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リスク・コミュニケーション論

リスク・コミュニケーション論
平川秀幸、土田昭司、土屋智子、大阪大学出版会、2011
1877冊目

どこやらの地震津波予測の報告書と同じく、2011年3月7日の出版である。

第一講「リスクガバナンスの考え方」は、PLTの『リスクに焦点』に書かれていること、引用されている内容とほぼ同じである。
日本化学会リスク・コミュニケーション手法検討会が出している『化学物質のリスク・コミュニケーション手法ガイド』から7つの原則が紹介されている。

『リスクに焦点』でも、リスク認知に影響する因子が紹介されているが、(p.34)少し違うので、紹介しておこう。28-29

1.破滅性
2.未知性
3.制御可能性・自発性
4.公平性
5.信頼性
6.主要価値類似性

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最近のリスク認知の要因として再整理されたものに特長的な項目は、「未来の世代」だと言える。Understanding Factors of Risk Perception
By David Ropeik

http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&sl=en&tl=ja&u=http%3A%2F%2Fwww.nieman.harvard.edu%2Freports%2Farticle%2F101384%2FUnderstanding-Factors-of-Risk-Perception.aspx&anno=2
(ちなみに、この自動翻訳は結構いい)


さらにこの本で紹介されているものでわかりやすいと思ったのは、リスク・コミュニケーションに含まれる要素として
・ケアコミュニケーション
・コンセンサスコミュニケーション
・クライシスコミュニケーション リスクが顕在化してしまった状態
の三分類が紹介されていたことだ。173

わたし自身は、リスク・コミュニケーションを「コンセンサス合意形成」のためのコミュニケーションだと理解していたように思う。しかし、3.11以降求められていたのは、あきらかにケアコミュニケーションであり、現実的にはクライシスコミュニケーションであったのだ。そのフェーズあるいはニーズの理解のずれが、リスク・コミュニケーションそのものを阻害したのかもしれない。そして、この視点は『リスクに焦点』にもまったく含まれていない視点なのである。要検討であるね。

第二講は「参加型手法」について。平川さん

第三講は「リスク・コミュニケーションの社会心理学的様相」土田さん
原子力発電の危険性の認識は「他者管理型」であるからで、「自己管理型」のリスクであるという認識に変えて行くことが大切だ、と指摘しています。108

国会人事であった原子力規制委員会の人事も、総理の判断でGoなど、原子力行政について「自己管理型」と認識するために必要な条件とは何なのでしょうか?ちょっと知りたいですね。

p.147の図3.6「リスクの四つのタイプ」とその受け止め方の四パターンの整理もおもしろいので紹介しておきます。

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四つのタイプ分けは「便益性」の縦軸と「危険性」の横軸の二次元軸での四象限で分けられています。
第一象限は、便益性が高く、危険性も高い「ハイリスク・ハイリターン」のtype1。特に、前ページで著者が指摘しているように、人は起こる確率ではなく、「事故の大きさ」で危険性を判断しがちなので、多くの人は原発をこの象限のできごとだと捉えていると。この象限のリスク認知は心理的緊張が高く、規範的実質的判断が求められるものとなる。基本的にはリスクというのはこのタイプのものについての判断のこと。
それに対し「ハイリターン・ローリスク」のtype3はメリットの高い「良いもの」と評価され、リスク判断の対象にならない。
「ローリタン・ハイリスク」のtype2は「悪いもの」と判断され、これもリスク判断の対象にならない。そこで動いているのは感情ヒューリスティックなのだと。
実際には原子力発電は、type3なのではないか、と著者はいいたげなのだが。

そして、いまや、リーダー任せではなく、分散型意思決定社会、成熟型民主主義社会、成熟型市民社会になっている。専門家がリーダーとして信頼されていない。

第四講は「リスク・コミュニケーションの実践方法」は土屋さん。P.167〜
対話・共考・協働をリスク・コミュニケーションの和訳と現実的な意味と考えていると。

4. リスク・コミュニケーションのプロセス
●目標の設定
●情報の受け手を決める 受け手分析
●計画の策定

表4.7 リスク比較のガイドライン (Covello, et al. 1989)p.197

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by eric-blog | 2012-09-26 12:18 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

