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超ヤバい経済学

超ヤバい経済学
スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー、東洋経済新報社、2010
2551冊目

女やっているとどれだけ損か
テロやるくらいなら生命保険に入ったほうがいい
身勝手、それとも思いやり
どうして助手席に座っちゃいけないの?
地球温暖化を冷めた目でみる


など刺激的なタイトルが並ぶ。

ラマダンにお母さんが参加した胎児は、障がいを抱えている可能性が高い。
一流選手は1月から三月生まれ。

2002年10月、10件の無差別殺人がワシントンD.C.で起こった。犯人はたった二人。とっても簡単、とっても安上がり、とっても効果的。

テロが効果的なのは、あらゆる人に負担を強いるからだ。81

攻撃されるかもという恐怖。自殺で死ぬ可能性が575倍も高いとしても、だ。

自由が奪われる。空港のセキュリティ。それがいやで車で長距離を移動する人が増えた。9.11のテロ後の三ヶ月だけでも、交通事故が1000件、よけいに起きている。82

人材もそこに振り向けられた。金融関係の悪者をおっかけるはずの人が、テロリストの追跡に回された。

インフルエンザの蔓延は減った。飛行機にのらなくなったので。
犯罪も減った。ワシントンD.C.では。
マリファナの国内生産が増えて、カリフォルニアの農家は儲かった。

病院がいっぱいになったので救急医療チームがもっと簡便に情報を共有するシステムができた。

テロリストをあぶりだすための指標もみつかった。

・普通預金にお金を預ける。
・金曜日の午後にATMでお金をおろす。
・生命保険をかける。

あと、借家に住んでいるとか。ありそう。

凶悪犯はどう防ぐ?
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by eric-blog | 2016-07-30 08:21 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

自発的隷従論

自発的隷従論
エテイエンヌ・ド・ラ・ボエシ、ちくま学芸文庫、2013
2550冊目

解説で西谷修さんは言う。

「ひょっとしたらそれは、人間が言葉によって生存を組織する存在であるというところに根ざしているのかもしれない。言葉は規範的正確をもつ。つまりわれわれは言葉を操るようになる前に、うむを言わせぬ言葉の約束ごとに従わなければならない。・・・・・・まず共通の規範を受け入れる。・・・それを通して自由を現実化することができるようになる。」

「言語が人間という共同存在の条件なのである。」

「言語の規範性に従うことで主体となるというこの人間の成り立ちのうちに、規範的な力と主体の自由との入り組んだ関係の発端をみることはできるだろう」
245-246

さて、圧政者には三つの種類がある。
選挙で
武力で
家系の相続で。

「彼らが征服地にいる」ことがはっきりとわかるようにふるまう。031

民衆によって国家を与えられた圧政者は・・・その者がほかの人より高い地位にいるのだと考え、「偉大さ」というよくわからないものによって得意になり、金輪際その座が下りるまいと決意しない限りにおいて、(他の二者よりまだまし。)031

自由が失われると、勇敢さも同時に失われる。049

隷従のいちばんの根拠は習慣である。051

圧政者の詐術1 遊戯の提供。「人は自分を愛してくれる者に対しては用心深くなり、自分をだます者には素直に従う。」053

圧政者の詐術2 饗応 口の快楽 「民衆はいつも、素直に受け取るべきでない快楽に対しては開けっぴろげで放埒でありながら、律儀に耐えるべきではない横暴や苦悩に対しては鈍感であった」055

