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生き残ること

生き残ること
ブルーノ・ベテルハイム、法政大学出版局、1992
原著: Surviving, 1979
2413冊目

1903年生まれのユダヤ人。1939年、強制収容所から生き延び、アメリカに亡命する。精神分析学、心理学者。

自身も強制収容所を生き延びた経験から書かれた、極限、外傷と再統合、極限状況に対する反応としての分裂病などのエッセイが収録されている。

この本に行きついたのは、「できないふりをする子ども」についての言及があったから。「失敗しようとする決意」について、そのことが述べられている。学習障害の一つして、覚えようとしないことが原因である場合がある、と。親より偉そうに見えないようにするとか。ユニークであろうとするとか。203

彼らは「良い成績」はとれないと信じ込んでいる。そして、自尊心を維持するために学習しないと決心する。

しかし、この本でいちばん目をひいたのが「アンネ・フランクの無視された教訓」である。340

まさしく、わたしが思っていたことが書かれているのだ。

こうだ。

強制収容所の、あのパーソナリティを破壊する殺人的性格の認識に対抗したいという願望。その願望とは、最も恐ろしい全体主義組織による直接的迫害の下でさえ、私的で親密な生活が営まれ続けうるという例証としての経験にすべての注意を集中することによって、あの認識に対抗したいという願望である。自分のまわりの社会で起こっていることを、私的な生活において無視しようというドリョクが、いかに自分自身の破滅を早めうるかということを、アンネ。フランクの運命が例証しているにもかかわらず。341

ガス室を忘れようとするわれわれの努力を認めないかぎり、彼女の物語に対する世界的賛辞は説明できない。342

人生を以前と同じように続けていくことができるというフランク家の態度が、まさに彼らを破滅に導いていった。

彼らはもっと効果的な生き延びるための計画を立てられたはずなのだ。

惰性への屈服。
知ることは耐え難い不安を生み出すので知りたくないという願望。
焼却炉やガス室からわずか数百ヤードしか離れていないところに住んでいて、それらについて知ることを拒否していた。353
共通の運命から逃れようとする人がいれば、その人に反発した。
生きる意思の放棄。
まだ生きようとしていた囚人たちは、彼らの処刑者たちに奉仕することさえ始めた。
「普段の仕事」、生活を続けることがマスクになった。

人は新しい現実にしっかりと立たなければならないのである。--さらに私的な世界に逃避するのではなく、本当にしっかりと立たなければならないのである。
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by eric-blog | 2015-12-31 09:05 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

東北ショック・ドクトリン

東北ショック・ドクトリン
古川美穂、岩波書店、2015
2412冊目

タイトルは明らかにナオミ・クラインの惨事便乗型資本主義から来ている。

*ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く
ナオミ・クライン、岩波書店、2011
The Shock Doctrine The Rise of Disaster Capitalism
http://ericweblog.exblog.jp/18813065/

つまり、ハゲタカファンドのような投資家たちが「創造的復興」に便乗して、投資という名の金儲けに励んでいるのがいまの東北の復興の姿だというのだ。さもありなん。いまの金融資本主義経済においては、投資は行き先を求めて、それこそハゲタカのように鵜の目鷹の目で犠牲者を探し続けているのだから。そして、その結果起こることが「ブラック・スワン」であることも、すでに指摘されている。

*ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質
ナシーム・ニコラス・タレブ、ダイヤモンド社、2009
http://ericweblog.exblog.jp/12778186/
ブラック・スワンとは
第一に異常であること、普通に考えられる範囲の外側にあること。
第二に、とても大きな衝撃があること。
第三に、それが起こってから適当な説明をでっちあげて筋道をつけたり、予測が可能だったことにしてしまったりすること。

大事なことは、いま金融資本主義の世界は「果てのない国」に住んでいるということ。タレブは医師と教員が「月並みの国」すなわち重力に縛られた法則の世界の住民だと指摘する。それ以外にもあるとおもうけど。

古川さんの記事は復興への投資を、経済発展につなげようとする動きに、このような惨事便乗型資本主義を観る。

その一つが東北メディカル・メガバンク構想だ。無料で検診を受けられる医療体制のようでいて、実際には被災地の遺伝子情報を収集するのが目的だ。

それを「世界中から支援をもらった。その恩返し」と受け入れる。

ヘルシンキ宣言では、「不利な条件にある人」を実験の対象とすることに対する慎重さを求める条項がある。9

弱者とは、研究に参加するかしないかの自由意思が尊重されない人38

当時の内閣官房医療イノベーション推進室長だった中村祐輔さんは、構想が様変わりしてしまったという。「膨大な復興予算を長期的なビジョンもなく単年度会計で処理すれば、残念ですが箱ものや機器類の購入に無駄な予算が使われるのは仕方がないのです。まさに国家戦略の欠如です。」47