すべてを明日の糧として いまこそアイヌの知恵と勇気を

すべてを明日の糧として いまこそアイヌの知恵と勇気を
宇梶静江、清流出版、2011
1876冊目

1933年昭和8年生まれ、今年79才。20才で中学校に行き、38才で東京ウタリ協会の活動を始め、63才で古布絵を始める。

「普通」の軌道に乗るのではなく、自分の感覚を大切にしながら、「なぜ、アイヌは差別されるのか?」「差別から逃れるためにはどうすればいいのか」という問いや生き方から、「アイヌとして生きる」に至るまで、自分で考え、学び、選びとって来た物語り。

和人と結婚して、和人の社会の中で生きることは、どんな物語りでも通ってしまうということ。「わたしは北海道の牧場主の娘で・・・」と。しかし、和人社会の中で、自分がアイヌであるということを言えないことだけではなく、和人社会の、アイヌと分かれば差別する、上下をつける、はかる価値観にも生き苦しさを感じて行く。

38才で「アイヌ」として生きることを選択し、そのために当時小学生だった息子や娘にも寂しい思いをさせたと、ふりかえる。

大股でぐんぐん生きて欲しい、野性的な子育てを通して、願っていたことだ。

そして、アイヌの刺繍をきちんと基礎から学ぼうと通った教室で、布絵に出会い、シマフクロウを布絵で描きたいという想いがつきあげる。

一枚一枚の絵を仕上げるのに疲労困憊してしまうという。下絵もなく、作り上げて行く布絵は、彼女にぴったりの表現だったのだろう。まさに水を得た魚状態。それらの布絵が原画となった絵本も出版。

駒込に昨年7月にできたネパール伝統芸能を保存する活動をしている姉妹が経営するカフェ「一粒の種」で、古布絵の展示と宇梶さんのお話、そしてアイヌ料理のお食事会がありました。
2012年9月9日(日)14:00~17:00
9/9(日)14:00~17:00(開場13時半)

絵本も買いました。
『シマフクロウとサケ』の絵が気に入りました。

図書館で借りた『トーキナ・ト』もすばらしかった。間の手のように使われる「トーキナ・ト」は、一つひとつの物語りに特有のもので、それ自体が物語りの名前にもなっているという。『シマフクロウとサケ』は「フムフム・カトゥ」なのだが、静江さんが読むとまったく違う音に聞こえる。文字文化ではなく、音の文化なのだなあと、感じた。
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by eric-blog | 2012-09-25 15:22 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

原子力規制委員会第一回会合

原子力規制委員会第一回
 2012年9月19日(水)、東京都港区の原子力規制委員会庁舎で、「第一回 原子力規制委員会」(13:30~、48′)が行われた。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/31686

http://www.nsr.go.jp/

ビデオの冒頭、原子力規制委員会が国会承認を得ていないことに対して抗議する人が会議室前から排除される様子が写っている。

田中委員長
原子力を使う上で、国民の財産や健康を損なうようなことがあってはいけない。福島のような事故を起こしてはいけない。事故現場の視察、大熊町の視察などを行った。それが今後の原点になる。
課題は山積している。十分な形での発足ではない。

島崎
地震調査委員会に3月までいた。10年前に、大規模地震を予測したが、公表に対して圧力がかかったり、原子力行政からは無視されたりした。
自然が語りかけることに対し、予断をもたず、科学的判断を提供したいと思っている。

更田
原子力の利用が与える危険性をどこまで知ることができるか。安全を確認するだけでなく、常に危険が存在するという緊張感をもって、考えて行きたい。危険を俎上に乗せて、委員会の仕事をしていきたい。

中村
福島原発のような
心身を傷つけられた人びとによりそい考えて行きたい。
科学技術はとても難しいことがらだが、それをわかりやすく橋渡ししていきたい。そして、国民全員が同じ情報を共有すること。

大島
新しい原子力規制をすすめる。委員会がやっていくことは世界的にも注目されている。われわれを取り巻く環境は厳しいものがある。国会事故調査委員会の委員として務めたこと、チェルノブイリの国連調査委員でもあった。一丸となって取り組みたい。安全文化の作り直し。

