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風景という知 近代のパラダイムを超えて

オギュスタン・ベルク、世界思想社、2011

景観10年、風景100年、風土1000年。

わたしの読書は、本の言葉を手がかりに、さまざまに思いや考えをめぐらすものなので、いつも刺激的な文章や言葉を備忘録として紹介してきた。

風景という知について、ベルクがインタビューに答えて言ったのが、上述の言葉。風景についての知ではなく、風景という知。

この三者の対比に従って、今年のさまざまな記憶が思い起こされたので、今年最後の本としてご紹介。

風景が変わってしまったのは、津波の被災地だけではない。
見ることも叶わぬ星のかけらが散りばめられたとSPEEDIが示す大地を見る目が、変わらない風景を変えてしまった。

霞ヶ関の風景も、見せることのできない底知れぬ不信感で歪んでしまった。あれはまさしく、もやに包まれた霞ヶ関であったのだ。

誰も原発事故からの被曝で死んでいない、わたしはチェルノブイリのネックレスを治癒してきたと豪語する声が、近代の科学技術と医療の不可分な関係を暴き出し、福島県立医大がこれからのニーズに備える風景は近代の果てしないマッチポンプ、シーシュポスの罰が下されたわたしたちの社会のモザイクのワンピースとしてピタリとはまった。

文科省からの号令一下、子どもたちを戸外に放ち、疑問を呈する人々に「国民をやめろ」と脅した学校管理職の姿は、学校という風景に潜む国家の檻を暴露した。

リスク・コミュニケーション勉強会でインタビューした有識者は口を揃えて教育の大切さを唱えつつ、ではどうすればいいのかについて、自分の守備範囲以上については慎重に口を閉ざす。どれほど審議会を重ねても、先は見えず、一人ひとりが生き延びるだけ
どんなに民間の支援の手を伸ばそうとも、国家と東電の枠組みで掬い捕られていくものが、変化の足枷になるのか

そして流された風景と変わってしまった風景の上に、復興の景観が槌音をたてる。

風土は残っていることを信じて、風景を作っていくしかない。

ericかくた なおこF6D4.gif
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by eric-blog | 2011-12-31 22:29 | □研修プログラム | Comments(0)

舟を編む

舟を編む
三浦しをん、光文社、2011

辞書の編集作業に必要なものは何か。

人と、蓄積されて来た「用例採集カード」。

辞書が世に出るために必要なものは何か。
時代のニーズにあった編集方針。そして、出版力。
辞書にあった紙。膨大なページ数を支える薄さ、裏写りがなくて、めくりやすいぬめり感がある紙。
そういえば、辞書の紙は他の紙とかなり違っているのだ。

コンテンツだけではなく、それを支えるハードも魅力的。

一晩で読んでしまった。

ちょっとネタばれですが、

この本の製本そのものが、小説の中で編まれている辞書『大渡海』の装丁にならっているのだ。もちろん、特注の紙以外は。

装丁と製本についてのコメントは、以下のブログに詳しい。
http://ikuo365.exblog.jp/14927850/

辞書を好きになろう。好きな辞書を見つけよう。
そして、「言葉の海を渡る舟」にしたいと思いました。

本とのよい時間を、年末年始に、お迎えください。
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by eric-blog | 2011-12-30 16:27 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

核=原子力のこれから 生まれ故郷で語る

核=原子力のこれから 生まれ故郷で語る
小出裕章、本の泉社、2011

忌野清志郎さんの歌詞が紹介されています。ぜひ。
http://www.youtube.com/watch?v=kLyEg-eXf1g&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=GpF3hoKLiFY&feature=related


飯田哲也さんは、3.11以降、11冊の本を書いたそうだ。
すでに46回の講演を行って来た小出裕章さんの4冊目ぐらいの本だろうか。
本の作り方がとてもいい。パワポを使って、わかりやすく話される、そのままの感じが伝わってくる。

動画がないのが残念です。
参考までに。
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11117836481.html
http://fine-club.com/project/?p=846

原子力と核開発を言い換えて、その本質を隠して来た。そのことをこの本のタイトルは表現していますし、本の中身もそういっています。

わたしたち一人ひとりが150発分のヒロシマ原爆の責任を負っているという事実。

原子力政策が、出口のないまま、米国におしつけ、モンゴルに持ち込もうとしてきた廃棄物の処理。

300年間を保障すると、日本の原子力政策では言うが、さかのぼって考えると300年前は、元禄、討ち入りの頃。

東電を絶対倒産させる。あがないきれない被害が出ているのだ。(拍手)

そして、同時に、この政策をゆるしてきた、わたしたち一人ひとりに責任がある。のだと。

☆ラディカルな人だなあ。だからこそ、40年間やってこれたのですね。しかし、必要なのは、一人ひとりの行動です。一人ひとりが考えることです。
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by eric-blog | 2011-12-28 07:55 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

大学院での12時間PLTファシリテーター研修

大学の授業の枠組みで、二日間連続での試みです。一昨年は、三日間、週一で通ったのですが、
やはり、連続二日の方が、マッチベターだと思います。問題は受講者がどれだけいるかということ?

