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南国港町おばちゃん信金 「支援」って何? おまけ組強制コミュニティの創り方

南国港町おばちゃん信金 「支援」って何? おまけ組強制コミュニティの創り方

原康子、新評論、2014

2890冊目


ムラのミライ(ソムニード)のプロジェクトで途上国に出向いた著者。大学院で援助学をやり、専門家として現地に赴く。


師匠と呼ばれる代表が、へらへらと現地の人と話しているのをみて、それぐらいはできるわよ、わたし、と思うのだが、師匠が去って見ると、話の接ぎ穂も見出せない自分とそして状況に驚愕する。


会話だけではない。


援助団体のスタッフが被っている「援助ハット」。成功していると言われる現場で見るのは、全ての作業をスタッフが肩代わりしている。理由はいろいろだ。現地の人たちの非識字、無知。プロジェクトの達成目標と期間の縛り、そしてスタッフの焦りと現地の人に対する不信。


現地のおばちゃんはスタッフに叫ぶ。「あんたの仕事やろ!


著者は、師匠がいとも易々と、おばちゃん達が自分の課題に気づき、取り組みの穂口を見出し、分担し、なんとか漕ぎ出すまでを伴走するのに気づく。


何が違うのだ?


図書館で「ヒラ面陳」されていたものを手に取ったのだが。騙された。日本の、どこからの地域起こしの物語かと思ったのに。


おばちゃん達の語り口を岐阜弁に訳しているのが秀逸です。


ムラのミライに光あれ!


援助の世界に道義あれ!


師匠の技についてはこちら。

http://ericweblog.exblog.jp/21373008/

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by eric-blog | 2017-09-29 00:22 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

知らなかった、ぼくらの戦争 

知らなかった、ぼくらの戦争 

アーサー・ビナード、小学館、2017

2889冊目


「本日ただ今を持って、俺の友人だ。」


2015年度に文化放送の番組「アーサー・ビナード『さがしています』」で紹介された人々のなかで、2016年に亡くなった人のいかに多いことか。


その中の一人、飯田進さんは、アーサーが訪ねてきたことに「もう言い残すことはない」と先ほどの言葉を発する。


人を殺した。それはお国のためだと信じていた。しかし、その人は無実だったと後で知る。あやまちを認めることは生易しいことではない。


国を愛する気持ちと、その国があやっていたという後悔の気持ちと、その「狭間」で心が騒ぐ。そのことをアーサーが他のどの日本人よりもわかってくれたという喜びが、ある。


そして、アーサーは、日本に来て、日本の「戦後」が一つだけで、毎年数を重ねていくものだということに驚いたという。


彼の故郷、米国では戦後は複数あるからだ。少なくとも1945年以降に200回。


では、日本は平和なのか?


後書きに彼はエドナ・セントビンセント・ミレーの言葉を引いてこういう。「平和とは、どこかで進行している戦争を知らずにいられる、つかの間の優雅な無知だ。」と。254


日本の平和は、つかの間どころか、70年以上という長さの無知なのだ。


インタビューされた人の中には、埼玉県東松山に住むアーサーのお連れ合いのお母様も含まれている。


本当に、身近なところにいる人々に、しっかりと戦争のことを聞くことなど、あまりにもなさすぎるのだなあと、感じさせられた。


「物語」の本質に迫ることがうまい著者の、聞き取りは見事である。



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by eric-blog | 2017-09-25 12:17 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

反資本主義の亡霊

反資本主義の亡霊

原田泰、日本経済新聞社、2015

2888冊目



『奇妙な経済学を語る経済学者』でも巷に流布する物言いを批判している。そのアンチはアクティビティにぴったりだ。

http://ericweblog.exblog.jp/851100/


『ベーシック・インカム』という本も出している。990万人ほどの人々に対してBIを提供する方が、福祉官僚ばかりが肥え太る複雑な制度設計よりもはるかにましだと指摘する。