池田長官
森本次長

第一回議題
委員会発足にあたって、14日の準備会合でお伝えしたことなので、はしょってお伝えする。
意思決定手続きについて、変更なし。
定例の委員会は週一回水曜日に開催。
議事資料の公開。今日はマスコミに対してのみ。
資料公開について、内規。大きなフレームはご理解いただいた。議論してほしい。
原子力安全保安院などの機能が移って来た。規定を整理する必要があるが、それまではこれまでの内規を準用する。承認いただきたい。
委員長代理の順序、島崎、フケタ、中村、大島委員で承認いただきたい。
緊急参集。警戒、特定、緊急に対応して、委員の分担を決めた。
緊急時の会議開催ルール。

廃炉プロセスについて。中期的プロセスと信頼性回復に関与する。
福島に課長級を配置する。

大飯原発に対する監視体制。

中立性の確保。委員は特別職。国家公務員の倫理法、倫理規定を準用する。

報道体制。委員長は水曜日に記者会見、事務方は火曜日金曜日に記者会見。

安全目標についての議論をやっていきたい。シビアアクシデント対策にも関係する。(フケタ)

準備会で議論したので、今日は時間がまだあまっているが、これで終了、と
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by eric-blog | 2012-09-25 13:51 | ●3.11地震・津波・原発 | Comments(0)

これからどうなる海と大地 海の放射能汚染に立ち向かう

これからどうなる海と大地 海の放射能汚染に立ち向かう
水口憲哉、七つ森書館、2011
1875冊目

2006年5月の原稿「放射能がクラゲとやってくる」が第二章に収録されている。再処理工場の海洋汚染についてのものだ。イギリスの再処理工場近辺で子どもの白血病が増えている、また北海までのヨーロッパの、どちらかというと閉鎖的な海域に、どのような影響を与えているかの研究もある。
そして、いま、日本では1993年から建設が始まった六ヶ所再処理工場である。現在試験運転中。
再処理工場から出る放射能についてグリーンピースの資料を参照。同じ説明が水口さんの本でも引用されている。
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/nuclear/plutonium/rokkasho/20021122_shiryo_html


おっと、9月22日に、原子力資料情報室のホームページがリニューアルされている! らしくないなあ。

http://www.cnic.jp/
http://www.cnic.jp/modules/smartsection/item.php?itemid=37

膨大すぎて、使い難いなあ。図書館のような感覚を創り出すには、インターネットはまだまだだね。

閑話休題。

六ヶ所からの海流の流れを確認するために一万枚はがきが流されたことがあった。それらは銚子までの太平洋側海岸線を広く、流れて行った。2002年7月のことだ。81

海に放射能を捨てないでください。
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by eric-blog | 2012-09-25 13:49 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

裏切る政治 なぜ「消費税増税」「TPP参加」は簡単に決められてしまうのか

裏切る政治 なぜ「消費税増税」「TPP参加」は簡単に決められてしまうのか
小林興起、光文社、2012
主権在米経済 「郵政米営化」戦記
小林興起、光文社ペーパーバックス、2006
1873冊1874冊目

鳩山首相が「最低でも県外」と普天間基地移設問題について言った。しかし、その政策を実現していく人材がいなかった。はしごをはずされてしまった。防衛省の高見沢のぶしげ防衛政策局長は、米国に対して「早い時期に柔軟な対応をすべきではない」と述べている。127

官僚の裏切りだ。国民が信託した内閣の意思を裏切り、米国のためにする政策をすすめている官僚の実態。それを描き出しているのがこの本だ。小林氏は、小泉政権の時に、郵政民営化に反対し、「刺客」を選挙区に送り込まれ、落選するにいたった。なぜ、そんな落下傘候補が、勝つのか。それは政党活動助成金を、党首が自由に采配できるがゆえに、新人であっても、2000万円もの活動資金を得て、選挙ができるからだ。つまり、いまの政党政治は、代表、一部権力者が国民の税金で、自分の主張に従わない議員を干すことができる「権力集中体制」になっている。

内閣総理大臣の首根っこさえ押さえれば、国政を左右することができる。米国にとってなんともやりやすい状況を創り出して来たのが、「小選挙区制」「政党活動助成金制度」なのだという。

