人気ブログランキング | 話題のタグを見る

[5035]湊かなえ読本

[5035]湊かなえ読本

洋泉社MOOK2017


祝デビュー10周年!


和製英語探索デーとした昨日、図書館で見つけた新語。「イヤミス」

湊かなえはそのジャンルの女王だという。


テレビドラマで観た「山女日記」も彼女の作品なんだ! ということでイヤミス以外にも多彩な作家であるというのも特徴だと。


『告白』が近所のGEOにあるので、借りて見る。


# by eric-blog | 2023-05-27 10:00 | □週5プロジェクト23

[5034]ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?

[5034]ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?

アン・クレシーニ、ぴあ、2018


『死に向かう開発』を紹介していなかったなんて!!

いまさら気づいて慌ててる。代わりにこんなものならあるんじゃが。

https://ericweblog.exblog.jp/18225665/


ペドロの開発は名作だあ!


「やさしい日本語」の第二回講座でアンさん登場。

わたしは夜に弱いので、ビデオ視聴にしたが、面白かった。アンケートに書いたのがこちら。

和製英語は「やさしい日本語」に通じると言うのが面白かった。米国に視察旅行に大学の先生方と行ったとき、彼らの英語が下手だったので、小学生が明らかにバカにしたことがあった。わたしは英語の語学力で扱いがいいといつも感じる。」


やさしい日本語で作った文章を英訳することは簡単だと言う。


そして、そのアンさんが書いたのがこちら。和製英語という言葉もすごいが、しかし、英語ではなく、英単語のことなんだということを再認識した。文章もあるのかなあ? 和製英語的英文、ありそうだね。


よくある「和製英単語」は8つのカテゴリーに分けられるという。

01 たべもの

02 ファッション

03 ビジネス

04 テクノロジー

05 TV

06 スボーツ

07 クルマ

08 ライフスタイル


第2章は和製英単語の作り方。

1. アップとダウンをくっつける

2. マイ

3. ポイント

4. ノー

5. タッチ

6. 数字とくっついて「ワンオペ」!!

7. マン・レディ・ボーイ・ガール

8. フリー

9. シルバー


コラムで「英語になった日本語」「英語以外のカタカナ語」

「進化系」ググる、バズるなんて日本語は便利なんだ!!!「短縮系」


英語にも入れたほうがいいんじゃね? と思ったのが「ドリンクバー」


豪華なものをチープなもののネーミングに使うんだなあと思ったのが「マニキュア」「マンション」。豪邸が高々50平米の部屋にも使われたり、手のお手入れをnail polishだけのことにも使ったり。なんか豪華な言葉で騙されがちな日本人・・・


コーディネートも和製英語ならば、さらにそれがいまや「コーデ」になっていないか?


「クレーム」がこんなに簡単に、頻繁に使われることになったのは、単語力だなあ。悪い意味でも、簡単にネーミングしたことでクレイマーが生まれやすい土壌になったんじゃないか。


SNS, VTRよ、お前もか。


パンクの語源はなんなんだ?


■青猫の友 2023年5月27日 11:11-12:50

日本語の造語能力の高さの原則をまとめてみた

1. 漢語=漢字、外来語=カタカナ、和語=漢字とひらがなの表象モードの多様さ

2. それらの組み合わせの自由さ

3. 短縮する、谷六など

4. 漢語では多くの漢字で表現し分けられているものも、和語では一つである場合が多い。厳密さが失われる。

5. 曖昧さを許容する力

6. 「開かれた文化」の「閉じられた社会」がバックにある。

7. 新しいものを貪欲に共有する力、伝播力が社会にある。





[5034]ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?_a0036168_13482263.jpg
[5034]ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?_a0036168_14133857.jpg

[5034]ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?_a0036168_08105853.jpg






# by eric-blog | 2023-05-26 11:34 | □週5プロジェクト23

[5033]マチズモを削り取れ

[5033]マチズモを削り取れ

武田砂鉄、集英社、2021


「やさしい日本語」第五期の連続講座を受講している。

第二回はアン・クレシーニさんのお話。

来日16年目にして「いただきます」の意味を知り、文化の違いの背景にある世界観の違いに注目するようになったと言う。文化というハードウェア「見える」ものの違いの背景には、世界観というソフト「見えない」ものの違いがあるのだ。

■ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?