壮大な社会実験はこれだけではない。

特区やカジノ、イオンモールもしかり。

地元の人は「大型店はいいときに来て、都合悪くなると撤退」と見ている。166

そして、その間に地域の商店街は足腰が弱まる。

何が真の復興か。東北でいま起こっていることがなげかける課題は、東北だけの問題ではない。

日本の正義は超長期的多角決済だ。恩や義理という感覚が強い。

*西欧の正義 日本の正義
日本文化会議編
三修社, 1980
http://ericweblog.exblog.jp/803926/

やってもらったのだから、いやなことでも、受け入れてしまう。
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by eric-blog | 2015-12-31 08:04 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

TCE This Changes Everything上映会後

上映後に以下のような共有を行いました。

1. 感想およびコメントを書く
2. A3ノートに学んだことを構造図で書く
3. 共有する。

ご参加くださった方々が、結構「コア」な方々だったので、とてもよいふりかえりになりました。

こちらからDropboxで共有したA3ノートを観ることができます。

https://www.dropbox.com/s/78sn78y5960ovx1/TCEA3%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88.pdf?dl=0

参加者の感想を英語に翻訳して、先方に送りました。

Participant 1 (She’s been to COP21 and attended one of Naomi’s lecture there)
“I have been to Albarta, Canada, where there are national parks, Jasper and Bunf, to which people from all over the world come. It was quite a shock to see the huge mining area for tar sand. As Cree’s proverb says, “After you’ve taken everything, you will know that you cannot eat gold.” For the money’s sake, the policy today is destroying the Earth, depriving from people, and in the end destroying ourselves. This film reminded me of the trend from global to local, from big scale to small scale.

Participant 2 (He has been to COP21, too. He is interested in more public viewing of this film. He might get in touch with you. Toshimaru Ogura)
“Economic growth and the system which is dependent on fossil fuel, and colonization on global scale started 400 years ago; these three go together in negative spiral. We need to know that our model of development of developed countries cannot be the model for the developing countries. In 1970’s, in order to combat the energy crisis, Japan developed nuclear technology.  We have to eliminate the possibility of nuclear power, as alternative to global warming by fossil fuel burning.

Participant 3
The indigenous people who’ve been deprived of the land reminded me of Okinawa, my homeland. The purpose is not the resource, but the US bases, but the structure is the same, locals are not heard and ignored. And the mainland people don’t know these things. It is the same in the film.

Participant 4:
There are people fighting against the climate capitalism all over the world. And these people know that their problem is not only theirs, but also it is the problem for the entire world. It was very encouraging to know that they know.  COP21 resulted in the end to admit global warming beyond 2 degrees, which is a damn policy. It only opened up opportunity for climate business. The core problem is the capitalism. I liked this message.

Participant 5
Convenient, cheap, confortable; things we choose are based on these principles. Before the choice, I always thought again, is it safe for the others? Is it not harmful to health and environment?
In the end, this second thought will assure my safe and healthy life, I believe. Environmentalism is not for someone who has the capacity to rethink, somebody intelligent, somebody rich enough. It is for our survival.

Participant 6
I became sensitive to oil origin products. But even I had not seen this behind “oil”. Very arrogant. Now I am trying to change. And this changes everything gave me power to change.


こんな情報も共有されました。

TCE上映会後
暴走する気候変動から逃げ出す
http://ourworld.unu.edu/jp/running-away-from-runaway-climate-change
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by eric-blog | 2015-12-30 17:46 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

日本軍慰安婦問題 不可逆的な解決 備忘録

安倍首相が「おわび」したのは、「未来の子どもたちに謝り続ける」ことをさせないためであることはあきらか。
もう一つは、東アジアにおける日韓米の協力体制をどうしてもすすめたい米国の思惑。

「最終的で不可逆的」な解決は、決して「記憶喪失」を意味しないことを、安倍政権はずっと突きつけられ続けることだろう。

*************

■「軍の関与」「総理も心から反省」慰安婦問題で一転して配慮の姿勢を示した安倍政権!その裏にまたしても対米従属政権としての本質が!?