また、『震災復興欺瞞の構図』では、無駄遣いや不経済を批判している。時間がかかりすぎる高台移転は時間利益を逸していると。


この本は、あたかも資本主義が悪いかのような言説に対する批判の書。資本主義で世界は豊かになったのだと。したがって、経済成長は必要。


高橋是清は、世界を見渡しても逸材で、彼のおかげで日本は世界恐慌からいち早く抜け出しており、恐慌のせいで戦争を始めたというのはうそ。


日清日露までは軍人の地位は高かった。戦争で活躍した軍人で中将以上になったものは、華族に叙せられ、いまの価値に換算すれば、億単位の報奨金を得られていた。


しかし、戦争で儲けるよりも兵器を売ってもうける方が経済優位な時代になって、軍人の地位が下がった。


軍部は、勝手に満州に進出、さらには長城をも超えて戦線を拡大してしまった。石原莞爾が日本政府から関東軍に政府の違和感、反対を伝えに行ったが、その前に石原自身が満州でやったことを揶揄され、鼻先であしらわれてしまう。


「あなたは戦争で儲けたのに、なぜ人が同じことをやろうとすると止めるのか」と。


不経済であっても、戦線拡大は止められない。いつかうまい汁を吸えるかもしれないという思惑が、幹部には働くからだ。


東條英機はアヘン貿易で巨万の富を築き、甘粕正彦も同様。


民主主義の国同士は争わないとカントは言い、文明格差のある国に対する戦争は儲かる。


いま、先進国は地上部隊さえ出さずに一方的な戦争を仕掛けている。


日本は、インフレ政策をとらないと、高齢化、生産性の低下という二つの原因のために停滞していくことになる。


アベノミクスは雇用を拡大し、経済を立て直した。金融緩和策はうまく行っている。


『女工哀史』でも『あゝ、野麦峠』にしても、農業よりは工業の方が労働が楽であり、現金収入だって得られたのだ。


相対的に見たら、今の時代は豊かだ。


豊かさの配分は可能である。


痛快な読み物であり、これまで原田さんが書いてきたことのまとめにもなっているのではないか。



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by eric-blog | 2017-09-24 11:14 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

スキル指導「わたし」について

スキル指導「わたし」について

■課題「あい」を育てる


■「わたし」を構成する五つの要素


  • λSafety 安心
  • λSelfhood 自意識、自信
  • λAffiliate 関係性、所属と繋がり088011
  • λMission 目標と責任
  • λCompetence 効力感、達成感


■教育者の資質


  • λ生徒に対する心からの興味と関心
  • λ生徒から重要だと思われるような個人的なラポート
  • λ各人の肯定的な資質を素直に認める
  • λ生徒の自己イメージは変わると本当に信じており、そのことを自信を持って生徒に伝えることができる
  • λ生徒が自分自身についてよりよく感じることができるように努力し、時間をかけようとする態度
  • λ生徒に自分を開き、個人的な資質や体験を彼らと共有しようとする態度。
  • λ信頼できる関係を創ろうとする欲求と、頼れる、信頼できる誰かであろうとする気持ち
  • λ自分自身の自画像を時々に振り返り、役割モデルとしての意識を持っている。


■教育者の態度、チェックリスト


  • υ安心を育てる態度
  1. 1.わたしは一人一人の生徒が、受け入れられ、歓迎され、大切な存在であると感じさせていますか?
  2. 2.わたしはわたし自身の考えや感情を生徒と共有していますか?
  3. 3.わたしは生徒の言うことに耳を傾ける時間を取っていますか?
  4. 4.わたしは生徒のプライバシーと秘密を尊重していますか。
  5. 5.わたしは生徒に対して現実的で合理的な期待を伝えていますか。(やろうと思えるほどに高く、しかし、達成可能なレベル)
  6. 6.生徒たちはわたしを頼りにし信頼できる人だと思っているだろうか。
  7. 7.わたしは生徒との個人的な人間関係を築く努力をしているだろうか。(個人的なメモを送ったり、家に電話をしたり、挨拶をしたり、など)
  8. 8.わたしは、学習環境について、合理的で意味あるルールや制約を課しているだろうか。
  9. 9.生徒はこれらのルールや制約についてはっきり認識しているだろうか。彼らはその結果や褒賞を理解しているだろうか。
  10. 10.わたしの態度は積極的な模範を示しているだろうか。


