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2011年度をふりかえって

週5プロジェクト2011

157本紹介している。これまで、毎年、200本は超えて、紹介してきたのに数は減った。
2011年度の第一冊は、『いのちと放射能』2011.5.17だ。約2ヶ月、読書というものができなかった感覚を思い出す。「いま、ここに」居続けなければ、という危機感が、「本の世界」から、わたしを遠ざけていた。いや、毎日毎日の情報を収集し、消化するだけでも、大変なことだったのだ。

2011年4月1日にこれまでをまとめた最後の番号が1634冊目だったので、2011年度、これで1791冊ということになる。2012年度、累計の通し番号だけでも、再開しようと思う。1792冊目から。

http://ericweblog.exblog.jp/12423485

その他、3.11以降、新たにまとめたカテゴリーが「●3.11地震・津波・原発」46本。「○子ども支援・教育の課題」11本。です。

以下、月別本数です。

2011年4月18本
2011年5月 31本
2011年6月 29本
2011年7月 34本
2011年8月 30本
2011年9月 19本
2011年10月 28本
2011年11月 28本
2011年12月 39本
2012年1月 34本
2012年2月 32本
2012年3月 31本

合計356本をアップしました。加えて「現状について」は、一本のものに書き加えつつですので、かなりの頻度で更新していたことになります。一日に一回以上。めまぐるしい一年だったことは、確かです。
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by eric-blog | 2012-03-31 23:20 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

女 一生の働き方

女 一生の働き方
樋口恵子、海竜社、2010

樋口さん、1932年生まれ。70歳を超えて、ますます筆が冴え渡っている!

女性の正規雇用の年数が短い。
女性の労働賃金が低い。
結果、老齢煕における女性の収入が低い。

ひどい現実である。

しかし、だからこそ、いや、その現実は変えなければならないが、その現実を変えつつも、これから65歳以上人口が4割にもなろうという時代、高齢者の女性たちが働くことが、時代をひらくキーワードになるという。

ばあさん。

この年齢別性別カテゴリー呼称。なくなることはないだろう。中身のイメージを肯定的なものにしていこうと、著者は呼びかける。

たくさんのデータにうらうちされた論であるが、いくつか紹介しよう。

・65歳以上の一人ぐらしの4人に3人(73%)は女性
・75歳過ぎたら、平均寿命10余年を残しながら、55%と過半数。
・80代女性の7割以上がおひとりさま
・年収180万円以下の高齢者の女性は半数を超える。
・持ち家率は、7割程度か。

働く女性には、「労働」からすべり落ちる機会が三回あるという。
・卒業、就職、結婚を超えて、第一子出産時
・夫の転勤に伴う離職、パート労働化
・介護の壁。パートの定年。


実際に働いている人々に対するインタビュー調査が続く。みんな元気そうだなあ。

親政公判の就労システムの確立を! 226

行政などへの提言も並んでいるが「何よりも女性自身、あなた自身に」がよい。

1.せっかく生まれた命、せっかくのびた長寿。たった一度の自分の命を大切に、自分を伸ばし、誰かのお役に立つ人生をひらこう。
2.辞めない。辞めても、あきらめない。職業社会にって、女性はまだ歴史の浅い新参者。女性が働き難いのは当たり前。人生50年時代の産物だ。人生100年時代を迎え、男たちもこのシステムでは息苦しさが増して来た。今がチャンス。自分を生かし、他者を支える、働くことを通して人生を打ち立てよう。
3.老いての就労はなんでもありの多様性。まだまだ知恵の集積が足りない。
4.一人で考える時間を持とう。他者の意見に耳を傾け、生の情報を集めつつ、考える力を養おう。一人ひりとが力量をつける。

すべての老若男女の力をあわせて、この時代を開こう!

