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(株)貧困大国アメリカ

(株)貧困大国アメリカ
堤未果、岩波新書、2013
2605冊目

貧困大国三部作の一冊。すべては民営化、民間企業の儲けのために、大国がくずれていくのだと、警告する。

企業の奴隷狩り場のようになってしまった労働市場、
銀行の資金調達源でしかない投資市場。

モンサントが保護される法律、GM種子で世界を席巻する。
オーガニックも「消費」される。

切り売りされる公共サービス。
公教育も解体される。

政治も、マスコミも買収される。

そんな米国とTPPを結ぶことの危険性を、著者は指摘し続けている。

TPPでは医療、国民保険、教育などの公共的なセーフティネットも蚕食されてしまうからだ。

『沈みゆく大国アメリカ<逃げ切れ!日本の医療>』
はまさしく著者のそのような叫びである。

「自己管理出来ないような奴らは、死ねばいい」と長谷川某氏が叫んでいるが、その現実が、透析に保険が効かないアメリカでは起こっている。


無保険であれば法外なお金をとられる医療、そして高く複雑な保険制度。

ねらわれる「ドリームランド」高齢化した日本の介護施設経営。

どんな未来が待っているのやら。
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by eric-blog | 2016-09-30 12:38 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

兵士は戦場で何を見たのか

兵士は戦場で何を見たのか
ディヴィッド・フィンケル、亜紀書房、2016 
2604冊目

『帰還兵はなぜ自殺するのか』の姉妹編。日本では『帰還兵・・』の方が先に翻訳出版されている。

バグダッドの治安維持のために、イラクに増派された三万人の兵士の中の800人、カウズラリッチ中佐に率いられた軍隊16-2。正式名は長いから、いい。

2003年から始まったイラク戦争。増派の目的は、「イラクの人びとと協力して近隣の治安を守り、地元住民の命を守り、残るイラク軍がバグダッドの求める治安を確実に提供出来るようにすること」18

この400ページを越える本は、2007年4月から2008年4月までの12ヶ月を、資料、インタビュー、参与観察などの一次資料、二次資料から綴ったもの。

ブッシュは言い続ける。「勝つまで続けなければ」と。かつために増派する必要がある。闘わずして勝つことはできない。

兵士たちは闘う。闘う相手は強硬派のムクタダ・サドル指導者率いる軍隊と、マフディ軍。相手の武器は手作りの爆弾、迫撃砲など。

厳重に警備されている作戦基地の外側は、戦争の前線。作戦基地もロケット砲撃にさらされる。
前哨基地から展開する作戦のために、作戦基地を出る。
すべてに警戒しながら。

どこから爆弾が飛んでくるのか、どこから射撃されるか、どこに爆弾がひそんでいるのか。

800人のうち、14名が死に、1割ほどが負傷。

中佐は傷病兵を見回る。「君は英雄だ」「勇敢に闘った」と。そして勲章を渡す。家族に支援を約束する。「わたしたちは家族」だからと。

ブッシュは言う。「闘わなければ、勝利はない」と。

兵士は殺す。反乱軍を。終わりのない戦いを。
そして、兵士は負傷する。死ぬ。

家族が残される。

誇張も、戦争プロパガンダもない。それぞれの立場からの見方、もの言いが記録されていく。

「敗将K中佐」
中佐の見舞いを受けたくない兵士。
なじりたい家族。

しかし、ブッシュは言い続ける、一年の間。「対処しなければならない」と。

制圧できなかったことを、兵士たちは知っている。
■自衛隊家族による安保法制反対の運動はこちらから。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/334910
人を殺すということの結果や影響がどういうことか、想像力はないのかと、富山さんは問う。

■戦争における「人殺し」の心理学
http://ericweblog.exblog.jp/8747309/
Tangled Memoryという本は、米国が「ベトナム戦争の悪夢」を塗り替えるために湾岸戦争をスマートに演出したのだという。

しかし、どのように訓練し、心理規制をとっぱらい、発砲できるようにしたところで、そのことで死ぬのも兵隊なのだ。

兵隊こそが、もっとも平和を望んでいると、著者は言う。

著者が心配しているのは、ベトナム戦争で発砲率を高めるのに使われた同じ道具、脱感作、条件づけ、訓練の体系的プロセスという方法が、いまの米国社会全般に、暴力や人殺しについて、社会に蔓延する情報やメディアの中で、作用しているのではないかという。

■桃あかりさんからのコメント
恐ろしすぎるけれど、見つめるべき現実ですね。
帰還兵士達による反戦運動やその主張などをyoutubeで数年前、見ましたが、未だに米軍も米国も懲りていないどころか、民間にまで蔓延している⁉