 おはようございます!10代の頃、ネット、特に2ちゃんねるの影響をもろに受けて、思想的に右方向に「半グレ」していた、「元ネトウヨ」の佐々木隼也です。今はすっかり更生してIWJで記者をしています。T-nsSOWLが眩しいです。

 これが、「画期的で不可逆的」な和解となるのでしょうか--昨日、韓国・ソウルで行われた日韓外相会談で、慰安婦問題をめぐり、日韓両政府は韓国政府が設置する財団に日本政府の予算から10億円の資金を拠出し、元慰安婦の「名誉と尊厳の回復、心の傷を癒す」ための支援事業を行うことで合意しました。両政府は、この問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されたことを確認しました。

 驚いたのは、会談後に行われた記者会見での、岸田外務大臣の言葉です。

 「慰安婦問題は、当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」

 「安倍総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」

※日韓外相会談 慰安婦問題で最終的解決を確認(2015年12月28日 NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151228/k10010355451000.html

 岸田外相は、はっきりと「軍の関与」「日本政府は責任を痛感」「安倍総理も心からおわびと反省の気持ちを表明」と口にしました。

 かつては慰安婦問題を取り上げようとしたNHKの番組に介入し、内容を変えさせたり、今年8月14日に発表した「戦後70年談話」でも頑として「慰安婦問題」についてのお詫びも反省も拒否した安倍総理とは思えない、配慮姿勢です。

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※安倍総理の過去のNHK番組改変事件についてはこちら!

・【スピーチ全文掲載】「NHKよ、安倍さんがそんなに怖いのか!」――元NHKプロデューサー永田浩三氏が渋谷・NHK前で魂の訴え!かつて安倍総理の介入で慰安婦番組をねじ曲げられた過去を暴露!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/259892
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※「慰安婦問題」について一切の謝罪も反省も拒否した「安倍談話」の中身についてはこちら!

・【岩上安身のニュースのトリセツ】安倍談話はやはり村山談話の否定だった!浮かび上がる「積極的平和主義」と「TPP」の正体~単なる米国の「属国宣言」に過ぎないという本質と本音
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/258098
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 …安倍総理やその支持者、ネトウヨ界隈、「幸福の科学」などのカルト宗教の信者からはこれまで、「旧日本軍による慰安婦の強制連行はなかった」という旗印のもと、さも「軍の関与はなかった」、果ては「慰安婦は高給だった」「志願してやってきた女性だった」などという言説まで飛び出していました。

 稲田朋美・政調会長などは会見でIWJの質問に対し、「慰安婦は当時合法だった」などという、とんでもない事実誤認発言を繰り出していました。

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・2013/05/24 稲田大臣、従軍慰安婦制度について「戦時中、合法であったことは事実」 ~稲田朋美行政改革担当大臣 定例会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/81090

・2013/06/24 (再掲)【岩上安身のニュースのトリセツ】「慰安婦は合法」の詭弁!安倍内閣閣僚の歴史認識を問う
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/86615
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※「軍の関与なかった」「慰安婦は合法だった」論がいかに事実誤認・デマであるかは、能川元一さんが以下の寄稿や岩上さんによるインタビューで、一次史料を基に徹底的に喝破しているので、ぜひご覧下さい!

・【IWJブログ・特別寄稿】日本軍「慰安所」制度と朝日の「慰安婦」報道検証について(能川元一・大学非常勤講師)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/207052

・2014/02/28 「慰安婦問題はレイシズムとセクシズムと歴史修正主義の三位一体」 ~岩上安身による能川元一氏インタビュー 第二部
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/127859

・2014/08/15 慰安婦問題、朝日「誤報」で高揚する「右派メディア」の主張を徹底論破~岩上安身による哲学者・能川元一氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/161862
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 …しかしそれが、一体どういう風の吹き回しでしょうか?

 「2ちゃんねる」などを見てみると、当のネトウヨや安倍総理支持者も、困惑しているようです。田母神俊雄氏などは、以下のように彼らの本音を代弁しています。

 「慰安婦問題解決のためにと言って韓国は我が国に20億円の拠出を求めて来たとか。また韓国外相は慰安婦問題は未解決だと言っている。あの国に対しては情けは無用だ。経済的に困窮しているようだが決して助けてはだめだ。」

 「韓国に何かを与えてはいけない。韓国が騒いだ分だけ得をすることになるからだ。騒ぐと損を知らしめるべき。」

 こうした安倍総理支持者の声に反して、ここまで韓国に配慮の姿勢を見せた理由を考えるうえで、岸田外相の、会見での注目すべき以下の発言があります。

 「日韓関係は未来志向の新時代に発展すると考える。日米韓と安全保障協力が前進する素地ができた」

 自らの支持層の反発・困惑も顧みずに得ようとしている「日米韓の安全保障協力の前進」。これは実は、米国が日本に求め続けていたものでした。

 2012年8月15日に発表された日本への指令書「第3次アーミテージレポート」には、日米韓の安全保障体制の強化のために、「日本が、韓国との関係を悪化させ続けている歴史問題に向き合うことが不可欠である」と書かれています。

 さらには、「米国地方公務員に対して慰安婦の記念碑を建立しないよう働きかける日本政府のロビー活動のような政治的な動きは、感情を刺激するばかりで、日韓の指導者や国民が共有し、行動の基準としなければならないより大きな戦略的優先事項に目が向かなくなるだけである」とまで、踏み込んだ「指示」がなされているのです。