いいなあ。
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by eric-blog | 2012-03-30 07:11 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

先生のためのアイディアブック –協同学習の基本原則とテクニック—

先生のためのアイディアブック –協同学習の基本原則とテクニック—
ジョージ・ジェイコブズ、マイケル・パワー、ロー・ワン・イン、日本協同教育学会、2005
原著: The Teacher’s Sourcebook for Cooperative Learning, 2002

協同学習の技法を、ある個人の策とすることは「最初の雨粒をつかもうとすることに等しい」(キーニー、1993)

しかし、この本の著者は、グループワークと協同学習は違う、と言います。
「協同という価値」を、すすめること。

協同の価値とは、多様な参加者が、対等に、一人ひとりの自律性を高めながら、自律的なグループワークを、協調の技能を伸ばして行きつつ、育むもの。

この本では、これらの項目一つひとつについて、技法が紹介されています。

巻末に、英語と日本語の対訳でのアクティビティ名リストがあるのも、親切です。

第14章 周囲の理解と協力を得るために

180-181
◯どんな授業にでも協同の要素を取り入れましょう。
◯授業の半分以上で協同の要素を使いましょう。
◯自分たち自身のグループでも、協同の技法や原理を使いましょう。
◯協同学習の梯子の4段階をイメージし、すすめていく。
◯学校生活のさまざまな場面に協同の価値を組み込む方法を探しましょう。

うーーん、いいこと書いてあるなあ。周りに広げるためのアイデアも実践的。

米国の出版物なのだから、協同学習というのは、PLTの学習理論の一つでもあるけれど、まだまだ広げて行く課題はあるということなんですね。

質の高い協同学習をリードするには技がいる。

日本協同教育学会が実施する研修のテキストです。こういう基本のテキストを使って、人材育成を行ない続けることを、どこまで続けることができるかという課題ですね。2004年設立。http://jasce.jp/1021enkaku.html

グループ作業の人数は2人か4人。クラスの人数は、7-8つのグループと紹介されているので、28人から32人というところですか。
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by eric-blog | 2012-03-29 11:03 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

新聞・テレビはなぜ「平気」で「ウソ」をつくのか

新聞・テレビはなぜ「平気」で「ウソ」をつくのか
上杉隆、PHP新書、2012

二月に出たばかりなのに、図書館ですんなりゲット。人気ない?

記者クラブのメカニズムが、「なれあい」と「会社の論理優先」の記事をねつ造していくことになるメカニズムは、わかった。そして、それらの記者メモが官邸中枢に送られ、個別メディアに対して、弱みを「ポツポツ」刺激しつつ、論調を誘導することが可能なシステム。「野中システム」「後藤田システム」の存在も。そして、そして、そして、なんと、過去10年間、官邸中枢に送られて来たのと同じ、40万枚のメモが、著者にも、極秘裏に送られて来ていたことも。

二つのことをメモしておきたい。一つは、原発事故に関する報道であり、もう一つは「キャラクター・アサシネーション」の事例だ。

原発事故報道についてのウソは、一章にまとめられている。
1.メルトダウンはしていません。
2.放射性物質は拡散していません。
3.半径20キロメートル圏外の地域は安全です。
4.年間20ミリシーベルトまで大丈夫です。
5.低濃度の汚染水を海洋放出しました。
6.海産物は食べても安全です。
7.農産物は食べても安全です。
8.工程表のとおりに収束します。
9.事故原因を徹底的に検証します。

1から3のウソについては、ぜひ、IWJが放送し続けている「フクシマ百人百話」を見て欲しい。じんわり沁みてくる。福島県民がどれほどだまされていて、さまざまな情報が出される中、分断されていくか。そもそも、放射線感受性が子どもと大人で違うことが、すでに、家族崩壊を起こすもとだというのに。

4. 年間20ミリシーベルト問題。74-75

3月18日、IAEA調査団来日。同月30日に、飯舘村に避難勧告を出すように日本政府に促している。WHOも、女性と子どもだけでも避難させてはどうかと、政府に打診していた。
政府は、これらの打診を無視。4月22日になってようやく、計画的避難区域に指定する。IAEAの勧告を受入れなかった北朝鮮、イランなどに、日本政府も列することになった。
チェルノブイリの避難基準は5ミリシーベルト、日本は20ミリシーベルト。

5. 低濃度の汚染水問題。 77-79

11500トンを放出すると4月4日に発表。事前に通告したのはアメリカに対してだけ。ロシア外務省は通告があったのは4月6日だとあきらかにしている。また、「IAEA理事会は、アジアオセアニア20カ国による太平洋の放射性物質を調査する四年かがりのプロジェクトを発足」し、日本からの汚染状況を監視することに決定している。

