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慰安婦問題について

■辻元清美さんの国会質疑です。
http://www.youtube.com/watch?v=tDJj5pCvkFo

以下、アジア女性資料センターからの情報です。
===========

慰安婦問題「日本に責任」 米東部州下院が決議
2013年3月27日 05時10分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013032701000786.html
 【ニューヨーク共同】旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、米東部ニュージャー
ジー州下院は26日までに、日本政府に対し「歴史的責任」を受け入れ、慰安婦
問題について「将来の世代を教育する」ことを求める決議案を全会一致で可決し
た。
 決議は、元慰安婦たちが「(戦時中に)耐え抜いた苦難を日本政府に正しく認
めさせようと闘っていることをたたえ、支持する」としている。
 米国では1月29日、隣接するニューヨーク州の上院が、慰安婦の制度は「人
道に対する罪」をもたらしたと指摘する決議を採択したばかり。

************************3月26日
---
みなさん、こんにちは。転送歓迎!

滋賀県草津市議会の意見書案が棄却された同じ日に、京都府議会で「『慰安婦』問題
の早期解決を求める意見書」可決の吉報をお届けします。こちらはまったく把握して
いませんでした。

@@@@@
道府県では初めてです。公明党が提案、民主と共産が賛成、自民が反対だったそうで
す。

先日、議員対象の「終わらない戦争」の上映会をすると、公明党の議員さんから貸出
がありました。久々の大きな成果があって良かったです。これまで運動されてきたみ
なさん、ご苦労様でした!!

以下、朝日新聞デジタルにアップされています。
「「慰安婦に謝罪と補償を」 京都府議会が意見書可決」3月26日(火)13:57
   http://www.asahi.com/politics/update/0326/OSK201303260037.html
@@@@@

京都府議会へのご意見をお送りください。
   https://www2.pref.kyoto.lg.jp/gikai/html/mail_form.html

-----------------------------

みなさん、こんにちは。

今しがた、滋賀県草津市議会の本会議で、慰安婦問題に対する意見書案が否決されま
した。宇野房子さんの弁論はすばらしいものでしたが、この結果は非常に残念です。

後日録画も見られるようです。
●市議会ライブ http://www.kensakusystem.jp/kusatsu-vod/

《抗議・要請先》
 議会事務局 gikai@city.kusatsu.lg.jp 
  議員名簿 http://www.kusatsu-shigikai.jp/02member/list.html
    
 西垣和美(公明党) ka.zoo.n@hera.eonet.ne.jp
  西村隆行(公明党) http://www.kusatsu-kokorohot.com/soudan/

奥村次一(草政会(保守)) sawayaka@pioneerf.co.jp
行岡荘太郎(草政会(保守)) yukioka@beige.plala.or.jp

  杉江昇(新生会(保守)) sugie@shinseikai932.net
中村孝蔵(新生会(保守))nakamura@shinseikai932.net
木村辰己(新生会(保守))kimura@shinseikai932.net

奥村恭弘・議長 市民派クラブ(民主系) okuyasu@max.hi-ho.ne.jp
西田みさこ 市民派クラブ(民主系) misako@waltz.ocn.ne.jp
大脇正美 市民派クラブ(民主系)  m-ohwaki@nike.eonet.ne.jp
宇野ふさ子 市民派クラブ(民主系) fusakouno@gmail.com

藤井三恵子 久保秋雄 篠原朋子(共産党・提案者)
http://kusatu.jcp-web.net/?page_id=4

草政会 (保守) http://www.k-souseikai.jp/question/index.htm
新生会 (保守) http://www.shinseikai932.net/contact.html

=============
韓国の挺対協が、2004年に亡くなったチョン・ソウンハルモニの語りをもとにし
た3Dアニメを制作、公開しています。日本語字幕版がYoutubeにアップされてい
るので、ぜひ見てください。
http://www.youtube.com/watch?v=aEm6VYRjmCM
ものすごい質の高さにびっくりしますよ!
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by eric-blog | 2013-03-28 12:44 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

放課後に楽しい"学び"の場を!

こんな取り組み、いいですね。東京新聞2013年3月28日朝刊

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by eric-blog | 2013-03-28 09:34 | ○子ども支援・教育の課題 | Comments(0)

教科書検定と原発  Think Nukes

◇IWJの岩上安身さんの「水曜ダンディ」でのコメントをご紹介。2013年3月27日
「でも、原発について書いていないのが7割以上もあるんですよ」

◇教科書検定の結果が報道された。どの社も、スタンスはそれぞれだが、原発事故についての記述が増えたところが多い。教員は「教科書を」教えるのではない。「教科書で」教えるのだ。

文部科学省が昨年出した「放射線教育副読本」は、原発事故についての記述の少なさに、驚愕を誘った。
教科書や副読本は、教員が、教壇に立つ時の帆だ。帆がしっかりとしていないと、子どもたちの視線を受け止めることは難しい。その帆が穴だらけでは、走り出す船足は鈍る。

震災を受けて、国連10年の中間年という位置づけで改訂された「我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画 」は感動的だ。2011年6月の改訂であるという「熱」は、決して忘れ去られて良いものではないはずだ。

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuren/keikaku.pdf

「新しい公共」、震災を受けた地域づくりなどに取り組むために、子どもに「システム思考」「クリティカルな思考」「情報リテラシー」「行動力」をつけたいと、計画は言う。

一枚の帆がぼろぼろでも、風がアゲンストであろうとも、「持続可能性」に舳先を向けてとりくむということは、このような点検の視点をガイドラインとして、忘れないことだろう。

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by eric-blog | 2013-03-27 07:46 | ○子ども支援・教育の課題 | Comments(0)

3.11から2年。さまざまな課題。

◎「どう動かす?これからの政治」

日 時 : 4月22日(月) 19:00から(18:30開場)
会 場 : 豊島区民センター 6階文化ホール
参加費 : 500円

ナビゲーター: 津田大介(ジャーナリスト)

詳細はこちらからどうぞ。「Moving Japan」サイト        http://blog.moving-japan.net/

◎130323 【北海道】広域避難の現状と今後を考えるシンポジウム

札幌市市民まちづくり局市民自治推進室市民活動促進担当課による
さぽーとほっと基金助成制度http://t.co/vPvrhWetc4

基金からの助成金による被災者支援活動が中核となって開かれた初めての広域避難者シンポジウム
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/69608
札幌市の支援は、資金、人、場所、情報提供の4つの分野で行なっている。
札幌市が「寄付金」を集め、それを支援基金にあてている。おもしろいシステムだ。初年度は3000万円が集まった。今年度は一桁減った。基金への寄付を集めたい。2200万円を支援に当てた。大きな変動がないようにキープしつつ、出している。