ーーーーーーーー
・(再掲)2013/02/03 【IWJブログ】CSIS「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226
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 …つまりは、米軍の下請けとして、日本と韓国がより機能的に働けるように、歴史認識問題では韓国に配慮し、仲良くなれ!という指示なんですね。今回の安倍政権による配慮姿勢は、こうした米国の意向に沿ったものなのではないでしょうか。

 安倍総理の頭のなかで、憲法よりも米国との約束が上位に来る(安保法制)ように、自身の歴史修正主義的野望よりも、米国からの指示が上位に来るのでしょう。

 だからと言って、安倍政権の面々の歴史修正主義的な野望が、封印されたわけではないでしょう。「慰安婦は合法」と言い切った稲田氏は、過去の歴史認識を見直す「歴史を学び未来を考える本部」を立ち上げ、今月22日には初会合を開きました。今後は、南京事件や慰安婦問題についても取り上げていく予定です。

 今回の合意が「不可逆的だ」との韓国政府からのお墨付きを得たことから、「もう文句を言われる筋合いはない」とばかりに、こうした会合で再度、「慰安婦問題否認論」を繰り出す発言が出る可能性は十分にあります。

 韓国とは「手打ち」にしておいて、国内では歴史修正主義的思想を広げる。まさに、「ファシズム」よりもさらにたちの悪い、「米国の属国下のファシズム」が、安倍政権の「道」なのではないでしょうか。

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※慰安婦問題の「本質」については、以下の関連記事をご覧下さい!

・【IWJブログ】慰安婦問題・朝日の吉田証言訂正への反応を概観する ~女性の意思に反して、性行為を強要した「広義の強制性」は消えない
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/161720

・【IWJ追跡検証レポート】国連の自由権規約委員会で、「慰安婦は性奴隷」と発言した女性委員を吊るし上げ、非難を浴びせた日本人グループとは何者か!?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/161793
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【以下、挺対協声明】
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日本軍「慰安婦」問題解決のための日韓外相会談合意に対する挺対協の立場

今日、日本軍「慰安婦」問題解決のための日韓外相会談が開催され、その合意案が発表された。日本軍「慰安婦」被害者と国民は、光復70年を数日残して開かれた今回の会談が、正しく速やかな日本軍「慰安婦」問題解決に至るよう切に願ってきた。

今回の会談の発表によると、1「慰安婦」問題に対し日本政府が責任を痛感、2安倍首相の内閣総理大臣としてのお詫びの表明、3韓国政府が設立する被害者支援のための財団に日本政府が資金を一括拠出し、その後両国が協力して事業を行うというものだ。

やっと日本政府が責任を痛感したと明らかにはしたが、日本軍「慰安婦」犯罪が日本政府および軍によって組織的に行われた犯罪だという点を、今回の合意から見出すことは難しい。関与レベルではなく日本政府が犯罪の主体だという事実と、「慰安婦」犯罪の不法性を明白にしなかった。また、安倍首相が日本政府を代表し内閣総理大臣として直に謝罪しなければならないにもかかわらず、「代読お詫び」に留まり、お詫びの対象もあまりにあいまいで「誠意のこもった謝罪」だとは受け入れ難い。

また今回の発表では、日本政府が加害者として日本軍「慰安婦」犯罪に対する責任認定と賠償などの後続措置事業を積極的に履行しなければならないにもかかわらず、財団を設立することでその義務を被害国政府に放り投げて手を引こうという意図が見える。そして、今回の合意は日本内ですべき日本軍「慰安婦」犯罪に対する真相究明と歴史教育などの再発防止措置に対しては全く言及しなかった。

何よりこのあいまいで不完全な合意を得るため韓国政府が交わした約束は衝撃的である。韓国政府は、日本政府が表明した措置を着実に実施するということを前提に、今回の発表を通じて日本政府とともにこの問題が最終的および不可逆的に解決することを確認し、在韓日本大使館前の平和の碑について公館の安寧/威厳の維持のため解決方法を探り、互いに国際社会で非難/批判を控えるというものだ。小を得るため大を渡してしまった韓国政府の外交は、あまりにも屈辱的である。

日本軍「慰安婦」問題解決のための合意に臨みながら、平和の碑の撤去というあきれた条件を出し、その真意に疑問を抱かせた日本政府の要求を、結局受け入れるだけでは足りず、今後日本軍「慰安婦」問題を口にしないという韓国政府の姿に心底から恥ずかしく失望した。