圧政者の詐術3 称号

圧政者の詐術4 自己演出 「それほど愚かでなく、たいして隷従していない人々にとっては、王たちが与えたのは、たんなる暇つぶしと笑いの種だった」058

圧政者の詐術5 宗教心の利用

小圧政者のあわれな生きざま1

農民や職人は、隷従はしても、言いつけられたことを行えばそれですむ。だが、圧政者のまわりにいるのは、こびへつらい、気を引こうとする連中である。

言いつけを守るばかりでなく、望む通りにものを考えなければならない。070

はたしてこれが幸せに生きることだろうか?これを生きていると呼べるだろうか。071

圧政者の持続しない愛邪悪な主君の庇護等ほとんど当てにならない。073

友愛なき圧政者 圧政者は愛されることも愛することもない。076

小圧政者の哀れな生きざま2
気に入られることを考えながら、恐れている。079

したがって、いま一度、正しく行動することを学ぼう。天に目を向けよう。われらの幸福のために、徳への愛そのもののために、・・・圧政ほど、完全に寛大で善なる神に反するものはないのだから。081

1530-63年の短い生涯を生きた人。

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今回の大量殺人事件の犯人に「自発的隷従」の匂いを嗅ぐ。

彼は「気に入られたかった」のだ。彼が気に入られたかった相手が誰であるかは明らかだ。時の政権である。

彼は自ら深く考えることをせず、何を期待されているかを一生懸命探り、実行したのだ。

彼は、整形手術による過去の抹消と安逸に暮らせるだけの金と、自由を望んだのだ。「ご決断いたたければいつでも実行します」と。

しかし、彼は知るだろう。圧政者の愛は持続しないことを。
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by eric-blog | 2016-07-29 09:49 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

小学校校内研修プログラム

ねらい:
◎ペア作業を通して「共感性」が育つことに気づく。
◎アクティブ・ラーニングの四つの活動形態を知る。
◎子どもたち相互の共感性の課題は何かを考える。
◎学校共同体として「課題のある子ども」とともに育つことを目指す。
◎三つの省察が一致する実践を目指す。「何を」「なぜ」「何のために」

プログラムの流れ:

1.からだほぐし「いっしょに立ち上がる」
2.カクテル・パーティ「一学期、どうだった?」
3.傾聴
4.話し合いの心がけ、何のため? どんな学級にしたいの?
5.接続詞で論理トレーニング「課題のある子どものいる学校共同体を育てるには?」
6.お面渡し
7.いろいろウォーク
8.表情のミラー
9.ふりかえりの傾聴
10.空飛ぶ円盤!
11.空飛ぶ円盤ダンス・コンテスト! 参加者募集!
12.顔合わせ
13.シャドウ・ダンス
14.わたしの何が変わったかな?
15.わたしの言う通り、描いて!
16.いっしょに立とう!
17.ふりかえりと応用を考える
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by eric-blog | 2016-07-28 15:10 | □研修プログラム | Comments(0)

相模原障害者施設襲撃事件2016 各団体声明

相模原障害者施設襲撃事件2016

http://d.hatena.ne.jp/dattarakinchan/20160727/1469625341

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■声明

全国手をつなぐ育成会連合会
http://zen-iku.jp/wp-content/uploads/2016/07/160727stmt_ruby.pdf

DPI 障害者インターナショナル
http://dpi.cocolog-nifty.com/website/work2/20160727_seimei.pdf

障害者の共同作業所の連絡会きょうされん
http://www.kyosaren.com
http://www.kyosaren.com/aboutKyosaren/2016/07/post-103.html

日本知的障害者福祉協会
http://www.aigo.or.jp/archives/2016/post-50.html

■2016年9月22日
https://dl.dropboxusercontent.com/u/13471007/Twitter/ピープルファースト津久井やまゆり園抗議文.pdf
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by eric-blog | 2016-07-28 10:40 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

佐藤宏幸さんプライベート・ワークショップ プログラム案

1. 当日のプログラム(案)

セッション1 10:00-11:00 「学び合いの場づくり」
 ❏ 自己紹介&他者紹介
 ❏ 話し合いのルールづくり
 ❏ 傾聴と指摘の仕方・受け方のスキル・トレーニング

