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日本の自治・分権

日本の自治・分権
松下圭一、岩波新書、1996
2318冊目

5月6日になくなられた松下さんの『社会教育の終焉』は、必読だ。

阪神大震災の翌年に書かれたこの本。

防災計画で行政が崩壊することが想定されていないことを指摘する。
それは、都市型震災についての指摘だったが、東日本大震災でも、同様のことが起こった。範囲が広範だったせいだ。

自治体は市民の信託をうけた市民の政府という責任意識が不可欠。13

1960年代に、日本が近代化の成熟段階としての都市型社会に入り、・・・国家を推力とする「近代化」から自治体主導による地域個性をもつシビル・ミニマムの公共整備へと変わります。・・・市民活動が活発になるとともに、政治・行政の分権化が不可欠となります。
第二に、・・・国際分業・国際交流を深め・・・各国の制度の世界平準化を不可欠にします。55
第三には・・・政策水準の文化化

国主導を続けることで起こることは
1.全国画一であることで、低位平準化になる
2.国の縦割りバラバラ行政
3.社会の変化への対応の遅れ

これに対応して個性化、総合化、先導化に取り組んできた。58

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「公」は国家主権という国への一元化あるいは階級闘争という二元対立も終わり、自治体、国、国際機構へと多元化重層化する。「公」は市民活動によってかたちづくられる。

互いに、ウインウインの公共政策の構成が問われている。156

書かれていることと、その後の事態の変化は、真逆だなあ。
確かに阪神淡路大震災の年は「NGO元年」とまで言われたし、NPO法案もできたし、NPOが管理指定業者になったりもしてきているけれど、いまのように民主主義の四原則(平等、参加、熟議、非専制)が政府によって尊重されない時、市民社会はその「問題提起」の役割を果たせず、「実践活動」という手足だけの存在になって、劣化していくのではないだろうか?

わたしが『社会教育の終焉』でもっとも心に残るフレーズは「争点のない社会は衰退する」というようなものだった。争点をどれだけしっかりと熟議することができるかが、市民社会の成熟なのではないだろうか。
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by eric-blog | 2015-05-31 13:10 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

苦情対応実践マニュアル 『日本苦情白書』のデータが実証する

苦情対応実践マニュアル 『日本苦情白書』のデータが実証する
関根眞一、ダイヤモンド社、2010
2317冊目

元本の白書は8万円もする大冊。なかなか手に取れる人がいないのと、膨大すぎて、トリセツが必要と、この本が書かれた。

5000件以上のアンケート結果から見えてきた苦情の実態。

・苦情をもっとも言うのは60代
・対応は性別によって変えるべし
・「正直」であれ
・苦情の原因のトップは「配慮不足」
・苦情を言う側の勘違いは23%程度
・関東人は怒鳴られると怯えやすい
・行政関係者は最も苦情を言う
・平均していやな思いを4.63回したら、苦情を言う。

というか、いやな思いを三回したら苦情を言う人が圧倒的に多い。が、中には31回という人もいるので平均すれば、この数字になると。

苦情の原因は、不満、不安、不公平。22

苦情に悩まされやすい人がいる。
1.説明が下手な人
2.二枚舌を持つ人
3.相手の話を信じようとしない人
4.否定的に対応する人

苦情をいう側にとっては、言っていることは真実なのだ! 34
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by eric-blog | 2015-05-31 07:51 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

仮設のトリセツ もし、仮設住宅に暮らすことになったら

仮設のトリセツ もし、仮設住宅に暮らすことになったら
岩佐明彦、主婦の友社、2012
2316冊目

まだ、ブログで紹介していなかったか。『サラエボ旅行案内―史上初の戦場都市ガイド』

このガイドを読んだ時と同じような感慨があった。どっこい人は生きている。

仮設でない仮設を提供しようと努力した地元工務店の取り組みも知った。
紙管のような新素材で作る試みも聞いた。
暑さ、寒さ、隣の音などなどに、気が気でなく住んでいる話もあった。