平和の碑は、いかなる合意の条件や手段にすることができないことは明白である。平和の碑は、被害者と市民社会が1000回を越える水曜日を見守り日本軍「慰安婦」問題解決と平和を叫んできた水曜デモの精神を称えた、生きた歴史の象徴物であり公共の財産である。このような平和の碑に対し、韓国政府が撤去および移転を云々したり介入することはありえないことだ。また、被害者と市民社会が受け入れることのできない今回の合意で政府が最終解決の確認をすることは、明らかに越権行為であり、光復70年を数日残したこの重要な時期に被害者を再び大きな苦痛に追いやる所業だ。

この間、日本軍「慰安婦」被害者と支援団体、そして国民の要望は、日本政府が日本軍「慰安婦」犯罪に対し国家的で法的な責任を明確に認定し、それに従って責任を履行することで、被害者の名誉と人権を回復し、再び同じ悲劇が再発しないようにせよというものだった。しかし、今日の日韓両国政府が持ち出した合意は、日本軍「慰安婦」問題に対する被害者たちの、そして国民のこのような願いを徹底的に裏切った外交的談合に他ならない。

日本軍「慰安婦」問題は、日韓間の真の友好と平和のため解決せねばならず、被害者が一人でも多く生きているうちに解決すべき優先課題であるが、決して原則と常識を欠いてはならず、時間に追われてかたをつけるような問題ではないことを重ねて強調する。

2014年の第12回日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議で各国被害者の思いを込めて採択した日本政府への提言、すなわち日本政府の国家的法的責任履行が必ず実現されるよう、私たちは今後も日本軍「慰安婦」被害者とともに、国内外市民社会とともに正しい問題解決のための努力をより一層傾けていくことを明らかにする。

2015年12月28日
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by eric-blog | 2015-12-29 08:21 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

脱永続敗戦論 民主主義を知らない国の未来

脱永続敗戦論 民主主義を知らない国の未来
小川仁志、朝日新聞出版、2015
2411冊目

なぜ、天皇制が残されたのか。

三谷『愛国・革命・民主』より

「無害なもの放置」
「神聖性の維持」
「経路依存性」  この道は変えられない。という感覚。

そして、明治時代にねつ造された「国家神道」の大罪を著者自身が指摘している。

島薗進『国家神道と日本人』

日本にはけっして健全な民主主義はおこりえない。「政ごとの構造」

結果的には日本の戦後は「天皇民主主義」ダワー

著者が提案するのは
集団主義と形式主義を前提に、それらを修正する革命。200

コミュニタリズムによる集団主義の修正=「開かれたコミュニタリズム」
プラグマティズムによる形式主義の修正=「理にかなったプラグマティズム」。

「開かれたコミュニタリズム」の原則
1. 政治参加の重視
2. 熟議を文化に
3. 横の公共性
4. 縦の公共性
5. 伝統文化を大切にし世界に発信する

日本社会の丸三角四角を考えると、なにをかいわんや、だけどね。
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by eric-blog | 2015-12-23 13:41 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

義務教育という病い イギリスからの警告 学校を学校らしくしないようにするために

義務教育という病い イギリスからの警告 学校を学校らしくしないようにするために
クリス・シュート、松籟社、2003
2410冊目

原著: Chris Shute, Compulsory Schooling Disease: How children absorb fascist values, 1993

『いっしに考えて! 人権』「人間の尊厳を求めて 恐怖からの自由」プログラムで、「強制収容所と学校はどう違う?」(p,36)というアクティビティを取り入れています。移動の制約、時間の制約、行動の制約など、学校にはたくさん受け入れなければならない制約や条件があって、それは刑務所や強制収容所にとても似ているからです。では、学校は、何が違えば、強制収容所と違うと言えるのでしょうか。

そんなことを考えているわたしにとって、この本は、我が意を得たりというところ。学校が一人ひとりの生徒のことよりも、秩序や決まりを大切にしていること、そのために教員が管理的、抑圧的になってしまうことを、25年の教員体験から、具体的に書いています。

わたしが、教員対象の研修でさきほどのワークをした時にも、「いっしょだ」と発言する参加者もありました。驚きました。「学校は、中学生という反抗期にあって扱いにくい若者たちの隔離施設だ」とも。

問題は、そのような考え方の人も教育現場にはいるということです。

同時に、著者は良心的な教員であっても、学校という装置が果たしている役割に警鐘をならしています。

「学校教育こそが、ヒトラーやムッソリーニのような道化者が闊歩する社会を、あたりまえに受け入れていった精神的基盤を、つくりだしている」048

「ファシズムは、その初期の段階では、適切な少しばかりの強制と厳しさをもってすれば、世界は良い方向に変革すると信じたような、まさしく良心的で、意識の高い人々を、味方にひきつけた。」

ファシズム的な思考=束悍、結束主義、全体主義

確固たる信念をもった指導者の掌に、権力がゆだねられてこそ、はじめて政府は機能する
大きな決断が残酷で野蛮であっても、それが国家に栄光をもたらすのであれば、人々は納得する

