記事をまとめて出版することに対して異議申立てもあったという。出版中止を求めてきた方にも身内に障害を持った方がおり、植松被告の名前を聞くだけで怯えるのだという。読者が『創』を超える範囲に及ぶであろうことも考慮し、大幅に加筆修正してまとめたのがこの本である。


20177月には、マスコミは一斉に植松被告に取材した。そこには事件の時となんら変わらない彼の主張があり、マスコミは報道を諦めた。植松被告の主張を強化するだけに終わることを恐れたからだ。あるいは、マスコミの期待するストーリーに収まらなかったからかもしれない。


最首悟さんに植松氏から手紙が来たのは20184月。


植松氏が心神喪失者であるのかどうか、自己愛的性向があるのかどうかを論ずるのも、強者の論理でしかないだろう。「雑」の視点から言えば、人間の思考、行動、育ち、意思のとてつもない多様性を思えば、ある人を一つのカテゴリーに入れることは、障害者差別と同じことをしているだけに思える。


『創』のお手柄は、取材を続けたことだ。取材はパワーである。どこかに読者を持つ人たちだけが「取材」できる力を持つ。その文筆でプロとして食べていけているならなおさらだ。しかし、マスコミが口をつぐんだ事柄について、誰かが扉をこじ開けなければ、「障害者」の関係性の中で何が語られ、何が思われているかを、知る術がない。


障害のある人たちの近くにいる人々は、この事件が「存在」に対して持ち込んだ恐怖心を間近に見ていることだろう。「心神喪失」と「障害者」は同じではないと、植松氏は言うが、報道の歪みも含めて、多くの障害者自身も、植松氏の刃が自分に向けられたものであると受け止めざるを得ないからだ。彼はそう公言しているのだし、彼の主張に同調する人々にも「問題解決の行動」を呼びかけている。昨今の短絡的思考行動様式の発露は予測不可能だ。


同時に、守ってくれる人々の存在にも、改めて気づいたことだろう。そこに改めて信頼の「砦」を再確認したいと願った人もいるだろう。


事件の被害者の氏名が公表されなかったことにも驚いた。事件直後に、園長と家族会会長が警察を訪ねて、実名を報道しないようにと要請したのだと言う。最初、被害者名は公表が通常だからと断った警察も、サイドの要請に本庁とも協議の上、特例として匿名を認めたと言う。


そのことについても、前家族会会長、尾野剛志さんは違和感を覚えると言う。匿名を求めるのは被害者のことを思ってではなく、家族のことを思っての行動なのだからと憤る。しかし、彼とて障害者差別の現実を知らぬわけではない。時間が必要だと感じているし、最も取り組むべきなのは、社会における障害者差別なのだと、至極まっとうな論点を提示している。被害者家族が怯えなければならないほどの差別の現実がそこにある。


植松氏が獄中で書いた漫画や手記も所収されている。


その中に「弱者を振りかざしたらなんでも通ると思っているのか」と言うようなニュアンスの表現がある。


フランシス・フクヤマの『人間の終わり』と言う本が、社会的資源をつぎ込む先だけである高齢者や弱者がどんどん増えていくので良いのかと言う問題提起をしているらしい。彼の『歴史の終わり』は、西洋中心主義の傲慢さが終わるのは良いことだと思って読んだ。『人間の・・』のまだ読んでいないが、今の福祉社会の肥大化に警鐘を鳴らしているのだろう。それだけではないだろうが。


それって、平野某氏が「みんながLGBTみたいになったら困る」と言ったのに似ている。なるはずもないことで極端なことを言って恐怖を煽る。


最首さんが言うように、ケアする側にも人間的な何かしらが引き出される関係性を、社会的資源のコストだけで割り切ることはできない。人間の社会の質を合理的で生産性のみを追求するものから、別の豊かさに変える契機が「弱さ」であり、「雑」なのだろう。「雑木林」を生き延びるためにはそのためには「人間」の根っこから太らせておくのが鍵なのではないか。


パンドラの箱というのも気になる。あらゆる厄災、そして悪しきものが飛び出し、残ったのが「希望」だったと言うパンドラの箱。


もし、21世紀のいま、再び開けられた「パンドラの箱」があるとすれば、それは20世紀の知性主義、科学主義が社会の規範にならなくなった時代の幕開けということができるかもしれない。


わたしに言わせれば、パンドラの箱を開けたのは、現政権なのだ。衆議院議長に直訴までした上に犯行に及んだこの事件に対して、安倍政権がなんのコメントもださなかったことに、私は衝撃を受けたのだから。あなたたちの態度が、ヘイトやハラスメントなどの暴力をはびこらせている。


人は人を様々な尺度で測っている。測ると比べる。比べると優劣をつけたがる。自分の位置を知りたがる。そんな社会的な生き物なのだ。どれほど達観しようとも、社会という比べ合いの現場から逃れることはできない。測った結果の眼差しにさらされることは避けられないのだから。高僧や立場の高い人が達観したようなことを言うとしたら、嘘っぽい。彼らは十分承認欲求が満たされているのだから。


最首さんが星子さんと居て得られる安らぎは、そんな風に測ることなしに存在することの解放かんなのではないだろうか。



# by eric-blog | 2019-01-17 13:31 | □週5プロジェクト2018

奇跡の村・舟橋 日本一と勇魚村の人口は、なぜ倍増したか?