◎参議院選挙に向けて、「脱原発」で「大合流」を呼びかけましょう! 各政党からの回答も載せられています。
     http://611kanagawa.org/?page_id=44

◎脱原発メッセージ集
  https://sites.google.com/site/livingwithfukushima/home

◎福島第一はいま   2013年3月5日 東京新聞
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◎2013/03/01 福島第一原発に4度目の入構 事故の傷跡、いまだ生々しく
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/62439
収束などしていない。チェルノブイリでは、石棺の天井が落ちそうだと、報道されている。
第一を取材した人は、林立するタンクに圧倒されたという。「現在、タンクには26万トンの滞留水が保管されており、東電の広報担当者は取材陣に対し、40万トンまで保管可能だと説明した。」

◎2013/03/03 【東京】福島・首都圏の集い — 福島原発災害に学ぶ
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/62878

◎ 2013年3月3日(日)、名古屋市栄の久屋広場において「3・11明日につなげる大集会」が開催された。
     http://iwj.co.jp/wj/open/archives/62877

■内容(予定)10:00~15:00
 11:00~ ステージ企画開始
 13:30~ メインステージ
 ゲスト アーサー・ビナード氏(作家)/増山麗奈氏(芸術家)/山本太郎氏(俳優)
 14:46 福島メッセージ・黙祷
 15:00~ パレード出発山本太郎さん

朗読 若松丈太郎 アーサー・ビナード訳

ひとのあかし

人は、作物を栽培することを覚えた
人は、生き物を飼育することを覚えた。
作物を栽培すること、生き物を飼育することは、人が人であることの証だ。

ある時以降、耕作地があるのに、栽培できない。
家畜がいるのに、飼育できない。
魚がいるのに、漁ができない。

それでは、人は人であると言えないのではないか。





◎2013/03/01 茨城県東海村 村上達也村長インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/?p=62845

◎小出裕章さんが出演するラジオ番組
http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/02/25/tanemaki-2013feb24/?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed
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by eric-blog | 2013-03-26 14:05 | ●3.11地震・津波・原発 | Comments(0)

金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える

金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える
野間易通、河出書房新社、2012.12.20
1940冊目

本を書く人は、記憶力がいいのだなあと、いつも読んでいる本ですら横において、書きカキしているわたしは、驚くばかりだ。あの動きの中で、何が起こったかを、264ページ超の情報にまとめているのだ。

超というのは、以下の情報が20ページほど、付録されているから。これもすぐれもの。
・金曜官邸前抗議3.29〜11.2 スピーチ抜粋
・金曜官邸前抗議の経緯 2011.10.22〜2012.11.11 

2012年3月29日木曜日、300人から始まった官邸前デモが、4月6日から金曜日午後6-8時になり、そして6月29日金曜日には20万人もにふくれあがった。

野間さんはフリーの編集者。1966年生まれ。官邸前デモを主催している人は、それぞれ仕事以上の働きをしているという。それは、小さなデモをやっていた人びとの連合体として始まった。2012年の春から夏にかけての物語りである。

そして、首都圏反原発連合が徹底して行っているのは「シングル・イシュー」「団体旗は立てない」「政治的発言はしない」という原則である。官邸前からは、官邸に向かって声をあげること。歌ではなく、個人の想いとして。その声をトランジスタメガホンで、グミ坂下まで届けている。

もう一つ主催者として行っているのが交通整理、安全確保。40名から、時には100名を超えるボランティアが、交通整理を行っている。

これまでのデモには見られないことが、起こっているのだと、野間さんは言う。
警察の弾圧が少ない。整然と20時になったら解散していく。怒りというよりは、祈りのような。

最初からルーティン化しようとしたわけではない。ただ、状況がどんどん変化していく中で、毎週何か課題が起きて、表現する場をもたざるを得なかった。

定時化したことの効果を、「金曜日にあそこに行けば必ずやっている」ことで、参加しやすくしたと、指摘する。

デモは、いまや全国100数十カ所で、定例デモとして金曜日に行われるようになっているという。

さらには、柄谷行人さんが言うように「日本がデモをする社会になったということ」だという。

首都圏反原発連合の代表と野田首相が会見し、それが中継されたことも画期的なことだった。いくつもの画期的なものを引き起こした金曜官邸前反原発デモ。

デモで原発が止まるのか? デモで何が変わるのか? 

それは、わたしたちのこれからにも問われていることだろうなあ。

日の丸をどうするかという問題がもちあがった時のことも、報告されている。野間さんは、比較的敏感な方の人であるからだ。ほとんどが40歳代を中心に担われているという首都圏反原発連合では、ほとんど、問題にもされなかった。

淡々と、それはサッカーの試合の時に、頬に日の丸を書くような、船舶が所属を示すために、どの国の船舶でも掲げるように、お子様ランチのような社会習慣として、容認する。

団体旗については、それが掲げられることで「実質的には「別の何か」を主張してしまっている。」170

赤旗、赤黒旗、チェ・ゲバラ旗、レインボーフラッグなどと同じく、日の丸も、「特定の政治的テーマに関する旗」とは見なしていなかった、ということだ。

「くに」を返せというナショナリズムの訴えとして、民主主義の象徴として、振られるものなのだと。175

誰か一人でもふっていたら、その集団全員を代表しているかのように、見せてしまう「日の丸」は、わたしたちがそのように受け止めるから、すなわち暗黙に力を付与するから、その力を発揮する。

それはそうだ。日の丸があっても、心が緊張しなければ、「あなたもだ」と言われたように思わなければ、問題がないのだが、残念ながら、わたしのからだ反応は、すでに「侵略の象徴」という「市民運動のアプリオリな解釈」に染まっているので、居心地が悪い。それを続ける限り、市民運動と一般社会は乖離していくと、野間さんは言うのだが。何か知恵はないものか。

日の丸の使い方ガイドライン。作ってみようか。
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by eric-blog | 2013-03-26 10:04 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

ERIC NEWS 328号 ともによりよい質の教育をめざして 2013年3月24日 

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ERIC NEWS 328号 ともによりよい質の教育をめざして 2013年3月24日 
市民性教育を考える シリーズNo.2
            価値観とビジョン-わたしたちはどこへ行くのか?
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
                     twitter : kakuta09  FBも)

2013年3月11日

どうしても心穏やかに過ごすことのできない日が、二度目の巡りを迎えました。

 どう過ごされましたでしょうか。 被災後の復興に心を込めて、被ばくを二度と繰り返さない想いよ届けよ、と。

 わたし自身は、「福島からの避難者」の女性3人からお話を聴く機会と、福島の教師たちの姿をおったドキュメンタリー映画『子どもたちと生きるために』の上映会、Peace On Earth、そして、郡山市を訪ねるバスツアーへの参加など、盛りだくさんな週末を過ごしました。

Think Nukes by 30% of your power!