米国がねらっているのは、金融。郵貯のきりくずしと、共済の保険化。日本独自の金融のあり方を切り崩し、米国基準化しようとしている。

田中優さんは『どうして郵貯がいけないの』で、国が郵貯のお金を自由に活用できるシステムにメスを入れた。そして、未来バンクを提案した。しかし、現実は、未来バンクは限定的な試みに留まり、大勢は、国が米国金融界に変わっただけだということか。

金融改革はいかにあるべきだったのか。その方向性の共有がないまま、システムだけが変わって行く。共済のように、運営にコストがかからない体質から保険のように私企業化していくことが合理化なのか?

『主権在米経済』で、同氏は、さらに郵政民営化をすすめた小泉政権の問題を掘り下げて追求している。

昨日の平川氏講演会でも指摘されていたけれど、いまの民主制を評価する試み、民主制の民主化の手続きが必要だなあ。

金融については、金融によって何をしたいのかが、知りたい。「共済」には理念があったのではないだろうか。もうけるためだけの金融になっていってよいのだろうか。

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by eric-blog | 2012-09-25 07:54 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

Let's Read Mindfully and Critically

平和への権利の国際署名のサイトです。笹本さんからです。
http://www.pazsinfronteras.org/petition_jap.html
日本語字幕のビデオクリップも見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=uOYHOzpMWec


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◆3.Mindful Readings in English and Japanese 価値観を育てる日英リーディング◆ 
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近現代史を読み解き、わたしたちの価値観を育てる「Mindful Readings」を始めませんか? 
毎週月曜日の夕方、ERICの事務所で、18時くらいから2時間程度でと考えています。
参加ご希望の方の日程やご都合にあわせます。ぜひ、ご連絡ください。
参加費は1000円+コピー代などの実費です。

Mindful and criticalに日英文を比較しながら、音読しましょう!

2012年第I期 予定日程 毎週月曜日 月3回 計9回
2012年10月15日から10/22, 10/29
2012年11月5日, 11/12, 11/19
2012年12月3日、12/10, 12/17

最終的には20種類ほどの「必須読み物」を発見、共有していきたいと思いますが、とりあえずは、ERICのテキストに引用紹介している基本文献から選びました。

 1.日本国憲法
(ア)日本文http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html
(イ)対訳ページhttp://www.akon.sakura.ne.jp/constitution/zyouyu_f.html
2.水平社宣言
(ア)日本文 http://www.asahi-net.or.jp/~mg5s-hsgw/siryou/kiso/suiheisya_sengen.html
(イ)英文http://www.asahi-net.or.jp/~mg5s-hsgw/siryou/kiso/suiheisya_sengen3.html
(ウ)人権関係諸条約http://www.blhrri.org/library/library6.htm
3.サンフランシスコ条約 Treaty of Peace with Japan
(ア)http://en.wikisource.org/wiki/Treaty_of_San_Francisco
(イ)http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19510908.T1J.html
(ウ)http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/indices/JPUS/index-sf.html
4.サンフランシスコ平和会議でのJRジャヤワルデネ代表演説
(ア)日本文http://www.d7.dion.ne.jp/~tomoca/nettaigo/address_jr_ja.htm
5.日米安保条約
(ア)http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku.html
6.日米地位協定
(ア)http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/kyoutei/index.html
(イ)対訳ページ www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/pdfs/fulltext.pdf
7.世界人権宣言  http://www.blhrri.org/library/library6.htm
(ア)英文http://www.blhrri.org/nyumon/udhr/nyumon_udhr32.htm
(イ)和文http://www.blhrri.org/nyumon/udhr/nyumon_udhr31.htm
8.子どもの権利条約 http://www.blhrri.org/library/library6.htm

9.トビリシ宣言 http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1977
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by eric-blog | 2012-09-24 15:26 | ☆よりよい質の教育へBQOE | Comments(0)

平川秀幸氏講演会「311以後の科学の在り方 ─ 民主主義、市民参加の視点から」

2012/09/23 平川秀幸氏講演会「311以後の科学の在り方 ─ 民主主義、市民参加の視点から」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/32450

a 1.原子力 2.がん 3.交通事故
b 1.交通事故 2.原子力 3.がん
c 1.がん 2.交通事故 3.原子力
d 1.がん 2.原子力 3.交通事故
E 1. 原子力 2.交通事故  3.がん
F 1.交通事故 2.がん 3.原子力

授業でもやるクイズ  リスクの高い順番はどれ?