一方で、互いを支えあう話も。

この本を読んで、知りたいと思ったこと。「仮設住宅コンテスト」ってあるのだろうか? もちろん、世界仮設住宅展示会なんていうものはとっくにあるのだろうけれど。

東日本大震災でつくられた仮設住宅の数=52191戸。

確かに不自由だ。確かに不安だ。確かに苦労がある。確かに不満はたくさんある。それでも、人はそこにとどまっているんじゃないんだなあ。

昨日、日本エコツーリズム協会で、「三陸ひとつなぎ協会」の伊藤さんの話にも感動した。緊急支援は半年ほどで、その後3年が復興支援、そしていまは地域の持続可能性に取り組む、地域らしさ、地域に生きることを応援するプロジェクトへと変化しつつ、走り続けておられる姿だ。

哀れみでもない。

そこに生きる人との出会いで、学んだことは多かったと、現地をたずねた参加者のフロアからの発言もあった。

問題がいっぱい報告されているということは、きっと進化が速いということなんだ。なぜっと、人は、自分が解決できそうな問題しか、認識できないんじゃないだろうかって、この本を読んで思ったから。

そういえば、どこかの駅構内で、コンペ作品が並んでいたことがあったなあ。
http://www.j-kana.or.jp/k-compe/

ともあれ、この取り説、みょうに具体的。

生活必需品として支給されるもののリスト。100だよ? どうよ?

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それでいて、困っていることは1. 収納だというのだら、どんだけ物が多いんだ、わたしたちの生活。

そして、建設費410万円。面積29.7m2。建設まで200日。工期じゃないよ。
建設費が結構お高いのは、「撤去」も含めているから。らしい。

基本はプレハブリース型で社団法人プレハブ建築協会の会員企業が建設するもの中心らしいんだけれど、地元公募型というのもある。その場合、木造が多いなあ。岩手県陸前高田市、遠野市、住田町、宮古市、福島県三春町、
郡山市、二本松市のログハウスなんていうのもある。

今回の被災地が寒い地域だっただけに、玄関前の「風除け室」を自作した人も多いらしい。それがまた個性的だと。

仮設住宅住まいは2年以上にはなることを覚悟しろと。

そんなこんなの小さな工夫が、生活を彩る。

こんな「残念」なことも、世界にはあるんだし。
http://temita.jp/wd/picture-t/img/15802

【関連】
仮設住宅アーカイブス、福島の応急仮設住宅、柴崎恭秀、2014
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by eric-blog | 2015-05-29 13:04 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

衆議院 安全保障関連法案についての検討2015

2015年5月28日 平和安全特別委員会 審議

志位和夫議員が指摘した「アメリカ合衆国の武力行使に対して採択された国連非難決議」
1983年グレナダ侵略   日本は棄権
1986年リビア爆撃        日本は反対
1989年パナマ侵略      日本は反対
http://kosugihara.exblog.jp/21281661/

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辻元議員ブログ
http://www.kiyomi.gr.jp/blog/5465/
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by eric-blog | 2015-05-29 11:33 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

日本の反知性主義 Anti=intellectualism in Japanese Society

日本の反知性主義 Anti=intellectualism in Japanese Society
内田樹編、晶文社、2015/05/29
2515冊目

知性とは何かについて、10人の人たちがかたりあるいは語り合った論集。

鷲田清一さんの「「摩擦」の意味—知性的であるということについて」が、知性を、単に科学的好奇心や探求の姿勢ではなく、異質な存在があるという前提で発揮されるべきものとしてとらえ、整理してくれている。

近代は、民主制、立憲制という理念が普遍的に共有されるべき普遍的なものであるという意志の世界への広がりであると考えると、広がる過程においてさまざまな軋轢が生み出された。288