 原子力・核・これからを考えることに、30%のエネルギーを使おう。そのエネルギーを使うことを、「日常」にしよう。わたしたちは、変わらなければならないのだから。自分自身が変わらなければ、社会は変わらないのだから。

 3.11というメモリアルデーを機会に、どれだけ「脱原発の体質改善」のために、1人ひとりが、日常的に取り組めているか、何に取り組んでいるかを、点検したいですね。

わたしたちの成長に不可欠な「点検の視点」。あなたは、どんな点検の視点を持っていますか? どのような点検の視点を、ファシリテーターは持っているのでしょうか? 今回のESDファシリテーター養成講座は「教育力向上講座」です。


<<<<>>>ERIC主催研修・TEST教育力向上講座「ガイドラインをESD指導者育成に活かす」<<<<>>>>

2013年3月30-31日 13回目の教育力向上講座を開催いたします。

要項および申し込み、その他TEST関連資料はERICホームページから確認していただけます。

http://www.eric-net.org/detail_new.html?newsReleaseId=a0X10000002hyTGEAY

今年度最後のESDファシリテーター養成講座です。ぜひ、ご参加ください。現在出版準備中の『平和教育: 平和の文化への道』および『いつでもESDファシリテーター・ハンドブック』も資料として活用できる予定です。

これまで翻訳された内容はブログ「平和教育: 平和の文化への道」から読むことが可能です。

http://pepathway.exblog.jp/

<<<>>>よりよい質の教育をすべての人に、すべての人と、あらゆる機会に<<<>>>

■今回は二つの話題をお送りします。
1. 福島メモリアル
2. 市民性教育 価値観とビジョン

<<>>>福島メモリアル<<>>>

++++福島を離れて

 福島という大爆発は、多くの火山弾を飛ばしました。熱い熱い火山弾が、池になげこまれた小石のように、社会に大きな衝撃波を引き起こしています。二年たったいまでも、その波は、心を打つのです。

 福島ディアスポラ、ディアスポラとは国境離散民のことですが、強制避難で移住した方、自主避難で移住した方を含め、福島を離れた方々は、社会を動かすマグマです。被災の現実、被ばくの不安への対処、それらに対して何ができるのか。何ができていて、何ができていないのか。リトマス試験紙のように、社会に赤信号をつきつけるのです。そして、わたしならば、何を求めるだろうか、とも、考えさせられました。

 ただただ、昔通りに。求めているのは、それなのかもしれません。しかし、3.11以前には戻ることのできないわたしたちの社会にあって、福島ディアスポラの人びとの諸相の多様性も、現実です。そして、ESD持続可能な社会のために取り組む方々が共有する視点は、「もっとも弱い人の視点にたとう」という想いであると思います。

 幼い子どもを抱えて、被ばくの不安のある中、選択を迫られてきた女性たちのお話。会にはたくさんの人が集まっていました。

++++仮暮らしは二年が限度。深く疲れている。

 避難者の女性たちは、「二年が限度の仮住まい」と一様におっしゃっていました。ああ、そう言えば、海外協力隊も二年だなあと、変に感心しながら、聞いていました。

 避難先での仮暮らしを維持しつつ、避難者相互がつながり、支援者とともに互いを支え合うネットワークを作ろうと、「てとて」を初めた女性たち。お話の会は、その場所で開催されたのです。

 これまでの日常にはなかった活動を、避難生活に加えて行い続けるという、ハイパーテンションな状態で生きることができるのが、二年なのかなと。それを過ぎると、本当に「疲れている」ことを実感するともおっしゃっていました。

 「居場所」とも関わるのでしょうが、それぞれが新たな場所に再定着をしていく、この4月、とのことでした。お一人はさらに西へ、お一人は安全な福島へ。お一人は、ご実家で。

 被災したということは、どこか宙ぶらりんな気持ちがあるのだなとも思いました。

+++++どこか宙ぶらりんという疲れ

 わたくしごとになりますが、大学の非常勤の仕事が一つなくなり、収入が半減する見込みになったのが、一昨年の12月。次を探すのか、それとも、別の働き方を選ぶのか、考える必要が生まれました。

 ERICでフルタイムで、収入が安定すれば、それに勝ることはないのですが、いかんせん、いまのほとんどボランティア状況では不可能なので、収入の道を求めて宙ぶらりん。

 さまざまに探ることは、「不安定さ」と「変化へのわくわく感」とがないまぜになった状態です。それがいまも続いています。チャレンジの機会はおもしろいと、本当に思うのですが、きっと、深く疲れているのだろうなあとも思います。

 57歳のわたしは、100歳を超えた方が、避難途中でなくなったということも、からだ感覚でうなづくことができるのです。変化は、すごくエネルギーがいる。

 新しい状況に放り出され、あるいは選択され、生きておられるみなさま、これからもまだ探らなければならない方に、大丈夫と、言ってあげられる社会でありたいです。心から。

++++過去にはとらわれない

一方で、村上真平さんのお話も聞きました。

(IWJの動画です。ぜひ、会員になってあげてください! 大企業の広報費に左右されない市民メディアを育てるために!) 