  • υ自信(Selfhood)を育てる態度
  1. 1.わたしは、彼ら自身が自分の価値を感じることができる態度や姿勢を伝えているだろうか。
  2. 2.わたしは生徒が彼ら自身の関心事、態度、役割、体格などの特徴を発見することができる機会を提供しているだろうか。
  3. 3.わたしは、生徒が過去及び現在影響を受けている重要な事柄について省察する状況を作り出しているだろうか。それらの事柄は彼らの自意識にどのような役割を果たしただろうか。
  4. 4.わたしは、生徒が彼らのユニークさを表現し、他者と異なっていると言うことのリスクをとることを奨励しているだろうか。
  5. 5.わたしは生徒自身が大切にしている価値は何かが認識できる感情や態度を探索することを助けているだろうか。
  6. 6.わたしは、生徒が前向きな発言をしたり、賞賛されることを受け入れたりすることを学ぶことを助けているだろうか。
  7. 7.わたしは、生徒一人ひとりが異なることを受け入れているだろうか。
  8. 8.わたしは、生徒が自分自身についての描写するリストを増やす機会を増やすようにしているだろうか。
  9. 9.わたしは、生徒が自分自身のユニークな資質に、誇りを持つことを奨励しているだろうか。
  10. 10.わたしは、生徒がDo I avoid equating the students' work with their self-worth?



  • υ関係性(Affiliate)を育てる態度
  1. 1.わたしは、どの生徒も受け入れられていると感じる機会を提供しているだろうか。
  2. 2.わたしは、全員にグループの一員として参加する機会を提供しているだろうか。
  3. 3.わたしは、一人ひとりの生徒がグループの一員として役割を果たしたり、貢献したりなどの参加をさせているだろうか。
  4. 4.わたしは、生徒が友情を育むための特別なスキルを身につける手助けをしているだろうか。
  5. 5.わたしは、生徒が互いに受け入れ、認め合う機会を提供しているだろうか。
  6. 6.わたしは生徒が互いに認めあい、支援すること奨励しているだろうか。
  7. 7.わたしは、学友たちが互いの背景や能力、関心を発見できるようにしているだろうか。
  8. 8.わたしは生徒が互いが達成したことを褒め合うことを教えているだろうか。
  9. 9.わたしは生徒が他の学友のニーズや感情にセンシティブであるように奨励しているだろうか。
  10. 10.わたしは、学級、学校愛や誇りを育てる活動を計画しているだろうか。


  • υ目的意識(Mission)を育てる態度
  1. 1.わたしは、生徒が何を達成したいかを明確にする手助けをしているだろうか。
  2. 2.わたしは、生徒と希望や目的について議論する時間をとっているだろうか。
  3. 3.わたしは生徒が以前のパフォーマンス・レベルと現在のレベルを評価することを手助けしているだろうか。
  4. 4.わたしは生徒が自分自身の進展、成長を点検する機会を提供しているだろうか。
  5. 5.わたしは生徒が彼らの設定した目標の結果を認識することを奨励しているだろうか。
  6. 6.わたしは生徒が達成可能な現実的な目標を設定することを手助けしているだろうか。
  7. 7.わたしは、生徒が問題解決において異なる選択肢を考慮したり、自分自身で決定を下すことを奨励しているだろうか。
  8. 8.わたしは生徒が自分自身の行動の結果を発見することをさせているだろうか。
  9. 9.わたしは生徒が彼ら自身の学業やプロジェクトの方向に影響するように奨励しているだろうか。
  10. 10.わたしは生徒の個人的パフォーマンスの不必要な比較を避けているだろうか。


  • υ効力感(Competence)を育てる態度
  1. 1.わたしは一人ひとりの生徒が成功する機会を提供しているだろうか。
  2. 2.わたしの生徒に対する期待は、現実的だろうか。それは達成可能なレベルだろうか。
  3. 3.「学業的な達成」に限ることなく、賞賛と認証の機会を提供しているだろうか。
  4. 4.わたしは生徒が彼らの特別な才能と関心を広げ、それらを学友と共有するように進めているだろうか。
  5. 5.わたしは、生徒の学ぶ力を信頼していることを伝え、彼らにどうすればコンピテンスを伸ばすことができるかについてのフィードバックを行なっているだろうか。
  6. 6.わたしは、教科内容を細かいステップに分割し、全ての生徒が達成できるようにしているだろうか。
  7. 7.わたしは、生徒の強化内容についての知識を評価し、彼らの能力を十分に把握できるようにしているだろうか。
  8. 8.わたしは生徒が自分自身の進捗を評価することができるように段階を踏んでいるだろうか。また、他者と比較することの内容に配慮しているか。
  9. 9.わたしは生徒が自分自身が達成できたことに誇りを持ているように奨励しているだろうか。
  10. 10.わたしは生徒が彼ら自身の能力と力に気づくような機会を提供しているだろうか。