9. 事故原因を徹底的に検証 88

2011年12月26日、政府の事故調査・検証委員会の中間報告書が公表された。450人以上におよぶ聞き取り調査。500から700ベージ。

以下、参考。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会http://icanps.go.jp/post-1.html
2012年1月末まで、意見募集を行っていた。何件ほどの意見が寄せられたか等の報告は上げられていない。今後に生かすと。

2012年3月4日には、民間の報告書も出された。こちらは、出版されている。1500円。
福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799311585


でっちあげられた「キャラクター・アサシネーション」。

鉢呂経産大臣の「放射能」発言。「死の町」発言は、地元からの強い要望での表現だった。109

わたしも辞任会見の録画は見ましたが、ひどいものでした。

そして、松本復興大臣。48
ずっと被災地に通っていた松本さんは、「よく知っているよ」と。知らないなんてことはない。

でも、報道されない。

小沢一郎さん、いまや菅直人さんも、キャラクター・アサシネーションでひきずりおろされた口に入るのではないかと、ドイツの番組を見ていると思う。

上杉さんを突き動かしている原動力。それは日本への恩返し。Me, too!
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by eric-blog | 2012-03-29 06:24 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

単一民族という神話

日本についての神話

True or False  あっているか違っているか
違うと思うのであれ゛は、反証事例をあげること。

■日本は単一民族である。

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by eric-blog | 2012-03-28 10:40 | ☆アクティビティ・アイデア | Comments(0)

2012年度 ERICファシリテーター養成講座 12時間以上研修のチャンス

なかなか、12時間以上の研修を組んでくれるところは、少ないのですが、主催・共催・受託を合わせての、チャンスです。

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by eric-blog | 2012-03-27 15:54 | △研修その他案内 | Comments(0)

世界人口ブレティン 135号  2012年3月1日

2060年には、65歳以上人口が39.9%になる。

巣鴨地蔵通りを。毎日見ている人間としては、その現実はすでに、目の前にある。
お願いしたいことは、「明るい服」を来てください。ということかな。せめて。
北欧風の「おばあさま」を目指して欲しい。

誰か、ファッションショーを、小原糸子さんのように、やってください!

2050が出しているブレティン、今月号でも「人口問題」について取り上げている。
ちょっとおもしろかったので、紹介しておこう。

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確かに、65歳以上の女性で、働いている人は少ないかもしれない。
ERICで、「高齢女性のためのアントロプレナー塾」でも開こうか?
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by eric-blog | 2012-03-27 14:25 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

エネルギー・リテラシー  ガイドライン

Energy Literacy: Essential Principles & Fundamental Concepts for Energy Education

http://library.globalchange.gov/products/other/energy-literacy-essential-principles-fundamental-concepts-for-energy-education-high-resolution-booklet
pp.20

■リスクコミュニケーション教育教材開発のガイドライン(Ver.1.1)
(ア)科学観を伝える教材であること。
(イ)シチズンシップを育てる教材であること。
(ウ)思考スキルを育てる教材であること。
(エ)社会とリスクの関係について学ぶ教材であること。
を参照しつつ、見てみよう!

p.2
エネルギー・リテラシーの高い人は
・ エネルギーのフローを追跡することができ、エネルギーシステムの観点から考えることができる。
・ 自分自身がどれほどのエネルギーを、何のために使っているか、そして、そのエネルギーがどこから来ているかを知っている。
・ エネルギーについての情報の信頼性を評価できる。
・ エネルギーとエネルギーの利用について、有意義なコミュニケーションができる。
・ エネルギーとエネルギーの利用について、インフォームドな意思決定を、結果や影響についての理解に根ざして、行なうことができる。
・ エネルギーについて、生涯を通じて学び続けている。

エネルギー・リテラシーは、社会・自然科学のリテラシーの一部です。

なぜ、エネルギー・リテラシーが課題なのか?
・ 情報に基づいた意思決定につながる。
・ 国家の安全保障を高める。
・ 経済発展を促進する。
・ 持続可能なエネルギー利用につながる。
・ 環境リスクと悪影響を軽減する。
・ 個人と組織が、お金を節約することを助ける。