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/65329

 村上さんは、日本ボランティアセンターの活動を通して、アジアの国々の開発支援に携わってきた方。活動を離れ、福島に移り住んで有機農業に取り組んできた。水田を耕し、自給し、カフェも開き、パン焼き、ピザ焼き用の石焼釜も作り付けたばかりだったという。

 お話を聞いていると、失ったものの大きさ、貴重さに驚いてしまいます。そして、その取り組みを育んだ福島という環境の素晴らしさにも、あらためて胸打たれました。

 しかし、村上さんは、過去をふりかえらないと、とおっしゃるのです。過去にあったものを奪ったものに対する怒りのエネルギーで、自分自身を消耗したくないのだと。

 三重県にある愛農学園という母校を中心に、震災直後の4月から避難者の受け入れに奔走し、そして、いま、その地で、新たな基盤を築いて行こうとしている。まさしく、国際協力の「緊急避難」と「定住促進」の二面性を、そのまま実践されているような方だ。

 グローバルに活動してきた風の人が、土の人になる時、こういう気持ちの切り替えの速さがありえるのだなあと、これもありだと、村上さんを作り上げてきた背景から、深く納得する。難民キャンプを何年も生き続けている人びとがいるのが、国際社会の現実なのだ。

 しかし、みんなが村上さんのように生きることができるわけではないだろうということも、そして、そう生きるべきだと推奨することも、できないとも思う。異なる物語りによって、織りなされている福島ディアスポラの諸相。

まさしく、一人ひとりの選択なのだなあと、感じます。

++++++水を得て

 福島には帰らないという選択をしたシングル・マザーは、それは、時々の福島県内への里帰りで、ずれを実感したからだという。ささやかなずれ、なのだ。たぶん。

 たとえば、子どもに向かって「公園行くか? でも30分だけだぞ」と誘う、福島に暮らし続けている自分の父親。

例えば、「嫁」である友人たちの姿。その役割には、戻れないと感じる自分。

被災は、かえって、新たな地平と可能性を、彼女の人生にもたらしたのです。

++++++福島の学校の子どもたち

 それでも、多数の子どもたちが、福島に生きている。福島の学校というところで、人生の時間を刻んでいる。その姿を、追い続けている元教師の湯本雅典さん。これまで三作のドキュメンタリー映画を自作してこられた。その三作目が、今回上映会で見た『子どもたちと生きるために』である。

その中に、避難先で開校されている山木屋中学校での放射線防護のための教育実践が紹介されている。

◯放射線というもの。
◯防護のために必要な知識
◯家族での話し合い

そんな内容で、授業は構成されている。そして、授業の最後に、一人の先生は言います。

「今日学んだよね。そこから自分はどうすればいいかを考える。それをずっと続けて欲しい。」

 そして、ある先生は、湯本さんのインタビューに応えて、「いちばん必要なのは、子どもたちが将来、自分たちの行動や生活を決める根拠、それを自分で自信をもって、こういう根拠で、わたしはこういう生き方をするのだという、根拠のもとになることを子どもたちに伝えておきたい。」

 その時、その時の、情報ではなく、しっかりとした基礎を、子どもたちは学んでいるのだろうなあと、感動しました。

 仮設のプレハブの中でも、子どもたちの学びは、「仮」の姿などであってはならない。ましてや、「納得いかねぇ」という大人の口移しで反抗するだけの、存在に止めてはならない。ここから、どこへ? それが、いま、福島でも、福島以外でも、問われているはず。

Think Nukes by 30% of your power!

さて、これは、子どもたちにはどう伝えられるのか?

それが「市民性教育」の課題であるのです。


<<<>>市民性教育シリーズ 第二回 価値観とビジョン-わたしたちはどこへ行くのか? <<>>>
1気づきから行動へ-市民性教育とワールとスタディーズの本質 130217
2価値観とビジョン-わたしたちはどこへ行くのか?         130324
3市民としての行動力を育てる-政治的リテラシー、アドボカシーへ    
44つの教育は一つ-共通する課題
5社会科教育は、市民性教育か?
6倫理、道徳は、市民性教育か? 
7市民性教育と消費者教育や反貧困教育、労働者としての権利の教育-セーフティネットとしての教育
8市民性教育とESD-未来のための教育へ

今回は、二つのエピソードを通じて、「価値観とビジョン」がどのように実現していくかを、ご紹介しましょう。ふたつの、心温まる恋の物語りです。

++++ふたつの恋の物語り

Sustainability持続可能性が、わたしたちの社会を導くビジョンであり、価値観であることは、言うまでもないことです。

それをどのように実現するか、今回は、ふたつの恋の物語りを紹介したいと思います。二人は、それぞれに、ある一つの素材に出会い、恋をし、そこから持続可能性の道を開こうとしているのです。

【桐に恋して18年】

http://ericweblog.exblog.jp/17495276/

 桐に恋したのは、八木隆一さんという方です。商社で、原木を買い付ける仕事をしていた八木さんは、5年たって、アフリカの現地が禿げ山になってしまったことに気づきます。そこで、原木を建材にするよりも、歩留まりの高い「合板」に着目。3割しか活用できなかったものが7割活用できるようになると。しかし、そこで合板に使われる接着剤によるシックハウス症候群とぶつかります。

 ふたたびの方向転換で、出会ったのが成長の早い「桐」でした。中国の植林活動の中で出会ったのですが、その花の美しさから「桐公園」があるくらいなのだそうです。中国に土地を買い、桐の植林から始め、製材、加工、流通までを手がけるようになりました。

 いま、日本で流通している桐材の9割は中国その他の海外産。ほとんどがアク抜き作業を手抜きしているために、桐材の特質を発揮することができていないのが残念だと。

 桐は成長が早いため、その木質部分にたくさんの栄養を吸い込んだまま、溜め込んでいます。それを抜くのを「アク抜き」といい、やり方は水につけて、材の7割の水分と、その水分に含まれるものを洗い流してしまうということなのです。

 アク抜きをした桐材は、軽くなり、湿気を呼吸する優れた桐材独特の特質を十分発揮する材となります。

 もともとが商社の方ですから、流通はお手の物。いまや100を超える桐の用途を開発、さまざまな商品を提供しておられます。その多様性がおもしろい! 桐を普及していく上の強力なてこになるはずです。

 桐を大規模に単一種で植林することの弊害はないのかと、わたしは質問したのですが、まだ、大きな問題が発生した事例はないようです。ただ、「実生」から育てるのが実はいい。実生から育った桐の材が良質であることもあるのですが、7000粒のうち育つのは3本。自らの成長にとって、条件のよいところに育つのです。

 会終了後、八木さんとお話をしたら、「いたずらっこプロジェクト」を持ちかけられました。桐の種を、子どもにどんどん撒かせてみようというもの。桐の実生が、どこを選ぶか、みてみようということです。成長して、双葉のころにはスプラウトとして、2m程度の時には、たらの芽の天ぷらのように、もしも、それ以上に大きくなる条件のところではきれいな花を楽しみ、材を期待する。

 すばらしいですね。ぜひ「桐こい」に名乗りをあげてください。たくさんの桐の種をお届けしますよ!  

