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アクティブラーニング入門 アクティブラーニングが授業と生徒を変える

アクティブラーニング入門 アクティブラーニングが授業と生徒を変える
小林昭文、産業能率大学、2015
2349冊目

アクティブラーニングというのは、一方的な知識伝達型講義を聴くという受動的な学習に対して、あらゆる能動的な学習のこと。書く話す、発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化。

小林さんの物理の授業プロセスは「学びあい」のに近いね。

学習内容の説明 15分間パワポ、プリント、
もんだい演習 35分間問題と解答・解説プリントでピアラーニング
ふりかえり 15分間確認テスト、相互採点、リフレクション・カード

そして、毎回同じパターン。

「自分でわかる方がうれしい」

著者は文科省の学習指導要領の要点についてのポスターがよくできていると言います。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/04/1322425_02.pdf


時代がERICに追いついたね。

まだ高校の75%は講義型だけど、物理でこれができるなら、応用は可能だよ。

ふりかえりのテストの作り方など、とても配慮が行き届いている。すごく実践的! 楽しいだろうなあ。
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by eric-blog | 2015-07-31 14:45 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

一流の人は なぜ、A3ノートを使うのか? すべてを”紙一枚”にまとめる仕事術

一流の人は なぜ、A3ノートを使うのか? すべてを”紙一枚”にまとめる仕事術
横田伊佐男、学研、2015
2348冊目

A3ではないけれど、B4は打合せの時によく使う。確かに、この著者が言うように、感動される。わたしの場合は、一枚にまとめてしまうのではなく、複数枚数を広げる感じになるけれど。

100ページのパワポより効果的なのだと。
わたしは基本パワポは自分の備忘録としてしか認識していないけれど。

いくつかの「枠組み」が紹介されているけれど、「事実・解釈・行動」というのがあって、ORIDやコルトハーヘンなどと同じだなと思った。

フレームワークと著者が呼んでいるものです。

他にも「OUT→IN」や「4P(Products, Price, Place, Promotion)」
・マインドマップ
・KJ法
・時間軸発送法
・要素軸発送法
・マトリックスと呼んでいるが二次元軸
・マトリクス、縦軸5、横軸4分割、みたいな。

など、ERICの12のものの見方・考え方に重なることが多い。ま、人間の発送法なんてそんなにないものね。

ポイントは、A3に書き出す、構造化する、俯瞰する。
トヨタがA3ノートを使っているのは、どの部門の人も、全体を俯瞰しながら仕事するようにするためとか。

まずは、A3の紙を前にした時の「 広々 」感がいいのだと。
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by eric-blog | 2015-07-31 10:40 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

これならできる原発ゼロ! 市民がつくった脱原子力政策大綱

これならできる原発ゼロ! 市民がつくった脱原子力政策大綱
原子力市民委員会、宝島社、2014

http://www.ccnejapan.com/?page_id=3000#001

http://www.ccnejapan.com/20140412_CCNE.pdf
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by eric-blog | 2015-07-30 14:35 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

本当の戦争の話をしよう 世界の対立を仕切る

本当の戦争の話をしよう 世界の対立を仕切る
伊勢崎健治、朝日出版社、2015
2347冊目


加藤陽子さんの書評「若者と国家の双方に対する生き方指南」
『それでも、日本人は戦争を選んだ』の著者だ。
http://ericweblog.exblog.jp/10676683/

伊勢崎さん自身の本もこれまで二冊紹介してきた。

『自衛隊の国際貢献は憲法九条で』
http://ericweblog.exblog.jp/19540459/

『日本人は人を殺しに行くのか』
http://ericweblog.exblog.jp/20462353/


この本は福島高校の生徒、18人に対する5日間、20時間の対話的講義の記録。とてもストレートに、語り合う姿が見えてくる。2012年1月。プレハブの校舎は、伊勢崎さんに戦場の記憶を呼び覚まさせた。