本来の海外支援とは?
本来の派兵の目的とは?
について、
『職業は武装解除』瀬谷ルミ子 著
の英訳化➡米国で広く読まれることを、強く望みます。

当書籍と同じくらい、広く広く、共有されてほしい内容なので。
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by eric-blog | 2016-09-29 13:35 | □週5プロジェクト16 | Comments(2)

女たちの21世紀 no.87 2016年9月号

女たちの21世紀 no.87 2016年9月号
特集 女性に押し寄せる新しい貧困「新・家制度」強化の中で
2603冊目

伊田広行さんが「シングル単位」の運動を提唱している。
シングル単位に立たない限り、ジェンダー秩序に取り込まれてしまうから。
主流秩序における「承認要求」を持っている限り、取り込まれて、貧困の罠に。

フクシマ母子避難の貧困スパイラル
実家暮らしの困難
老後に怯える40代50代、専門職でもない非正規事務職。
高齢女性の年金問題

政権が押し進める「新・家制度」という秩序。すべての公的なサービスを家庭内の無償労働に担わせていく。
それらのコストをけずりにけずって、公的資金を「国威発揚」へと回収していく仕組み。

うううう、読みたくない。
でも、知らなきゃ始まらない。
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by eric-blog | 2016-09-28 10:26 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

今よりマシな日本社会をどう作れるか 経済学者の視野から

今よりマシな日本社会をどう作れるか 経済学者の視野から
塩沢由典、SURE、2013
2602冊目

長期停滞の原因を著者は五つと指摘する。
バブルの後遺症
消費需要が低迷している。
国際経済関係でトップランナーになった
その状況に対応できず、キャッチアップ時代の制度、ものの考え方、習慣
少子化と高齢化

2,3,4について

消費需要が低迷しているのは、「需要飽和」が起きていること、将来不安によってお金が回らなくなっている。
時間制約のせいで、経験を楽しむための時間のゆとりがない。
せまい家という空間制約によって、ものが置けない。

これからの時代、「貿易立国」はできない。

答えは「サービス経済化」71

50%をサービス産業に。

医療、介護、保育、教育、その他、外食、観光、旅行、エンタテイメント、芸術。など。

医療、介護、保育、教育、の共通点は、「市場任せでは、需要が顕在化しない」。

ビジネスに乗りにくい。介護保険などで、顕在化した。

制度設計が大切。

大学の使われ方も、学齢期だけに限らず、幅広く、リカレント教育にも貢献できるようになることが大事。


この人の論議、好きだなあ。
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by eric-blog | 2016-09-27 13:32 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

使い捨て文化はもうやめよう!

使い捨て文化はもうやめよう!スウェーデンで導入予定、まだ使えるものを修理すると税優遇が受けられる制度http://karapaia.livedoor.biz/archives/52225624.html
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by eric-blog | 2016-09-27 11:14 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

ESDfc2016テーマ「人権」記録

ESDfc2016テーマ「人権」記録
2016年9月24日-25日
参加者:7名 ファシリテーター:かくた

http://www.eric-net.org/news/ESDfcPLT2016.pdf

■ねらい
今回の研修では、参加型やアクティブ・ラーニングなどの方法論の導入が教育の現場での課題になっている現状に対して、「伝えたいこと」や価値観という教育目標がおざなりにされていることに対する危機感があった。

何度も言う。ESDは価値観の教育である。専門家の育成やエリートのための教育ではないのだと、OECDのレポートも言う。「教育はわたしたちの社会の生き残りをかけた投資なのだ」と。

そのためにすべての人にESDを届ける必要があるし、すべての教育の質をあげる必要がある。そういう問題意識で、「主体的」で「対話的」で、「深い」学びのためのアクティブ・ラーニングが唱導されているのだ。アクティブ・ラーニングの背景には、わたしたちの社会の生き残りをかけた教育哲学がある。

にもかかわらず、HowはWhyをすっとばして、一人歩きする。

WhyのないHowはバッドコピーに堕しやすい。

今回は、徹底的にWhyにこだわりたいと思った。


■プログラム 記録
セッション1 共通基盤づくり
11:00-13:00
1. 塗り絵葉書を半年後の自分のために準備する
2. 研修への期待と塗り絵についてのひと言で自己紹介
3. 「○○の心がけ」をペアで考える→共有・模造紙板書・掲示
4. 傾聴
5. 人権尊重文化の行動目標 できている? 課題は何? 手だてをしている?
○肯定的な風土
○対立は悪くない
○問題提起を受けとめる