  • υエスティームを育てるための雰囲気づくり
  • λ安心
  1. 1.学級、学校環境は互いにケアし合い、信頼しているように受け止められているか。
  2. 2.魅力的でかのしい物理的環境を維持することに努力されているか。
  3. 3.生徒は学校のルールと制約をはっきりと理解しているだろうか。そして、その結果を理解しているか。
  4. 4.全ての教職員が同意している積極的な行動規範のポリシーがあるだろうか。
  • λ自信
  1. 5.教職員は生徒や他のスタッフのために行動しているか。
  2. 6.生徒の自己認識の変化は観察され、記録されているか。
  3. 7.学校は個人的な成長の機会を提供しているか。
  4. 8.個人個人に対する承認はあるか。
  • λ関係性
  1. 9.生徒が学友の中で地位を獲得し認められるように、意図的な努力はされているか。
  2. 10.積極的で、分かち合いの雰囲気があるか。否定的で批判的なものではなく。
  3. 11.学校に対する誇りが共有され、共同体精神が奨励されているか。
  4. 12.メンバーは、所属していることを感じ、共にいることを楽しんでいるか。
  • λミッション
  1. 13.学校目標は全ての個人のセルフ・エスティームが満たされるような方向性を含んでいるか。
  2. 14.成員は意思決定のプロセスに参加することを奨励されているか。また、声を聞かれたり、意見を取り入れられたりするか。
  3. 15.協力したり、問題を正すための一致した努力は行われているか。
  4. 16.学校の方向性やミッションに合意はあるか。
  • λコンピテンス
  1. 17.個人の才能や力を活用する機会はあるか。
  2. 18.スタッフは彼らが生徒の認知や達成に重要な影響を持てることを認識しているか。
  3. 19.高いが達成可能な期待が、生徒とスタッフに伝えられているか。
  4. 20.スタッフの成長はモニターされ、スキルを向上させ、成功に導くために特別なフィードバックが行われているか。

http://eric-net.org/news/EsteemWorksheets.pdf

  • わたしを見つめるアクティビティ
    • ¬肯定的な態度
      • お似合いのイニシャル
    • ¬関係性
      • 10人の親しい人々
      • 重層的自己分析
    • ¬自己形成
      • 人生の河
    • ¬成長
      • 去年はできなかった、でも今年はできる


【参考文献】

  • LB5-10セルフエスティームの構成要素
  • いっしょに学ぼう
  • いっしょにできるよ
  • わたし、あなた、そしてみんな
  • 対立から学ぼう
  • ν




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by eric-blog | 2017-09-22 14:19 | ☆アクティビティ・アイデア | Comments(0)

人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長

人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長

灰谷孝、花風社、2016

2887冊目


同じく花風社の出版物。

http://ericweblog.exblog.jp/237119830/


人間の脳の構造が、脊髄、小脳、大脳という順番で生物的進化し、従って、人間の発達段階においても、その順番で発達が満たされなければならないという議論。そのためにはどうすればいいかを、段階を追って解説したもの。

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人間が生きるってすごいなあ。


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by eric-blog | 2017-09-22 13:47 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

なくそう! 職場のレイシャルハラスメント

なくそう! 職場のレイシャルハラスメント

特定非営利活動法人 多民族共生センター、20161000

2886冊目


ネットからは注文しにくかったので、直接メールで依頼するのが良いと思います。送料360円。後払いでおくってくれます。


info(a)taminzoku.com


職場とされていますが、定義によるとその概念は幅広いものです。取引先、移動中、業務の延長上にある顧客の自宅や飲食の場など、仕事に関係するあらゆる場所とされています。