奇跡の村・舟橋 日本一と勇魚村の人口は、なぜ倍増したか?

富山新聞社報道局、富山新聞社、2018

3266冊目


NHKのテレビ番組でも、ラジオでも「子ども公園部長」の活躍が報道されていた。本も出ていたんだねぇ。


クラウドファンディングにも取り組む。

https://toyamatome.com/funahashi-kurafan/?fbclid=IwAR01Q4V_j6B0wCvI0j4ukKIZy6LYzZ_t6VjOJUB_xZ9hlU3M8Gf-W8cbRag



テレビ番組ではなぜ「部長」にしたかと言うと、村役場の一番上の肩書きが「課長」だから。


舟橋役場は靴を脱いで入る。スリッパに履き替える。なんかそれだけでもすごい。こぢんまり感? なんだろう? 何か違う、感がある。いいね、感がある。そそくさと用事だけで帰ることができない雰囲気がある。挨拶したり、声かけたり、ひょっとしたらお茶まで飲んだりしそうな雰囲気だ。面白い。そんな役場があるんだなあ。


合併せず、鉄道を引き、教育に力を入れてきた。合併しなかったおかげで、小中学校が吸収合併されることもなく、存続している。


「市街化調整区域」指定が1970年のこと。宅地開発が抑制された。

1980年に村長であった松田秀雄氏が国や県に働きかけ、1988年に区域指定解除。都市計画の端っこという位置付けから解放された。


村が主体の宅地開発で村営住宅を作ると予想以上の人気となり、人口が急増。


役場の三階は「子育て天国」。子育て支援センター「ぶらんこ」を活用する人の8割が村外から。9


鉄道は富山から15分。その便利さが舟橋むらを守った。


鉄道を引いた稲田健治村長が信長、市街化調整区域を外して村を発展させた松田秀雄氏が秀吉、その発展を受け継いで実績を残している金森勝雄氏が家康と、レポーター氏は評する。31


駅に併設した図書館は全国で8番目の駅近図書館として1998年に誕生。村民の8割以上が登録している上、近隣市町村からの利用登録者も多い。ここも靴を脱いで上がるので、赤ちゃんもハイハイできて安心だ。目指すは日本一居心地のいい図書館。


開館10年の2008年に、迷い込んできたカモシカの実話を絵本にした。


そして、こども公園部長! 10人の小学生の男の子たち。というジェンダーバランスは木になるが、ワクワクとルールの両立を目指して、いろいろな遊びを作り出している。子ども主体の遊びづくりができる場になっている。


3000人の村だからできること。

村に一つの小学校、中学校、村に一つの図書館、会館などなど、どこかヨーロッパの都市を思わせるコアがある。

定年退職者は村の宝と活躍の場が盛りだくさん。

図書館で「算数の日」が開かれる。

などなど、一人一人の村民が光る。


いいね。




# by eric-blog | 2019-01-17 13:18 | □週5プロジェクト2018

美輪明宏のおしゃれ大図鑑

美輪明宏のおしゃれ大図鑑

美輪明宏、集英社、2005

3265冊目


この冬の帰省時には、美輪さんの言葉にお世話になった。88歳になった母は一人暮らしで、近所に住む姉や弟が様子を見てくれたり、ディサービスに週2回行ったりしていたのだが、随分と痩せて、8020を誇っていた歯もほぼ抜けてしまっていた。2日の朝には昏倒して救急車で病院に。7日の詳しい診察で、下顎骨骨折を確認、顎を絶対安静の固定バンド治療。流動食になり、自分では無理ということで、ショートステイに。


2日から7日の間はわたしがおさんどん。仕切り皿をプレゼントしたこともあり、一定の量をしっかり食べることを意識して行いました。その時に美輪さんの言葉で「わたし、食べるのに2時間くらいかかる」と何かの対談の時に聞いたことを母に伝えました。昨年ステージで見た美輪さんはとても背が高く、肩幅もしっかりあって、驚いたのですが、その秘密が、しっかり食べるということだったのかなあと感心したのです。


母に「美輪大明神、パンパン、でいただきますをして、しっかり、ゆっくりでもいいから、栄養バランスよく食べよう」と言い続けました。


ショートステイで流動食になってから「こういうことが、三食三食自分に対してできていなかったから、わたしはここにおんねんなあ」と、自宅に帰れないことを自分に納得させていました。


美輪さん、大変にありがとう!