【ファシリテーターからのミニレクチャー1】
ERICの研修では、最初に何か「手作業」を取り入れる。作業的なことを行うことで、「スキル」を身につけるというのはどういうことかを考えることにつなげることができるし、手作業は「全体言語的」な理解や考え方を刺激するからだ。
マッサージやからだほぐしもよいものだが、導入からは、ちょっとハードルが高すぎる。今回は、塗り絵。小林かいち展でかいちの描いた絵はがきがすばらしかったので、着想した。10分程度では到底出来上がらないが、みなさん楽しく取り組めたようだ。わたしも途中まで塗ったものがあったのに、自宅に忘れていて、披露できず、悔しかったなあ。
小林かいちの原画を知っているわたしからすれば、「知らない人は自由だ」なあああ。うらやましい。
今回は、この葉書を「半年後のわたし」に送るというプラスアルファ付。

【ファシリテーターからのミニレクチャー2】
ERICの主催研修12時間コースの組み立てを紹介する。
ホワイトボードの左カラムに板書してある11項目。今回は「ファシリテーターの資質」を加えた。MQWの「ファシリテーターのコア・バリュー」の点検を取り入れるつもりだ。

【ファシリテーターからのミニレクチャー3】
いつもであれば「傾聴」をしてから「話し合いの心がけ」を行うのだが、「研修への期待」から「人権の学び」にどん欲になって欲しいと思ったので、「何のためなのか」を明確に意識してもらおうと「○○のために」の部分もペアで話し合ってもらうことにした。

【ファシリテーターからのミニレクチャー4】
傾聴の時に、話が単なる自己紹介になっていたので、「人権教育」について、考えたことなどに集中してほしいことを伝える。
なぜ、「あたりさわりのない」自己紹介に「逃げる」のか?のふりかえりを行った。

【ファシリテーターからのミニレクチャー5】
「なりたい未来」の共有から、その未来に向けてバックキャスティングで教育内容を考える、そんな流れが本来であれば正当であろうと思う。しかし、それをやっていては、二泊三日の「フューチャーサーチ会議」を開催してもおぼつかない。今回は、これまでわたしが人権研修を行って来て、感じていた「人権尊重の風土」の特徴を、とりあえずの行動目標としてその目標の背景にある価値観を確認し、それが実現出来ているかどうかを検証し、育てるための手だてを考えるという流れで行うこととした。
人権尊重文化の背景にある価値観は、「平等」「正義」「多様性」など、ESDの価値観と共通している。それらの価値を実現するのが行動目標である。
○肯定的な風土
○対立を恐れない
○問題提起を受けとめる、社会変革につなげる

この三つに至ったのは、「日本社会の○△□」の課題を考えた時のこと。この日本社会の特徴は、「対立」することを難しくする。この社会の特徴の故に対立することや、異なる意見を言うことが難しくなる。であれば、どのようなことが実現されていれば、意見を言うことができやすい社会になるのだろうか。

「均質さを好む」のに対して「多様性を喜ぶ」、「力の格差の感覚が大」に対して「対等」、「リスクを避ける」のに対して「プロセス思考」で社会変革する。そんなことを考えた。

人権教育は、同和教育から始まった。同和問題は、被差別の側からの問題提起を受けとめて、社会が改善に取り組んだ結果である。そのことも、人権尊重社会の重要な資質である。

点検のためのアクティビティが、それぞれについて、すでに何度も研修で取り上げて実践してきている。

セッション2 人権尊重文化の実現=課題と手だて
14:00-16:00

1. 課題と手だての共有

行動目標大切な理由行動手だて
肯定的な風土・一人ひとりの存在を尊重する
・対等な関係で
・排除しない
・立場の違いはあっても一人ひとりは対等
・相手を大事にする・人の話を受けとめる
・価値観が異なる人との対話を試みる
・人の話はさえぎらない
・職場でも異見のいいやすいムード
・自分のもつ社会的力を自覚する肯定的な風土・点検の視点三つ
・わたしのいいところ10
・人のことをほめたこと
・人からほめられた/認められたこと

対立は悪くない・一人ひとりの成長
・多様性を受けいれる
・主体性をみんなが持つ・ビビっていても発言する勇気
・いやだなと思う人でも受けとめる
・違っていても自分の意見を言う
・対立の温度計をあげない。激化させない対立の扱い方を学ぶ
日本社会の○△□
なぜ対立しにくいのか
問題提起を受けとめる・社会教育では人権は大切な基盤
・立場上大事、そのことを再認識してもらう
・簡単にかいけつできない大きな目標なのでいつも課題がある・研修会の開催あなたは信じる?信じない?
「危険」なことを指摘する
指摘の仕方・受けとめ方

2. ふりかえり

セッション3 ふりかえりとまとめ
16:00-18:00
1.  「さまざまな感情」と価値観
2.  正確に聞く傾聴
3. 価値観は育ったかな?
 価値観を育てるものはなに?