セッション2 11:00-12:00 「本とのインタビュー」
 ❏ 目次から関心のあるところを選ぶ
 ❏ 読み込み(個人)
 ❏ 共有フォーム記入(文章完成法)

セッション3 13:00-15:15 「成果の共有と行動計画」
 ❏ 全体共有
 ❏ 相互フィードバック
 ❏ 活用のバリア分析
 ❏ 個人的行動計画づくり

セッション4 15:30-16:00 「ふりかえり」
 ❏ EQI(E:良かったこと、うれしかったこと、Q:疑問や問題点、残念なところ、I:改善のアイディア )


2. ふりかえり成果品
3. かくたさん テキストメモ
4. テキストの目次
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by eric-blog | 2016-07-28 09:37 | □研修プログラム | Comments(0)

ケアリング

ケアリング
ネル・ノディング、晃洋書房、1997
2549冊目

キュアからケアへと、医療や介護の現場でも意識の転換が行われてきた。
とてもていねいな註と訳者あとがき。

1. 医療現場のことばとして
『ケアの本質』メイヤロフ
2. 道徳教育・心理学・女性学の問題として
『もうひとつの声』ギリガン
http://ericweblog.exblog.jp/1960781/
3. 哲学・倫理学・社会学の問題として
『ケアの人間学』水野治太郎、1991

ギリガンが言うように、「人々は自分という人間の一部」という発想はとても東洋的である。

同時に、女性特性論が、差別の固定化や正当化、男女の違いの強調などにつながるように、全体を受け入れるケアの心は、どうも全体集団主義的な考えや道徳にも取り込まれる傾向があるようだ。

学校においては教師が生徒をケアし、生徒もケアを返し、ケアする主体となりえる。

幼児ですら、母親のケアに応えている時、役割を果たしている。

それは「学ばれている」

そのことをノディングズは「練習」と呼ぶ。対話と練習。

「兄たち」と訳されているのがbrothersなのか、older brothersなのかが気になるなあ。

なんにしても、ノディングズの本は読みにくい。何を言おうとしているのか、わからない。何を論じないといけないかの関心の焦点が違うんだろうなあ。
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by eric-blog | 2016-07-26 11:12 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

わたしも大事 あなたも大事

わたしも大事 あなたも大事
グリーフサポートせたがや、2016 
2548冊目

米国ポートランド、オレゴン州にあるダギーセンターが作ったビデオの日本語訳ができたというので、世田谷区存明寺で開催された上映会とミニコンサートの会に出かけた。

2012年にダギーセンターを尋ねた人たちが、その後連続講座の開催、空き家活用事業による「サポコはうす」の開設など、ものすごい行動力で活動してきていることに驚いた!

コンサートは坂本九さんの娘さん、大島花子さんによる歌とトーク。
1.  イマジン
2. 夕焼け小焼け 手話
3. おしゃべりしたい 永六輔さんによる手話起源の歌
4.  岸壁の母
5.  さようなら、あなた スティーブン・フォスター この傷と歩いていこう6.  上を向いて歩こう
7. 一本の鉛筆

アンコール 見上げてごらん

永六輔さんて、すごい歌を残したんだなあと、改めて。

坂本九さんが飛行機事故で亡くなったのは、大島さんが11才の時。前日に庭の草刈りをしていた姿が心に残っているという。30年たってやっと、向き合うこと、コンサートなどで話すこと等もできるようになったかなと、語ってくれた。

存明寺は、さまざまな活動をしている寺で、「子ども食堂」もしているという。
グリーフサポートにも力を入れていて、言われてみれば、寺とはそのような場所であるなと思う。