と思っている人はたくさんいるのだと思います。名言集、語録がたくさんヒットしますから。


わたしが紹介するまでもないのですが、感謝を込めて。


「すっきりと品のいいデザインの服を、明るい色の服を、あなたが素敵に見える服を着てください。あなたが行くところ、あなたがいるところの雰囲気が華やぐようなおしゃれを心がけてください。あなたが出会う人が幸せになるようなおしゃれをしてください」23


「言葉の終わりは、必ず「です」「ます」で締めくくります。

省略語はなるべく使わない。

ゆっくりと丁寧に、笑顔で発音します。

「ごきげんよう」「あそばせ」など決まり文句もマスターしたい。」60-69

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音楽や映画、女優についてのうんちくはわたしにはわからないので、この程度のご紹介でご無礼します。中原淳一、竹久夢二、などはわたしも好きなデザイン。流行っているんですねぇ。






# by eric-blog | 2019-01-15 12:37 | □週5プロジェクト2018

しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム

しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム

望月衣塑子、梨の木舎、2018

3264冊目


望月さんと四人の女性の対談。伊藤詩織、三浦まり、平井美津子、猿田佐世。

2019111日に文京区民センターで、梨の木舎とND新外交イニシャティブの共催で三人のトークとパネルディスカッションがあった。

ビデオメッセージ 伊藤詩織、三浦まり


この本には望月さんのお話はまとまった形では紹介されていないので、トークの内容を紹介しておく。ちなみにトークはめちゃくちゃ面白かった。弾丸トークと呼ぶのがふさわしい話し振り、そして内容だった。


望月

菅官房長官の会見に一昨年から、出るようになった。

伊藤詩織さんの加害者山口敬之氏が海外から帰国する空港で、逮捕する段取りになっていたにも関わらず、当日執行取り消し命令が出た。異例なことだ。いま官房副長官になっている中村格さんが動いたと言われている。不起訴という判断はどこでなされたのかに迫りたかった。

NHKの岩田明子さんなども安倍総理大臣をよいしょする記者だが、山口さんは、『総理』という本を幻冬舎から2016年に出版している。ちょうど、訴えられた時にはこの本の出版のための取材などを行なっていた。総理に対するよいしょ出版物を出す人物が逮捕されるのはまずい、という判断があったのではないか。

松尾明弘、民主党とのラインがあるかのような資料が伊織さんの記者会見の当日にリークされた。わたし自身、彼女へのインタビューをしているが、政治色はない人。これも野党からの現政権に対する攻撃と見せかける作られたイメージ。

男社会の忖度はすごい。菅さんは、記者の取り込みがうまい。

伊藤さんの本『Black Box』や#Me Too運動の広がりは大きい。

福田淳一さんがテレ朝の女性記者に対してセクハラしていたことで訴えられた。それについて麻生大臣が出したコメントもひどかった。「男性記者ばかりにすれば良い」。

10歳若い人たちが声を上げている。私たちの世代が声をあげるべきだった。次の世代にもこの問題を引きずらないために、WiMNを設立。40社の女性記者が集まっている。

144カ国中110位とジェンダーギャップ指数は先進国中最低。状況を変えていきましょう。


本より

対談 伊藤詩織さん

被害を受けたのが2015年、刑事告訴不起訴の結論が出た2016年に「世界写真展2016」が開催され、Mary F. Calvertが性暴力被害者やその家族を追いかけた作品を見た。レイプ被害を受けて自殺した娘の父親の姿。事件は一回かもしれないが、傷は一生続くことを明らかにしている。伝えることの大切さが心に残った。その後の行動を後押ししてくれた。報道の可能性とかべ。 

実際、彼女自身もジャーナリストとして気丈に振る舞って来たが、被害にあったホテルに行った時、パニックアタックが出たことに驚いた。何年経っても一緒に生きていかなければならないものだと思っている。15


「性暴力、パワハラ、セクハラは全部重なっている。重要なのは傍聴者にならないこと。」16


イギリスの警察が変わったのも最近。「被害が起こった時に、その一人の人生がどれだけ変わって、どれだけ長期的、医療的にケアが必要かと考えるとコストがかかるということを、きちんと数値化して伝えていくことで変わっていった。」17

ロンドン警察の取り組みは参考になるという。聞き取りは3回まで。効くひとと捜査員は別。負担を少なくする。日本で人形を使って行われる再現について話すと驚かれる。20


逮捕が見送られた理由について質問しても「おこたえできない」で済まされてしまう。メディアと権力が一体化している。21


加害者、男性の意識を変えるにも声を上げていくに尽きる。


当事者であり、ジャーナリストである。ジャーナリストであることによって、当事者の自分ではなくいられる感覚があるのかもしれない。当事者として向き合うのは辛い。


文化を変える必要がある。お酒を継ぐのが当たり前というような文化。28


「女性が声を上げることで、自分の性が制限される」「男がかわいそう」という感覚がある。


教育が大切。

オーストラリアでは「Gender-based violence」として性別役割意識に基づく暴力なのだという認識を広げようと取り組んでいる。男性が女性を支配し、コントロールしたいという意識を持っている場合、性暴力に走る割合が高いことを示して、女性に対する尊重、個人の尊厳を守りながら行動することを訴えている。