協力者、募ります。

一昨年の経験を踏まえ、かなり「情報提供型」の理解を促進するアクティビティにチューニングいたしました。
彼らが指導者育成に携わる。しかも、それを参加型でやれるようになる。そのために必要なことは何か。

2012年1月6日 金曜日 1-2-3-4-5限目 10.00-17.00
2012年1月7日 土曜日 1-2-3-4-5限目 10.00-17.00

第一日目

セッション1 共通基盤づくり
10.00-12.00

1.自己紹介 「3.11をふりかえる」 価値観の明確化
2.傾聴
3.話し合いの心がけ
4.エネルギー・出発点 「動きのエネルギーとポテンシャル・エネルギー」
5.歌で伝えているもの

セッション2 流れのあるプログラム
13.00-15.00
1. E&S#15「わたしのお気に入り」 World Studyバージョンで
2. E&S#4「動きのパワー」 食べ物が届くまで Food First Curriculum風
3. E&S#1「エネルギー発見」
4. 「エネルギー・スマート」な社会のためのガイドラインづくり

セッション3 PLTの教授法について
15.00-17.00
1. ふりかえり
2. PLTの教授法の概念を説明する
3. 対比して考える「講義式 と 参加型」
4. 参加型学習がねらうもの、伝えたい概念は何か
5. ハイク・スルー・ザ・ガイド


第二日目

セッション4 プログラムづくり
10.00-12.00
1. 「伝えたいこと」で仲間づくり
2. 起承転結のプログラムづくり
3. ファシリテーションの準備

セッション5 ファシリテーション実践
13.00-15.00

セッション6 行動計画づくり
15.00-17.00
1. ふりかえりとまとめ
2. ファシリテーターとして伸ばしたい価値観
3. 行動計画づくり 未来を開くインタビュー
4. 認定証
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by eric-blog | 2011-12-28 07:19 | □研修プログラム | Comments(0)

日本の児童養護 児童養護学への招待

日本の児童養護 児童養護学への招待
ロジャー・グッドマン、明石書店、2006

児童福祉制度を基礎づける日英比較

○国家ケア vs 家族ケア 日本の方がより親元に留めている
○強制委託 vs 任意委託イギリスで裁判所命令が30%、日本は少ない。
○専門職ソーシャルワーカー vs 地方自治体官僚 イギリスは前者、日本では後者。
○入所施設ケア vs 疑似家族ケア 日本では社会的養護を受ける子どもの90%が施設。
○公立施設 vs 民間施設 日本では90%以上が民間。
○均質的施設 vs 多様な施設 イギリスでは分類不可能なくらい多様化している。
○大規模施設 vs 小規模施設 日本は前者、イギリスは後者
○家庭復帰 vs 施設内定着 日本では施設委託期間の長期化の傾向がある。
○スペシャリスト施設職員 vs ジェネラリスト施設職員 日本はなんらかの児童福祉資格を持っている必要がある。
○ヴォランティア必須 vs ヴォランティア不要 イギリスでは子ども一人に職員一人なので、ヴォランティアは不要。日本は子ども六人に職員一人という基準を国が改訂しなかった。イギリス子ども一人に1200万円に対し、日本は300万円。
○チャリティ vs 市民としての権利 イギリスではチャリティを受け取ることは、子どもの自尊心や尊厳を損なう恐れがあるとする。日本はほとんどがチャリティを受けている。
○養護児ケアと非行児ケアの統合 vs 分離 日本は後者。
○地域内統合 vs 烙印回避 

いま、日本の児童養護施設は崖っぷちに立たされているように見える。52

確かに、これらの比較を見ていて、いちばん気になるのは「市民としての権利」としての社会的養護であろう。民間施設中心で、低いレベルの措置しかない予算の中で、チャリティ的な支援に頼りつつ、「烙印」を回避することはできない。逆に、たぶん、「養護施設の子ども」であることを、意識化し、それを「育ち」につなげているのが、日本なのではないだろうかという仮説が頭をもたげる。