悲しみは人と人をつなぐ糸である。

知恵のことばが、仏教にはたくさんあるのだろうと思う。

この本は、連続講座のまとめの二冊目。袰岩奈々さんの名前を見つけて、購入。
懐かしい人にも会えた会だった。

「悲しみに寄りそい ともに生きる」町づくりを目指してという世田谷区町保坂展人さんと入り江杏さんの対談も収録されている。

袰岩さんのお話は、三つのコミュニケーションについて。カウンセラーとして活動している時のコミュニケーションとハワイのグリーフサポートセンターKHTH, Kids Hurt Too HawaiiKHTHのコミュニケーション、そしてふだんに活かしたいアサーティブなコミュニケーションDESC(描写・感情・提案・選択)だ。

KHTHのコミュニケーションはちょっと変わっていて、ミラーリングのようなコミュニケーションだ。判断や解釈、レッテルはりなどを一切排除して、子どもの行動を口に出して描写する。

そうすることで、子どもは行動に現れている背景にある感情にも気づいていく。

これはいいなあと思った。エンパワメントにつながる方法だと思う。

自分が気づくしかないのだし、自分が言語化するしかないのだし、自分が選択し、解決するしかない。グリーフとは、徹頭徹尾、そのようなものだ。

そのようなコミュニケーションを、どこでいつ、行うことができるのか。それがサポートハウスという場であるのだろうなあ。

サポコハウスの紹介ビデオに、ハウスの約束が紹介されている。

学校はどうだろう? カウンセリング・ルームは?

だめだろうなあ。子どもが主体的に何かすることができる場がなければね。
何才までの子どもに、このコミュニケーションは有効なのだろうか。大人でもやっていいのかなあ?

うーん、トレーニングを受けたくなってきた。



グリーフサポートの家「8つの約束」

1. 「やめて」といわれたらやめる
2. 話したくないときは「パス」もあり
3. 悪口を言わない
4. 心も体も傷つけない
5. ここで聞いたことは外で話さない
6. 物を投げない
7. 血を触らない
8. 大人のファシリテータといる

1. Stop and I mean it
2. What we say here, stays here
3. I pass
4. No hitting or Hurting
5. Don’t touch blood
6. No put downs
7. No throwing
8. Be with an adult



「火山の部屋」をつくる
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by eric-blog | 2016-07-26 10:35 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

ジニのパズル

ジニのパズル
チェ・シル 崔実、群像第59回新人文学賞、2016年6月号
2547冊目

在日朝鮮人の女の子が、北朝鮮のミサイル発射があった翌日、「警察」を名乗る男たちに暴行される。

朝鮮学校の制服であるチマ・チョゴリに向けられる暴力的な視線は、その男たちからだけではない。すくむからだ、怯える心、「????」だらけの頭。

なぜ、日本名を名乗るの?
なぜ、本名を名乗るの?
なぜ、日本人の学校へ行くの?
なぜ、朝鮮学校へ行くの?
なぜ、チマ・チョゴリを着るの?
なぜ、チマ・チョゴリを着ないの?

なぜ、金日成・ジョンウォンの写真が掲げられているの?

どちらを選択しても「なぜ」から逃れることのできない問いばかりの中で、唯一、「革命的解答」が、中学生のジニに見つかったのが「金親子の写真はいらない」であった。朝鮮民族は、彼らの奴隷などではない。

ちっぽけな「わたし」の放った表現は、さまざまな波紋を引き起こす。

アイデンティティ・ポリティックスが渦巻く日韓朝鮮を離れてみると、あんなに大きかった民族性の問いが、消える。「あなたは誰?」

あなたは誰? ヌグ?