■国際機関で働いている男性職員にも性暴力の問題がある。問題に取り組もう。

https://www.youtube.com/watch?v=ehhrLC9Eg98


「男の子だからこれをしちゃダメ」「男の子だからきちんとしなさい」というしつけ方は、彼らを孤立化させ、暴力につながるとスウェーデンの男性たちの団体は指摘する。36


対談: 三浦まり 「女性=アウトサイダー」が入ると変革が生まれる-女性議員を増やそう


2001年にDV防止法ができ、その後のバックラッシュと停滞が激しい。歴史修正主義者の台頭。49

新自由主義と歩調を合わせて、格差拡大を許してしまった。

他の国ではジェンダー平等が進むことで、働きやす佐、人間らし佐など相乗効果が生まれ、経済にもダイナミックな影響を与えた。55


地方議員はなり手不足。おせっかいおばさん的な人がいい。一年かけて地域を歩くこと。60

上智大学という教育の現場で感じることは学生の自尊感情が低いこと。

大学教員にも中学教員免許が必要なんじゃないか?


対談: 平井美津子「先生政治活動って悪いことなん?」子どもたちは自分で考えはじめている=「慰安婦」問題を教え続けて

面白い教師がいる、というので、去年の3月に対談。


「中学校、歴史。ペリー来航。1/3くらいが近代に教科書が割かれている。最近は丁寧にやる。

百田尚樹『日本国紀』 神功皇后も出ている。近代、稲田朋美しか出てこない。女性の視点がない。

歴史の授業の中では、「その他大勢」で括られる女性や庶民がどうなったかを話す。平家政権を大学の卒論で。出てくる女性たち、悲劇の末路。壇ノ浦の合戦など、勇ましく。残った女性たちに「東夷がやってくる、覚悟せよ」。様々な形での性的暴力。

戦争の中で犠牲になっている。大阪城、豊臣秀吉は愛知の人。好きじゃない。大坂の陣屏風を見ていると、略奪の場面がある。身包み剥がれている女性。戦国絵巻、男の子は好き。勇ましい戦いの背景に一般の人が。

アジア太平洋戦争を一番多く扱う。江戸時代以前は体験を語る、生の声がない。明治以降になると「生の声」がある。体温があって、まさにそこで生きていた人間として伝えていきたい。

現場で授業がしにくい状況が生まれている。攻撃される。

大阪の吉村市長にも書かれた。地道な教育実践をしている教員はいる。

東京の教育委員会の締め付けの厳しさ。教えたいこと、教えなければならないことを伝えようとしている人はいる。

子供女性たちが戦争の中で踏みにじられていく。

戦争に向かう足音が聞こえてきたら、気づくことができる。

メディアが変わるときは怖い。教育が変わるときも怖い。」トークより


1997年の教科書には全ての教科書に「慰安婦」の記述があった。それが様々な圧力で、教科書会社が萎縮するような形で記述がなくなった。94


日本軍によって性的なことを強要されていたという事実は間違っていない。真実を教えることが攻撃されるということは、他の先生方の、どの教科についても、攻撃される可能性があること」94


「平井先生を守れなかったら、僕たちも同じ攻撃を受けます。」


歴史の現場に行く。証言を聞く。サンフランシスコでは「少女像」を作った人たちに会って思いを聞いた。


「メモリアルはいままで正義が果たされたことがない人々に正義をもたらすことが目的。」115


女性たちへの性暴力を根絶するために、戦時下で起きた性暴力を記憶するために建てられている。116


対談: 猿田佐世さん


アメリカではアジアのことがニュースになることはあまりない。

日本のオルタナティブが発信できていない。

リベラルがサンダース陣営と繋がれないか?

マティス国防長官は「沖縄にシンパシー」と発言した。


望月「一本の電話で萎縮する会社。『ゲンダイ』が脅迫が会ったことを取り上げてくれて、脅迫が止まった」168

第三者が声を上げることも大事。ツイッターも、効果がある。



111日 パネルディスカッションより


  • λ若者がネトウヨなのではない。今の高校生の親の世代もネトウヨ的な書き込みをしていると生徒が言う。
  • λ権力側は、分断させていこうとする。
  • λ呼び覚まされた人たちがいる
  • λ玉置沖縄知事 8万票
  • λ総裁選ショック、自民党の地域票がさらわれた。
  • λ公明党を支えている婦人部。安倍さん9条改憲には反対。
  • λ広河隆一。被害者の声を聞いた。特集面で動いている。田村さんは自分には関係ないと思っていた。しかし、黙っていては変えられない。「フォトジャーナリズム」授賞式で「なぜ根付かないか、わたしにはわからない」と広河さんが言ったことで、許せないと思った。と。