アン・クレシーニ/著


タイトルから分かるように、アンさんは博多弁で喋る。そこが「やさしい日本語」に通じる基本姿勢があるということ。


もう一つの彼女の発見は「和製英語」というカタカナ語は、英語のように見えていて英語圏では通じない。しかし、その造語の背景には「発音しやすい」「覚えやすい」というたくまざる工夫があるのだという。そのことは、「和製英語」を作り出している日本語の柔軟性と生きた証ともいえる。


ランニング・マシーンはtreadmill

ペットボトルはplastic bottle


などなど。

https://nativecamp.net/blog/study/1000?gad=1&gclid=CjwKCAjw67ajBhAVEiwA2g_jEF5rdcL_i9xdDwVRM8cbXalwqr1ZZv8-9irSzbIym-nt54kWnbT8mRoCzxcQAvD_BwE


「和製英語は間違っているから正しい英語を覚えよう」という姿勢を脱却したアンさん。英語話者の「上から目線」にも気づいたという。


そこから話は「思い込み」へ。自分自身も「社長」と紹介された人が女性だった時に、驚いた自分に気づいたという。社長は男性という思い込みがあるということだ。


そこから講座はブレイクアウトルームに移行し、30分ほど「思い込み」について体験共有。

しかし、全体に戻っての共有でも、一般的なステートメントばかりで具体例は出なかった。それだけ、「気づく」ことが難しいということだ。


有名な事例は、「息子が交通事故に遭い、父親が付き添って病院に行った。救急車で運び込まれた負傷者をみた医者が「彼はわたしの息子だ」と叫んだ。」というやつだ。


これは、日本語で書くと、ひょっとすると「役割語」から類推することができてしまうかもしれない。


いずれにせよ、事例に気づいた時に、書止めでもしておかないと、わたしたちは気づけない。


その先入観や思い込みを作っている「マチズモ」をたくさんの事例から突きつけてくるのがこちらの本だ。


「自由に歩かせない男」


百田尚紀のツイートに対するツッコミから始まる。   011


Me Tooを揶揄した彼は

・セクハラを、女性だけの問題だと思っている

・性差別を訴える女性に男性が賛同することを疑問に思っている。

・男がMeToo運動に参加できる資格を得るのは「舐められた」「ケツでも掘られたい」した時だと考えている。


男はめっちゃ有利なのだ。気付けよ。深く考えろよ。がこの本のメッセージだ。

予め優位なのだから、いまのままであることが男は助かる。

とぼけたり、うやむやにしたり、笑い飛ばしたり、

ミニマムなマチズモを放置していてはいけない。


例えば、成人年齢が18際に引き下げられた時の朝日新聞である。「男性論客が女性アイドルに構図」の記事を出した。



これは、この間の授業でも学生から指摘されたことなのだが、「ただ街を歩くだけでも、抱えている恐怖が男女間で異なる」

男性は道を譲らない。夜道は怖い。


新宿の通勤ラッシュは、男制性・年長者・叩きい・しかめっ面の優位性が見て取れる。

身長185cmの著者は、「オマエがまっすく歩けよ、周りはその流れから作り出される」と仕向けられていると感じている。   016


2018年には女性に当たりながら歩く男性の動画が物議を醸したが、コメントにその背景の心境などを読み取ろうとするのが多いことにも驚くと著者はいう。そんな行為の背景まで理解する必要などないだろ?

https://image.itmedia.co.jp/l/im/nl/articles/1805/30/l_kontake1607966_180530takkr01.jpg


レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』「夜歩く」ことは性的な文脈に置かれる。

「女は見られるために歩く」という観念。   028


「女を自由に歩かせたくない男」


EXILEがインタビューで「古風な女性が好み」と垂れ流す。


第2章 電車に乗るのが怖い

強姦ですら「やらせておいて良かったんじゃないの?」と笑いのネタにされる。

1988年、御堂筋線事件

1986年、西船橋駅転落事故死

2006年、JR特急「サンダーバード」車内レイプ事件


第3章 「男/女」という区分

2018年、東京医科大学入試得点操作事件

そのことに怒らない女性は、大学の側と結託している。  062

不正に不正だと怒らない。


本屋の「男制性エッセィ」「ジョセィェッセィ」のコーナー分けと、そのあおりの言葉遣い。


「女性○○」のカテゴリー

「なんだ、女か」

説教したがる男たち


そういえば、米国で、エレベーターに乗り合わせた男性に服装を褒められた。「ありがとう」と返して、「あなたのファッションも決まっているね」と返したら、変な顔をされた。対等じゃなかっだ、あれは。なるほど。


ガラスの天井、ガラスの地下室

広がるミサンドリー


第4章 それでも立って尿をするのか

なぜ新幹線の便座は上がっているのか

『The Bathroom バス・トイレの人間科学』男性の尿は円錐状に広がって噴射されている。だから、周りに跳ねる。


第5章 密室に他人が入り込む

不動産にまつわる男女差

シングルマザーの入居審査が厳しい。


第6章 なぜ結婚を披露するのか


第7章 会話に参加させろ


第8章 甲子園に連れてって

最悪な野球部マネージャー

その男女格差文化、男の選手の世話をする女子マネージャー


第9章 体育会という抑圧

体育会系は就職に有利

あー、想像するだけでイライラする。



第10章 寿司は男のもの?


第11章 カウンターと本音


第12章 人事を握られる

内申書なんて嫌な時代になったものだ。高校生たちが大人の目を意識してボランティア活動やプロジェクトに取り組んでいる。

非正規雇用のシングル女性たちの恐怖心の根源は人事、雇い止めだ。

『なぜオフィスでラブなのか?』西口想



不正に怒る癖をつけよう!



■ラディコ「靴」

https://radiko.jp/#!/ts/QRR/20230523130000



# by eric-blog | 2023-05-25 17:18 | □週5プロジェクト23

[5032]実践ダイバーシティマネジメント 何をめざし、何をすべきか

[5032]実践ダイバーシティマネジメント 何をめざし、何をすべきか

リクルートHCソリューショングループ、英治出版、2008


グローバル化、日本国内における労働人口の減少、消費者ニーズの多様化など、これまで通りの「男性、正規雇用、フルタイム、終身雇用」を前提にしたような組織からの体質転換が求められている、とこの本は問題提起する。


2008年、15年も前のことである。今、岸田政権は異次元の少子化対策を行うと言う。


ダイバーシティ対策のほとんどは「女性」の働きやすさ中心に考えられている。高齢者、外国人、などの対策は、まだない。


しかも、ほとんどの企業の取り組みは掛け声だけで、及び腰だと言う。


労働力の流動性とレベルアップのためには、社会的セーフティネットの充実と生涯教育の拡充が鍵だと私は思っている。それらの政策と連動して初めて、各企業のダイバーシティ、働き方の多様性対策が奏功するはずだ。しかし、この本を読む限り、あるいは調査対象が大企業中心であるためか、「企業丸抱え」でのマネジメントの姿しか見えてこない。


興味深い視点だと思ったのはマネジメントにおける「フェア」と「ケア」の両立を課題だとしていることだ。多様な働き方とは、個別の事情に合わせた働き方を認めると言うことだ。それを「ケア」の論理と呼んでいるのだ。


マネジメントに「フェア」は必須である。昇進昇格昇給における不満感、不平が起きないようなシステムと、個別事情を汲み取るシステムは両立するのか?