がんが一番、交通事故、原子力事故0.1人。10万人当たり
その答えを選んだ理由は何か。が問題。それぞれに理由がある。

「わたしにとって」
自分がコントロールできるかできないか。
政治的決定がかかわっているかどうか。
がんは不可抗力

発生確率で捉えることが「科学的」と言われているが、それだけでいいのだろうか。「比較」することができるのだろうか。リスクの大きさの比較を簡単にして、認識しやすくする善意なのだが、不満を持った人が多かった。

「科学なしでは解決できない。しかし、科学だけでは解決できない問題」

受認性の度合いは、いろいろな因子が働いている。
破滅性
自発性・制御可能性
公平性
責任
未知性
信頼性

不平等がある時には、リスクを受け入れがたいととらえる。

Peter Sandmanの定式化
リスク=ハザード+怒り

http://www.psandman.com/

正義の問題に関わる怒りを引き起こす。
ていねいに説明する、複合的な見方であるということ、発生確率だけを押し付けることは不十分。

農林水産省「健康に関するリスク・コミュニケーションの原理と実践の入門書」
比較してはいけいなもの。「関係のないリスク」喫煙が含まれている。子どもにとっては、何の意味もない。そりゃそうだ。

「不合理なゼロリスク志向」「ゼロリスク幻想」という非難。「ゼロリスク症候群」という表現をした人もいた。

どんなものにもリスクはある。ゼロリスクの要求は無理な要求なのだ。他のリスクやコストがかかる。

これも科学ではない議論を含んでいる。

「不要で不本意なリスクの増加」を拒絶している。
リスクと折り合う生活をしているし、ゼロリスクを求めているわけではない。
不信感と警戒
合成の誤謬  ? 個人の判断としてはゼロに近づけられる選択肢があるなら、選ぶのは合理的だが、でも集団としては不合理な結果になる。

倫理的要求としてゼロリスク要求
●原状復帰要求 これは公害問題として合理的な要求
●責任を負うべき人に責任を追求する

分断対立を深めている要因
●消費者vs生産者 生産者への賠償補償をしぶり、
●避難(希望)者vs居住(希望)者
➢低線量被ばくは科学的には決着つかない。
➢健康リスク以外の要因がある。
➢政府、東電、社会はできるだけ事由な選択が可能なように支援することが大事。
➢政府の機能不全が科学やリスク志向の問題にすり替えられている。

移住しようという側に支援がない。=「選択できない」。「100mSv以下は安全だからご理解ください」。本来求められている支援がないままである。

ここまで、前半の話題。

「再稼働反対」「脱原発」に来ている人びとの論理

・決め方の正統性
・自分たちの社会や政治への関わり方
・望ましい社会、社会のあり方 

わたしの望ましいをどのように社会の望ましいにつなげていくか。


政府における「民主制の専門化」と「専門性の専門化」
まだ「民主制の専門化」の検討はなされていない。

日本学術会議には博士号をもったレベルの事務局スタッフがいない。
平時においてちゃんと積み上げをしなければならない。
アカデミーの機能を整える。

公務員削減、給料削減を言っていればいいという傾向がある。そうではなくて、無駄なところを省く、そして必要なところに人材をあてる。しかし、全般的に下げることが国是になっている。
その課題は国立大学でも深刻。

市民社会における民主制の専門化をすすめること。
知識リソースの開放。最終的な下書きについては公開という制度が米国にはある。大学や学生と市民社会との協同など。
社会全体としての知識主体を多元化
社会全体の「知のポートフォリオ」を豊かに。