知識、感情を伴う経験、対話

4.  四つの活動形態をふりかえる
5. 五つの手だてについて、まとめる[グループ作業7’]
 ○ジャーナル・個別対応
 ○風土・学校全体アプローチ


セッション4 プログラム開発
9:00-11:30
1. からだほぐし
2. ジャーナルづくり「昨日学んだことを三点、見開きページに書こう」→共有
3. 現状分析「人権尊重文化の課題は何?」「のばしたいものは何?」
4. テキスト・リーディング→共有
5. 手だてを考える
○アクティビティ
○プログラム
○カリキュラム
5. プログラム立案「起承転結の四行文章で伝えたいこと・各行にアクティビティを乗せる」


セッション5 アクティビティ実践
12:30-14:30
1. 教員対象のプログラム「あらためまして人権です」
起承転結アクティビティ
あなたが実践している手だては何ですか参加者アンケート(HR,p.51)
どんな「人育て」の手だてがあるでしょうか?手だてカードを「効果と効力感」で分析する(参考「あなたならどうする?」HRA, p.17)
それらの手だてを、より「人権感覚」を育てるものにできないでしょうか?手だてカードの改善点
人権尊重文化を育てる手だての原則を共有しておきましょう。人を育てる手だての五原則

2. 行政職員対象「市町村担当職員のための人権研修実施のためのオリエンテーション・プログラムを改善する」
既存のプログラム改善点
市町村の職員のためのイントロ参加者アンケート「できていること・課題・改善のアイデア」など。
アクティビティ体験アクティビティ体験
まとめ流れのあるプログラム実践評価表を活用して「四つの活動形態」などの視点からふりかえる
「わたしだったら抗する」実践のためのアイデア共有

3. 一般「子育て世代を育てる」
起承転結アクティビティ
子育てで心がけていること何ですか子育ての「手だて」ビンゴ!
いい点・課題を共有しましょう。「効果と効力感」で分析しよう
「前向き子育て」から学ぶこと。トリプルPの17の技術ワークシート
互いに認めあい、励ましあって、誰もが子育てしやすい、よりよい子育て環境をつくりましょう。わたしたちにできること

セッション6 ふりかえりとまとめ
14:30-16:00
1. ファシリテーターのコア・バリュー[ペア作業]
  Making Questions Workより「一貫性・誠実さ・相互関係の尊重」を「わたし・あなた・みんな」の枠組みに書き換えたワークシートを活用する。

2. 価値観は育ったかな? 二日間のふりかえりと共有

3. 個人的行動計画
4. 「半年後のわたし」に葉書を書く
5. 修了証にサインしよう




ファシリテーターに求められるコア・バリュー(持つべき価値観)

■「わたし」自身を尊重する
・成果へのグループ・オーナーシップを醸成する:  成果は参加者のもの
・プログラム/プロセスにおける自己欺瞞の最小化
・意図を明確にする
・問題が起こった時、そのことを認める
・あなたの能力について正直である
・いま、ここに集中する: 参加者とともにある
・参加者の見方・考え方に耳を傾ける

■「あなた」相互の関係性を尊重する
・公平さを実現する: 配慮の必要な人のニーズに応える
・グループの相互尊重の規範を明確にする
・参加者相互の交流の時間を尊重する
・参加者同士の直接的なやりとりを推奨する
・忍耐強く: 誰の沈黙であるのか、ファシリテーターか、参加者か
・グループのエネルギーを尊重する

■「みんな」の規範を保つ
・客観性を保つ
・秘密厳守の確認
・利害対立に対するセンシティビティ
・馴れ合いを避ける
・質問はフェアに
・発言の根拠、出典を確認する
・力や情報のアンバランスに言及する

Making Questions Work: A Guide to How and What to Ask for Facilitators, Consultants, Managers, Coaches, and Educators, Dorothy Strachan、2006
より作成


■記録の共有
https://www.dropbox.com/sh/omjsvc0yrja9n7k/AAC-rswwPt8SjNv1Zi57s6_3a?dl=0
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by eric-blog | 2016-09-27 10:12 | □研修プログラム | Comments(0)