直接の言動だけでなく、ネットの書き込み、掲示物や配布物などの印刷物、就業規則や内規などにもRHは当てはまります。


特徴的なタイプが8つに分類されており、それぞれの具体例が第二章で紹介されています。

  1. 1.組織内、顧客には日本国籍を持つ日本人しかいないことを前提とした会話、事業、組織運営。
  2. 2.身体的、文化的特徴を揶揄、侮辱の対象とする。
  3. 3.ルーツのある特定の人種、民族、国に係る事柄について、あたかもその集団の専門家、代表者、責任者であるかのように扱う。
  4. 4.本人の意思に反して特定の人種、民族、国籍に係る属性を公表したり問いただしたりする。
  5. 5.仕事上の成功やミス、考え方の違いを特定の人種、民族、国籍に結びつけて評価する。
  6. 6.特定の人種、民族、国籍に係る属性に対する侮辱的、否定的、排除的、攻撃的言動、直接的暴力。
  7. 7.特定の人種、民族、国籍に係る属性を理由に人事、給与面において不利益な扱いを行う。
  8. 8.不適切対応による二次被害。


誰対誰? もスタッフ相互、上下、顧客から従業員、従業員から顧客、マイノリティ間などを含みます。


判断基準は、言われた側、された側の主観的な感情を重視する。

行った側の意図は判断基準にはならない。  5


2016年のアンケートは、2015年に行われたアンケートの結果に基づき分類した8項目について、聞く形になっています。112名対象。


  1. 1.組織内、顧客には日本国籍を持つ日本人しかいないことを前提とした会話、事業、組織運営。  ある84.3%
  2. 2.身体的、文化的特徴を揶揄、侮辱の対象とする。 ある86.3%
  3. 3.ルーツのある特定の人種、民族、国に係る事柄について、あたかもその集団の専門家、代表者、責任者であるかのように扱う。 ある79.4%
  4. 4.本人の意思に反して特定の人種、民族、国籍に係る属性を公表したり問いただしたりする。 ある50%
  5. 5.仕事上の成功やミス、考え方の違いを特定の人種、民族、国籍に結びつけて評価する。  ある41.2%
  6. 6.特定の人種、民族、国籍に係る属性に対する侮辱的、否定的、排除的、攻撃的言動、直接的暴力。  ある69.6%
  7. 7.特定の人種、民族、国籍に係る属性を理由に人事、給与面において不利益な扱いを行う。 ある 27.5%
  8. 8.不適切対応による二次被害。  ある28.4%



【具体例】

  1. 1.組織内、顧客には日本国籍を持つ日本人しかいないことを前提とした会話、事業、組織運営。
    1. 「みんな同じ日本人なんだから~」などと発言する
    2. 「いつ日本に来たの?」などと発言する
    3. 名前の記入欄を「氏名」と表記する
    4. 2.身体的、文化的特徴を揶揄、侮辱の対象とする。
    5. 「日本語話せるの?」「日本語上手ですね」などと発言する
    6. 「ニンニクくさい」「そんなの食べるの?」などと発言する
    7. ジロジロ見る。肌や毛髪に触れる。隣に座ろうとすると席を離れるなど。
    8. 3.ルーツのある特定の人種、民族、国に係る事柄について、あたかもその集団の専門家、代表者、責任者であるかのように扱う。
    9. 「ハーフだから」という理由で、専門でもないルーツのある国の言語の添削を依頼される。逆に「〇〇語、話せないの?」などと言われる
    10. あなたの国はどうして~なの?」「あなたの国の〇〇について、君はどう思うの?」などと言う。
    11. 「あなたは〇〇人らしくない」などと言う。
    12. 4.本人の意思に反して特定の人種、民族、国籍に係る属性を公表したり問いただしたりする。
    13. ルーツのある特定の人種、民族、国籍に関する情報を本人の意思に反して流布する
    14. 「早く日本国籍をとった方がいいんじゃない?」などと言う
    15. 在日韓国人であることを意思に反して公表する。民族名/本名の使用を強要する
    16. 5.仕事上の成功やミス、考え方の違いを特定の人種、民族、国籍に結びつけて評価する。
    17. 「外国人だから考え方が違う」「外国人だから仕方ない」などと言う
    18. RMに対して、その属性に係る誹謗中傷を流布することで、地位や評価を貶めようとする
    19. 6.特定の人種、民族、国籍に係る属性に対する侮辱的、否定的、排除的、攻撃的言動、直接的暴力。
    20. 領土問題、外交問題、安全保障問題、歴史問題などに関連して、特定の人種、民族、国籍に係る属性を有する集団をひとくくりにして否定的に評価する
    21. 7.特定の人種、民族、国籍に係る属性を理由に人事、給与面において不利益な扱いを行う。
    22. 8.不適切対応による二次被害。
    23. 「考えすぎじゃないの?」「あなたにも非がある」などという