普遍性をうたうことで、これに従わない存在を否定する。排除する。
そこに「共存」の可能性を求めると、「摩擦」が生まれる。

しかし、いま、憂うべきは「統合の過剰」ではなく、「分断の深化」ではないという。291

「摩擦」を消すのではなく、「摩擦」に耐え、そのことで「圧制」と「頽廃」のいずれも回避するためには、煩雑さへの耐性というものが人々に強く求められます。292

知性は、・・・世界を理解するときの補助線、あるいは参照軸が増殖し、世界の複雑性はますますつのっていきます。・・・煩雑に耐えること・・・それが知性的ということなのです。292

オルテガが「手続き、規則、礼儀、調整、正義、道理」という共有された作法に則って、世界をなんとかして解釈しながら生きていますが、・・・その解釈をより正確なもの、より立体的なものにしようとすれば、じふんとは異なる他の位置からの証言というものが重要になります。293

解釈を立体的にするための「対話」。重要性も困難も、そこにあります。294

困難を乗り越える作法として、文化や文明。

オルテガが「大衆の反逆」といったのは「自分の思想の限られたレパートリーの中に決定的に住みついてしまう」性向。・・・「ただ自分の意見を断固として強制しようとする」そういう性向をひとが羞じるどころか逆に当然の権利として主張する傾向。

控訴の可能性の欠如こそ、野蛮  295

自由主義とは・・・多数者が少数者に与える権利なのであり、したがって、かつて地球上できかれた最も気高い叫びなのである。」オルテガ『大衆の反逆』p.107

想田和弘さんは、ドキュメンタリーにおける「台本主義」が知性を壊すと指摘する。ある到達した点にとどまるのでは、知性はない。258

仲野徹さん、生命科学者。科学の進歩に伴う「反知性主義」。だよね、とうなづきたくなること。遺伝子解析のための「夢のような研究技術と環境」が整っているが、その定型的な研究技術と環境が、研究を定型的にしていくし、手続きや膨大なデータの収集にかかる時間によって、論文数がかぎられていくという矛盾が語られている。科学者個人の貢献は低下し、資金がかかる研究技術をもてるところと持てないところが出てくる。

情報の膨大化と技術の定型化標準化。275

さらに、専門外の人々、専門家研究者以外の人々に対する説明のあり方についてもSTAP細胞の例から論じられている。「大衆を反知性主義に貶めてはならない」と。281

編者である内田さんの「反知性主義者たちの肖像」より
「社会的あるいは公共的」であるためには時間を味方にしなければならない。038

先行する世代の「肩の上にのって」仕事をする。
次世代につなぐ。

そして、そこで内田さんは、指摘する。「反知性主義者たちにおいては時間が流れない」と。
だから彼らは少し時間をかけて調べれば簡単にばれる嘘をつき、根拠に乏しいデータや一義的な解釈になじまない事例を時節のために駆使することを厭わない。これは自分の仕事を他者との「協働」の一部であると考える人は決してすることのないふるまいである。041

その最悪の事例が「マッカーシズム」だったと。

自分の言っていることを信じていない人間は、自分の言っていることを信じている人間よりも、論争的な局面ではしばしば有利な立場にたつ。

自分が「革新のないことを語るときの気後れ」

反知性主義者には気後れというものがない。・・・論争における勝負の綾を熟知している。「ふつうなら気後れして言えないこと」を断定的に語る者はその場の論争に高い確率で勝利する。

反知性主義者のほんとうの敵は時間なのである。

だから、彼らは「反復」を厭わない。時間が経過しないかのように。053

ふつうの人間は同一性の反復に長くは耐えられない。・・・反復は反生命的であり、反時間的である。

「当面の政局」に集中する政治家。

白井聡さんは、もっと辛辣だ。「B層」のような階層。

仲野さんの杞憂に加えるものだと感じたのは、白井さんが指摘する人文主義的学問への抑圧がある。

小田嶋隆さんの「分断」のもととして知性がやり玉にあげられていること、痔地元から出て行く者、出て行かないものとの分断の根拠である学力。195

15歳の分断。

「戦後70年の自虐と自慢」平川克美さんの安倍演説分析も重要だ。日本はドイツと異なり、フィクションとしての「戦争犯罪人」を持たず、戦犯たちを靖国に祀ってしまった。そこに大きな違いがあるよね。