「経験者が語る経験値というのは、すべてその人に都合良く演出されたもの。018
ということを前提に。彼の話を丸ごと受け入れるような話として聞く必要はない。

日本は、戦争に金をだし、自衛隊も送っているのに、「戦争している」という実感がない。なぜか? 022

脅威」は、ときに人間に、それから逃れるための究極の手段として、戦争を選択させる。・・・まえがきより

セキュリタイゼーション 「このままでは大変なことに」
仕掛人が脅威をあおる。1991年の「ナイラの証言」によるイラク開戦。

さらに、
国際社会は「保護する責任」を、ルワンダでの大量虐殺事件の経験から胸に刻んだという。

伊勢崎さん自身、「介入」がなければいちばんいいんじゃないかと思うとも言う。

例題
リビア 020
42年間にわたるカダフィによる圧政。2011年に大規模なデモが発生。内戦へ。
国連が軍事介入を認め、NATO軍が2011年3月からの7ヶ月で9600回空襲。
カダフィ政権は倒れ、カダフィも民衆に殺された。
しかし、圧政はあったが「貧困がない」「治安が良い」国だった。

アメリカがつくる”平和な”戦後の一つの形=沖縄
アメリカの駐留を認めた安保。
憲法とアメリカの傘

例題
ビンラデイン 069
東京の新宿歌舞伎町にオサマ・ビンラディンが潜伏していた。
それをアメリカのCIAがキャッチ。アメリカの特殊部隊のヘリがあらわれ、ビンラデインを狙撃、したいもろとも帰って行った。日本政府にも知らせない奇襲作戦だった。

パキスタンのアボタバードで、実際にはビンラデインは殺された。パキスタンの人々はどう思っただろうか?

例題
東ティモール 083
2002年にインドネシアから独立。
元々、インドネシアがオランダから独立した1949年、東ティモールはまだポルトガル領だった。スパイを送り込んで、インドネシア派を作ろうとする。が独立派に阻止され、1975年軍事侵攻。インドネシア政府は「インドネシアは一つ」という秩序を脅かすテロリストとして独立派を弾圧、国際社会はそれを非難し、インドネシア国家をテロリスト国家と。
1998年、スハルト政権の崩壊とともに、態度が軟化。1999年8月住民投票実施、完全独立が支持された。089
2割のインドネシア併合派民兵たちが最後の破壊と殺戮に向かった。
多国籍軍の投入。正規軍の圧勝で終わる。

東ティモール政府の始まり。コバリマの知事に伊勢崎さんは就任する。併合派民兵の散発的な攻撃があったので、多国籍軍が常駐していた。
そこへ、パトロール中に行方不明になったニュージーランド軍兵士が遺体となって発見される事件が起きる。復讐戦が始まる。
知事である伊勢崎さんは、国連平和維持軍であるニュージーランド軍の武器の使用基準を緩めてしまう。そして、敗走敵兵10名を全員射殺。091

テロリストの「人権」は考慮されない。

戦争が「正義」であるという証拠を有権者に示し続けなければ、民主主義は、戦争という「政策」を維持できない。106

アフガニスタンは軍閥が支配していた。その支配にあきあきした人たちが頼ったのが「タリバン=学生」。タリバン政権が樹立されるが、アルカイダとの関係が問題視され、9.11以降のアメリカの報復攻撃で崩壊。再び軍閥が跋扈。伊勢崎さんは彼らの武装解除を依頼される。107
軍閥の抑止力がなくなったアフガニスタンに、タリバン、アルカイダが戻る。


例題
太地町とシーシェパード
シーシェパードは漁民を徴発し、暴力を引き出し、それを公海することで抗議の声を高めるという手法を取っている。

『ザ・コーヴ』は2009年に作られたドキュメンタリー。


例題
家に鍵をかけない方法 135
・相互監視
・泥棒が出るという問題そのもの
・番犬を飼う

「芦田修正」憲法第9条2「前項の目的を達するため・・・」
紛争解決のための武力という解釈になっていく。

例題
国連平和維持軍で南スーダンに派遣されている自衛隊に「保護する責任」は果たせるか? 230

例題
Boots on the groundとかお金だけは卑怯だとか本当かな? 235

多国籍軍なんてやっかいなだけ。お金の方がいいよ。という考え方もある。

例題
国連軍に人を出すと、加盟国からのお金が派遣国にお金を払う「国連償還金」システム。238
貧しい国々にとっては、派兵が貴重な外貨稼ぎになる。日本が派兵するのは彼らのチャンスを奪うことにならないか?