在日朝鮮人が、出自や属性によって、恐怖に縛られることのない世界が、
一方で、黒人にとっては、そうではない現実の中、
「わたし」の表現を獲得すること、人と人として出会うことの意味を深く考えさせられる小説である。
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by eric-blog | 2016-07-25 11:17 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

Making Questions Work: A Guide to How and What

Making Questions Work: A Guide to How and What to Ask for Facilitators, Consultants, Managers, Coaches, and Educators
Dorothy Strachan、2006
2546冊目

Process Designという本も出している著者による「質問力」を高めるための具体的な質問例がたくさん収録されている本。この本をテキストに、昨日、佐藤宏幸さんのワークショップが行われた。

まず、この本の構成である。
第一部がHow to ask questions「質問する」ことについて、その方法とスキル、そして、ファシリテーターの価値観が述べられている。
第2部は「プロセス」における質問が、段階を追って紹介されている。

「質問」は意図的に行うものであり、そのために「枠組み」「計画」があることが大切である。質問には「開かれた質問」と「閉じられた質問」があるがいずれも文脈次第で有効に活用できる。

一般的に質問の技術というものはあるが、大事なことは、その基本を「文脈に応じて」カスタマイズすることである。
一般的な技術としては「さらなるインプットをうながすような質問」や、参加者、発言者、聴衆が知らず知らずにもっている前提や仮説を「明確化する質問」が話し合いを円滑に、そして創造的に進行するために重要である。

また、デリケートな問題、争点のある問題については「白黒をつける」ような質問ではなく、より深い気づきや葛藤などを掘り下げ、気づくような質問によって、ていねいに扱うことが望ましい。

話し合いの場に対立はつきものであり、そこで発言することにはリスクや危険が伴うことを参加者は感じ取っている。その不安を認めた上で、どう向き合うかを質問に込める必要がある。

ファシリテーターは、客観的な観察者であり、そのスタンスをキープすること。

Whyを問うことは重要であるが、具体的な行動や成果、結果との関係で問うべきで、おおざっぱな聞き方は教条主義的な解答レベルに意識を戻してしまうので避けるべきである。

昨日の作業的学習の試みとしては、p.26からp.30ページに表でしめされている「こんな問い」「そのかわりに」「なぜか」という言い換え練習のような事例が20例近く紹介されているものを検討した。

そこから見えてきた「質問の仕方」の原則は
・ファシリテーターの判断をおしつけない。
・白黒つける質問はしない。
・課題に対しては「どうすればいいか」を問うこと。

という傾向が見て取れた。しかし、簡便に原則がまとめられたページはなかった。

替わりに、ファシリテーターがよって立つべき三つの原則が紹介されている。
・integrity
・authenticity
・mutual respects
著者は問題解決のプロセスこそがファシリテートされるべきものだという考えであるので、一つの項目は、その問題解決やプロジェクトに取り組む集団の規範として一貫性や統一性があるかどうかについての確認である。
・客観性を保つ
・秘密厳守の確認
・利害対立に対するセンシティビティ
・馴れ合いを避ける
・質問はフェアに
・出典を確認する
・パワーと情報の格差に心を配る

二つ目は、ファシリテーター自身が、自分に正直であるとか、うそがないことなど、集団に対して立ち位置が一貫していることがauthenticityと表現されている。
・成果に対するオーナーシップは誰にあるかを明確にする
・プロセスにおける自己欺瞞を最低限にする
・意図を明確にする
・問題があることを認める
・あなたの能力について正直である
・いま、ここに集中する
・あなたのクライアントの観点に耳を傾ける

そのような参加者とファシリテーターの関係をよくするのが「相互尊重」である。
・公平さを実現する
・グループの規範を明確にする
・交流の時間を尊重する
・直接的なやりとりを推奨する
・忍耐強く: 誰の沈黙であるのか
・グループのエネルギーを尊重する
これらの章の最後に「Operationalizing values」という項目がある。価値観を行動に表わすことの確認である。

フォローアップの質問にいくつかの原則が紹介されている。
・明確化の質問
・視点についての質問
・論理についての質問
・選択肢を確認する質問
・応用を考える質問

第2部はプロセスのどの段階でどの質問をすべきかということについて書かれている。

1. オープニングセッションでの質問
・互いを知り合う
・期待を明確にする
・貢献を引き出す
よくある課題

2. 行動を可能にする段階
・何を?
・だから?
・それで?
3. 分析的に考える段階
・前提、仮説、見通しを明示する
・利害とパワーの関係を理解する
・思考と行動の代替案を探る
・倫理的選択を行う