では、さらに詳しく、その状況を見てみよう。

日本社会に関する記述の多くは、おとなになってからの社会的地位は、家柄(出自)や所属階層によって決まるのではなく、成人するまでの努力の結果である(業績主義)というイデオロギーを刷り込むために、誕生から成人するまでのすべての子どもの経験を標準化しようとする国家(主に文科省により)が試みる方法に焦点をあててきた。110

厚労省も、文科省と同じように、所管する子どもの生活経験を定め、標準化することに一生懸命なようである。110

しかしながら、このような規制にもかかわらず、義務教育のための学校の場合とはまったく異なり、日本の児童養護施設は各施設間で非常に違ったものになっている。111
定員が100名を越える施設がまだ10%を越えている。

職員の配置は1976年まで遅々として改善されてきて、3歳未満に対しては2対1、3-5歳は4対1、学齢児に対しては6対1である。130

しかし、週48時間勤務では、・・・10-13対1になっているのではないか。

1980年代には自治体が独自に5対1とするところも出てくるようになった。

職員の資格としては、児童指導員はなんの専門教育研修も受けていないことが多い。136
日本の最高水準の大学に社会福祉学課程がない。137

職務についてのジェンダー格差は、男性が対外的、女性が対内的とされているところが多い。148

詳述するコドモ学園では比較的ほぼ同等に分担しているが管理職は男性職員が占める傾向が強い。福祉分野全体を通して女性の方が男性より雇用されることが多いし、有資格者も多いのに、施設運営の意思決定についてはねじれ現象が起きている。149

また、里親制度に関して、日本における「養子縁組」の歴史をとりあげて、広がるためのバリヤとして「家」や血筋の考え方がありえることを示唆している。

中でよく取り上げられている「コドモ学園」は、子どもに対する支援を総合的に提供する母体として変革を遂げて来た。339
・電話相談
・地域活動
・調査研究
・幼稚園
・養育家庭センター
・児童養護
・総務部

特定家族(一族)が運営する施設群からなる同族経営システム、民生児童委員制度(主任児童委員)制度という擬似ヴォランティア制度、地方官僚(役人)が職員を努める児童相談所制度、これらの三本柱は、これまで以上に緊密に協働せざるをえなくなってきている。

その背景には
○民間児童養護施設の生き残り願望
○地域における子育て支援施策を通じた人口増加をすすめたい国
○子どもの権利条約実施要請
○「児童虐待」にタイル国民意識の向上
などの問題があるだろう。
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by eric-blog | 2011-12-27 11:03 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

3・11後の建築と社会デザイン

3・11後の建築と社会デザイン
三浦展、藤村龍至、平凡社、2011

3.11以降を展望する本として、いちばん好きかもしれない。
NHKラジオの「日曜討論」で細野大臣平野大臣が「復興」「雇用」の二本柱で語る時、土建、メーカー、インフラ、製造業などのイメージしか、その語り口からは見えなかった。
被災地で人々が何に時間をかけているか、互いのケアやつながりが被災地を支えている現実をまったく見ていないし、反映した議論になっていない。ベーシック・インカムを被災者に三年間は補償する。既存の経済活動ではない公共的、互助的、ケア活動を中核に人々が癒されていくプロセスになぜ寄り添わないのか。
なぜ、被災前と同じパワーで経済を盛り返すことを優先させるのか。
これは大きな政策的な誤りだ。日本社会の、そして特に被災地の受けた傷は途方もなく大きいのに、震災前と同じパワーで経済を乗り切ることなんかできない。

そんな違和感を強く感じた。

この本は、パルコの宣伝部長を勤め、『フアスト風土化する日本』という著書もある、「消費に飽きた」人、三浦展さんが仕掛けたシンポジウムの内容をまとめたもの。
三浦さんの本でブログで紹介したものはこちら
http://ericweblog.exblog.jp/6252009/

7月16日を「遅きに失したか」と前書きにあるが、どうだろうか?何にとって遅く、何にとっては時期尚早だと言えるのか、12月のいまとなっては、わからない。ただ、あの時期は、速く、速くと感じていたことは、同感だ。

第一部は「生活者」のための社会デザイン
建築家、社会経済学者、福祉社会学など、多彩で、年代的にも多様な人々が、語り合う。

「一住宅=一家族」は経済成長のために最も有効な住宅供給の方法だった。それはこれからも有効なのか?