例題
民間会社は経済性が高い。ブッシュ政権以来、急増してきている。241
が、彼らは軍法にも縛られない。現地法でも裁かれない。イラクに派遣された自衛隊も、実は同じ問題を抱えていた。

その後、民間会社についてはイラクに裁判権があるとなった。244
しかし、武装勢力は、排他的な民族意識を操り、群集心理に駆られた一般市民の群れとともに攻撃をしかけてくる。民間人を殺す恐れが出てくる。
246

「保護する責任」=予防、対応、再建248

予防の段階から。
開発援助もその一つ。
軍事監視団。数名の派遣。停戦監視などを行う。自衛隊も参加したことがある。254

例題
戦争が集結し、平和が訪れている。
戦中になされた人権侵害は、まだ明るみになっていない。真実は暴くべきだろうか? 過去の忘却を、平和のために選択するべきか? 301

教育の力で、人権を、暴力の魅力を上回るものとするのは不可能。313
子ども兵士の中には、自分の意志で参加したケースも多かった。「かっこいい」から。

例題
大人兵士に命令を下した子供司令官は、同じ子供ということで、他の子供と同じように扱うべきなのか? それとも大人の幹部と同じに、特別な罰し方を考えるべきか? 315

シエラレオネでは子供兵士が地元の学校に戻って過ごしている。

セキュリタイゼーションに誇張はつきものです。脱原発への政策転換は、・・・国民の大きな合意があるのだから、・・・声高に恐怖をあおるものや排他性を生んでしまうようなものではなく、「節度」を見極めながら進んでほしい。330

イラク並みの日米地位協定に変えるのに反対している米国関係者はいない。日本における現場と中央政府の距離感が、他の国と違うだけ。沖縄の問題は、本土の我々の気持ち次第。339

アメリカは人をあれだけ殺しているのに、人権や民主主義のあり方について世界をリードする。340

日本はどうか。

アフガニスタンの状況は悪化した。しかし、日本に対する「美しい誤解」のおかげで、テロの対象になっていないのか?

アメリカの戦争の現実を見てきた。379
アメリカに戦争させないってできないかな?
日本の立ち位置をもっと活かす方法はないのか?


ドイツ、イタリアの例はあるけれど、世界は福島から何も学んでいない。401

白熱教室のような、例題満載の問題提起でした。
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by eric-blog | 2015-07-30 14:21 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

ひきこもりの国 なぜ日本は「失われた世代」を生んだのか

ひきこもりの国 なぜ日本は「失われた世代」を生んだのか
マイケル・ジーレンジガー、光文社、2007
2346冊目

Shutting Out the Sun How Japan Created Its Own Lost Generation, 2006

序で取り上げているのは「雅子妃」の事例だ。
第一章から第五章までは30代にもなっている「ひきこもり」の人々とその支援にあたる専門家たち。
第六章から第8章は、日本社会の特徴。
第9章が、結婚しない女たち、
第10章が結婚できない男たち。
第11章は、命綱から転落する中高年。
そして、韓国との比較へと。

韓国の例としてはキリスト教コミュニティが市民社会モデルとして改革のモメンタムとなったのではないかと。わたしもそう思う。

政官財の鉄の三角形がバブル以降の日本の失敗の原因だったのではないか。
そして、いまだに「慰安婦」問題をどう扱えばいいのかわからないでいる。
結果、日本の市民社会全体が「上からの抑圧」で衰弱している。179