 飯塚三男さん(ささやかな植樹祭理事)による1000ページもの『桐の大全』が、この四月に出るそうです。桐が広がるきっかけになりそうです。

【そばと出会って】

 京都でSOBA Café さらざんを主宰している橋本しげぞーさん。そばの「持続可能性」にとっての魅力を語ります。

 原点は、中山間地域の衰退に危機感を抱いたこと。日本全国にある過疎地問題をどうにかしたいと感じていたことでした。

 大阪外国語大学で開発環境学を専攻。バイクで日本全国を旅し、中山間地域の問題を実感。京都大学大学院にすすみ、地域経済学を学んでいた時、京大農業サークルに参加、そばと出会う。「チームそば」を立ち上げて、滋賀県安曇川で、一反に充たない休耕田を借りて、たね蒔きから収穫、加工、試食までを実践した。今年6年目。

 そばの魅力とは? 農薬や肥料がなくても育つ。病虫害が少ない。世界でいろいろな食べ方をされている。成分にルチンが含まれている。休耕田や中山間地での栽培に可能性が高い。

 できたそばは、収量はめざさないというものの、自分たちだけでは、食べきれない。そこで、お菓子に加工、京都で開かれている青空市で売り始めた。味と取り組みそのものがおもしろいと、評判になり、京都の町家に、2010年9月カフェをオープン。現在に至る。

 休耕田での生産から、加工やカフェでの提供までの実践を背景に、今後は、本来のビジョンであった「中山間地の活性化」に、そばをどう活かすかを探りたいと、地域行脚中。

+++

 生産・流通・消費をつなぐ「環」をつなぐ「物」がある。二つの物語りに共通しているものは、「消費者フレンドリー」つまり、消費の窓口が広いことかなと思いました。都会の消費者に対する訴求力が、生産地を元気にするのだと思いました。

 二つの恋は、持続可能性というビジョンから始まったからこそ、深まりと広がりを見出したようです。

こんな物語りが、そして物語りに共感する人の環が増えればいいですね。

++++Think Nukes by 30% of your power!

 ふたつの物語のように、原子力に頼らない生活の再構築に向けた実践を、構想する、実践する、学ぶ。その実践は、ローカルで、小規模に取り組んでいけるものもあるのです。

 小回りの効くものに取り組みつつ、わたしたちは、巨大科学技術の行く末にも目を配っていなければなりません。なぜならば、巨大科学技術は舵をとるのに時間とお金がかかるからです。

 総合資源エネルギー調査会総合部会(第1回会合)で、一人の委員が指摘したように、「我が国のインフラが老朽化している。送電網・火力発電所の老朽化。更新する時に、何を更新するかを考えないと、それが長期を決めてしまう。」
http://ericweblog.exblog.jp/17463629/

 短期と長期の関係は原子力も同じです。巨大科学は、時間とお金と人手がかかります。短期的に決定していくことが、長期的なことを決定する。逆に長期的なビジョンを決めて、短期的な手だてを選択しなければ、どうにもこうにも舵取りができなくなってしまう問題でもあるのです。

どんな実践に取り組んでいるにしても、Think Nukes! 原子力のあり方についても、考え、選択を見極めて行くために学ぶ必要がありますね。


<<<<<>>>2013年度の主催研修予定<<<>>>>>
 
 ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ ファシリテーター養成講座 2013年度 実施要項

 1. 主 催: 特定非営利活動法人 国際理解教育センター(ERIC)
 2. 講座名:  各回のテーマと日程
  平成25年2013年6月29日30日 『国際理解』
  平成25年2013年7月27日28日 『PLT木と学ぼう・環境』
  平成25年2013年9月28日29日 『人権』
  平成25年2013年10月26日27日 『対立から学ぼう』
  平成26年2014年2月22日23日 『市民性教育』 
  平成26年2014年3月 予定 『TEST教育力向上講座』
 3. 研修時間:  各回とも受付: 初日(土)10時30分~10時50分
  第一日 (土) セッション1 11.00-13.00
   セッション2 14.00-15.50
   セッション3 16.00-18.00
  第二日(日) セッション4 9.00-11.00
   セッション5 12.00-13.50
   セッション6 14.00-16.00
 4. 会場: 国際理解教育センター(東京都北区滝野川1-93-5コスモ西巣鴨105)
 5. 主旨・内容: 
   人類共通の課題である国際理解・環境・人権のテーマについての気づきのためのアクティビティ研修、および参加型民主主義の社会を支える「わたし・あなた・みんな」の参加のスキル研修の両輪によって、参加型学習による教え方を学び、習熟する。
   ERICのファシリテーター養成12時間研修は、いずれも、アクティビティ体験と開発、流れのあるプログラムの体験と立案、ファシリテーション実践と評価を取り入れた参加型ワークショップ・スタイルで実施される。
 6. 参加対象: 学ぶ意欲のある方(一般公募。特に資格などは問いません。)
 7. 参加費: 20,000円 [テキスト代別途]
   みずほ銀行 大塚支店 普通預金口座2011254 特定非営利活動法人 国際理解教育センター
   郵便振替口座: 00180-5-710744 加入者名: ERIC事務局
   ゆうちょ銀行口座: 10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター
   ゆうちょ銀行口座(他の銀行からの振込の場合):ゼロゼロハチ(008)-0328838
 8. 問い合わせ・申し込み
   特定非営利活動法人 国際理解教育センター(ERIC)  http://www.eric-net.org/
  〒 114-0023  東京都北区滝野川1-93-5コスモ西巣鴨105
     tel: 03-5907-6064  fax: 03-5907-6095 e-mail: eric@eric-net.org


<<<<<>>>>ERIC25周年に向けたご寄付のお願い <<<<>>>>>

 1989年誕生の参加型学習老舗のERIC国際理解教育センター。なんと2014年には25周年を迎えます。これまで続けて来られたのも、企画委員、運営委員、理事、テキスト購入者、ファシリテーター育成事業参加者など、みなさまのおかげです。感謝です。
 これからもよりよい「指導者育成のための実践」推進のための情報提供、研修プログラムの提供などに努力していきたいと思います。日常活動に加えて、25周年に向けて、事務所のリニューアル、フューチャーサーチ走向未来ワークショップの開催、常設展示など、企画しています。
 特別活動支援のために、テキスト活用、研修参加などのご支援に加えて、ぜひ、ご寄付をお寄せください。よろしくお願いいたします。