# by eric-blog | 2019-01-15 12:15 | □週5プロジェクト2018

こんな僕でも生きてていいの

こんな僕でも生きてていいの

河村啓三、インパクト出版会、2006

3263冊目


もう少し、もう少しだけ早く読んでいればよかった。

https://www.fnn.jp/posts/90000776CX


20181227日、河村啓三さんと末森博也さんの死刑が執行された。


河村さんの自叙伝である本作は、生い立ちから殺人、そして被害者家族への謝罪、赦しまでが340ページもの長さで書かれているのだ。被害者の父親が戦争で拾った命について『友にもらった命』という本を書いているという。だから、あなたも生きていてほしい。それを河村さんは、一生読み続けると。


犯罪に至る機微も事細かい。


「普段から威勢のいいことを言ってきた私は、自分の心の弱さを大言壮語で補ってきた。だからこそ、人を殺す話になった時も弱気を見せられなかった。また、仲間がいたからこそ殺すことが出来たのだと思う。赤信号みんなで渡れば怖くないの論理が働いたのである。一人では怖くて人など殺すことはできない。それほど殺人とは大変なことなのである。」256


2004年の死刑確定から2年後の出版。1999年から書かれたこの自叙伝は、大道寺幸子基金による2005年度、第一回受賞作品、であった。


大道寺幸子さんが亡くなった2004年に始められた基金。10年間続けられ、その間に死刑制度が廃止されることを願ってのことでした。

http://sobanokai.my.coocan.jp/soba0609.html


選者の一人である現代企画室の太田昌国さんの2014年の作品展に寄せた言葉。

http://www.jca.apc.org/gendai_blog/wordpress/?p=489



わたし自身は死刑制度には反対だが、罪の重さを生き続けるのも辛いものだと、この本を読んで思う。


やまゆり園で多くの人を殺した被告が深く考えるには、何が必要なのだろうか? これまで生きてきた長さほどの時間が必要なのだろうか?


2015年度からは「死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金」と改称して、活動を継続することにした。今回は五年間の時限を設定。


その五年目が近づいている。


公海における日本の捕鯨と、死刑制度は、国際社会が向かう未来と相いれない。


日本はIWCを脱退して、沿岸捕鯨のみに撤退するという。補助金漬けの体質が変わるはずもなく、恥知らずにも母船を建造するという。この恥は、太地町出身のテッポウさんたちが国策としての南氷洋捕鯨に加担した時から始まっているのだ。


死刑制度は、EUからも再考を突きつけられている。冤罪の可能性だけの問題ではない。この本の著者のように、罪が明らかなケースであっても、国家が殺人をするという、人間に対する罪を犯すことはないのである。


1958年生まれ。最近、誕生年の近い人々が目につくなあ。


東京新聞 2018年12月27日

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東京新聞 2018年12月31日
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# by eric-blog | 2019-01-13 13:11 | □週5プロジェクト2018

ERICニュース626号 収活からの収穫 2019年1月13日

◆◇◆◇ 1.  【収活からの収穫】ERIC過去プロジェクトおよび「点検の視点だな」 ◆◇◆◇


可動式書棚の奥、幅1m80cm、高さ1m80cm、四段のたっぷりとした緑色のスチール棚が「過去プロジェクト棚」と呼ばれるものだ。そこには、これまでERICが取り組んできたプロジェクトの記録が、当時の交信、打ち合わせ、当日資料などの有象無象の形で、ファイルされている。


鬼木さんの整理によると、こんな分類になるらしい。


  1. (1)過去プロジェクトその数120以上。https://ericweblog.exblog.jp/239057022/
  2. (2)ERICスタッフが出席した会議や勉強会の資料
  3. (3)ERIC運営関連
  4. (4)主催研修
  5. (5)受託研修

整理しながら、ちょっと、ERICの30年を時代区分してみた。


過去プロジェクトで一番古いのは『ちびっと』という、アイデアハウス時代に編集していた情報紙、1984年から86年発行していたもの。懐かしい!


その次に来るのが「グローバル・セミナー」の時代。テキストの出版と連動して地域セミナーも同時に行なっていたものだ。


95年くらいからは「ガイドブック」や「アクションプランづくり」やワークショップなどの実践的な参加型プロジェクトに取り組みだした時代。同時に「M.E.E.T.ザ・ワールド」など、海外ボランティア派遣にも取り組んでいた。

2000年代は、エネルギービジョン、環境基本計画などの市民参加による町の計画づくり。人材育成研修も多かった時代だ。

https://ericweblog.exblog.jp/239057022/


ERICの主催研修は2000年からTESTも含めて年間6本の定期開催として定着している。それらの内容はレッスンバンクに収録している。定着の時代。営業がいないので、受け身の姿勢でいたら、拡大はないよ、と言う見本のような時代。守りではなかったことは、いつもご紹介している「これまで」の「学び」からも明らか。千石のテラスハウスは、化学物質過敏症にも配慮した選択になっている。