著者によるファシズムの思想体系のまとめ052
1.社会は完全に階層化されるべき
2.大衆は、本質的に無知、微弱で、全体としても無力であるがゆえに、啓発された少数精鋭の指導者によって支配されなければならない
3.指導者は、まさに大衆を従属させるべきで、絶対に服従させなければならない。この方法によってのみ、指導者が描く目標にむかって社会が建設されるのである。
4.もしも被支配者が体制に不満をもち、反抗的態度をあらわすことがあれば、ただちに弾圧すべきである。
5.指導者の目標が達成されるために、社会はそのあらゆる側面において、管理されなければならない。管理をすみずみまで行き届かせ強制しなければならない。
6.優秀な指導者こそ、より強力な権力を保持すべきである。良き指導者とは、もし自分たちが立てた目標に反する人間がいるとすれば、その人間の尊厳や価値を容赦なく否定して、目標を実現するもののことである。

と書いて来ると、大衆を生徒に、指導者を教師に入れ替えてみると学校における専制が明らかになる。そういう構造なのだ。

幼いうちから自分が自分であるとという喜びを強め、そして異なる他者を尊敬するようになるような教育こそが課せられた責任。058

第三章 ファシズムを助長する学校環境

強制収容所の経験から「ばかのようにふるまう」ことで暴力を免れようとする態度をベテルハイムが報告している。

うつろな笑い、わざとらしい要領の悪さ、儀礼的な媚び諂い。062
学校建築063
大集会の魔力065

教室を力で制する教師

アリス・ミラー『魂の殺人』毒された教育学 134

特に中等段階について、民主主義を教える装置としての学校のあり方を憂えている。日本でも同じだなあ。

第二部はホームエデュケーションについて。

「遊び」を通じて得たものが学習する上での強力な資源となる 166

子どもの行為の原則が最後にまとめられている。212

1.子どもたちの行為には・・・それなの理由がある。
2.良い教育とは子どもたちが自発的に質問しだしたときに始まる。
3.子どもたちは・・・活発な行為が必要。
4.子どもたちがその知識を必要とするまで待つ。
5.好奇心旺盛な方がよい。
6.恐怖をともなって得た知識は奴隷がつながれている鎖のようなもの。鎖は鎖。
7.「だめ」というのはやさしいが、それは良い教育とは言えない。よい教育は、大人にとっては不確かで不都合なものかもしれない。
8.活発な心は挑戦しも鈍感な心は従う。
9.好奇心を満たす。
10.失敗してもやり直せる。
11.年齢は年代順でしかない。早くやり始めればよいというものでもない。
12.子どもたちを決めつければ、そうなる。
13.遊びは子どもの仕事である。そして、遊びは時間がかかる。
14.子どもが大人に同調するのはそれが楽だから。
15.子どもを批判したり、自信を失わせるようなことは絶対にしない。罰を加えることもしてはいけない。

遊びを阻害するものにも共通しているね。
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by eric-blog | 2015-12-22 14:27 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

ジェンダー・ギャップ・レポートとSDGs


日本の女子教育の課題ははっきりしている
畠山勝太 / 国際教育開発
http://synodos.jp/education/15724/2

ジェンダー・ギャップ指数
http://reports.weforum.org/global-gender-gap-report-2015/

SDGs
http://www.csonj.org/mdgsnews/owg-sdgs-japanese-translation

『女たちの21世紀 no.84』  特集 持続可能な開発目標(SDGs)と女性のエンパワーメント

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by eric-blog | 2015-12-22 12:34 | ◎TEST 教育力向上プロジェクト | Comments(0)

ERIC NEWS 468号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年12月20日

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ERIC NEWS 468号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年12月20日
アクティブ・ラーニング、チーム学校、学び続ける社会を生きる
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

12月も三分の二が過ぎて、つまりは今年も後残すところ10日ばかり。
いかがお過ごしですか?

ERICも倉庫の移転先も決まり、在庫処分のご協力も受付はこの年末までとさせていただき、年度内に、事務所への在庫の移転、静岡への移転などを完了させたいと思っています。

去年からファシリテーター養成講座のスピンオフ発展企画を12月から2月3月の主催研修空白期間に実践しています。去年は「犯罪弱者」というキーワードで講座を三回行いました。

今年は「文明病」をキーワードに上映会と連続講座を企画しました。

こくちーずはこちらから
12月23日 ナオミ・クラインの「これですべてが変わる」上映会
http://kokucheese.com/event/index/360961/

2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。



◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画
◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3.  ERICのテキスト在庫処分中! 受付は12月末まで。
◆◇◆4. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆

ここ2-3年、主催研修参加者に化学物質過敏症の方がいらっしゃいます。
参加申し込みの方には「研修参加にあたってのお願い」などの文書を事前に送って、参加にあたっての配慮をお願いしています。