たこつぼ社会の中で、下の者は上の者に対してのみ責任をおい、より広い社会に対する責任という意識はない。

過去の失敗から学ばない。失敗の責任をとることもない。

従順で、集団主義的で、階級主義的という日本社会に対して市民社会は無力だ。195

ブランドに頼る見せかけの自己。234

日本人は「社会的にひきこもっている」のだと。齋藤。
宮本政於は「働き過ぎは、抵抗や反乱を未然に防ぐために、日本社会に意図的に組み込まれたシステムである。」という。296

バブル以降、日本は・・・・

いやあ、ひどいことになっているなあ。反知性主義、反発達主義、反向上主義。
伝統回帰しか、見えない。

そして、この本が出てからだけでも、10年だよ。そして、事態はますます悪化している。
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by eric-blog | 2015-07-28 17:26 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

ESDfcPLT2015環境記録

ESDfcPLT2015環境記録
2015年7月25日26日
参加者:13名 

プログラムの構成
セッション1 共通基盤づくり
セッション2 流れのあるプログラム体験
セッション3 ふりかえりと参加型学習の特徴のまとめ
セッション4 プログラムづくり
セッション5 アクティビティ実践
セッション6 推進の課題と個人的行動計画

プログラムの流れ


セッション1 共通基盤づくり
10:50-12:30
1ミニレクチャー
1.1PLTの歴史
1.2環境教育の目的
1.3環境教育者の二つの帽子
2コミュニケーションのスキル・トレーニング
2.1傾聴 「3つのポイント、なぜならば」
2.2話し合いの心がけを20個[2’]
2.3苦手な課題の克服法

3ノートテイキング
4共通基盤づくりの応用

5研修への期待の共有 [ポストイット]

セッション2 流れのあるプログラム体験
13:25-15:40
1音ってなんだ?
1.1個人作業 「音って何かを説明する」[B4用紙にマジックで]
1.2全体共有
2音探し
2.1個人作業 5分で探す→3分で「絵や記号で」表現する
2.2全体共有
2.3ファシリテーターとして問い「どうすれば、1のアクティビティとの連続性を持てただろうか?」
2.4ペアで問題解決[2分]→全体共有
3音の機能
4音づくり
4.1音のどういう面に着目して「音づくり」実験をしてみたいか。
4.2グループでペットボトルなどを活用して作業[20分]

動物の出す音
音と感情 高い音、低い音、強い音、弱い音
音の可視化 高い音=ピンク
音と存在・関係性 音で知る互いの存在
5 音について学んだこと・日常に活かしたいこと。

セッション3 ふりかえりと参加型学習の特徴のまとめ
15:50-18:00
1プログラムの流れと活動形態についてふりかえる
1.1グループ作業で「個人作業」「ペア作業」「グループ作業」「全体作業」
1.2レポートバックで共有

2正確に聞く傾聴
3PLTの教授法
3.1一人ずつテキスト・リーディング[5’]
3.2ペアでファシリテーター・ハンドブックの説明について理解したことをまとめる[7’]
4教授法のつながり ウーリーウェブ・毛糸を使って
4.1それぞれのつながりを互いに説明する 糸をかける
4.1.1構成主義と経験学習
4.1.2全体言語主義
4.1.3協同学習
4.1.4コミュニティの課題と問題解決学習
4.1.5概念・理念
4.2どうつながっているかの具体的アイデアを言う 巻き戻す
4.3ペアでふりかえり
5ノートテイキング
6一日目のふりかえり

二日目
セッション4 プログラムづくり
9:00-
1昨日の学びをからだで表す [アイスブレーク、佐藤]
26つの「実」と12のものの見方・考え方のかけ算でアクティビティを作る