そうだ、もう一つ、心に残ったエピソード。
鶴見俊輔さんが、息子さんから「なぜ自殺してはいけないか」と問われた時、「自殺をしていい時がある。一つは命令で人を殺さなければならなくなったとき、もう一つは女性を強姦しそうになったとき」と。内田さんの紹介です。
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by eric-blog | 2015-05-29 11:20 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

環境世界と自己の系譜

環境世界と自己の系譜
大井玄、みすず書房、2009
2514冊目

環境は無数の潜在的情報源だ。生物は、そのなかの限られた情報のみを取り入れ、主観的現実を構成する。それが環境世界。「仮構する」世界。13

期待と認知 15

モノを探す時に、わたしたちがよく経験することだ。あるべき場所、あるべき形、あるべき質感などで、そこになければ、見えないという経験。しょっちゅうだよね。わたしたちは自分自身の「期待」を投影して、ものを見ている。

不安という情動

人間関係は、認知能力のおとろえた人にとくに大きなストレス源となる。18

危険や苦痛

などなど、医師である著者は、認知症の専門家である。認知症の世界から、自己認識とは何かにせまっているのがこの本。
日本の自己観と、それゆえの病理がある。

人類文化的には「個人志向」と「関係志向」がある。
前者を「アトム的自己」。自主的思考、判断、行為主体とする。
個人が主、社会が従。

相互独立的自己  independent self
相互協調的自己  interdependent self

後者を「つながりの自己」

「アトム的自己」というのはクリフォード・ギアツの定義がある。104

感情も、同様に、「自己中心」的感情と「他者中心」的感情がある。

怒りやいらだち、誇りは、自己の内的属性を規準として商事、その発現が阻害されたと意識する時観ずる。「不公平に扱われた」など「自己中心的感情」

同情、他者との一体感、恥などの感情は、他者をおもな規準として生ずるので「他者中心的感情」

自己観の差が感情の種類や程度も違える。(マーカスと北山、『自己と感情』)

アメリカ大陸というフロンティアは「アトム的自己」を育てやすい。
日本でも北海道など。

アトム的自己観にもとづく「人間観」に普遍性はない。126


日本人の多くは、「つながりの自己」的深層意識をもっている。認識、常道、倫理意識に現れている。

それはどのように形成されたのだろうか?

おおらかな多神教の世界
古代豪族の長が各農村共同体の統率者。154

天皇は権威であるが権力は持たない。

異民族に対する寛大さ。
万民が根本においては平等。(尾藤正英『江戸時代とは何か』)

聖徳太子の17条の憲法は、官僚が遵守すべき倫理的指針がしめされている。158

公地公民という平等思想は、私有地とそれを守る武力の前にくずれていく。160


誰でもいい、強いものにつくという村の生き方。(黒田基樹『百姓からみた戦国大名』)

中世社会には、親族関係、主従関係、同輩関係など多岐にわたる関係の網が張り巡らされていた。170

自立とつながりの双方向的な生存戦略。

日本という閉鎖系内での平和な生存のために、喧嘩両成敗による武力紛争抑制、裁判による救済の徹底。江戸時代に達成される。

身分制度的な社会であったも、共同体の各個人が人間として平等であり、それぞれの生まれ育ちに応じてあたら得れた役割をよく果たすことにより共同体の目的に奉仕する。175