4. 問題に取り組む段階
・状況を理解する
・イシューは何か
・行動のオプションを作り出す
・行動のオプションを検証する
・意思決定する
・行動する
5. クロージングセッションの質問
・ふりかえり
・これからへ

ワークショップはプロセスであり、ある一つの通過点でしかない。
その通過点を経ることで集団の質に変化があらわれ、個人個人の力が発揮され、全体のパフォーマンスが上がる。
そんなワークショップを成立させるような「質問」のためのブックレットを作りたいなあ。

と、ここまで書いてきたのは、ほとんど目次から刺激を受けて、わたしが考えたことでした!

https://www.amazon.co.jp/Making-Questions-Work-Facilitators-Consultants/dp/0787987271

実際、ERICのワークショップで使っている「ファシリテーターの言葉」の方が、よりinvitingであり、より「みんなの頭で考える」ものになっていると感じました。

このテキストの方が、現実的なチームや集団に対して効果的だろうなと思えるのは、段階をおって整理されているからだと思います。

使いこなすのは大変だろうなあ。

でも、ここから刺激を受けて「問う心」をつけるファシリテーター養成講座の二日間プログラムができると思いました。

具体的なワークとしては、テキストを素材に次の三つを行いました。

◎Part1の第1章Remindersとしてまとめられた質問例の言い換え練習
◎Part1の第2章、ファシリテーターの価値観を理解する
◎Part2のクロージングセッションのふりかえりの質問の検討

おもしろかったです。

====目次====佐藤宏幸訳=
『効く質問: ファシリテーター、コンサルタント、管理職、コーチ、教育者のための「何をいつ質問するか」ガイド』

Making Questions Work  A Guide to What and How to Ask for Facilitators, Consultants, Managers, Coaches, and Educators
Dorothy Strachan
目次 Contents

謝辞 Acknowledgments
著者について The Author
序文 Preface
序章 Introduction
•用語について

パート1 質問のしかた Part One How to Ask Questions
1.効果のある質問 Questions That Work
•(フレームワークの)説明 Process Frameworks
•意図的な質問 Conscious Questioning
•質問をつくる Framing Questions
•準備された質問 Planned Questioning
•閉じた質問と開いた質問 Closed and Open Questions
•意図的な質問をするためのスキル Skills for Conscious Questioning
•カスタマイズする Customize for Context
•反応が返ってくる質問 Create Inviting Questions
•質問の前提を明確にする Clarify Assumptions
•繊細に尋ねる Ask with Sensitivity
•リスクや不安と共に Accommodate Risk and Anxiety
•参加者を観察するスタンスを維持する Maintain a Participant-Observer Stance
•「なぜ」を注意深く考える Consider “Why?” Carefully
•疑問が浮かんだ時は、確認する時 When in Doubt, Check It Out
•ファシリテーターの質問フレーズ(忘備録) Reminders

