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[5604]親ガチャという病

[5604]親ガチャという病

池田清彦、中島義道、和田秀樹、室井佑月、森達也、香山リカ、土井隆義、宝島新書、2022


「親ガチャ」ってすでに3年以上も使われているのかあ。

これまでにも著書を紹介してきた人たちが一文を寄せている。


第1章 親ガチャという病 生きづらさの中で固定化されてゆく”自己像”

土井隆義


第2章 無敵の人という病 「真犯人」は拡大自殺報道を垂れ流すマスコミ

「正義の暴走を是とする日本人気質」和田秀樹

大学でも教授の言うことは全部正しい。「将来は変わるかもしれないけれど、今のところはこれがスタンダード」と言う捉え方を科学は特にしなければならないのに、「絶対に正しい」という指導をする。    81


第3章 キャンセルカルチャーと言う病 被害者への過度な感情移入が議論をシャットアウトする

森達也 

当人が過去に起こしてしまった問題について、球団史表舞台から退場させる、「キャンセル・カルタやー」

映像作品は「作り手の意図」そのもの。作為がなければ編集はない。   100


「表現」の多くは、必ず誰かを傷つけるもの

覚悟なしには、表現できない

自分の加害制に対していつも後ろめたさを持つこと

被害者を聖域に置いてしまうことで、自由な議論ができなくなる。  

拉致問題、死刑問題


匿名性の高いバッシングができるネット環境

そして「謝罪」。意味不明である。誰に頭を下げているのか?

114

長山の『木橋』という作品に対して日本文藝家協会が「犯罪者は入れるべきではない」としたことに抗議して退会した作家たちがいた。    117


異なる意見に耳を傾けることも許さないという空気


第4章 ツイフェミという病

室井佑月


第五章 正義バカと言う病

スケープゴート叩きの裏に潜む「不都合な真実」 池田清彦

ルールに対して従順であるように飼い慣らされ、ルールが変わったら、できればそれをいち早くキャッチして、古いルールにしたがっている人を見つけてマウントをとる。   163


あるあるだなあ。人権教育なんかでも「正解」を求める人は多いよね。


親ガチャと言う表現にも「あたり」と「ハズレ」感覚があるし。


第6章 ルッキズムという病 「相手ファースト」で萎縮し、”素顔”を覆い隠す若者たち


第7章 反出生主義という病 「人生の虚しさ」の大衆化により蔓延している苦しさ

中島義道

「顔」を晒すということにストレス。コロナ禍の後。マスクは「顔パンツ」。なしでははじかしい。  182

Taijin-Kyofu が精神科医の間で共有されている。

アンチ・ルッキズムの反動としての「綺麗なもの」「可愛い人」賞賛。   190

仮想空間なら本音も晒せる

誰一人、絶対に傷つけないものなんてない



# by eric-blog | 2025-02-15 10:25 | □週5プロジェクト24

[5602]柚木沙弥郎 永遠のいま

[5602]柚木沙弥郎 永遠のいま

水沢勉監修、平凡社、2024


1922年、北区滝野川生まれ


NHKラジオ深夜便 2018年のインタピューの再放送、2024年に101歳で亡くなった。

今年、「柚木沙弥郎 永遠のいま」展が岡山などから全国巡回する。

https://okayama-kenbi.info/exh-20250214-yunoki-s/


これはその展覧会の図録。


永遠のいま


いまも鮮烈な感覚が生まれるデザイン。

マリメッコやオキーフェに通じると感じる。ただ、柚木さんの方が幅が広い。肩染、絵、ポスター、本の表紙デザイン。特に、字体のデザインが、「これぞ民藝!」と刷り込まれてきていたことを今回再発見した。


24歳で大原美術館に就職。あるカレンダーとの出会いが衝撃。

芹沢銈介作。柳宗悦の民芸運動の一員。弟子入り。

1949年新制大学として女子美術大学再編。

昭和25年に芹沢が女子美の教授になったのについて助手として入る。工芸科の柳悦孝の指導を知る人として、座談会で語っているが、その座談会がいつ頃催されたものか、記載がない。出版年くらいなんだろうけれど。「教えない」宣言。まずは大工道具を渡されて、道具を自分で作るところから。

『女子美術教育と日本の近代 女子美110年の人物史』女子美術大学、2010


絵本たち

そしたらそしたら

ぎったんこばったんこ

魔法のことば 魔法としてのことば

つきよのおんがくかい 山下洋輔文


型染の感覚で絵を描いている。それがすっきりとした線になっている。



『図解 染色技術事典』柚木沙弥郎監修、理工学社、1990

浜松市ざざんざ織

『柚木沙弥郎 美しい本の仕事 絵と型染から生まれる御伽草子』編著小林真理、杯インターナショナル、2024

民芸運動の本の表紙装丁をたくさん手掛けているんだなあ。彼の感じなんだ。あれは。


『雨ニモマケズ』宮沢賢治作、柚木沙弥郎絵、ミキハウス、2016、「行ッテ」という言葉こそが大事なんだよ、祖父宮沢清六の教え、宮沢和樹。清六は賢治の弟であり、プロデューサー的存在。

「北ニケンカヤ・・・」の図柄が岡本太郎の「手」の作品のようだ!