国家をその共同体の先に位置づける。

そんな「つながりの自己」を深層に持つ日本人に対して、アトム的自己を求める倫理意識が戦後方向転換されたのではないかという。227

個性化教育という切り離し。
1.元来アトム的自己観をもち、他者は関係項として入っていない子
2.自力で競争に耐えうる潜在的能力をもつ子どもたち=頑張り屋
3.自立しない典型が「ひきこもり」。几帳面、正直、素直、神経質、内気。

高塚雄介『ひきこもる心理とじこもる理由』
http://ericweblog.exblog.jp/7802382/


「関係志向」から「関係否定」という倫理委式の転換は、自己否定、他者との対決をともなう可能性のある「関係性」への消極性にもつながりかねない。232

アトム的自己は、キリスト教文化のもと、近代主義的個人に『無理をして』脱皮してきた。」236 

人間特有の「私」のあり方とは、「他者との関係のなかでのみ定義されている点にある。」by正高

閉鎖系に生きる倫理意識を江戸時代日本に学ぼう! というのが結論。

それは争いを避け、他者としの関係性を強化する営みに居合を感じる他者志向、他者とつながる倫理意識である。268


「理性的で、尊厳性、自由、平等、幸せ追求の権利をもち、しかも自然を超えた人間像とは、共同幻想で強化された「仮構」であることが明白である。現在解明されつつあるのは、第一に、ヒト派自然を超えた実体的属性をそなえた存在ではなく、自然界に働く多分に道のダイナミズムに組み込まれた一生物種にすぎず、またその事実を受け入れざるをえないことだ。脳科学のここ20年の進歩は、人間の意識も意志も、脳に営まれる神経生理的過程の「生産物」であることを強く示唆する。理性的「自由意志」の存在は疑わしい。啓蒙思想とは世界が最終的に西洋的普遍文明に統合されるという信念だとすれば、その経済的表現である「グローバル化された自由市場」では、社会も環境も守ることはできないのである。」269
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by eric-blog | 2015-05-28 10:13 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

天皇の軍隊と日中戦争

天皇の軍隊と日中戦争
藤原彰、大月書店、2006
2513冊目

明治維新は、封建的年貢を高率の地租にかえたが、農民の地位は低いままだった。地主小作制度を残し、貧困な小作人を再生産した。徴兵制では、免疫・代人の規定があり、官公吏、資産家、地主などは徴兵を免れた。

国を守るという自発性を持たない兵士を、近代的な三回先述の中で戦闘に駆り立てるためには、命令に対する絶対服従を強制する以外なかった。4-5

兵士の人格の完全な無視。「真空地帯」非合理な習慣や私的制裁。

明治維新は人権と自由を抜きにした近代化を目標とした。
自由民権運動を弾圧した天皇制国家。
大日本帝国憲法では国民を「臣民」と呼び、人権と自由を欠如させていた。
人身売買と公娼制度は、貧困な農村の存在と人権感覚の欠如を土台として、敗戦後まで存在しつつげたのである。6


1871年の海陸軍刑律。刑罰の厳しさと、身分差別の大きさを特徴としている。将校、下士、卒夫によって刑罰を分け、将校には武士道的刑を、兵卒には杖刑や笞刑という奴隷的な刑を課する。6

抗命や対上官犯罪などに極めて厳しいのが特徴。

指揮官の判断で懲罰を課することができる。
自由と人権を欠いた社会を反映して、軍隊内部はいっそう兵士の人権を無視した牢獄7

アジア諸国民への差別意識

差別感は恐怖感にもつながる。
侵攻し、占領した軍隊は、占領下の民衆にたいして優越感と支配者意識を持っている。それがかねてからのアジア蔑視と重なって、いっそう拡大することになる。
日本軍の中国民衆への暴行が多発した。9

日清戦争においても、戦傷死者は1417名、病死者1万1894名。患者総数は17万1164人。
日露戦争では肉弾戦、白兵突撃。兵士の生命の軽視。=補給の無視。徴発という名の略奪によって中国で戦った。しかし、太平洋の戦場では徴発ができなかった。死没者の半数以上が餓死。11