 ご寄付先 金融機関
  ゆうちょ銀行口座: 10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター(ゆうちょ銀行同士)
  ◯◯八(ゼロゼロハチ)店008−0328838 名義:トクヒ国際理解教育センター(他の金融機関から)

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  (特定非営利活動法人)国際理解教育センター
ERIC:International Education Resource & Innovation Center

〒 114-0023 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105
  tel: 03-5907-6054(研修系) 03-5907-6064(PLT・テキスト系)
  fax: 03-5907-6095
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  Eメール   eric@eric-net.org

関連ブログ
blog 「 ESD ファシリテーター学び舎 for BQOE                      
http://ericweblog.exblog.jp/
blog  「PLT 幼児期からの環境体験」 http://pltec.exblog.jp/      
blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす」
http://focusrisk.exblog.jp/
blog 「アクティブな教育を実現する対話と共考-ESD的教育力向上を目指して」           
http://ead2011.exblog.jp/
blog 「平和の文化への道を拓く平和教育 翻訳プロジェクト
http://pepathway.exblog.jp/
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by eric-blog | 2013-03-25 10:42 | ERICニュース | Comments(0)

原発事故報告書の真実とウソ  10年に一度の過酷事故

「原発事故報告書」の真実とウソ
塩谷喜雄、文藝春秋、2013.2.20
1939冊目

四つの事故調の特徴と結論や提案について検討したもの。以前、柳田さんの紹介をブログに転載した。
http://ericweblog.exblog.jp/17410515/

シビアアクシデントの起こる確率について「10年に一度」と推計した部分を紹介していた。

四つの事故調について、ブログの以下の記事も参照してください。
http://ericweblog.exblog.jp/15938032/
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津波について、保安院が2011年5月に出した「9.5指令」、これまでの津波の備えに対して、津波高を9.5mあげた備えを、全国の原子力発電所に対して求めたものだ。これが、その後のストレステストでの電力会社による評価報告書の「安全余裕」改ざん事件へと尾を引いていく。71

規制庁の行き当たりばったりの体質があらわになるくだりだ。

官邸からの介入についての項目では、著者は「すべてのビデオの無修正・無条件」での公開を求めている。
「十数万人の住民に避難を強いる大事故、数十兆円におよぶ損失を日本社会に与えた事故をめぐる緊急対策会議に、社員のプライバシーが存在するであろうか。」141

これはまったく賛成である。東電会見での無駄な応酬ではらちがあかない。

著者はさらにアカデミズムとジャーナリズムのあり方にも踏み込む。第8章。193〜

そこには「原発安全神話」と並んで「地震予知幻想」があげられている。安全神話はよく言われているが、「地震予知幻想」というのは、巨大地震を2-3日前には予測できるようにするための研究調査体制に大金をつぎ込んでいる、もう一つのビッグサイエンスのことだ。原子力ムラはいまだに謝罪したとも、悔い改めたとも、方向転換したとも、わたしは認識できていないが、確かに、地震学の人がとても真剣に「地震が予知できなかったことを反省し、学問の再構成を迫られている」と発言したことは覚えている。どこでだっけ?

著者が指摘するのは、地震予知幻想が「リアルタイム防災システム」の整備を遅らせてきたのだと。新幹線はリアルタイムでの地震波をキャッチして、緊急停止などの措置をとる体制を作り上げている。それに対して原発にそのシステムがあったかどうかすら、どの事故調査報告書にも書かれていないという。地震の多い日本では、リアルタイム防災システムの存在は、原発の稼働率を下げるだけの邪魔者だったのだろうと。200

著者は、体制としてはいまだに「地震予知幻想」からアカデミズムとしては脱却していないと指摘しながらも、「やむをえない事故だった」と結論づけただけの日本原子力学会を含む原子力ムラよのは、期待を寄せる。

なるほど、だから、いま規制庁・規制委員会での攻防が「地震学」中心になっているんだね。ストレステストでの津波対策のウソ・バレバレはもう問題にならないぐらいなのだということは、きちんと覚えておかないとね。

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そうそう、そもそも、この本を読み出した最初のきっかけは、と探すと、第7章 事故調が調べなかった原発のリスク」にありました。つまり、どの事故調も問題にしなかった問題がある、と。

○沿岸部に立地していることのリスク
○集中立地によるリスク と 事故の連鎖のリスク
○老朽原発のリスク
○原発事故リスク

原発事故リスクについては、2011年10月25日に発表された原子力委員会 原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会(鈴木達治郎委員長)「原子力発電所の事故リスクコストの試算」が報告している。

五つの場合に分けて、日本の原発で過酷事故が起こる頻度が計算されている。

日本の原発で過酷事故が起こった頻度から発生頻度は500炉年に一度、となる。現在日本にある原発は50基なので、1/500に50をかけて、「10年に一度」となる。著者は、これが大きく報道されなかったことに警鐘を鳴らす。

計算方法は次のようだ。

2011年3月時点で、日本の商用炉の運転実績は1423炉年。福島第一で3つの炉が運転中に過酷事故を起こしたので、1423÷3=474炉年に一回の事故となる。

この計算には、使用済み核燃料が水素爆発を引き起こした福島第一原発四号基の問題は含まれていない。

この数字に驚愕しないのであれば、1000年に一度の規模の大津波は、1000年後まで来ないさ、とたかをくくっている原子力ムラと同じ体質が、あらわだとしかいいようがない。
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by eric-blog | 2013-03-24 11:17 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

サバイビング・プログレス

サバイビング・プログレス

http://www.unitedpeople.jp/archives/147

この3月23日から渋谷のUpLinkで公開中のサバイビング・プログレス。試写会をカナダ大使館に見に行った。3月7日。

映画の導入で、チンパンジーが出てくる。
さまざまな知能実験でトレーニングされてきている。
与えられた課題はL字型の積木を立てること。できたらご褒美がもらえる。

対照実験には人間の子ども、3歳。

チンパンジーと人間との違いは何か。

その違いが、人間の「開発」の根源であり、これから先を切り開く鍵でもあると、暗喩する。

いまの文明の危うさは、地球に一つしかないことだ。

いまの開発のあり方に懐疑的でありながらも、人間に望みをつなぐしかないわたしたちの現実。人間性をのばすしかないのだ。

映画後の鼎談は、田坂広志、藤沢久美、関根健次。「手にハサミがあると切りたくなる病」と、テクノロジーと社会の関係を言い表していた。

昨日紹介したアレグレさんは、あたかもいまの環境問題が見えていない、存在していないかのようだったが、この時の鼎談者の1人、藤沢さんは、Young Global Leaderに選ばれたことをきっかけに世界を見て回り、地球が抱える問題を実感し、現在の社会活動インキュベーションの仕事を始めている。