画一的な労働を前提としていてすら、不平不満をなくすことは難しい。多様な働き手を想定した場合は、何をして「公平」だと判断できるのか。


一方で、この本で触れられていないのが、女性労働者の貢献の測り方である。これまでの女性の労働による企業への貢献の再評価なしで、女性の働き方とその多様性を評価することは可能なのだろうか?


同時に、男性の「見えない」貢献もあるだろう。企業には「見えない貢献」による成果が、ヒドン、あるいはサンクコストとして計上されていないものが多々あるのではないだろうか。


コロナ禍でGoogleやフェイスブックなどIT企業が、大規模なリストラに踏み切った。


いま、ドーナツがブームだというテレビ番組を見ていたら、2人のチームで「新商品」を生み出していると言うことだった。商品化に至る10倍の「試作品」があると言う。彼らの働きをどう評価するのか、とても不思議だった。9割没のアイデアを出していることに焦点を当てるのか、1割の成功に焦点を当てるのか。


どこの企業にもそのような「没」努力があるはずだ。


女性には研修や経験を積む機会が少ないとされる。

平均勤務年数も女性の方が短い。


膨大な「没」努力の経験を、いかに積み続けられるかも、女性自身にとってもチャレンジなのではないかと思った。そして、それを励ます組織であることも、大事なことなのだろう。それは、「男性は家族のためにやめられない」ことによって勤続年数が長いと言う構造の再考が必要だと言うことでもある。


一方が変わらないまま、一方が変わることはありえない。では、マジョリティの側に「変わらなければならない」必然はあるのだろうか? どこまで「必要」性を理解して「変化」を受け入れられるのだろうか?



# by eric-blog | 2023-05-24 15:57 | □週5プロジェクト23

[5031]シングル女性の貧困 非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援

[5031]シングル女性の貧困 非正規職女性の仕事・暮らしと社会的支援

小杉礼子/鈴木晶子/野依智子、(公財)横浜市男女共同参画推進協会、明石書店、2017


「貧困」をキーワードに自分自身のブログを検索すると422件もヒットする。

「シングル女性」でヒットするのは一件のみ。阪神淡路大震災がらみで、「シングル女性」も立ち直りが難しいとされる弱者だと言う指摘だ。

https://ericweblog.exblog.jp/2248241/


貧困の定義に「経済的」「社会的」「関係的」などの視点があるが、この2016年に実施されたウェブアンケート調査の結果にも、「相談できる先」の有無という「貧困」が浮かび上がっている。


非正規雇用という意味では、わたし自身が事務局長、理事などを勤めているERIC国際理解教育センターというNPOも、ファシリテーターとの雇用関係は非正規であった。ファシリテーターとして活動してもらっていた女性のほとんどが「パートナー」がいた。


「相談できる先」の一つがパートナーである。しかし、それが相談先であることは危ういとこの調査は指摘する。「パートナー」や「友人」が相談先である場合には、愚痴を言う愛ででしかなく、待遇改善にはつながりにくいからだ。   110


相談する先がないと答えた割合が、派遣社員では半数にのぼるのも課題である。208


結論から言うと、非正規雇用もカバーする労働組合や非正規雇用者による労働組合や支援団体などが、もっとしっかりとした相談先にならないと、問題は解決しない。


就労支援、生活支援など、本人たちもこれまで支援が求められると思っていなかったのではないか。ニーズを可視化することも必要なのだ。


調査の対象者は35-54さいの非正規職シングル女性。有効回答数は261件。

なんと驚くことに最終学歴が「大学・大学院」が53.3%にものぼるのだ。    195

これは、女性の大学進学率の推移から考えても、多い。ウェブ調査のタメでもあろうか。

そして83%が婚姻歴なし。半数近くが一人暮らし。    



コロナ禍でさらに困窮が進んでいるであろうシングル女性たちの問題。彼女たちの生き辛さが、日本の少子化の背景にあると思うのだが。





# by eric-blog | 2023-05-22 16:08 | □週5プロジェクト23