軍部は、天皇の統帥権の確立、独立によって、独裁体制を樹立。13

盧溝橋事件では宣戦布告せずに戦争に突入。この事変は戦争ではないから戦争法規は適用しない、「俘虜」などの名称は使うなと指示した。(8月5日、陸軍次官より通牒)85

組織的な捕虜殺害へ
中国共産党が名付けた「三光作戦」に該当する日本軍の軍事行動は存在していた。94

70年代後半は、右傾化、軍事化がすすむのである。
78年の日米防衛協力のガイドラインは日本の役割強化の象徴である。220
『戦後史と日本軍国主義』に所収。

1982年7月、日本の教科書検定が国際問題化。220

『飢死した英霊たち』
『南京大虐殺』
『南京の日本軍』戦争犯罪研究
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by eric-blog | 2015-05-28 07:50 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)

慰安婦問題をどう教えるか

教科書がやり玉にあがった時、わたしは何もしなかった。  
漫画がやり玉に上がった時、わたしは何もしなかった。  
新聞がやり玉にあがった時、わたしは何もしなかった。  
副読本がやり玉に上がった時、わたしは何もしなかった。  
辞書がやり玉にあがったとき、わたしは何もしなかった。  
国語の教科書に乗せられた小説がやり玉に上がった時、わたしは何もしなかった。

新聞社が襲撃にあった時、わたしは何もしなかった。
外国にルーツのある子どもたちのための学校が攻撃された時、わたしは何もしなかった。
在日の外国籍の人々を愚弄するデモがあったとき、わたしは何もしなかった。
新聞記者が脅迫された時、わたしは何もしなかった。

そして、わたしたちは何も言えなくなった。

彼らは何を得るのだろうか? 

================

マルティン・ニーメラー牧師の詩

http://ericweblog.exblog.jp/19250843/

===================
追記
2015年5月25日

「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明

http://rekiken.jp/appeals/appeal20150525.html

========2014年10月18日記===============

2014年10月17日の衆議院文科委員会で、
義家弘介議員が、国語の教科書に載っている池澤直樹さんの「桃太郎」、学校宇で使われている副読本、および辞書に載っている「慰安婦」の説明文に異議申し立てをしていた。

こちらから、視聴可能です。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=44207&media_type=fp

====================

問題にされたのは教員組合作成の副読本ということでしたが、参考までに、日中韓の合同で作られた副読本を紹介しておきます。

「未来をひらく歴史」
http://ericweblog.exblog.jp/11547064/

どうやら、日本国内では、「統一された歴史観」一色で染めたいようですね。

それで、「彼ら」は何を得るというのでしょうか?

===================

慰安婦、慰安所は存在していた。

むりやり連れてこられたという証言はある。

日本政府は実態調査をしていない。
日本政府は、日本皇軍側の関係者の聞き取りをしていない。
一兵卒から士官級まで。

中曽根元首相は、語っている。
野中広務さんも、語っている。

体験した人々は、知っているのだ。

敗戦時、撤退する時に、資料を焼却し、戦後、実態調査も実施しなかった
「無作為の責任」は、大きい。

そのことを問題にしないで、「慰安婦」についての記述だけをあげつらうことなど、
恥ずかしくて、できるはずもない。

被害の訴えがあった時に、加害者をつかまえず、事情聴取もせず、ものごとをすすめる姿勢にこそ、
戦後日本の問題が含まれているのだ。

1992年、慰安婦問題が起きた時、わたしは父親に確かめなかった。かすかに彼は慰安所には行かなかった、と。しかし、彼はその存在は知っていた。中国のチンタオで。
わたしは、その時、どれほどの皇軍経験者が生きているだろうかと思い、概算してみた。

21才以上の徴兵に応じた人の概算だけで、200万人ほどにも上った。これらの人々の「無言」が怖い、と思った。ないのであれば、もっと声が、その時に、大きかったはずではなかったか。