3やりたいアクティビティで仲間づくり

セッション5 アクティビティ実践
10:35-14:00
1ペパーミント・ビートル(3)
2侵入種(12)
3力強いデュオ(26)
昼休み
4木に三回乾杯しよう(30)
5包装に注目(86)
14:00-14:30 ファシリテーターの課題の共有
6タイムウォッチの活用[4つのグループで5分、使い方と効果をレポートバック]
7教材の特徴と使い方の課題[EEM, p.158-159]
7.1一人が一項目をアダプト・レポートバック

セッション6 推進の課題と個人的行動計画
14:45-16:00
1コミュニティの課題解決[EEM, 第9章フィールドを活かした環境教育]
1.1PLTグリーンスクールの推進
1.2地域の可能性
1.3フィールドを評価する

2個人的行動計画

3相談の輪
4二日間のふりかえり
5修了書
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by eric-blog | 2015-07-27 10:09 | □研修プログラム | Comments(0)

ESDfc2015国際理解記録 

ESDfc2015国際理解記録

2015年6月27-28日

セッション1 共通基盤づくり
11:00-12:30
1.自己紹介と今日の期待

2.話し合いの心がけ


3.共通基盤づくりでできたこと、残された課題



セッション2 流れのあるプログラム
13:30-15:30
1.「国際理解とは何か」連想図と他己紹介
2.教室の中の世界探検

3.アース・ドクター
4.未来を築くインタビュー
(ア)行動化につながるインタビューのための項目を考える
(イ)行動に移せるようになる質問=自立を促す

セッション3 ふりかえりと参加型学習のすすめ方についてのまとめ
15:40-18:00

1.アクティビティ実践評価表に書き込む
個人作業・ペア作業・グループ作業・全体作業の活動形態の特徴と活用


2.経験学習のための「体験」の種=ハンズオン・リアリア・6つの「実」から考える

この二つをやってみて、経験学習の大切さを改めて感じた。
さらに、これらの実体験や実話などのリアリアに重層的に触れること、実感が伴うようになることが、重要な学びであることがわかった。

アイデアとしては、レーダーチャート分析なども可能なのではないか。

あなたの子どもに足りない「実」は?


3.ファシリテーターの手だて

いつもは一方的なまとめでやり過ごす「集中・分析・発見のための7つの手だて」も、集団で深めると、改めての発見があるものだなあ。

セッション4 アクティビティを開発する
9:00-11:30

1.12のものの見方・考え方でアクティビティを開発する
テーマを決める

2.全体共有

それぞれが四種類ぐらいずつ作っていたのがおもしろかった。

セッション5 プログラム立案
12:30-14:50
セッション4のアクティビティ開発の方が有効だったように思う。
まずは一人ひとりが作り、その上で二人一組で、完成を目指した。



ふだん行っているプログラムでも、まだまだESDとしての再方向づけから再検討することができることが共有できた。

セッション6 個人的行動計画とふりかえり
15:00-16:00
1.修了証
2.二日間のふりかえり
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by eric-blog | 2015-07-26 18:22 | □研修プログラム | Comments(0)

帰還兵はなぜ自殺するのか Thank you for your service

帰還兵はなぜ自殺するのか
ディヴィッド・フィンケル、亜紀書房、2015
2345冊目
原著: Thank you for your service, 2013

日本の自衛隊員が、これまでイラク支援のために送られた人数は1万人程度である。帰国した彼らに自殺者がいるが「多い」のかどうかは、防衛省は認めない。

アメリカでは、アフガニスタンとイラクに派遣された兵士は200万人。そのうち50万人がPTSD,TBIに苦しんでいるという。そして、毎年240人以上の帰還兵が自殺している。

それがこの本のタイトルになっているのだが、原著のタイトルは「ありがとう、祖国のための兵役」である。サービス学習というような表現にきな臭さを感じるのがこのあたりだ。

ありがとう、お国のために戦ってくれて。あなたの苦しみは、お国のためだったのだから。

わたしたちも、自衛隊員をそう言って、送り出すことになる。反戦運動をしているわたしも含めて、「わたしたち国民」は、だ。それ以外にどのように、軍隊を海外に派遣するというのだ?