変化なのか、進歩なのか。破壊なのか活用なのか。見えているのか見えていないのか。希望を信じるのか、絶望から始めるのか。


藤沢さんが指摘する、TEDによる「プレゼンテーションで世界が変わる」可能性。
関根さんが言う「宇宙脳 ユナイテドピープル」。

田坂さんのいう「生命的プロセス」。

鼎談者の三者三様のずれそのものが、その噛み合わなさが、この映画を制作する上での難しさであったのだろうなあと、感じた試写会だった。

国民歌がなくなった時代。
情報源の多様化の時代。
それぞれの見ている現実が多様である時代。

共通しているのは、チンパンジーとは違う人間であるということ。生命のみずみずしさ、尊さに響く心。

こんな時代に生きているのに、あまりにも学校教育は、かけ離れすぎていないだろうか?

国際理解教育が、「人類共通の課題に気づき、問題解決に行動する人材育成」として、国際的な共通の課題であると提唱されたのが、1976年。37年前だ。

今朝、ショックを受けたのが、藤子不二雄Aさんの描く「愛、しりそめし頃に」の連載が、その前編である「まんが道」から数えて43年目にして、最終回を迎えるという報道。1970年に、何かがすでに終わっていたのだ。ふりむきたいほどに。

昭和45年。戦後25年たった頃のことだ。

ふりむくことに意味はある。前向くことにも意味はある。

田坂さんは言う。「英知は上からの説教では身に付かない」と。「人を信じられるかどうかは自分との戦いなのである」と。

それでも、地域は土着した生命の営みと結びついてきた共同体・風土を再生産しているのではないか。

地方の実力者によってものごとが決定される構造を残したままの地方分権には同意しがたいと、『バカに民主主義は無理なのか?』の長山靖生さんは言う。

オスプレイに反対の県連、原発の再稼働はありえないという県連を抱えた自民党がいま政権についている。

サバイビング・プログレスの矛盾が、いまもっとも噴出しているのが、日本なのではないのか。

人間性の高まりこそが、解なのだと示唆していること自体が「問題解決志向」である。

だから? では? あなたは? わたしたちの生きるここは?

何を見るかを、選ぶ時代に、共通のメッセージを投げかけようとする小石が、一つ投げ込まれた。さて、波紋はどこまで広がるだろうか。

カナダ映画と言えば、思い出すのが「コスモス」である。湖に浮かぶ小舟に乗っている少年をカメラは捉えている。カメラはどんどんと引いていき、湖全体が、北米大陸が、地球が、太陽系が、宇宙が見えてくる。星々の間を高スピードで動いているだけのことになる。そこから、カメラは方向を変え、さきほどの地球へとズームしていく。そして、少年へ、少年にとまっている蚊に、そして体内へ。

いまも思い出す、グローバル教育のスパンを暗示する映画である。

サバイビング・プログレスが見せてくれる現在の文明のスペクトラム。ミクロとマクロの縦軸移動以上に、困難である。
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by eric-blog | 2013-03-24 10:14 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

これだけは知っておきたい 日本と韓国・朝鮮の歴史

これだけは知っておきたい 日本と韓国・朝鮮の歴史
中塚明、高文研、2002
1938冊目

人間は、優越感を抱く存在だ。克己心や自負心、自尊感情は、大切に育てるべきものでもある。
集団になった時も同じだ。自分たちの集団の優越性を、感じたいし、表明したい。

しかし、それはとてもプリミティブなお話の段階だ。いわゆるそのような「絶対主義」の時代を経て、他者を知り、他者の優越性や良さを知り、それらが並び立つことができるものだということを知る。「相対主義」の時代を経て、人格形成をしていかなければならない。

著者は、日本と韓国・朝鮮の関係には、古代国家の形成や、古事記や日本書紀に描かれたイメージ、例えば神功皇后による三韓征伐などが影響していると言います。『日本書紀』に描かれた朝鮮蔑視。それは、明治時代になって、紙幣が作られ、そこに人物図が描かれるようになった時、神功皇后が描かれたことになって、掘り起こされ、強化されたのです。29

近代になって、わたしたちは、ロールズの言うところの「万民の法」の三原則、非拡大主義、法治、基本的人権によって国を作ること、また、日本国憲法によって、侵略主義に反対する立場をとることを、明示しているはずです。

それぞれの国は、それぞれの歴史を持ち、主権が認められるべき存在なのです。それは一人の人間についても同様だと、わたしは思います。

さて、「国家」を建設するために、「国家意識」と「優越性」を共有する、それが「建国の物語」であったのでしょう。アボリジニのドリームタイムなども同じく、自分たちが何もので、どこから来たのか、どんな存在かを伝承することは、集団や共同体に、共通してみられるものです。いわゆる創世神話です。

大きな事件として、日韓にはこんなことがあったと、著者はあげます。
◯蒙古襲来、13世紀。
◯豊臣秀吉、16世紀。殺した韓国人の耳や鼻を切り取って持ち帰り、埋めたものが「耳塚」。この時も秀吉は、「日本は神の国であり、秀吉の天下統一は天命である」という文書を、明の使者に渡しています。47

そして、明治時代の「征韓論」。一方的に彼らが劣っているという論調で、半島をめぐって、日清戦争へと突き進むのです。

そして、日韓併合、占領。

さらには戦後の朝鮮戦争への日本の加担まで。

迷惑な隣人です。日本が島国であるという特性から、文化や社会のあり方が規定されてきたように、韓国・朝鮮も半島である、中華という大国の辺境に位置しているという条件を引き受けて、国家を形成してきているのです。

どれほど創氏改名を強制し、日本語を教えても、彼らはわたしたちは同じにはならなかった。何が民族を形成するのか、居住地、言語、文化、などがありますが、彼らは独立した民族なのです。

そのことを受け止め、これまでに歴史的に日本からの侵略行為があったことを認め、また、たくさんの人間や文化の交流があったことを知り、これから、どうすれば、近代国家の枠組みすら超えた、未来に向かう関係を作り上げられるのか、それを考えることが、必要だと思います。

まずは、互いに蔑視することのない、近代的な国家観を、わたしたちは身につけることから、始めなければならないですね。

『ミンピ暗殺 朝鮮王朝末期の国母』 角田房子、新潮社、1988
『朝鮮王妃殺害と日本人 誰が仕組んで誰が実行したのか』 金文子、高文研、2009

この二冊も、ぜひ。金さんの本は、新たな歴史史料に基づいて、暗殺への日本軍の関わりを描き出しています。

日中韓、三か国共同による歴史教科書も、このブログで、まだ、紹介していなかったのかなあ? 