もう一つの重要な棚が、わたしたちが「神棚」と呼んでいる「点検の視点だな」。

https://ericweblog.exblog.jp/239057037/

ESD、地球憲章、アジェンダ、ガイドラインなど、自分たち自身の教育活動を成長させる視点として「ガイディングスター」となり得る出版物を収納している棚だ。久々に「トビリシ宣言」の英語版に目を通して、感無量であった。

いまも「点検の視点」として生きているものをPDF化したのが、このリストである。前回のかくた編集のニュース、623号でも指摘したが、既視感満載のリストではある。


1970年代から、わたしたちはどれほど成長したのだろうか?

わたしたちの実践は、どれほど「地球にやさしく」「人権尊重社会の実現に向けた」ものになっているだろうか?


日々の点検のみが、わたしたちを育ててくれる。


ESDがわたしたちみんなを学び合わせてくれる。


千石のテラスハウスを「カナリアハウス」として今の文明の病を診断しつつ、ERICnextが、社会全体が「学びの共同体」と成長して行くことに、どれほど貢献できるか。


今年、ERICは創立30年。前半15年が田端時代、滝野川時代は歴史の半分の長さを共にしてきたのだ。ありがとう!


1989年-1994年 田端高台時代  グローバル・セミナー時代

1995年-2003年 田端岩瀬ビル時代 人材育成充実時代

2004年-2018年 滝野川時代主催研修、TEST継続時代

2019年-千石時代の始まり 


グローバル・セミナー時代は、テキストの出版や地域セミナーによってネットワークが広がった時代。

人材育成充実時代は、ファシリテーター派遣を中心に、多様な社会的要請に「参加型」という方法論で応えた時代。忙しかったあ。

滝野川時代は、ERIC主催研修時代。人材育成の方法論が定着してきた時代。

そして、ERICnextは、アクティブな生涯学習の実践時代へ。多くの「文明の病」を学びながら、当事者として、そしてアライとして、学びと活動の両輪を展開していければいいなあと思っている。


学びなしで持続可能な未来はひらけない。


ESDteachusALL, Active Life-long Learning. アクティブな生涯学習によって持続可能な社会を実現していきましょう。



# by eric-blog | 2019-01-13 10:11 | ERICニュース

ERIC収活 「点検の視点だな」より

DESD10年計画

ESD-J20050306シンポジウム

WSTスタンダードITET

WST行動計画

サルボダヤ開発教育の実践としてアリヤラトネ

ミレニアム開発目標

ユネスコ国際勧告

わが国におけるESD10年計画

意見提出アジア大学ESD課題

学習する教師コルプの経験学習

環境教育の原則p1

国語審議会ていねい語が拓く未来

国連ESD2005-2014

国連環境教育会議トビリシ1977

国連持続可能な開発のための教育10年計画

国連持続可能な開発のための教育ガイドライン

障害のある人の権利条約20085月仮訳

AlternativeAppraisalModel

人権基本法案

人権教育のすすめ方

人権教育のための国連10

人権教育の指導法H18

人権教育は学校だけに任せてはいけない森

人権教育啓発基本計画

成人学習ハンブルク宣言

地球憲章英語版


# by eric-blog | 2019-01-11 19:43 | ☆よりよい質の教育へBQOE

ERIC収活 「過去プロジェクト棚」から

*タイトル冒頭の数字は,実施年。番号の次の「p」はPDF化されたもの。

1 p84_86_ちびっと0~9号

2 p8991_WWF環境教育セミナー、地球っ子クラブ

3 p90_「地球時代の教育」セミナー

4 p9005_グローバルセミナー

591_7都市環境フォーラム

6 p92_93国際環境自治体会議'92'93

7 p93_「地域からの国際協力」セミナー

8 p94_1994年度WWF環境教育セミナー「いっしょに学ぼう」の手法を使って

9 p94_ERIC夏期集中セミナー グローバルな視点からとらえた環境教育

10 p94_環境教育シンポジウム'94~メアリーハーマー

11 p94_子どもたちのアクションプランコンクール(鎌倉子どもシンポジウム)

12 p94_ふれあいフィエスタ'94in カワサキ

13 p9501_M.E.E.T.ザワールド

14 p9596_省資源・省エネルギー活動ガイドブック パート2 ステップ1・2・3(1995)