団塊の世代である山本理顕さんは自分たち自身がいつから、どのように「助け合って住む」ことを嫌うようになったのか、そこに偽善を感じるようになったのかを問う。嫌うということはなし、そのようなものとして家族や家を考えて来たわたしには、新鮮な問いだ。

第二部 建築からはじめる

問題意識として『ボウリング・アローン』が示すような孤独な社会がやってくる。そこでは「一住宅=一家族」という図式すら、ほとんどの人には達成できないかもしれない暮らし方となるかもしれない。150
http://ericweblog.exblog.jp/7459630/

消費に飽きたということもあって「使う」から「つくる」へ。

「ハード」から「ソフト」へ 米国には2万人レンジャーがいるのに、日本には240人しかいない。172
田舎の地域に住み着くことのできる職業選択肢を増やせないか。

国の護岸にあてる予算は、耐用年数を満たした護岸設備の総補修費の半分しかない。179

今回の震災の2万人にかけられた報道量と国費を毎年三万人もの自殺者にはかけていない。203

高齢者といっしょに住める、助け合って住めるような住宅の建設が求められる。208

「モノからコト」「モノから人」という時代の流れ
東北という地域のもつ意味。持続可能な生活がある場所。

オギュスタン・ベルクの『風景としての知』論は、和辻の「風土」論のようでもあるが、風景そのものが知性を育んでいる相互関係を表す。「景観10年、風景100年、風土千年」とは味わい深い表現だ。232

新製品を買うことに幸福は感じられず、むしろ罪悪感がある。234

行政による予算が不足しがちな分野には個人が寄付すべき。
タイガーマスク現象で開けた今年は、そのような変化の兆しがあったのだ。

ソリッドでもリキッドでもなく
クレイな粘土な社会。239

個人所有よりも、シェアする時代になってきた。シェアの時代はエコノミー、エコロジー、セキュリティ、コミュニティの4つのキーワードである。243

さすが、いつも時代の先端を切り取って来た広告業界の人だけある。
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by eric-blog | 2011-12-27 09:02 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

「夢」の足枷 女らしさの裏にあるもの

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「夢」の足枷

1986年、男女雇用均等法が施行された時、女性の平均賃金は、男性一般労働者の平均賃金水準の6割だった。いま、それが7割近くまで改善した。30年かけて。しかし、その数字に、短時間労働者は含まれていない。

短時間労働者・派遣労働者の問題は、労働条件が劣等であること以外に、平均5年程度の勤続年数と、実績を積み上げにくい状況にもある。そして、もちろん、女性が多い。結果、どの学歴においても、男女の給与格差は50-54歳まで、拡大するばかりだ。

一方で、長時間労働をしている人々はほとんどの職種において、増えている。増えているのだ! 国際比較においても、28%が週50時間以上の長時間労働なのだ。15%を越えているのはニュージーランド、米国、オーストラリア、英国だけだという事実にがっくり脱力してしまう。他は10%以下と、格段の違いがある。

育児休業をとる男性は0.50%でしかない。男性の家事関連時間も、国際的な水準の4分の一程度である。
こんなデータが示す日本の家庭は「幸せ」なのだろうか? 日本の「夢」、「伝統的な家族の姿」を追い求める先に、「幸せ」はあるのだろうか? 障害者差別に「夢」の足枷は存在しない。部落差別に「夢」の足枷は存在しない。女性差別にこそ、いまの社会を駆り立てる「夢」の罠が潜んでいる。

その「夢」が、足枷になって、わたしたちは前にすすめない。どれほど、「夢」があばかれても、「夢」から覚めることがない悪夢に、いま、わたしたちはもがいている。

「男は仕事、女は家庭」という姿は、女性の無償労働によって、企業が非人間的なまでに男性の労働を搾取した姿だ。もっとたくさん、もっと豊かに、もっともっと。女を家にとじ込めたいために、女の労働を格下に見下げることで、低賃金構造を生み出したつけが、いまや短時間労働・派遣における男性労働者の首もしめている。それは資本の見る「夢」なのだ。資本の見る「夢」がいまや地球のいのちさえも、危うくしている。そんなことは、先刻承知。

「男らしく、女らしく」という言葉は、役割分業社会を刷り込む技だ。障害者は障害者らしく。それぞれが分を知り、矩を守る。集合でありながら、一つとして考えたり、処置したりできること。それは統治者の見る「夢」なのだ。統治者の見る「夢」が、一人ひとりの心に入り込み、らしさの操り人形にしてしまう。そして、人間として生きることを奪っている。自殺者数、ひきこもり、虐待、DV。枚挙にいとまがない。