『未来をひらく歴史』 日中韓の合同歴史教科書はこちらから

http://ericweblog.exblog.jp/pg/blog_view.asp?srl=11547064&nid=ericweblog
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by eric-blog | 2013-03-23 10:26 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

環境問題の本質

環境問題の本質
クロード・アレグレ、NTT出版、2008
1937冊目

地球温暖化というキーワードで、北区図書館で検索すると577冊、気候変動で検索すると156冊、IPCCで検索しても11冊がひっかかってくる。

 気候変動の実態/河村 武 古今書院 ; 1980.4(451.8)

 温暖化する地球/田中 正之 読売新聞社 ; 1989.12(451.85)

 温暖化への世界戦略:気候変動に関する政府間パネルの温暖化対策(EIS報告)と提言/IPCCエネルギーと産業サブグループ 省エネルギーセンター ; 1991.5
(451.85)

そし、最近出されたものは、地球温暖化懐疑論である。
『環境危機をあおってはいけない』ビョルン・ロンボルグ、文芸春秋、2003
『地球温暖化 埋まってきたジグソーパズル』伊藤公紀、日本評論社、2003
『暴走する「地球温暖化」論-洗脳・煽動・歪曲の数々』武田邦彦他、文芸春秋、2007


もちろん、1980年代90年代にも懐疑論は存在した。この問題はずっと、綱引き戦争なのだ。

アレグレさんはフランスの地質学者であり、1997年から2000年まで国民教育大臣として政治的にも活躍してきている人である。

国際条約や国際合意の世界は、科学では決まらない。そのことを苦々しく、あるいは「おやおや顔」で観察してきたことを、忌憚なく(たぶん)まとめたものである。もちろん、政策決定に影響力を及ぼそうと努力もしておられるのだが、思い通りにいくわけではないのである。

自然科学と社会の関係をしめすエピソードをいくつか。

◯ヴェーゲナーと大陸移動説。1910年に発表。彼が正しかったことがわかるまでに60年の歳月が必要だった。22
◯パターソンと有鉛ガソリンの追放 自動車業界や石油業界のロビイストたちは、無鉛ガソリンの方が売れ行きがよいことに気づいた。「歴史からの教訓:科学的知見から産業ならびに医療関係のロビー活動に対して立ち向かうことを躊躇することはない。しかし、戦いに勝つためには、科学的根拠がなければならないことはない。戦いに経済的利益が伴うとき、政治的戦いを勝利に導くことは、明らかに容易になる。」
◯ローマクラブ「成長の限界」 「第一次環境ブームが起こり、世間では「これまでどおりのやり方」が踏襲された。・・・ところが、産業界が最もエコロジーを考慮するようになった。・・・要するに、テクノロジーの変化が起こったのである。」31
◯オゾン層ホールとモントリオール議定書。 フロンを用いない化学分子の発見がCFCの使用禁止を決めた。「歴史の教訓: 人類には危険を究明し、これを会費するための手段を迅速に高ずる能力がある。 警鐘を鳴らし、さらには代替技術を発明するという点において、科学者が担う役割は効率的である。 大気のメカニズムを解明するまでにはほど遠い状態である。」37
◯ジュシウのアスベスト 「1980年のアメリカ環境保護委員会がアスベストの危険性を指摘。 世論は燃え上がった。 結局、保護委員会は、アスベストの吸引は微量であれば、大丈夫だが、建物のアスベスト除去作業は危険であると断定。アスベストが飛散するので。」40 にもかかわらず、フランスでは、除去作業に24億ユーロが投入される財政スキャンダルになっている。「教訓: すべての科学進歩はコンセンサスを打ち壊しながら確立されてきた。科学に直接民主主義を当てはめることはできない。 談合体質を持ち込まない。 経済だけが決定要因である。 メディアは一般的に有害な役割を演じている。戦闘的で極端な悲観論者に選挙されているからだ。 研究費をせしめるために、また自らの社会的地位を固めるためにメディアを利用する科学者どもは、科学を、さらには自らをも貶めることになる。」45

そして、いま、エコロジスト、環境原理主義者たちは、地球温暖化にむらがっていると。予防措置という名前の先制攻撃で、どんな政策でも通させることができる!

温暖化問題にとっての最大のゴロツキはアル・ゴアである。72

凶暴な環境原理主義は、暴力的である。

「環境原理主義グループの目的とは、人類に関しては、罰することであり、過酷な生活を強いることである。また、社会に関しては、拘束を課すことであり、規制を教科することである。その方法論は、これまでにも教会が使用してきた手法と同様である。すなわち、恐怖である。」76

人が新たな信仰の対象を求めているからではないかと、著者は、このまるで信仰のような、宗教のような原理主義的的な態度の背景を分析している。79


そして、フランスにおいて環境政党は支持者を失っているという。

アレグレさん自身は、安全に原子力を使うこと、遺伝子組み換え作物は、テロ対策を万全にすれば大丈夫という立場。

一方で、人類の活動が大きな影響を与えている分野として「水」環境を指摘している。海洋環境や漁業資源の枯渇も含めて、憂慮すべき事態だと。

地球環境問題について、パニックに陥る必要はないが、傍観は許されない、と。

やれやれ、この人は、99%の人が、自然科学者ではないことを、あまり意識していないのかもしれない。

日本の人口で言えば、1億2000万人の内、2000万人は学齢期以下。小中高の先生は100万人ぐらいで、大学教員は30万人ぐらい。情報通信業で150万人。大学教員を含む研究職は100万人。自然科学が分かる人、自然科学の情報を元に、ものごとを考えることができる人なんて、人口の2%にもならないだろう。それが問題なのだ。

科学は民主主義でないとしても、社会は人で動いているのだから。
行動変容は求めるが、そのための理解のベースをどう築くのかが最大の課題だと、わたしは思うのだが。



以下、ちょっとおもしろい、大学教員の年令構造。
http://tmaita77.blogspot.jp/2011/05/blog-post_25.html
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by eric-blog | 2013-03-22 17:46 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)