15 p95_環境教育セミナー '95アメリカ研修に学ぶ

16 p95_国際会議参加者ハンドブック

17 p95_地球っ子クラブ指導ボランティア養成講座

18 p95_ともに生きる地球アクションプラン

19 p95_七都県市環境フォーラム

20 p95_ワークショップ「今、日本は平和といえるのか?」

21 p95_環境シンポジウム'95 東京会議in板橋 報告書

22 p96_「地球市民かながわプラザ」展示学習プログラム作成

23 p96_人権教育啓発ガイドブック「気づきから行動へ」総務庁

249698_せたがや区民スタッフ養成研修

25 p96_Global School for biginners

26 p96_環境教育シンポジウム'96 板橋環境会議

27 p96_持続可能な社会・世界のための教員養成・大学教育推進ネットワーク

28 p96_世界普通の暮らし 写真展

29 p96_中学校国際理解教育ファックス資料集

30 p96_ブックフェア企画

32 p96_毎日こども環境サマーキャンプ

33 p97_地球市民かながわプラザ」図書資料調査

34 p97_やんばるエコツーリズム計画

35 p97_98TOKYO地球市民フェスタ '97 '98

36 97_98国際化する市民社会の民力総合調査(未完)

37 p97_CSD5(持続可能な開発委員会)エネルギー関連イシュー

38 p97_アースデイ・フェスティバル1997 in こどもの国

39 p97_グローバル教育ワークショップ横浜'97

40 p97_未来のための推進協議会

41 p 97_連続講座「地球と水と世界の人々、私たちの暮らし」

42 p98_「地球市民かながわプラザ」プログラム学習開発

43 p98_環境アセスメント実践ガイドブック

44 p98_中学校国際理解教育ファックス教材集

45 p98_フューチャーサーチ会議

46 p98_世田谷国際理解セミナー

47 p98_7回環境自治体会議古河会議

4899_わたしを育てる作文指導ワーク集(未完)

49 p9900_FLN記録(ファシリテーター・ラーニング・ネットワーク)

509903_足立区公園の運営に関する運営調査

5100_Project B

52 p00_アメラジアンスクールカリキュラム

5300_河川環境学習指導者養成ガイドブック 川に学ぼう

54 p00_かながわパートナーシップ会議

55 p00_環境評価ワークショップIGGS

5600_近畿日本ツーリスト人権啓発社内研修

57 p00_国際交流大学村

58 p00_国際理解教育に関するソフトウェア調査研究

59 p00_東京都社会同和教育研究会'00

6000_長野県人権教育指導資料集'00

61 p00_宮津市省エネルギービジョン策定事業

62 p0001_コンセンサス会議

63 p00_01東京国際交流館プラザ展示&イベント

64 p00_02茨城県・エコカレッジ

6500_国際理解教育通信型研修コース

66 p01_「かながわ環境白書」を考えるパートナーシップ会議

6701_02_三浦半島エコミュージアム

68 p01_大田区民講座

6901_三島市「緑の基本計画」中学生ワークショップ

7001_安塚町地域環境総合計画

710102_省エネルギービジョン策定事業・支援(指宿、知覧、東市来)

720102栄光~国際理解教育セミナー

730203_甚目寺人権行動計画

740205_群馬県人権教育指導者研修

7503_Let's March!~市民が創る温暖化防止ガイドブック・指宿

7603_興安計装~企業に参加の風土を作るWS

77 p04_05JICA専門家養成個人研修受入

78 p04_国際交流館パネルトーク

7904_島田市ワークショップ、環境市民塾

8004_日常生活の中にグローバルな視点を取り入れて考えるための教材

810409_神奈川県人権校内研修会

82 p05_NGO相談報告書

8307_FoF

8407_相模原環境基本計画

8507_岬町学校評価プロジェクト

8610_人権啓発東京講座

8710_群馬県人権感覚育成実技研修会

(海外研修)

88 p90_オーストラリア研修

89 p92_オーストラリア研修プログラム 地球教育を訪ねよう

90 p95_環境教育(PLT)研修米国ツアー

91 p96_ヨーロッパ研修旅行報告

92 p96_'96カリフォルニア大学フォレストキャンプ

93 p97_オーストラリア研修ツアー 持続可能な世界のための教育

94 p97_ERICイギリス研修ツアー

(冊子、報告書)

95 p84_世界の中の横浜、横浜の中の世界

96 p86_第1回One World Workshop報告書

97 p87_第1回地域の国際化セミナー

98 p88_国際理解教育の現状と問題点

99 p90_国際交流基本調査(東京都港区)

100 p90_教室の中の世界~国際理解教育の目的・方法・ニーズ等に関するアンケート調査

101 p91_”楽しく”世界とつながるイベントの事例集

102 p91_過去の歴史・未来の方向~イギリスにおける国際理解教育

103 p91_「教育の国際化」はどこまできたか?