「女は子どもを生んでこそ」。女を子どもに、介護に縛り付けることで、ケアの社会的コストを女というカテゴリーに負担させている。弱者を抱えて、女性は弱者になる。シングルマザーで低賃金、貧困女性で、犯罪被害者で。それは男の見る「夢」なのだ。都合のよいサンドバッグ。なぜ、イライラしているのか、なぜ、八つ当たりしたくなるのか、なぜ、満たされないのかを、見つめることのない、「夢」の世界。
にもかかわらず、「夢」から覚めないのだ、この社会は。

気づきなさい。「夢」に縛られていることに。気づきなさい。「夢」にしがみつくことが身を滅ぼしていることに。「夢」を追い求めた果てに、この町がいつか産業と資本に、搾り取られ、見捨てられた「軍艦島」のような廃墟になることに。もうそこにいのちや自然は残っていない廃墟だけが残されることに。

資本に見捨てられないために、あなたは何を売り払うのか? 自然か、心か、肉体か?

わたし自身は専業主婦の家庭に育ちながら、家事を低く見る価値観を身につけて育った。刺繍や編み物は好きだったけれど、それを好きな自分が嫌いだった。団塊の世代の女性解放運動を後ろから見ていただけだったのだが、メディアに登場するメッセージは、いまと比較にならないくらいラディカルだった。

しかし、いま屈託なく化粧し、おしゃれを楽しんでいる若い女性たちがいる。女であることを楽しめている姿は、混乱を抱えて育った身には、うらやましくもある。しかし、きらびやかなありようは、「夢」に喰われ、「夢」に踊らされている姿でもある。心を喰われ、赤い靴をはいた踊り人形。

Change the Dream いま、わたしたちが見ている「夢」を変えなければ、女であることを楽しむことが、「夢」の続きを彩るだけだ。花火の最後のように明るく、破滅への道を。

気づきなさい、いま、ここで。目覚めなさい、「夢」から。「夢」にすべてが喰われてしまう前に。
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by eric-blog | 2011-12-26 18:56 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

ファンドレイジングが社会を変える      非営利の資金調達を成功させるための原則

ファンドレイジングが社会を変える 非営利の資金調達を成功させるための原則
鵜尾雅隆、三一書房、2009
NGONPOの資金調達力講座を受講した。シーズの関口さんとFundrexの鵜尾さんが講師。その後ワークショップという組たて。二日間あったのでが、その一日目のみの参加。

いまが認定NPOの作り時。3年間の時限つきで、「すべてのNPOが対象」となれる。

その鵜尾さんが書いた本がこちら。
10兆円規模の寄付文化が日本に根付く未来。2020年。
いまから8年で、だ。
http://www.fundrex.co.jp
http://jfra.jp/

こんなに素早い変化を誰が期待できるだろうか?

信じている人々がいる。動いている人々がいる。

この未来は実現したい未来だろうか? 

Yes. である。

日曜日の朝、NHKラジオ「日曜討論」を聞いていた。

細野大臣と平野大臣が出席し、コメンテーターの意見が紹介された。

彼らのポイントは「復興」と「経済・雇用」であった。

いま、被災地には、モノがあふれている。
モノに依存する経済から、ポスト物質文明の時代へ。
テンプル大学の公開講座でダニエル・アルドリッチ、プルデュー大学政治科学准教授が指摘していたことだ。

にもかかわらず、政治家は、ハード中心の企業を被災地に回復することしか語らない。彼らに未来を託すことはできない。

どの経済指標を見ても、生産や消費は落ち込んでいない。しかも、被災地にモノはあふれている。不均等を解消できるのは、「もっと」ではない。人手が、ケアが介在しなければ、この不均等は解消できない。そのことがまったく理解されていない。ボランティアでやらせておけ、ばりの、いや、ボランティアが、人が、そこで何をしてきたのかということをまったく評価も、顧慮にも入れていない発言でしかなかったのだ。