香料の強いシャンプー、洗剤などの使用を控えていただくというのがお願いの中心ですが、意外なことに柔軟剤などが、何度洗濯しても落ちないなどの課題も見えてきています。

わたし自身は電解水洗濯機を使っているので、もう十数年?洗剤を使わない生活をしてきているので、世間でどれほど柔軟剤や香料のきつい洗剤が使われているか知らなかったのですが、わたしの子どもの頃の3倍以上の生産量になっていることを知りました。

http://www.live-science.com/bekkan/data/senzai1.html

一人当たり一日6Lの石油を使っていて、このうちの5分の1が原料などとして使われています。
https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/2-3.html

そして、なんとエネルギーはわたしの子どもの頃の4倍にもなっているのです。
http://www.hkd.meti.go.jp/hokno/graph_oil2013/graph2013.pdf

グラフを見てわかるように、「再生可能エネルギー」なんて、まだまだ微々たるものでしかありません。

わたしたちの社会は「化石燃料依存症」なのです。

パリで開かれていたCOP21は、二酸化炭素の削減にすべての国が取り組むことに合意しました。議論では主に燃料としての石油・石炭ですが、その他、原料としての石油の有用さを鑑みる時、わたしたちは、石油依存から抜けることができるのでしょうか?

地球温暖化というのも「化石燃料依存」の病理ですが、それ以外にも「化学物質過敏症」のような病気も生み出しています。そもそも化学物質がなければ、過敏症にもならないのですから。

障害のある人々が社会に出て行きにくいのは、社会に障害があるからだと、社会的障害という概念で、責任は社会の側にあると主張しています。

障害者差別解消法は「合理的配慮」を求めています。

同様に、わたしたちがその有利性を享受している石油文明の結果、生み出されている病理については、個人がその負担を負うのではなく、社会がもっと「社会的障害」を削減するように努力する必要があるでしょう。化学物質過敏症の人たちが、もっと社会に出て行きやすくするために。

「文明病の痛みと負担は誰が?」
http://ericweblog.exblog.jp/19526903/
http://ericweblog.exblog.jp/19501478/

スピンオフ企画第一回は、COP21に合わせてナオミ・クラインの「これがすべてを変える」上映会を開催いたします。

■ This Changes Everything「これがすべてを変える」紹介ビデオ9分もおすすめ!
http://www.theguardian.com/business/video/2015/mar/06/this-changes-everything-naomi-klein-oil-video

ナオミ・クラインは、気候変動の問題に取り組もうとは考えていませんでした。しかし、環境破壊と不平等の関係に気づいたとき、すべが変わりました。ナオミの故国、カナダでは、政府がアルバータの油砂(タールサンド)に石油を求めてむらがる企業にほとんど野放しのような許可を与えました。その結果、フォート・マクマレイのような町が生まれました。世界の環境保護活動家たちと同じく、アルバータの先住民の人々も環境破壊に反対して立ち上がりました。世界に点々とちらがっているこれらの気候変動と不平等についての運動をどうつなぐことができるのでしょうか。
これは、まだ作業中のものを編集したものです。劇場映画のような長さの「これがすべてを変える」は、Avi Lewisが監督し、今年、公開されるでしょう。
ナオミ・クライン、チャーリー・フィリップ、ジュリエット・リデル、アビ・ルイス、シャイ・ロドゴウスキー


■ナオミ・クラインの仕事

○ナオミ・クラインは『ノー・ロゴ!』で国際デビューしたジャーナリストだ。

有名商品がどのように売り込まれていくか。ブランドなんか要らない。
http://ericweblog.exblog.jp/3291838/
それは商品だけのことではない。政治家だって「ブランド戦略」だ。わたしたちは「売り込まれる」時代にいる。消費の時代。消費するためのお金のために働く時代。

○ナオミ・クラインの告発第二弾は衝撃的だった。

ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く
ナオミ・クライン、岩波書店、2011
http://ericweblog.exblog.jp/18813065/
そして、3.11によって、わたしたちも惨事便乗型資本主義の正体を見た。
いや、いまも続く、わたしたちが目撃しているものは「惨事便乗型政治改革」である。緊急事態の名の下に個人情報が把握され、官僚の裁量が拡大し、安全保障関連法が整備され、民主的意思決定の手続きが無視される。
いま、わたしたちは惨事便乗型復興推進と経済政策と政治改革のトリプルで目撃している。緊急事態宣言をやすやすと認める心へと、誘導されていく。

わたしの好きなジャーナリストです。

彼女の紹介および上映会の紹介についてはブログを参照してください。
http://ericweblog.exblog.jp/21919196

こくちーずはこちらから
12月23日 ナオミ・クラインの「これですべてが変わる」上映会
http://kokucheese.com/event/index/360961/