人間とエネルギーの歴史[略]

エネルギー・リテラシー 基本的な原則と基礎的概念

1.エネルギーは厳密に自然の法則に従う物理的な質量である。
2.地球上の物理的なプロセスは、地球システムを流れるエネルギーのフローの結果である。
3.地球システムを流れるエネルギーのフローに、生物的なプロセスは依存している。
4.さまざまなエネルギー源が人間の活動に力を与えるし、エネルギーは、その源から目的地まで、移動させる必要がある。
5.エネルギーに関する意思決定は経済、政治、環境、社会的要因によって影響を受ける。
6.人間の社会が使うエネルギーの量は多くの要因によって決まる。
7.個人個人および社会の生活の質は、エネルギーの選択によって影響される。

教え、学ぶためのガイドとなる原則
基礎となる概念

1.人々は、生まれつき調べ、学ぶ存在である。
2.効果的な学びは、核となる考えや実践に焦点を当てる。
3.理解は、時ととにも成長する。
4.リテラシーは、知識と実践の両方を要求する。
5.関心や経験につなげることが、学びを豊かにする。
6.教育的な機会は、すべての人々に、平等に存在し、誰しも簡単にアクセスできるものでなければならない。

この内容を、
「大学及び企業等における環境教育の現状と課題」平成23年8月、環境省
のコンピテンシー・リスト比べてみる。

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by eric-blog | 2012-03-27 11:42 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

ERICニュース 2011年度をふりかえる

ERICnews2011

2011年度も、ほぼ毎週、ERICニュースを継続して発行することができました。執筆いただいたみなさま、ありがとうございます。

234号から279号まで、46本。環境教育のツリーニュース、ERICの主催研修案内・受託研修案内、ERICとともにすすめるプロジェクトや教材の展開の事例を紹介するwith ERIC、そして、PLT事務局ニュースの5本の柱でお送りしてきました。

230号は、「ERIC NEWS 東日本地震 号外」2011.3.12 22:56でした。そして、一ヶ月がたって、236号「ERIC NEWS 20110417 3.11から始まる」2011.4.17 10:16、たくさんの情報を整理しきれなかった思いはありますが、眼と耳、心をしっかりと被災地の現実に向けつつ、自分たちにできることは何か、考えてきました。

地震・津波についての学習、予防的防災教育、そして放射線教育など、来年度からの学校現場には、また新たに追加的なテーマや取り組みが押し寄せているのではないでしょうか。いま、学校に求められる教育は、「わたしたちはこのままでは続かない」「わたしたちは変わらなければならない」、わたしたちとわたしたちの社会と、地球の生き残りを託した学校教育が行なわれていなければならないのだと思います。

教員は、どのような立ち位置で、教育ができるのだろうか。

9.19さよなら原発5万人集会での武藤類子さんのスピーチを思い出す。
http://ericweblog.exblog.jp/14859429/
1992年のリオ・サミットでのセヴァン・スズキさんのスピーチを思い出す。

地球のなおし方も知らないのに、事故を起こした原発の止め方も知らないのに、核廃棄物の処理の仕方も知らないのに、大人は、どのようにあればよいのか。

「ごめんなさい」そんな気持ちで、子どもに対する大人が、どれほどいるだろうか。
「ごめんなさい、でも、いっしょに考えて行こう。」そんなことを、子どもに言える大人が、どれほどいるだろうか。

そんな大人の良心に、これからの教育がかかっているように思う。
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by eric-blog | 2012-03-26 16:46 | ERICニュース | Comments(0)

「教師教育はどのように研究・実践されてきたのか?」

教師教育研究会

http://teachereducation-jp.org/

木内剛・矢野博之「教師教育はどのように研究・実践されてきたのか?」
http://teachereducation-jp.org/reports_top/reports201203/src/1.pdf

木内氏のレトロスペクトとして、戦後の教員による教育研究を支えていたのは、日教組の教育研究集会とならんで、民間教育研究団体、例えば、歴史教育 者協議会、数学教育協議会、仮説実験授業、教育科学研究会などであったとする。そこでの「歯に衣を着せぬ」議論が、彼らを鍛えたのだという。