さて、この本である。

ファンドレイジングの7つの原則、7つのステップ、15の技、そしてオモシロ寄付の20の事例、4つのバリア、4つの課題でまとめられている。

第一の原則 ファンドレイジングを社会変革の手段ととらえよ
第二の原則 社会問題に共感してもらい、解決策を理解してもらう
第三の原則 カネが集まらないのは社会のせいと考えるのをやめる
第四の原則 社会変革型寄付のパラダイムを念頭におく
第五の原則 寄付の成功体験と習慣を増やす
第六の原則 活動の質を高め、適切な組織マネジメントを行うことはよいファンドレイジングの基盤
第七の原則 日本社会の大きな流れに乗る

ステップ1 組織の潜在力の棚卸し
ステップ2 既存寄付者・潜在的寄付者の分析を行う
ステップ3 理事・ボランティアの巻き込み
ステップ4 コミュニケーション方法や内容の選択
ステップ5 ファンドレイジング計画の作成
ステップ6 ファンドレイジングの実施
ステップ7 感謝・報告

などなど、NGONPOの必携本ですね。

社会の流れを変えなければ、わたしたちは、再び、「失敗した物質文明の罠」にとらわれることになる。

変えよう、日本。変えよう、世界。創ろう、未来。

いま、本当に、日本の選択が、世界を左右する。

できること、を少しずつ。やれること、をしっかりと。そして、やりたいことを、はっきりと。

=======鵜尾さんのニュースより===============
☆★☆ 1 ファンドレイジング10大ニュース ☆★☆

1位 寄付税制の改正がついに実現
   なんといっても、税額控除50%、日本版プランドギビング信託など、
   大きな変化が生まれました。

2位 震災寄付をした人が7-8割に達する
   各種調査でも、今回の震災では7-8割の人が寄付しているという数字が
   でています。日本の有史上、これだけの人が一斉に寄付したことは
   なかったのではないかと思います。孫さんの100億円寄付も圧巻でした。

3位 タイガーマスク運動が全国的広がりに
   今年は、タイガーマスク運動で幕をあけました。忘れてました?

4位 JustGivingが8億円突破へ
   設立してまだ2年にならないのに、8.2憶、4600人のチャレンジャー
   が生まれています。

5位 日本初の英文寄付白書「Giving Japan2010」創刊
   世界に発信する英文寄付白書、ついに創刊しました。
   http://jfra.jp/2011/05/31/gj_english/

6位 日本初のファンドレイジング行動基準発表
   ファンドレイジング日本2011で採択されました。
    http://jfra.jp/2011/02/07/koudoukijun-2/

7位 あしなが育英会、世界ファンドレイジング大会ファイナリストへ
   前回の日本ファンドレイジング大賞受賞団体のあしなが育英会。
   世界ファンドレイジグ大会のファイナリストになりました。
   次こそ、世界一を目指して! 日本ファンドレイジング大賞の
   締切は12月31日です!http://jfra.jp/2011/11/02/3fr_taisho/

8位 認定ファンドレイザー資格制度・必修研修募集開始
   いよいよ来年2月に研修が開始し、来年6月から認定試験のはじまる
   「認定ファンドレイザー制度」。既に300名近いお申込みがあります。
   http://jfra.jp/frj2012/files/frj2012_leaflet03.pdf

9位 全国各地でファンドレイザー養成講座がはじまる
   今年は、「新しい公共」支援事業の関連もあり、全国で
   「ファンドレイザー養成講座」が目白押しでした。隔世の感あるなあ。

10位 子どもの寄付教育、ひろがりはじめる
   日本ファンドレイジング協会の「寄付の教室」も32教室でモデル事業を
   展開し、フィランソロピー協会の「ペニーハーベスト」など、寄付教育
   のモデルが広がり始めているのも、2011の動きです。
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by eric-blog | 2011-12-26 09:07 | ■週5プロジェクト11 | Comments(0)