2.ファシリテーションの肝 Core Facilitation Values
•価値観を行動に Values Into Action
•健全さ/一貫性/ぶれない Integrity
•ガイドライン Guidelines for Asking Questions with Integrity
•目的からそれない Maintain Objectivity
•秘密厳守 Clarify Confidentiality
•利害関係に対して敏感 Be Sensitive to Conflicts of Interest
•馴れ合いにならないように Avoid Collusion
•公平に質問する Ask Questions Fairly
•情報の出所を明らかにする Determine Authorship
•力や情報のアンバランスに言及するAddress Imbalance in Power and Information
•健全さのチェック Operationalizing the Value of Integrity
•誠意 Authenticity
•ガイドライン Guidelines for Asking Questions with Authenticity
•成果へのグループ・オーナーシップを醸成する Build Group Ownership for Outcomes
•プロセスに対する自己欺瞞の最小化 Minimize Self-Deception About a Process
•意図を明確にする Be Clear About Intentions
•課題を歓迎する(課題に感謝する、課題に向き合う、解題を受け入れる)Acknowledge Problems
•自身の能力に素直でいる Be Honest About Your Competencies
•今ここに、関与する・集中する Be Present; Tune In
•参加者の見方・考え方を聞く Hear Your Client’s Perspective
•誠意のレベルを確認する Operationalizing the Value of Authenticity
•相互尊重 Mutual Respect
•ガイドライン Guidelines for Asking Questions with Mutual Respect
•公平に行う Enable Equity
•グループのルールを明確にする Clarify Group Norms
•意見交換の時間を確保する(聴くことで、聴いてもらえる、相互に聞き合う時間)Respect Exchange Times
•直接のやり取りを増やす Encourage Direct Interaction
•沈黙に耐える:誰のための静寂か? Be Patient; Whose Silence Is It?
•グループのちからを信じるRespect the Energy in the Group
•相互尊重チェック
•自身の価値観に沿ったファシリテーション Operationalizing the Value of Mutual Respect

3.フォローアップの質問 Follow-up Questions
•明確にする質問 Prompt For Clarification
•他の視点を問う質問Prompt For Perspectives
•合理性(確からしさ)を問う質問Prompt For Rationale
•他の選択肢を考える質問 Prompt For Options
•実施を具体的に検討する質問 Prompt For Implications

パート2 何をいつ問うか Par Two What To Ask When
4.開始の質問 Questions for Opening a Session
•(フレームワークの)説明 Process Framework
•ガイドライン Guidelines For Questions To open A Session
•質問バンク(リスト)Question Bank
•お互い知り合う Getting to Know One Another
Focus: Sharing Personal Information
Focus: Exploring Work Experience
•期待の明確にする Clarifying Expectations
Focus: Understanding Hopes and Concerns
Focus: Meeting Objectives and Outcomes
•コミットメントを形成する Building Commitment
Focus: Developing Group Norms
Focus: Building Ownership
•実践現場からの質問 Common Challenges
•時間が短い時 When Time Is Short
•課題型ワークショップのオープニング Opening a Workshop on a Specific Topic
•連続型のワークショップのオープニング Opening a Series of Workshops
•グループの緊張を緩める Loosing Up a Tight Group

5.行動を起こすための質問 Questions for Enabling Action
•(フレームワークの)説明 Process Framework
•ガイドライン Guidelines for Questions to Enable Action
•質問バンク(リスト)Question Bank
•観察の質問 “What?”: The Notice Questions (Observations)
•意味の質問 “So What?”: The Meaning Questions (Reflections)
Focus: Relevance and Fit
Focus: The Organization
Focus: The Individual

•実施の質問 “Now What?”: The Application Questions (Actions)
Focus: Personal Change
Focus: Organizational Change
Focus: Building Ownership
Focus: Operational Planning

•実践現場からの質問 Common Challenges
•ミーティング後の支援活動 Support Action After a Meeting of a Network or Coalition
•ふりかえりと行動のための構造的アプローチ Enabling a Structured Approach to Reflection and Action
•組織体制に影響する議論と意思決定 Discussing and Making Decisions That Affect Organizational Policies
•研究成果の利用(知識の解釈) Applying Research (Knowledge Translation)
•仕事場のストレス:個人の変革 Workplace Stress: Personal Change