民主制の民主化
・国民的議論の失態「エネルギー・環境戦略の国民的議論」「パブコメ」
・6月22日の段階で政府がやると決めた。去年の段階で、政府は国民的議論を経てと決めていた。通常半年はかかる。
・日本では知られていないが、やられている。過去の蓄積がつながってこなかった。活かされてこなかった。3.11以降の反省点。
・参加型テクノロジー・アセスメント。Participatory Technology Assessment(pTA)
・日本では環境アセスメントは「アワスメント」と揶揄され、事業者が立てた計画を追認するようなもの。
・コンセンサス会議、シナリオ・ワークショッブ、市民陪審
・日本での実施例をデータベース化、中央のものも地方のものもある。
・コンセンサス会議の流れ

国がやるのか、それと同時に、市民の側で勝手にやってしまうのも大事。
・議論する
・勉強する
・いろいろなやり方でどんどんどんどん仕掛けて行く。

サイエンスカフェ
科学は誰のものか に紹介しているチャートを参照。市民社会のレベルアップのプロセスだね。

一人ひとりから協働と公共空間へという横軸と、知る事とアクションへの連動という縦軸と。
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個人の無力感から効力感への軸と社会的無関心から関心へという軸より、おもしろいなあ。
どうしても教育の現場では「無力感」を扱い、セルフ・エスティームや自尊感情の形成を扱わなければ
スキル・ビルダーはすすまないのに対して、平川さんの軸は、ポジティブで成熟した個人を前提に
物事がすすめられるのだな。
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by eric-blog | 2012-09-24 09:26 | ●3.11地震・津波・原発 | Comments(0)

月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法

月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法
藤村靖之、晶文社、2011
1872冊目

大塚愛さんは、IWJの『百人百話』でテープ起こしをした人だ。藤村さんの本に紹介されているのは、被ばく被災前までの物語り。インタビューでは語られていなかった川内村での生活。収入は少ないけれど、支出も少ない。手作り、つながり、ゆっくりとした生活のリズム。

変わってしまったのだなあ。でも、きっと変わりない姿勢を貫かれていることだと思う。

さて、月三万円のビジネスは、「いいこと」をやる。複業でやる。協力してやる。

いろいろなアイデアを実現してきている藤村さん。原価計算がしっかりしているのも、ポイントかな。

そして、何よりのポイントは、「ステキ」にすること。のようだ。

ストローブロックの家なんて、ホントかわいい! えー、これをワークショップで作れるの?

こんなビジネスが日本中に広がるといいなあ。

10月20日には那須にある非電化工房の見学会を申し込んだ! 楽しみなのだ!

非電化製品のカタログが充実している。
http://www.hidenka.net/hidenkaseihin/index.htm

環境自治体会議のページには「ヴァーチャル・エネルギー・ハウス」が紹介されています。
http://www1.ocn.ne.jp/~s-ace/
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by eric-blog | 2012-09-24 08:53 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)

ERIC NEWS ともによりよい質の教育をめざして With ERIC  2012.9.23.

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ERIC NEWS ともによりよい質の教育をめざして
With ERIC  2012.9.23.
☆☆☆ Share Free News ★転送・転載・引用★ すばやく学び合う ☆☆☆
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                                                                               (文責:佐藤宏幸・かくた)

気温がいっきに下がった週末でしたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

先日の人権研修は指導者対象のものでした。ERICの人権テキストにあるアクティビティを体験するばかりでなく、アクティビティのすすめ方や配布物などより参加者のニーズに応じて柔軟に工夫することを伝えるため、参加型学習の特徴や成立の条件などの分析もしました。

今はこんな「問い」をもっとすればよかったかな、と思っています。
 「このアクティビティで育てたいものをもっとクリアに伝える工夫はありますか?」
 「このアクティビティを通して、知識と体験はうまく結びつけられていましたか?」

ERICが日本事務局である米国の環境教育プログラムPLTの9月のニューズレターでも紹介されていましたドクター・スース(Dr. Seuss)のアニメーション「ロラックス(The Lorax)」が日本で 来月から公開されます。http://www.loraxojisan.jp/
志村けんさんがロラックスの吹き替えをしたと宣伝されてます。

ロラックスは1972年に出版されています。『幼児期からの環境体験』でも紹介されており、その際、絵本を読み、動画も見ました。今回のアニメーションは40年前と筆触が異なっているようですが、樹木や環境の大切さがどのように伝えられているか興味深いところです。