1992年に始まった「日本教師教育学会」の年報の研究テーマ、大会テーマ、論文を一覧にまとめた資料は、とても貴重だ。どの資料も上記のホームページからダウンロード可能であるが、初期の6回を掲載しておこう。どうして「研究」というのは、先鋭的になっていくのに、突破力を獲得することができないのだろうか、とこの6回の変化を見ているだけでも、感じてしまう。研究と現場における変化とは、どのように連動可能なのだろうか。
科研が研究の動向を左右し、科研は、官僚主導で決まっているのだ。例え、彼らがどれほど「意見を聴取して決定している」と主張しても、そのプロセスに透明性はない。

「科学研究費補助金を申請する際も、現今の課題を取り上げた申請 が通りやすいことは知られた現実である。教師教育に関しては、行政の政策・方針が決定的な影響を 与えるという顕著に特有な現実がある。したがって、学会の年報で特集やシンポジウムをみると、当 時の社会的政治的課題が明瞭に滲み出ている。」

日本教師教育学会年報 論題一覧〔第2表〕
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民教連加盟民間研究団体2012現在 〔第1表〕
その他の民間教育団体
民間教育研究団体は、若手が激減し、継承の危機が生じていると、木内氏は指摘する。それは「若手教師の入会者が激減した現実のなかでも、同僚の学びあいに意識が向けられ、教員として迎 え入れる学生の養成にほとんど関心が払われなかったところに、失敗の原因があったといえよう。」という、「研究主体」が「養成主体」になれるのかという、まさしく、大学にもとめられる「研究」と「教育」の両立の課題と同じ問題が起っていたことがわかる。大学は高額な学費をひねり出せるのに対して、民間団体には、そのシステム化ができなかっただけのことだと考える。それぞれの団体が、学費によらない両立の制度化を考えることもなかったか。

後半、矢野氏が担当する「現状と主題の設定」において、指摘されているのは、以下のような言葉群だ。公的な研修が増えたいま、確かに民間研究力は減退している。そして、研修も含めて「多忙化」がキーワードである。

・教員の「高度化」 それを誰が担うのかという問題
・成長する教師像 における「出口の質保証」
・中身のよくわか らないまま「実践的指導力」や「即戦力」が問われる。果たしてそうした力量イメージはこの教師と いう専門職にふさわしいものなのだろうか。いとも簡単に大学卒業時に準備できるものなのだろうか。
・教 育委員会主導の教員養成事業の増加 大学での教員養成が、その柱や軸、主張を失いつつあること
・そうして現場に出る教員にとって、学校内外での研修制度が彼らを育てているはずである。初任者研修や年次研、様々なフォロー体制が法制化を伴って構築されている。ところが、あいにく、その研修を担っている人材は、担うための研鑽や研究をどれだけ事前に最中に確保できているのだろ うか。
・「経験を活かして」

これらの言葉群を読むだけで、教師教育学が「ESD」という「このままでは続かない」という価値変革、社会変革の課題に取り組む力を持っていなかったことが、よくわかる。「過去からの教育」では泣く「未来からの教育」が求められることなども、意識になかったのだろう。なぜなのか?1990年代発の問題意識としては、疑問を呈さざるを得ない。

もう一つ、教師教育学の罪は、「研究」によって、現状の実践にお墨付きを与え、固定してしまったことだろう。
「明らかに欠損しているのは、「育てる人材=Teacher Educator」を意識する視線である。私たちは、 あまりにも経験則に頼りすぎてきた。また大学・短大側も、その自らの行為を教育活動として対象化す る自覚を研究として形に表すことを怠ってきたと苦言を呈さざるをえない。」

という矢野氏のことばをそのまま以下のように書き換えたい。

「明らかに欠損しているのは、「育てる方向」を意識する視線である。私たちはあまりにも過去からの教育に偏りすぎて来た。また大学・短大側も、その自らの行為を「ESDとしての教育活動」として対象化する自覚を研究として表すことを怠って来たと、苦言を呈さざるをえない。」
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by eric-blog | 2012-03-26 06:48 | Comments(0)