104 p92_国際教育ダイレクトリー'92

105 p92_グローバル・セミナー実践事例10選~Getting In On The Act

106 p94_自然保護事業報告書 環境教育セミナー'94

107 p94_都内在住外国人のニーズ等を明らかにするための調査

108 p94_世界の環境自治体事例集

109 p95_国際交流事例集 海外編

110 p95_これからの平和関連事業の展開に向けて

111 p95_環境シンポジウム'95 千葉会議 報告書

112 p95_環境シンポジウム'95 東京会議in板橋 報告書

113 p96_アメリカの環境学習講座 報告書

未処理

114KISSパッケージプロジェクト

115高校生のメッセージ

116フォトランゲージ・昭和

117内部研修会「環境教育をどうすすめるか」WILDWET

118宇治山田高校人権講演会ふりかえりシート

119国際会議参加者ハンドブック

その他 ERIC ニュースレター(19902005)、合計46号分

ERICの活動の掲載新聞や取材記事、寄稿(Herstoryファイル)



# by eric-blog | 2019-01-11 19:25 | □レッスンバンク

コンビニの「買ってはいけない」「買ってもいい」食品

コンビニの「買ってはいけない」「買ってもいい」食品

渡辺雄二、大和書房、2015

3262冊目


『子どもに「買ってはいけない」「買ってもいい」食品 』2017


チェックすべき 添加物

  • λ亜硝酸ナトリウム(Na) 発色剤として、明太子やソーセージ、ベーコンなどに使われている。セブンイレブンの「おにぎり辛子明太子」には使われていない。
  • λリン酸塩(Na) 肉類の結着力を高めるために添加される。ソーセージなど
  • λ保存料のソルビン酸
  • λイーストフードは添加物の塊の
  • λ油が酸化した過酸化脂質 カップヌードルなど麺類をあげた時にできる。
  • λカラメル色素には発がん性物質が含まれていることも
  • λL-グルタミン酸Naが何にでも使われていて、取りすぎで「味音痴」に!
  • λ甘味料のネオテーム、アスパルテーム、ステビアをチェックすべし!
  • λブレスケアの緑色はタール色素緑色3
  • λフリスクには食品原料は何一つ使われていない。
  • λガリガリ君食うなら「ソーダ」で。
  • λコカコーラ・ゼロ添加物だらけの最悪な飲料、ペプシも、メッツも
  • λワインの酸化防止剤、亜硫酸塩、二酸化硫黄。


セブンイレブンのパンはイーストフードを使っていない。

井村屋のあずきバーはうまい!


コンビニで買ってもいいものがあったとは・・・・


これ系の本といえば船瀬さん、だったが、1954年生まれの著者による「買ってはいけない」シリーズと講演会は人気が高いんだなあ!




# by eric-blog | 2019-01-11 11:05 | □週5プロジェクト2018

なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える

なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える

渡辺一史、ちくまプリマー新書、2018

3261冊目


すべての人が持っている普通の生活を送る権利をできる限り保証する=Normalization 、ノーマライゼーション


相模原事件の加害者、植松聖被告は、この本が書かれていた段階でも彼自身の考えを改めることはなく、自分の考えに賛同しない人に書簡を送りつけることを続けているという。20184月、その手紙が最首悟さんのところにも届いた。「大学で指導する人が、社会の負担になる重度障害者と暮らすなんてありえません。」と。


最首さんは障害を持つ娘さんと暮らしている。手紙に怒りを覚えたが、植松被告を否定するのではなく、なんとかコミュニケーションできないかと接見と交流を続けている。


植松被告は、接見の時、話が混み合うと「ごめんなさい、勘弁してください」と思考を停止するだけだという。そして、自分の意見を伝えたいだけなのだと。


検察は「自己愛的性向」と分析しているようだが、最首さんは、わからないという。


最首さん自身は、娘さんとの生活でハットさせられることが多いという。ただただ生きる。そのことに打たれる。そして、温かい日向に、彼女がじっと抱かれたまま穏やかにいるとき、「まるで悠久の時間の流れにひたっているようなしあわせな気分をもたらしてくれる」という。77

そこには何かが共有されていると感じる。それは植松被告が求める「言葉による意思表示」や明示的なコミュニケーションではない。しかし、はっきりとそこにあるものなのだ。

そして、3年間という施設での経験の中でも、植松被告にはそのような触れ合いがなかったということだ。最首さんは、決して彼を非難することなく、いつか彼がほぐれることを待ち続けている。


人と触れ合うことができる人がいる。

「こうあるべきだ」という人間像に縛られて、それ以外のリアルな人間に、どうしても触れることができない人がいる。そういう不自由さを植松被告に感じる。そして、その眼差しは、きっと、彼自身が一番痛いほど、感じてきたのだろうと思う。健常者の不自由とは、The Normals常人の不自由とは、障害者の不自由よりも、見えにくいものなのだ。


ナディアを助けてくれた人がいる。

高齢者を助けてくれる制度がある。

障害者に介助しようというボランティアがいる。

「社会的障害」をなくそうと運動する団体がある。


それもこれも、人間の社会で起こっていること。支え合う心の現れだ。


それを「無駄」というのは、きっと、支えられたことのない、助けられたことのない、孤立した孤独な「健常者」なのだと思う。



# by eric-blog | 2019-01-10 18:04 | □週5プロジェクト2018