人びとの戦後経済秘史

人びとの戦後経済秘史
東京新聞・中日新聞経済部、岩波書店、2016
2601冊目

高度経済成長のころの「蒸発」。
経済至上主義に疲れた人達がいなくなった。3万人/年。
いまは、希望そのものが持てなくて、蒸発する。

日本経済の「記憶遺産」として戦後70年を期にまとめられたもの。

戦中の窮乏生活、物価統制経済のころからのことも書かれているので、必ずしも戦後だけではないのだけれど、関係者に対するインタビューも含められているので、チームに入っていた30代40代の記者たちにとっては、学びであったと、あとがきに言う。

それほど読み下しやすいものではないが、「秘史」としての裏話的なものも含まれている。
まずは「経済正史」を人びとの暮らしの視点からまとめてもよかったのではないかと読んでいて思った。

『国産初物語』のおもしろさをちょっと期待してしまっていた。
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by eric-blog | 2016-09-24 09:53 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

沖縄 空白の一年 1945-1946

沖縄 空白の一年 1945-1946
川平成雄、吉川弘文館、2011
2600冊目

沖縄に戦後はない。

今なお居座り続けている米軍基地、それにおぶられての自衛隊基地、不発弾、遺骨収集。何も終わっていない。

1944年10月には那覇市の90%が灰燼に帰す空爆以来、45年4月1日本島上陸、6月23日、牛島満司令官の自決。

以来始まる米国沖縄占領。

4人に一人が死に、ほとんどの地域が破壊された沖縄で、通貨を取り上げられ、家屋敷土地を取り上げられ、収容所に入れられ、戦後処理は始まった。

司法、立法、政治すべての主権を取り上げられ、生殺与奪も米軍の思いのまま。

いま、民主主義のあり方が、沖縄で問われている。
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by eric-blog | 2016-09-23 12:12 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

もう闇のなかにはいたくない 自閉症と闘う少年の日記

もう闇のなかにはいたくない 自閉症と闘う少年の日記
ビルガー・ゼリーン、草思社、1999
2599冊目

1990年から、母が試みたパソコンを使ったコミュニケーション。
1993年、少年は突然、自分の内面を書き綴りだした。19才。

奇矯な行動は変わらない。
からだは「棺桶」だという。


日本の東田さんとも同じだね。

パソコンっておもしろいねぇ。
そして、人間って、なんなんだ?


■勇気はおいしいはず、東田直樹、小学館、2005
http://ericweblog.exblog.jp/20277085/
■自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心
東田直樹、エスコアール(千葉県木更津市)、2007
http://ericweblog.exblog.jp/21400848/
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by eric-blog | 2016-09-23 10:37 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

ブルカ沈黙の叫び スペイン女性が見たアフガニスタンの真実

ブルカ沈黙の叫び スペイン女性が見たアフガニスタンの真実
アナ・トルタハーだ、集英社、2002
2599冊目

著者がパキスタンからアフガニスタンを訪ねたのは2000年のことだ。あれから16年。

先日、小学校の図書館で『せかいいちうつくしいぼくの村』という絵本を読んで、思わず涙した。
http://www.ehonnavi.net/ehon/1600/せかいいちうつくしいぼくの村/
おいしい果物のとれる村。パグマン。すももを売って、さくらんぼを売って、そのお金で子羊を買って帰ったぼくの村。

最後のページ、横書きバージョンのレイアウトのものでは、一行が一ページの真ん中に、配置されている。その村はもうないのだと。

さあ、その後のことについては・・・
『せかいいちうつくしい村へかえる』をごらんください。

何度も何度も破壊と戦火をくぐり抜けるアフガニスタンの人々。

彼女たちの前向きな姿が、描かれているのが、この本です。

2000年7月30日(日)に、著者たちがパキスタン、イスラマバード空港に着いてから、難民キャンプ、ペシャワール、そしてタリバン政権下のアフガニスタン8/12、再びペシャワール、そして
8月18日に出国するまでのすべての記録。

女たちに会い、インタビューし、男たちに怯え、兵士におどされ、フィルムを奪われるかという恐怖に、メモ書きまでも水洗トイレに流したことも。

知ってほしい。わたしたちが生きていることを。
伝えてほしい、わたしたちのことを。

ブルカを厭うている女性もおり、ブルカは選択だという女性もあり、ブルカは宗教的行為だと言う女性もいる。

それもこれもひっくるめて、生きている。

関心を持つこと。それがともに生きる知恵である。
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by eric-blog | 2016-09-23 10:29 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)