この本に登場するのは五人の帰還兵とその家族である。380ページもの大著が、語る帰還兵のその後の物語と、帰還兵を苦しめる「あの時」の記憶が、日常を脅かす姿が描かれる。不合理に、唐突に、そして、いつもどこかにひそみ窺っているかのような記憶。

映画『アメリカン・スナイパー』にも出てくるが、一度目は戦闘ゲームのような高揚感の中で、二度目は殺し殺される現実の中で、そして、三度目の派兵で、恐怖と狂気がやってくる。1000日派兵が精神を病んで行く。3年、だ。ホント?100日の間違い?

日常に過激な暴力はない。にもかかわらず、家族の緊張が胸をしめつける。心に傷を負った人の間近で暮らし続けることの恐怖が、そこにある。「ケアしてあげなければ」と近づく心と、「傷が向けられる先」にい続ける恐怖とかせめぎあい続ける。



「戦争で、社会で、殺すことを学ぶことのコスト」
On Killing: The Psychological Cost of Learning to Kill in War and Society、1995
http://ericweblog.exblog.jp/21310053/

これから日本も、同じことを経験していくようになるだろう。

どんなに魅力的に描き出しても、日常を送るのは彼らだ。
http://spotlight-media.jp/article/171715255697455993

自信を取り戻したとしても、日常を取り戻すには、まだまだ先があるのだ。

どんなに「お国のためにありがとう」をくり返しても、殺されたのは人間なのだ。

「戦争と戦争の「痕あと」は続く。戦争と同じように永遠に続く。」376

この狂気、21世紀で止める方法はないのか? パンドラの希望は、日本なのに。

祈ります。信じます。日本の良心を。戦後70年、たいしたことはできなかったことを恥じながら。

天皇が、二度、軍隊を捨てた、この国で。
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by eric-blog | 2015-07-25 08:31 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

地域に希望あり   まち・人・仕事を創る

地域に希望あり まち・人・仕事を創る
大江正章、岩波新書、2015
2344冊目

『地域の力』が13刷まで増刷されているという。その第二弾。

その間に3.11があった。

「消滅市町村」第一位の群馬県南牧村
山村の可能性:島根県邑南町・旧弥栄村・旧柿木村
自然エネルギーの福島県会津地方、岐阜県石徹白地区
漁業者との協働: 宮城県旧北上町、福島県相馬市
地域再生の柱、商店街: 香川県高松市、宮城県丸森町大張地区
ゆうきの里: 福島県旧東和町
地域循環経済: 埼玉県小川町

東日本大震災から復興しつつある地域も含めて、紹介されている。

簡単な処方箋は、ない。
うまく行っているところも、うまく行ってばかり居た訳ではないし、失敗もあった。

埼玉県小川町。
有機農業のパイオニアと、地域産業、そしてレストランのような消費者との連携。バイオガス・プラントは、エネルギーとしてはあまり成功しなかったが、有機農業のための液肥の供給源として持続している。
研修生が卒業していくことで、人材も育っている。
六次産業化
半農半Xの多様性もある。
後は、町が本腰入れて、あのシャッター商店街をどうにかしてくれたら、面になるのにねぇ。寂れているよなあ。まだいま程度では。ハイキング客にどこまで足を伸ばしてもらえるかだもんなあ。まあ、衛星都市でもあるから、消費の力はあるけどね。

希望は、人にあり。
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by eric-blog | 2015-07-22 11:36 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