脱原発の未来に向けて

2012年1月14日15日は、日本社会が「脱原発」の道筋を、ていねいに歩んでいくことを
世界の人々とともに確認する大きな機会となるはずです。

ERICも「ダンス! Dance! ダンスでエネルギーと社会を共に考える」企画プログラムで参加します。

日程 2012年1月14日 土曜日 15時30分から16時30分 です。
http://npfree.jp/


200字アピールに寄せた文章です。>>>>>>>>>>>中国語訳は宇井龍さん>>>>>>>>>

過去を伝えるための教育から未来をつくり出す力をつける教育へ。集団の規範を身につけさせる教育から、コミュニティをつくる力をつけるための教育へ。一人の成功のための教育からわたしたちが共に生きるための力をつけるための教育へ。教育はわたしたちの社会のエンパワメントのためにある。共通の課題に気づくこと、知ること、知ったことを行動につなげること。共に考えよう。考える力をつけよう。原発だけの問題じゃないはずだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~
从传达过去的教育向创造未来的教育改变。从学习集体规范的教育,向学习交流能力的教育改变。从培养个人成功的教育向学习大家和平共处的教育改变。
教育是为了我们的enpawamento而存在。发现共通的课题,并知道,把知道的事应用到行动当中。一起考虑。锻炼考處能力。需要我们考處的并不是只有核电站的问题。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
From the education to teach the past, we need to move towards the education for the future. From the education to discipline for the society, towards the education for empowering people to build our community. From the education for your personal success, towards the education for empowering people to live together. Education for empowerment of us all. We have to know that there are common agenda for us to solve. We have to act as we learn. Let’s think together. Let’s learn how to think. It is not only about Nukes.
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『100,000年後の安全』マドセン監督×西尾漠トーク付バリアフリー上映会

日 程:12月21日 (水)
時 間:19:00開場/19:30上映開始/21:00トーク開始(~1h)
場 所:オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
ゲスト:西尾漠(「はんげんぱつ新聞」編集長)、マイケル・マドセン(本作監督)、他
料 金:1,500円 ※イープラスにてチケット販売中
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by eric-blog | 2011-12-25 09:37 | ●3.11地震・津波・原発 | Comments(0)

ダニエル・アルドリッチ、プルデュー大学政治科学准教授

ダニエル・アルドリッチ、プルデュー大学政治科学准教授

三つの問いがある。
日本はなぜここに至ったのか。
市民社会はどのようにこの事態を受け止めたか。
回復はどのようにすすむのか。

社会科学者として、考えてみたい。

Three Themes
Governemnt’s variety of policy ins----alter public opinion on nuclear policy
Bottom up, civil-society responses to ongoing compounded disaster/nuclear crisis
Resilience and recovery for communities depends on strength of local network

第一のポイント。どのように日本は、いまこの巨大な原子力依存社会になったのか。どのような多様な政策があったのか。

第二のポイント。50年間続いて来たトップダウンのエネルギー政策推進から、ボトムアップにどのように変化できるか。

第三のポイント。コミュニティの回復は、内部的つながり、絆によるものだろう。

[Locations of Host Community] 原発受け入れ地域
これは原発立地地域の地図です。ほとんどが1960年代からです。この地図を見ると沿岸であることがわかる。冷却水が必要なのでというのが技術的理由。もう一つの理由は、TEPCOなど電力会社と協同して、54基の場所をつくり出して来た。
選んだ地域は、自分たちの裏庭に原発が来ても、抵抗力が弱い地域であるということ。

[↑Horizontal Associations,
↓Probability of Project Completion]
このチャートは、地域の漁業組合などのメンバーと原発立地プロジェクト成立の確率の関係を表している。組合員が減っていくとプロジェクト成立の確率は高くなる。
X軸は、組合員の数の変化を表している。0であれば、経時的に変化がないということ。-5というのは、組合員が半減したということ。+5というのは組合員が増えたということ。このグラフが示すように、組合員が増えたところは、原発が建設されるまでに時間がかかる。
双葉、大熊などの福島第一の立地地域、新潟、福井など、これらすべての地域は、データが示すところによれば、技術的な理由だけでなく、地域の市民社会組織が弱く、このような論争の的である施設の立地建設のプロセスに対して、反対運動をする力がない場所であるとして選ばれた。

[Dengen Sanpo]
立地のプロセスをすすめやすくするために、個人の資産が少なく、闘うことができない場所が選ばれた。電源三法は立地をすすめるための法律。
11桁の金額のお金が、法律によって中央に集められ、立地地域に毎年流れている。日本で電気を使うとその内のお金が送られる。
25百万ドルがこれまで使われた。
3つのグラフがある。
いちばん上のグラフが電源三法で集められたお金。
真ん中が中央政府が出したお金。サッカースタジアムなど。
いちばん下は、残されたお金。プロジェクトが少なくなっているので、使われないで残るものもある。

このような資金的動機付けがなされた。立地を容易にするためだ。

[Habituation Visit] 
もう一つの政府の政策は、見学旅行を地域の人々を対象に、すでに立地している地域を訪ねる旅行。
サンホゼを訪ねている写真。カリフォルニアのさまざまな場所を訪ねた旅行。

[Scientist Visit] 科学者の訪問
専門家が原発は安全で、必要だと講演します。
地域の人々に、京都議定書の約束に従うために、原発は必要なのだ。それは環境のためにもなるのだと、説得する。