『別冊太陽 柚木沙弥郎 つくること、生きること』2021年

『柚木沙弥郎 Tomorrow 大島忠智』 BlueSheep,2022


# by eric-blog | 2025-02-15 08:39 | □週5プロジェクト24

[5601]ネットはなぜいつも揉めているのか

[5601]ネットはなぜいつも揉めているのか

津田正太郎、筑摩書房、2024


慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授。

炎上した時の肩書きよりわかりやすいかもしれない。ズバリそのものを扱う専門家っぽいよね。


銀河英雄伝説 という1982年初登場の小説。アニメ化、コミカライズ、ゲーム化されるなど人気作品。

しかし、いかんせん、時代が時代だけに女性の描き方が、いまのジェンダー規範からすると古臭い。というような意見を書き込んだ。炎上した。2020年9月11日。


キャンセル・カルチャーの流れで反発してきたのだ。


実際には2018年版で作者もその問題を指摘していたことが発覚。再アニメ化されるのであれば変更した方が良いと。    32


表現の自由と公共性の問題について

「公共性」by齋藤純一

・国家に関する公的なこと    official

・全ての人に共通すること     common

・誰に対しても開かれていること   open


攻撃されやすい属性を複数持つ場合、その人物に対する攻撃はよりいっそう下劣になる。


在日女性、あるいはトランスジェンダー


表現の自由だけが尊重されることにはならない。


ソーシャルメディアにおける対等性 と 権力  89


「燃やしている」のは少数   97


攻撃されている、被害者になろうという心理   99

「傷つきやすさ・弱さ=純粋さ・誠実さ」    100

被害者であることが免罪符 「俺は頭が悪いから」「俺は貧乏だから」「俺は体が弱いから」

誰もが被害者になろうとすることで、本当に苦しんでいる人の訴えまで数あるクレームの一つにしてしまう。   102


米国における被害者政治

差別と逆差別

逆差別による被害

トランプ支持者の根強い被害者意識   117


日本社会は快適な社会になっており、その代償として子育ての大変さ、発達障害などの課題のある人たちの生きづらさなどがある。    177


トランプ大統領の一期目、ロシアの工作員による干渉   186


両極端の少数派がメディアで発言することで、多数派が埋没し、分断されたような印象に陥る。  204


『半主権人民』二つの境界線による整理 219

フェミニストとトランスピープルの尊重


争点と境界線 自分の友を多く、囲い込みたい。  



# by eric-blog | 2025-02-13 12:39 | □週5プロジェクト24

[5600]心の境界線 穏やかな自己主張で自分らしく生きるトレーニング

[5600]心の境界線 穏やかな自己主張で自分らしく生きるトレーニング

ネドラ・グローバー・タワブ、学研、2022


自分の感情を良し悪しで判断することはない。



SNSに投稿するときに気をつけていること

自分とは異なる価値観を持っている人は必ずいる。

返事がないと思うと、人は酷く攻撃的になる

議論をふっかけるのが好きな人もいる

ひとたび相手をしたら、自分も議論に加わったことになる

相手が私について言うことは、相手の考えに基づくこと出会って、私自身に基づくわけではない

人それぞれ要望は異なるので、全員を喜ばせられるわけではない

自分のことを何度説明しても、相手がいつか理解してくれるとは限らない

ときには、ブロック機能の力を借りて相手に離れてもらわなければならない

自分のエネルギーを守るのは自分の仕事

相手の時間を使わせて当然と思う人もいるが、時間をどう使うかは私の自由


境界線問題にマイクロアグレッションが関わるとは知らなんだ。境界線とは比較的親密な関係における課題だと思っていたから。

226

1. 噂話

2. ライフスタイルに口出しする

3. 人間関係について指示する

4. 自分の価値観を押し付ける


脆い境界線

・情報を過剰に共有する

・共依存

・巻き込まれやすい

・断れない


かたくなな境界線の行動パターン   36

・他人と物事を教諭しない

・壁を作る

・傷つくのを避ける

・高すぎる期待

・被疑しいルールを常に守る


心地よい境界線の行動パターン

・自分自身の価値を明確に示す

・自分の考えを尊重する

・相手と必要に応じて共有する

・程よく影響を受ける

・心苦ししく思わず断れる

・他人から断られても、被害者意識をだかずに受け入れられる



# by eric-blog | 2025-02-11 16:58 | □週5プロジェクト24

上手な老い方

[5599]上手な老い方[金の巻] サライ・インタビュー集

サライ編集部、小学館、2000


NHKラジオ深夜便25.2.6で小林旭さんが「昔の名前で出ています」を歌った。改めてその物語性に驚いた。星野哲郎さんの作詞であるという。1925年9月30日生まれ、2010年11月15日没。わたしの父の生年・没年が一緒なのに驚いた。


父は映画「男はつらいよ」が嫌いだったと思う。自分自身、フーテンなところがあり、若い頃は演劇にも片足突っ込んでいたからだろう。やっかみ? 羨ましさ? 田辺聖子さんも嫌いだったなあ。これは母親も。自由奔放やセクシャルなこと、浮気、恋おおきなどが嫌いな二人だった。


星野さんの作詞は

・男はつらいよ

・涙を抱いた渡り鳥

・365歩のマーチ

・みだれ髪


いやあ、好きだわ。


「妻への詫び状」と言う本も星野さんは出しているが、このインタビューの中でも、63歳で亡くなった妻のことについて語っている。


4冊ほど出ているが1925年前後生まれの人たち。

70代から80代。


ギター演歌ベスト

・津軽海峡 冬景色

・天城越え

・さざんかの宿

・酒よ

・北国の春

・時の流れに身をまかせ

・つぐない

・ラブ・イズ・オーヴァー

・川の流れのように

・愛燦燦

・北の旅人

・南部蝉しぐれ

⭕️兄弟船

・長良川艶歌

⭕️昔の名前で出ています

・くちなしの花

・星影のワルツ


# by eric-blog | 2025-02-11 15:00 | □週5プロジェクト24