彼らは、どこか、引け目を感じていたのだ。

そして、団塊の世代ジュニアには、どこか感覚が欠けている。

彼らは、「おじいちゃんはそんなことはなかった」と言っているという。「名誉を取り戻したい」のだという。

どの一人の事例も、拡大解釈して全体にあてはめることはできない。一人ひとりの物語によって、ていねいに、「あの頃」を知って行こう。

=============転載です。===========


       ◆◆ 北星学園大学を応援しよう ◆◆
        
           負けるな北星!の会(略称マケルナ会)呼びかけ人一同
 北海道札幌市の北星学園大学に「非常勤講師の植村隆をやめさせなければ爆破す
る。学生を痛い目に遭わせる」という脅迫状が複数届き、電話やメールの攻撃も続い
ています。

 元朝日新聞記者の植村さんは 1991 年、韓国の元日本軍慰安婦のつらい体験の告白
を記事にし、一部から批判されています。議論は言論の自由ですが、脅迫や業務妨害
は犯罪です。

 植村さんの高校生の長女は氏名、写真をネットでさらされ「自殺に追い込む」と脅
されています。長男の高校の同窓生は人違いされ、ネットに写真と実名入りで「売国
奴のガキ」「自殺しろ」と書かれました。ひどい人権侵害です。

 植村さんの講座は留学生対象の「国際交流」で、慰安婦問題ではありません。学生
が何を学ぶか、大学が誰を講師にし、何を教えるかは、学問の自由、大学の自治で
す。神戸と大阪の二つの大学でも同様の問題が起きました。これは自由と民主主義に
対するテロです。

 北星学園大学を応援するため、思想信条、立場を越え、「自由と民主主義を守る」
というこの一点で協力し、共に行動しましょう。
                           2014年10月6日

★賛同してくださる方へ
1 大学のHP(お問い合わせ入力フォーム)から、応援の声を届けましょう。
 仲間にも呼びかけましょう。

http://www.hokusei.ac.jp/site_information/contact/form.html  

2 当会の賛同人となってくださる方は、①~⑤をご連絡ください。
 名簿をもって大学を訪問する予定です。

①お名前
②肩書き・所属
③住所(都府県、道内は市町村)
④公表(①②)の可否
⑤メールアドレス

連絡先 メール: makerunakai@yahoo.co.jp
または FAX: 011-351-2777
※いただいた情報は厳重に管理し、会の目的以外に使用しません。

3 活動支援のカンパ(1 口 500 円・何口でも)をお願いします。
 送金先:ゆうちょ銀行振替口座
 記号02720-4 番号70218
 名称:マケルナ会

<呼びかけ人>
池澤夏樹(作家)伊藤誠一(元日弁連副会長)内田樹(神戸女学院大学名誉教授)内海
愛子(市民文化フォーラム共同代表)太田原高昭(北海道大学名誉教授)岡本仁宏(関
西学院大学教授)荻野富士夫(小樽商科大学教授)小野有五(北海道大学名誉教授)海
渡雄一(元日弁連事務総長)桂敬一(元東京大学教授)加藤多一(絵本作家)神沼公三
郎(北海道大学名誉教授)香山リカ(立教大学教授)姜尚中(聖学院大学学長)神原勝
(北海道大学名誉教授)古賀清敬(北星学園大学教授)後藤乾一(早稲田大学名誉教
授)小林節(慶応大学名誉教授)小原隆治(早稲田大学教授)小森陽一(東京大学大学
院教授)斎藤耕(弁護士)佐藤博明(静岡大学元学長)新西孝司(元高校教師)鈴木賢
(北海道大学教授)高橋哲哉(東京大学大学院教授)田中伸尚(ノンフィクション作
家)田中宏(一橋大学名誉教授)千葉真(国際基督教大学教授)津田大介(ジャーナリ
スト)中島岳志(北海道大学准教授)中野晃一(上智大学教授)西谷修(立教大学特任
教授)西谷敏(大阪市立大学名誉教授)原寿雄(元共同通信編集主幹)秀嶋ゆかり(弁
護士)福地保馬(北海道大学名誉教授)藤田文知(元BPO放送倫理番組向上機構)藤
原宏志(元宮崎大学学長)真壁仁(北海道大学教授)松田正久(前愛知教育大学学長)
水越伸(東京大学教授)森村誠一(作家)山口二郎(法政大学教授)結城洋一郎(小樽商
科大学名誉教授)渡辺達生(弁護士)和田春樹(東京大学名誉教授)
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by eric-blog | 2015-05-28 06:25 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