差別によって、精神的な被害が生じる。

抗議することでさらに差別被害にあうのではないかと緊張する

それを乗り越えて、抗議をしている。


そのことへの理解と対応が求められると言うこと。24


これらの発言を見てみると、「マイクロアグレッション」として紹介されている事例と重なることがわかる。つまり、日常生活の中で「言われて嫌な言葉」は、職場であれば「ハラスメント」になると言うことなのだ。

http://ericweblog.exblog.jp/237659538/


冊子では「レイシャルハラスメント訴訟事例」も紹介されており、決して「そんなつもりはなかった」が通るものではない。現在係争中の「フジ住宅」の件は、まさしく、分類1の「みんな日本人だろう」と言う前提で、しかも分類6の特定の民族を貶める暴力的な文書を車内でおおっぴらに流布するという悪質なもの。

http://www.asiapress.org/apn/author/japan/post_5571/


わたしたちが生きている場所は、多文化共生の場であり、よりよい共生のために努力こそすれ、共生を危うくする行為は、文化と社会の自殺行為なのである。



【こんなアクティビティで、共生のスキルをあげましょう!】
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by eric-blog | 2017-09-22 13:22 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

検証 防空法 空襲下で禁じられた避難

検証 防空法 空襲下で禁じられた避難

水島朝穂・大前治、法律文化社、2014

2885冊目


人心同様、逃避的気運を醸成させるな。138


どこまでも人心を操るのが総力戦。自分たちが狙われているわけでもないのに避難訓練を易々諾々とやってしまう。そんなことで自分自身の身を守ることなどできないことを知るべきだ。


空襲に立ち向かうことで、何を得たのか?


「軍は国家を守るのであって、住民を守らない。」80


19454月、3月の東京大空襲の翌月政府が決定したことは、「・・・以外の者の疎開は当分の間認めざること」。つまり最後まで逃げるな。78


そして、五人組的相互監視体制となっていた自治会組織などが、その意思を末端まで徹底する。


なんだか、放射線被害を低く見せるような言い方だか、こんな風に言っている。

「陸軍中佐難波三十四 (4000発の焼夷弾が投下された場合) 一回で3500人とか1700人に一人が死ぬだけだ。」43


防空法 1937年成立。

国民に防空義務。訓練の強制。


そこから、隣組の組織化。

さらに、町会台帳による配給制との連動。


命を投げ出して国を守ること。1941年「隣組 家庭防空必携」。50


その中でも国は嘘をついている。「焼夷弾は消せる」と。86


専門家は消せないことを知っていた。非科学的。90


宣伝を流し込む。117


この防空法制研究が、大阪空襲訴訟を切り開いた。2008年。


名古屋大空襲訴訟 1976

東京大空襲訴訟 2007

沖縄戦被害国家賠償訴訟 2012


兵士が戦死した場合の補償に対して、民間人は顧みられて来なかったのだが、防空法を読む限り、国民も兵士と同様に国家を守る義務を課されていたのであり、であるならば、兵士との違いはどこにあるのかということが、おかしいということになるよね。



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by eric-blog | 2017-09-21 12:33 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

空爆の歴史  終わらない大量虐殺

空爆の歴史  終わらない大量虐殺

荒井信一、岩波新書、2008

2884冊目



これまで日本列島を空爆したのは米軍だけである。

http://ericweblog.exblog.jp/18138547/


「はじめに」で著者自身の少年時代に「ソ連の爆撃機」に備えよという宣伝映画があったという。が、ソ連による空爆はあったのだろうか?


対して、日本が空爆した国は中国である。1937年から45年にかけて12592回。(p.53)

そのことを忘れている感じするのはなぜだろうか?