6.クリティカル・シンキングのための質問 Questions for Thinking Critically
•(フレームワークの)説明 Process Framework
•ガイドライン Guidelines for Questions to Enable Critical Thinking
•質問バンク(リスト)Question Bank
•前提や思考を明白にする(共有する) Making Assumptions and Perspectives Explicit
Focus: The Individual
Focus: The Team or Organization
Focus: The Broader Context
•利益と力(既得権益)を理解する Understanding Interests and Power Relationships
Focus: The Individual
Focus: The Team or Organization
Focus: The Broader Context
•思考と行動の別の方法を考える Exploring Alternative Ways of Thinking and Acting
Focus: The Individual
Focus: The Team or Organization
Focus: The Broader Context
•倫理的な選択をする Ethical Choices
Focus: The Individual
Focus: The Team or Organization
Focus: The Broader Context
•実践現場からの質問 Common Challenges
•未来をクリティカル・シンキング Thinking Critically About the Future
•状況の厳しい国でやってみる Acting Ethically in Low-Resource Countries
•政治を変えるためのクリティカル・シンキング Thinking Critically About Policy Changes

7.課題を提示するための質問 Questions for Addressing Issues
•(フレームワークの)説明 process Framework
•ガイドライン Guidelines for Questions to Address Issues
•質問バンク(例)Question Bank
•状況を理解する Understanding the Situation
Focus: Internal Considerations
Focus: External Considerations
•課題を明確にする Clarifying the Issues
Focus: Issue Description
Focus: Why This Is an Issue
Focus: Stakeholders
•行動のための選択肢を考える Generating Options for Action
Focus: A Positive Future
Focus: Solutions
Focus: Learning from Others
•選択肢を試す Testing Options for Action
Focus: Rationale
Focus: Potential Impact
Focus: Strategic Fit
•選択する(決定する)Making a Decision
•行動する Taking Action
•実践現場からの質問 Common Challenges
•率直さと秘密性 Encouraging Candor and Confidentiality
•微妙な課題をテーブルに上げる Putting Sensitive Issues on the Table
•NGOでの課題管理 Issues Management in a Nongovernmental Organization
•課題中心型計画:追加プログラム Issues-Based Planning: A Redundancy Program

8.収束の質問 Questions for Closing a session
•(フレームワークの)説明 Process Framework
•ガイドライン Guidelines for Questions to Close a Session
•質問バンク(リスト)Question Bank
•過去 Looking Backward
Focus: Midway through a Process
Focus: The experience as a Whole
Focus: Learning
Focus: Productivity
Focus: Management of the Process
•未来 Looking Forward
Focus: Celebrating Success
Focus: Building Ownership for Follow-Though
Focus: Taking Action – Knowledge Translation
Focus: Future Collaboration
•実践現場からの質問 Common Challenges
•複数のプロジェクトをカオス状態へ Bringing a Multisite Project to a Close
•官庁の課題型ワークショップをやめる Closing a National, Issues-Based Workshop
•少人数の出口インタビュー Conducting Exit Interviews in Small Groups
•ワークショップのふりかえり Reviewing a Pilot Workshop

終章 In Closing: About Questions – What I Know for Sure
参考文献 Reference
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by eric-blog | 2016-07-25 11:02 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)

英語で考え、日本語で考える ウォー・カムズ・ホーム

英語で考え、日本語で考える ウォー・カムズ・ホーム
C.ダクラス・ラミス、晶文社、1995
2545冊目

1995年、平成7年。1999年に国旗国歌法が制定され、世の中は21世紀へ、9.11以降の世界へと、移っていく。

すでに警告は発せられていたのだ。
憲法は殺されかけており、「あなたの憲法  もう一度だけ読み直そう」
自衛隊はアメリカに従って海外に派遣されるだろうと。

牛歩戦術で隊員たちは不服従を示す。「牛歩ブルース」Ox Walk

民族主義者や解放の戦士が用いても、アメリカ合衆国や国連が用いても、テロはテロなのだ。「恐怖の名前」

そして、今、沈黙を守っていたら、あなたは政治学の最終単位を落としてしまう。「政治の試験」

暴力が世界をひきさいている。「戦争が帰ってくる」War Comes Home

1995年、21年前の警告である。
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by eric-blog | 2016-07-22 12:15 | □週5プロジェクト16 | Comments(0)