[Annual Electricity Fair]
これは幕張メッセで毎年開かれている電気祭り。
2年前は150000人が訪れた。
農業者、漁業者が利益を得る。彼らが原発を受入れたら、ものを売れなくなるのではないかと心配していることを、マーケットを確保することを示すために行われている。

これまで見て来たように、さまざまな政策が原発推進のために使われ、そして、いま、わたしたちはここに至った。

[SafeCast]
この写真は、わたしが市民科学と呼ぶ、新しい動きです。ドットで示されているのは個人的にガイガーカウンターを持っているボランティアの所在。現在の放射線量をGISとともにHPに上げている。600000のデータが集められている。
なぜ、こういう動きが起こったのか。それは日本政府や東電が情報を出すタイミングを遅くしているのではないかという疑いからである。
米国政府は、日本政府が出した警告は十分強いとは判断せず、日本に住む自国民に対しては、警告を出した。
透明性が高いこれらのデータが、信じられている。信頼が失われている。
九州のスキャンダルは、一般市民の意見を装ったもの。
市民の意見や動きは変化してきている。

[Corasse Fukushima]
ビデオ視聴

長い間、公聴会を1960年代から開かれて来た。
質問は、prescreeningされた人からのみであった。
米国、日本の研究者は、原発というような技術的に高度に難しい問題について、市民がどのように反応してきたかを研究している。
これまでは、儀式的に公聴会のようなプロセスを遵守していた。
地域住民は東電や政府からの標準的な意見を聞くことを拒絶し始めた。
原発立地の問題に対して、第三の反原発の市民の動きが、生まれている。
トップダウンの政策決定に対して、怒っている。その手続きに対しても、内容そのものに対してもである。
市民はもっと活発にプロセスに関与したいと思っている。

[Standard theories of Re ]
地震、津波、原発事故という複合災害にあって、長期的にどのように回復するのか。
コミュニティグループを5つのパターンに分類した。
お金 回復に 支援を中央政府に要求する。
政府 知事、総理などの政治家の力
人口密度 回復のスピードは人口密度が高いほど、遅い。
現状の富 がどの程度あるか コミュニティに富があれば、回復は速い。

[New Theoretical Approach]
回復の理論は、見ていないものがある。それは内部のつながりである。
地域の中のつながり、社会資本、ネットワークには三種類ある。
Bonding Social Capital 同質な人々のつながり、家族、友人などのつながり。贈り物や交換経済につながる。長期的には
Bridging Social Capitalジェンダー、人種、宗教などの壁や境界を越えるつながり、国際学校、教会などがそれに当たる。
Linking Social Capitalリンキング NGOなど横につながる力。回復の時には重要になる。
これらの社会資本が重ね合わさって回復のメカニズムにつながるのだと思う。

[Exit vs Voice]
緊急事態において、人々はまず安全なところに逃げ出す。家や職を投げ出していくことは大きなコストであるが、命には変えられない。そして、その後、Exitしたまま、外の世界で発言をしていくことになる。
一方、帰ってこようと決めた人は、その政治的な力を使って、発言するようになる。近隣の人々とつながって、
絆が少ない人はexitを使うかもしれない。
絆の強い人はvoiceを使う。
つながりの少ないひとは、移動し、別の場所で生活を始める。

[Collective Action]
情報が少なく、既存の組織や制度が機能していないとき、人々はどのように自分たちを組織化していくだろうか。
共同行動問題と呼んでいる。
1995年神戸では、神戸の行政が、マンションの住民全員が署名すれば、移動のコストは行政が負担するという措置をとった。協同的な意思決定が必要な時に、つながりを持っていない人々にどのように働きかけるかの問題である。

[Informal Insurance]
インフラが機能を失った時、人々が互いに助け合うことが、命の保障になる。

00:54:05
[Conclusions]
・社会資本/ネットワークが、原発立地に大きな役割を果たした。そして震災後の回復にも大きな役割を果たすだろう。
・市民科学、反対運動、反原発運動は、ボトムアップの動きを示している。
・日本はエネルギー、市民社会、そして緑の未来に向けて変化の交差点にきている。そして、その選択肢が他の国々の標準となるだろう。


ポスト物質文明の時代をどう生きるか。
誰が自分の人生をコントロールしているのか。
人々は問い始めている。
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by eric-blog | 2011-12-24 11:22 | ●3.11地震・津波・原発 | Comments(0)