アースサポーターズ・スキルアップ講座 5時間講座

記録

途中の質問や最後のふりかえりから推測するに、「こうすればいいんだ」というモデル・プログラムを求める人が何名かいた。
 それは、例えば、ワークショップ形式でファシリテーターとして「プログラムの流れ」や「価値観の育て方」などについて互いから学び合って行くためには「共通基盤づくり」が欠かせないのだけれど、自分たちの実践では授業時1限とか、二限では実践できないということになる。
 では、どうすれば「わたし・あなた・みんな」の力を伸ばせるのか。「参加型を成立させる3つの力」を一つずつ取り上げて伸ばして行くことを一時間で行うことはできない。だから事前の打合せで、学習者のもっとも大切な課題を探り、ふだんの授業でどのような力を伸ばせているか、教員が足りないと思っているのはどの力かなどの期待も知っておく必要がある。その上で、傾聴を取り入れたり、「話し合いの心がけ」を簡単な形で共有したり、ノートテイキングの工夫をしたりなど、いずれかを取り入れることができるはずである。モデル・プログラムを模倣するだけでは、伝えたいことは伝えた気になるかもしれないが、学校や学習者のニーズには答えられない。こちらが伝えたいことを伝えるだけであれば、それは知識の追加でしかない。
 地球温暖化のことを教えるということは、何よりも主体的に学ぶ意欲、学んだことから自分で考える力、そして問題解決のために協力して行動する姿勢を育てるということである。だから、ESDチェックシートが示すように「考え方」を教えることや価値観を身につけることに力点を置く必要がある。
 そして、それはまず指導者/教育者自身が実践できていないといけないよね。

 今回の研修は、そのような「考え方」や「視点」を学んでいるのであって、モデル・プログラムの実践例の体験ではないのだが、やはり、流れのあるプログラムも一つ入れた方が良かったのだろう。しかし、すでにアースサポーターとしてのプログラムがたくさんあるから、自分たちでどう改善するかを「互いに指摘しあう」ことができるコミュニケーション、関係づくり、仲間づくりをしたかったんだよね。

 最後のふりかえりで、「たくさんありすぎて返って混乱した」という人がいた。教育というのは、一方に科学的な知見の積み上げが、テーマについてと、人間についての両方があり、一方に具体的な学習者の現実がある、まさしく川喜田二郎さんの言う「W型」であり、省察的実践家であることが求められる、複雑なお仕事である。その複雑さ0楽しみながら、悩みながら、そして工夫しながら、すすんでいくのでなければ、つまらないよね。

 いずれにしても、「大人の参加者」対象のプログラムは、紆余曲折、あちらこちらに疑問点が飛びまする。

参加者16名

セッション1 共通基盤づくり
10:00-12:05

1.導入のミニレクチャー
(ア)プログラムの流れの確認
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(イ)共通基盤づくりでやること
(ウ)参加型の場を支える3つの力「わたし・あなた・みんな」
2.ノートテイキング
3.傾聴
4.話し合いの心がけ
5.セロトニンとドーパミンで「よりよい質の学び」をプロデュース
6.建設的相互作用「折り紙の3/4をさらに2/3にした時の面積」の実践
7.参加者アンケート(11:40ぐらいから始めたので、時間不足)
(ア)なぜ「参加型」で地球温暖化を教えるのか
(イ)ティーチャーとファシリテーターの違い
(ウ)これまでの実践を評価する視点は何だろう
(エ)アースサポーターの実践をESDとして位置づけるために大切なこと
8.四人一組で共有してもらって発表しようとしたが、難しかった。やはり、いつもの手続きには、意味がある。
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セッション2 活動のESDとしての「再方向付け」とよりよい質の教育
13:00-15:05

1.参加者アンケートの分析と所見、全体共有
2.力をのばすための工夫
3.ノートテイキング
4.正確に聞く傾聴
5.「ストップ!温暖化」のプログラムをESDの視点から改善するとすれば?
(ア)ワークシートや準備物などの手だて
(イ)声かけ
(ウ)まとめの言葉
5. 共有
a0036168_1095931.jpg
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セッション3 ふりかえりと行動計画
15:15-16:00
1.アクション・リサーチ、PLTの調査項目など、学習者による参加型地域調査が力を伸ばす
2.自分たちにできること

2016年3月発行報告書より
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by eric-blog | 2015-07-20 10:10 | □研修プログラム | Comments(0)