GPW 第6回 クロマグロの悲劇

第6回 クロマグロの悲劇

1.学生によるアクティビティ実践1 「わたしのいいところ」
2.学生によるアクティビティ実践2 「10人の親しい人々」
3.クロマグロの悲劇
4.ふりかえりおよび記録

アクティビティは、おもしろい。
どれだけ深められるかは、すすめ方次第だなあ。
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by eric-blog | 2015-05-26 14:48 | □研修プログラム | Comments(0)

土の笑い オキナワへ、オキナワから

土の笑い オキナワへ、オキナワから
金城実、筑摩書房、1983
2512冊目

1939年生まれ。44歳の時の自伝。

浜比嘉島という離島に生まれ、沖縄の島々が「日本化」=近代化していく中で、近代に対するあこがれと、土着に対する恥ずかしさを育てていく。

何度も島からの離脱を求め、出て行った先では「沖縄語」を封印し、沖縄から逃れようとするが果たせず、再び島に逃げ帰り。

予備校に四年、大学に8年。33歳になった時、「土」による彫刻の世界へ、独学で入っていく。突き動かされて。美術学校を出たわけではない者のルール違反のやり方で。

人間を観察すること。風呂屋に通う。それを4-5年続けた。デッサンはしない。

沖縄戦に対するこだわり。

父親は志願して参戦。遺書に「この第二次世界大戦に勝ったあかつきに、初めて沖縄の人間は日本人と同等に扱われるようになるだろう・・・」

立派な日本人に育ててくれと。

差別と排外的忠誠心

人類館事件による、台湾、朝鮮、アイヌと並列されることへの沖縄の抗議。日本人にならなければ、なりきらなければという努力が、他の被差別者を踏みつけていく。24

80年、41歳にして、3年かけて作成した「戦争と人間」という縦4m、横12mのレリーフを全国80カ所で展示。

久米島・渡嘉敷虐殺事件は、終戦の8月15日の三日後、8月18日から20日の三日間で起こった。

曾野綾子さんの『切りとられた時間』の犯罪性。

沖縄が日本になろうとした努力の見返りとしての自決、集団殺戮をどう切りとるのか。どのように切りとれると言うのか。と。

土は、金城さんのテーマだ。

人の死が土を介して笑いになる。

島から出て行って、コザの街で生き、ある日、こっそりと担架で運ばれてきた女の子。

1880年代の第一次言語戦争
1940年の第二次言語戦争。軍規によるスパイ呼ばわり。

1980年、集団就職した青年たちによる同胞リンチ殺害事件。「お前がのろいから、わしらが辛い思いをする。」

同化と異化

この頃の作品と、いまわたしが目にしている作品は、ずいぶんと違うのだろうなあ。

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【その他の本より】
『彫塑 金城実 作品集』1993、東方出版
針生一郎さん「よせて」より
金城実のめざすものが、個体ではなく群像の表現であり、単身像の場合も眼にはみえない状況や運命の表現だからです。」

ポストモダンという近代のどんづまりにとっては、金城実さんこそ先駆的
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by eric-blog | 2015-05-26 09:24 | ■週5プロジェクト15 | Comments(0)