先の人権研修の主催者は、啓発手段としてパンフレット等の紙媒体ばかりでなく、キャラクター(ゆるきゃら)や音声(ラジオ番組)などメディア・ミックスを展開していました。

学びの質を高めてゆくために、さまざまな伝え方を学んでいきたいものです。

さて、今号の内容は、

 1. 分科会セッション担当ファシリテーター募集
 2. 平和教育のテキスト翻訳プロジェクト
 3. Mindful Readings in English and Japanese 価値観を育てる日英リーディングズ
 4. ERIC25周年に向けたご寄付のお願い
 5. 2012年度 ERIC 主催研修

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◆1.分科会セッション担当ファシリテーター募集◆ 
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2013年 1月26日、27日 (土日)に「Project WILD & WET + PLT 全国大会」が開催されます。
米国においてPLT、WET、WILDは環境教育の三羽烏。
共同でワークショップが開催されることも多く、国際コーディネーター会議が合同で開催されたこともありました。日本国内では、これまでProject WILDとWETの合同大会が開催されてきましたが、今年度
からPLTも参加する ことになりました。
WET系、WILD系の分科会を二種類、展開してきたところへ、PLTの分科会も加える形になります。
まだ詳細は決まっていませんが、以下の分科会セッションを担当したいというファシリテーターを募集します。大会への参加費や交通費は自己負担となります。

 ○ 幼児期からの環境体験 Environmental Experiences
 ○ わたしたちの住む場所 Places We Live
 ○ リスクに焦点 Focus on Risk
 ○ エネルギーと社会 Energy & Society
 ○ 森林の健康診断 Focus on Forest
 ○ 野外活動20

すでにWET/WILD合同大会に参加しているPLTファシリテーターの方々もたくさんいらっしゃいます。経験豊かな指導者を対象にした、学びの多い体験となることでしょう。参加者としても、とてもよいプログラムで構成されているので、楽しめますよ!

ぜひ、ご検討ください。

開催場所は、名古屋市ウィル愛知です。

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◆2.平和教育のテキスト翻訳プロジェクト◆ 
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「平和教育=平和の文化への道」 Peace Education: A Pathway to a Culture of Peace
Loreta Navarro-Castro, Jasmin Nario-Galace, Published in 2008 by the Center
for Peace Education,

上記、平和教育のテキストの翻訳を始めます。
IIPE 国際平和教育学び舎(International Institute for Peace Education)が、日本で開催されました。主催者や参加者らに、平和教育のいいテキストは無いかと尋ねて、紹介されたのが上記の本です。

http://www.peace-ed-campaign.org/resources/cpe-book-14oct2010-FINAL2.pdfより無料でダウンロードすることが可能です。

翻訳プロジェクトの第一回会合を以下の日程で行います。
9月25日午前11時から、ERIC事務所にて。

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◆3.Mindful Readings in English and Japanese 価値観を育てる日英リーディング◆ 
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近現代史を読み解き、わたしたちの価値観を育てる「Mindful Readings」を始めませんか? 
毎週月曜日の夕方、ERICの事務所で、18時くらいから2時間程度でと考えています。
参加ご希望の方の日程やご都合にあわせます。ぜひ、ご連絡ください。
参加費は1000円+コピー代などの実費です。

最終的には20種類ほどの「必須読み物」を発見、共有していきたいと思いますが、とりあえずは、ERICのテキストに引用紹介している基本文献から選びました。

 1. 日本国憲法
 2. 水平社宣言
 3. サンフランシスコ条約
 4. 日米地位協定
 5. 世界人権宣言
 6. トビリシ宣言
 7. 子どもの権利条約

Mindful and criticalに日英文を比較しながら、音読しましょう!