スピンオフ企画第二回は、この映画の内容を受けて、これまで化学物質過敏症の人に対して「合理的な配慮」をどのように行うことができるかを考えてきたことを一歩すすめて、文明病の体質改善にまで踏み込んで、問題提起を広げていくための研修プログラムを考えていきたいと思います。1月だけでなく、2月にももう一度行う予定です。

2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。

キーワードは「インクルーシブ」包摂的な社会デザインとしての教育のあり方ということです。特に、文明の闇の部分にかかわるものをどのように「抱きしめる」ことができるか。だんだんゲド戦記のような気分になってきましたが。

光あるところに必ず陰あり。文明の力が強ければ強いほど、それは均質化と波及力が強いということを意味するのだが、その排除の力、否定の力も強くなる。ゆるやかに、多様な存在を包摂することができる文明へと、近代の人間化へと舵をきる時が来ていると思います。

そして、その鍵は教育に、広い意味での学びに、そして学び続ける個人と社会にあるのではないでしょうか。


◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ5本終了しました。◆◇◆

前期のテーマ・コース三本とスキル・コース2本が、いずれもゼミ程度ではありますが、新たな参加者を得て、無事終了しました。
去年採択されたesdGAPおよび持続可能な開発目標(SDGs)は、これからのわたしたちの社会のあり方を導く道しるべであるのですが、特にesdGAPは教育にとっての重要な指針です。
毎回、esdとしてどうよ?というふりかえりを入れるだけで十分かどうか、2016年の課題としたいと思います。

そんな2015年をふりかえり、そして2016年度に橋渡ししていくのが年度末3月に開催する「TEST教育力向上講座」です。3月下旬を予定しています。ぜひ、開催日時についての御要望をお寄せください。

■これまでの主催研修の記録はホームページおよびブログに載せています。ERICホームページはこちらから。
http://www.eric-net.org/by-eric.html#AT

以下は、ブログ記事です。
■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
http://ericweblog.exblog.jp/21882789
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by eric-blog | 2015-12-22 11:40 | ERICニュース | Comments(0)

PLT研修 in たきがわ

きれいなチラシを作っていただきましたので、シェアします。
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by eric-blog | 2015-12-21 17:04 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)

細菌部隊の医師を追え

細菌部隊の医師を追え
檜山良昭、講談社、1980
2409冊目

731の幻想 の元本。
http://ericweblog.exblog.jp/21840869/
小説ではあるが、資料やインタビューによるドキュメンタリー、記者によるレポートのような体裁をとっている。

逆に、戯曲の台本がこの小説にとても忠実に書かれていることがわかる。インタビューのやりとりがそのまま台詞にもなっている。

あらためてストーリーを紹介する。

中国残留孤児らしき女性が、「クボタ マチコ」という名前で、母親はカツコと言ったと名乗り出たところから、日本人の肉親探しがある新聞社によって取り組まれる。

ハルビン近辺でクボタにあたる人は731部隊に配属されていた医師が該当するというところから、物語は731部隊の戦後にまで発展する。

引き上げの時に、母親とはぐれてしまったこの女性は、結局、血のつながりのない、731部隊によって実験の対象となった中国人の子どもを、久保田夫妻が引き取っていたことがわかる。

はぐれた時、母親であるかつこは日本に帰ることを選ばず、大連にあった実家の医院を訪ねていき、そこで働いて一生を終える。

終戦時、ソ連との国境に派遣されていた久保田医師は、そのままソ連の捕虜となるが解放され、戦後は731部隊の仲間が米軍に協力して出世していたところに舞い戻り、米国で研究生活を送る。731部隊は、その研究成果をもって米軍と取引をしたのだ。

そして、彼らは引き続き、米軍のもとで細菌兵器の研究を継続。ベトナム戦争でも使われたことが示唆されている。

家族は戦死したものと戦後ずっと思っていたということ。

うーーん、この舞台はもう一度見てみたいものだなあ。


物語は、久保田医師の葛藤を軸に展開する。

もう一本収録されている「山本五十六長官暗殺さる」は、日本軍の暗号を解読したアメリカ軍によって、山本が搭乗していた航空機が撃墜され戦死したことについて、もう一本の電報の存在をめぐる秘密を探るものだ。

戦場の前線における司令官の行動を、逐一、事細かに電報で知らせていたとすれば、それは傍受してくれといわんばかりであり、実は戦争に反対する山本を排除したがっていた日本軍の側の謀略だったのではないかと。191

いずれの小説も、はっきりと断定できないことを「探求する」道筋として描かれている。そして、そこに立ちはだかるのは常に軍隊の機密である。
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by eric-blog | 2015-12-18 13:08 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)