ダルフールの大虐殺も空爆でもたらされている。


ドイツ軍のイギリス空爆は有名だ。

http://ericweblog.exblog.jp/237529059/


東京大空襲などの被害者による損害賠償の訴訟も行われている。


空爆の背景にあるのは差別的な「帝国意識」であると、著者はあぶり出す。


1919年、イギリス空軍参謀長ヒュー・トレンチャード「植民地の法と秩序は、在来の守備隊よりも機動力の優れた空軍によるほうが安上がりで効果的に維持できる」。3


文明の落差による心理的な効果。空からの統治、懲罰効果。


1903年に開発された飛行機が戦争で使われたのはすでに数年後。

・イタリアトルコ戦争 1911

・バルカン戦争 1912

・青島戦争 1914


その後、1930年代には「選択的空爆」論が浮上。水道、鉄道などのインフラ破壊が住民の士気を挫くものとされた。24


1923年「空戦に関する規則」が住民に対する無差別爆撃を禁止。26


しかし、相手が報復手段を持たない非「文明国」であった場合には、禁止兵器が公然と使われた。27


「ファシズム時代」の空爆

1937年ゲルニカ

1938年重慶


民族の抵抗と空爆

・ベトナム戦争  南ベトナムは歴史上最も激しく空爆された国になった。


そして「対テロ戦争」と空爆の時代に。


しかし、今に至っても、空爆は、相手を挫く決定打ではないのだ。



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by eric-blog | 2017-09-21 11:40 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

悲しみのダルフール 大量虐殺の惨禍を生き延びた女性医師の記録

悲しみのダルフール 大量虐殺の惨禍を生き延びた女性医師の記録

ハリマ・バーシル&ダミアン・ルイス、PHP研究所、2010

2883冊目


ダルフール紛争はスーダンのチャドに近い地域でザガワ族などアフリカ系住民が起こしたアラブ人支配に対抗する紛争。2003年から。

https://blogs.yahoo.co.jp/sisido1124/65943501.html


イギリスの植民地であったスーダンから、イギリスが引き上げる時、アラブ人に政府を任せた。ザガワ族など「アフリカ系」住民は戦って自分たちの土地を守った。しかし、社会的にはアラブ人が支配し、アフリカ系住民を「黒人奴隷」と呼んで虐げて来た。


そんな背景を、「幸運の白いまつげ」を持った少女が、ザガワ族の自主独立を信じ、植民地政策の過去を知る父親に育てられ、学校で一番の成績を収め、医学部に進学し、医者となって活動する。1979年生まれ。


アラブ人の生徒たちをおさえ、上位の成績を収めるも、最終試験では「出席が足りない」と指導教官の偽証で、トップを逃す。そんな差別、マイクロ・アグレッションは初等教育の段階から続いている。


この本がすごいのは、そのような過酷な体験が語られる前に、いかにザガワ族の祖母や母、父らが独立の精神を持って生きているか。そして、彼らの生活がどれほど豊かなものであったかを、子供の頃の物語から描き出している。


朝食べるアシーダ。祖母が命じる薪運び。優しく、厳しく育てられていく子供時代。


大学卒業まででもう250ページにもなる。一晩で読み切ってしまった。


医師免許を得てからは、ハシュマの病院で務める。そこにはゲリラ戦で傷ついたアフリカ系スーダン人もやって来た。彼らを治療し、救急救命用品などももたせたりすることが問題にされ、秘密警察に拉致される。「何も言わない」ことを約束させられ、マスカバドに左遷される。


平和なように思えていたマスカバド。突然、女の子たちが学校でジャンジャウィード(アラブ人による襲撃)に襲われ、レイプされる。数十人の子どもたち、教員の手当をしつつ、その襲撃のとき、学校に助けに駆けつけようとした人々を政府軍が排除していたことを知る。襲撃はアラブ人の行動を政府が後押しした結果だったのだ。


のちに、アラブ人たちに武器を供給していたのは、スーダンから石油を輸入していた中国だったと知るのだが。


取材に訪れた国連職員に、匿名を前提に、襲撃のことを伝える。


そして、一週間。彼女は再び秘密警察に拉致され、国連職員に話したことを責められ、レイプされる。レイプを報告するのなら、レイプとはどういうものかを知ってからにせよと。320