2012年第I期 予定日程 毎週月曜日 月3回 計9回
2012年10月15日から10/22, 10/29
2012年11月5日, 11/12, 11/19
2012年12月3日、12/10, 12/17

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◆4.ERIC25周年に向けたご寄付のお願い◆ 
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1989年誕生の参加型学習老舗のERIC国際理解教育センター。なんと2014年には25周年を迎えます。
これまで続けて来られたのも、企画委員、運営委員、理事、テキスト購入者、ファシリテーター育成事業参加者など、みなさまのおかげです。感謝です。
 
これからもよりよい「指導者育成のための実践」推進のための情報提供、研修プログラムの提供などに努力していきたいと思います。
常活動に加えて、25周年に向けて、事務所のリニューアル、フューチャーサーチ走向未来ワークショップの開催など、企画しています。

特別活動支援のために、テキスト活用、研修参加などのご支援に加えて、ぜひ、ご寄付をお寄せください。
よろしくお願いいたします。

ご寄付先 金融機関
 ゆうちょ銀行口座: 10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター(ゆうちょ銀行同士)
 ◯◯八(ゼロゼロハチ)店008-0328838 名義:トクヒ国際理解教育センター(他の金融機関から)

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◆5.2012年度 ERIC 主催研修◆ 
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ESDファシリテーターズ・カレッジ2012年

すでに終了したものについては、報告があります。ブログを参照してください。

1.テーマ「環境」/PLTファシリテーター養成講座「リスクに焦点」 2012年6月23-24日http://ericweblog.exblog.jp/15642643/ 
2. テーマ「国際理解」 2012年7月21-22日 http://ericweblog.exblog.jp/15834944/
3. テーマ「人権」 2012年9月29-30日
4. スキル「対立」 2012年10月27-28日
5. スキル「市民性」 2013年1月26-27日→2月9日10日に変更いたします。
6. スキル「TEST13 Teachers' Effective Skill Training 教育力向上講座 2013年3月

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  (特定非営利活動法人)国際理解教育センター
ERIC:International Education Resource & Innovation Center

〒 114-0023 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105
  tel: 03-5907-6054(研修系) 03-5907-6064(PLT・テキスト系)
  fax: 03-5907-6095
  ホームページ http://www.eric-net.org/
  Eメール   eric@eric-net.org
  blog 「 ESD ファシリテーター学び舎ニュース http://ericweblog.exblog.jp/
  blog  「PLT 幼児期からの環境体験 http://pltec.exblog.jp/
  blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす http://focusrisk.exblog.jp/
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◎ERIC国際理解教育センター:持続可能な未来をめざして!
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by eric-blog | 2012-09-24 07:06 | ERICニュース | Comments(0)

カッシアの物語

カッシアの物語
アリー・コンデ、プレジデント社、2011、原題 Matched
1871冊目

このジャンルの読み物を「ディストピア」と言うらしい。ユートピア小説ではなく、暗い未来を描いた物語りということか。

有名な1984にしても、暗い未来というのは管理社会であることが多いようだ。

この物語りを読んだ時、『すばらしき新世界』オールダス・ハクスレーのユートピア小説を思い出した。その頃はまだディストピアというジャンルは無かったのかなあ。いずれにせよ、この本が、ハクスレーの描いた世界での「結婚」がどのようになされるかの詳細を描き出しているように思えたのだ。「ソサェティ」による完璧なMatching。そこに少しのほころびが不協和音へとつながっていく。しかし、そのほころびすらも、実は仕組まれたものだった。

仕組まれたものだったとわかっても尚、自分の選択を貫き続ける主人公。

読んでいて苦しくなるのは、「ソサェティ」に監視されている、具体的には「役人」と呼ばれる人びとが、そここに現れるのだが、監視されていることによる自己規制の心理と行動だ。

「孤独なミドルクラス」は、このような自己規制、自己管理の世界でもあるのだろうなあと、実は、この物語りがそれほどいまのミドルクラスが生きる日本と変わらないのではないかと、思いつつ、読んでしまう。

魂の植民地を解き放て!

そして、主人公はいつもヒロイン。

昨日見た『第四の革命』バングラデッシュのグラミン銀行では、太陽光発電パネルの設置技術を女性たちに指導している。これまでの300万人へのマイクロクレジットの体験から女性に対する信頼が高いからだ。

上映会が終わって出て来たロビーで、「リサイクルショップ」の出店が。女性をもっと代替エネルギーの担い手としても訓練しなければね。
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by eric-blog | 2012-09-23 13:34 | ■週5プロジェクト12 | Comments(0)