「生かすことにした」と拷問の後、路上にほおり出された彼女は、彼女を命の恩人だと思ってくれている知人の手助けで故郷に戻る。その故郷、ダルフールに、大空襲が襲う。


村を守ろうとして残った父親は殺され、弟たちは戦闘に惨禍することを決意、母と妹は難民として逃れていく。


一人、彼女は違法なルートをたぐってイギリスへ。飛行機を乗り継ぎ、ロンドンの空港からタクシーに乗せられ、「アサイラム」の一言によって警察に保護される。それから一年。難民申請を待ち続ける。


個人の物語であるのに、全ての要素が詰まっている。


少数民族による政治支配。支配者であるがゆえに得られる富を、自分たちの民族の優秀さだと思い、被支配者たちを「犬」だ「黒人奴隷」だと下げずむ態度。


公用語はアラブ語で、ザガワ語などの言葉は学校では許されない。ザガワ語を話すと罰せられる。教員たちはアラブ人。アラブ人がザガワ族の子どもをバカにしても罰せられることははない。そのことに異議申し立てをしたザガワ族の子どもは親が呼び出される。


しかし、いくら支配層とはいえ、人為的に導入された人種である、土地に根ざしていないアラブ人は「土地なし住民」として、「プア・アラブ」も生み出す。優秀であるはずの民族であるのに、下げずんでいる民族以下の貧困状態にある彼らの怒り。


秘密警察による拷問。力のある被支配層の決起の力に怯えるプア・アラブを武装させ、彼らによる「ジャンジャウィード」を黙認し、擁護する政府軍。


どこかで聞いたような話。あ、日本だ。これは日本でも起こったことなのだ。同じ精神構造で起こったことだ。同じ社会構造で起こったことだ。


人は弱い。


弱さを自覚して、危うきに近づかない知恵を働かせよう。



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by eric-blog | 2017-09-21 10:41 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

靖国神社が消える日

靖国神社が消える日

宮澤佳廣、小学館、2017

2882冊目


1958年生まれ、國學院大学文学部神道学科、湊川神社、神社本庁、平成18(2006)から靖国神社、平成29(2017)6月末退職。


この長い年月、私とは全くことなる経験、環境、テーマ、行動で行きて来た人が書いている回想録のようなものを読み解くのはとても大変だ。読んでも読んでもわからない。


これまで本を読めていたことが不思議に思えるほど、何を言っているのか、何を言いたいのかがわからない。


靖国神社が、時々の政争の具となって来たことに関して、様々な思惑や動きがあることは当然だろう。そして、何よりも靖国神社も一枚岩ではないことも。政治的になればなるほど、秘密裏にことが運ばれるようにもなっていく。


基本として、著者は「靖国は平和を祈願する神社として設立されたものであり、決して戦争賛美ではない」という。


昭和38年に「靖国神社国家護持要項」によって三原則が日本遺族会との間で合意された。212

・名称の存続

・特性の保持 (由緒、伝統、行事、)

・合祀の決定(合祀の範囲および基準は国が公に之を定め、天皇に上奏の上決定すること)


靖国神社に祀られているのは明治以降に「国家防衛という公務のために死んだ人々」である。2466000余。206


それに対して明治維新の時の賊軍も合祀しようという動きがあった。それは「徳川の逆襲」?

それによって靖国の公共性が失われるのではないかと、著者は危惧する。


その張本人、德川宮司を後押ししているのは亀井静香ら。らしい。


昭和天皇がA級戦犯合祀以来、参拝しないのも、自分の戦争責任を身代わりに引き受けた人が国家のために死んだということは、大きな矛盾を孕むから出し、どのツラ下げて彼らの前に出たらいいか、わからないからなんじゃなかろうか?


色々色々色々、憶測、検証、物言いはあるだろうけれど。


疲れる文章だなあ。こころ穏やかに英霊に感謝を、そして未来に平和を祈る場所になんかであるのだろうか? いままで、一度も足を踏み入れたことのないものとして、何が気になるのか、整理しないといけないなあ。



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2017年9月17日 東京新聞 書評欄より

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by eric-blog | 2017-09-20 11:39 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)