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オキーフ あるアメリカ神話の誕生

141-4(678) オキーフ あるアメリカ神話の誕生
ジェフリー・ホグリフ、平凡社、1994
O'Keefe: The Life of an American Legend, 1992

わたしが翻訳書名に文句をつけるのは、珍しくないが、これも「アメリカ神話の人生/実の姿」が正しい書名であり、また、内容である。神話の誕生というと、そこに明確な意図をもって生み出そうとした人々がおり、いかに作り上げられていったかの物語を期待してしまう。

彼女についてのもっともシンプルなストーリー。

24才の時に30才も年上の写真家で画廊経営者に見い出され、晩年は60才も年の下の男性と共に過ごした。

彼らがオキーフを作り出したのか、あるいはプロデュースしたのか。否。である。

彼女自身が「有名な画家」になろうとしていた人であり、そして、有名になった後は、絵を描くことに専念するために、多くのものを犠牲にしたり、抑圧したり、がまんしていたりした人であり、何よりも、絵によって評価され、絵を評価されることを望んでいた人なのだということがわかる。どんなにスキャンダラスに取り上げられても、決して語らなかったことも含めて。なのに、なぜ人は首を突っ込みたがるのか。この本も、「首を突っ込みたがっている」、「彼女の名声によって売れることを期待している」だけの本に思える。まるでぐしゃぐしゃのジクソーパズルが、何種類も入り交じっていて、いったい誰のどの発言をどこに、なぜつなげているのかすらわからない。

そのようなぐしゃぐしゃからわかることは、人生の姿そのものだ。人生は、「女は、男と結婚し、二人の子供を育て上げ、その土地で死ぬまで暮しました」以上のものだということだ。

つまり、女が男というシンプルな関係ではなく、結婚という形をとらず、自分の子供ではない若い人々の世話をやき、あちらこちらと移動し、親類縁者には一切財産を残さず、晩年をともに過ごした年下の、しかし、結婚もしていない男性に残すと、それらはすべて「スキャンダル」となり、有名人であればあるだけ、興味の対象となり、首を突っ込まれるということである。背景に近親相姦、レズビアン、不能などのけ原因をちらつかせながら。

リベルタ・カーロとも一時交流があったようだが、画風はまったく違うが同じものを感じるところもある。

わたしが初めてオキーフの作品に触れたのは、美術館ショップで花を描いたカードを買った時。ずいぶん長い間気に入って、一枚ずつ、大事に使っていた。ジョージアという名前からは男性、絵からは女性というメッセージを受け取って、両性具有的な存在としてちゅうぶらりんな感覚を持ったことを覚えている。

オキーフという「女の儀式」を超越した存在というレッテルも間違っていることが確認できたことが、収穫かな。
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by eric-blog | 2006-07-29 10:52 | ■週5プロジェクト06 | Comments(1)

日本人はどのように森をつくってきたのか

141-3(677) 日本人はどのように森をつくってきたのか
コンラッド・タットマン、築地書館、1998

なぜ、人口も多く歴史も長い小列島の日本に緑が豊かに残っているのか。
古代の記念的建造物ラッシュによって畿内が、そして関東に場所を移しつつ採取のエリアを拡大して鎌倉時代から近世にかけて再びの危機を迎えた日本列島。そこから消極的管理と呼ばれる「利用の規制」と近世の育成林業期を迎えて、積極的管理との2本立てであったこと。
中世からの村落共同体による共同管理、排他的な利用の原則の確立、近世における鎖国による有限性の認識に基ずく森林利用制度の確立など。
著者は明治前までで筆を置きつつ、その後の日本列島の分析にも興味をそそられるという。
世界林業史研究に、ドイツ以外にも育成林業に取り組んだ事例があることを付け加えた書であると解説は言う。原著は1989年。その頃日本の入会などの事例が「共有地の悲劇」に対する反証事例として太平洋島嶼国などにおける漁業規制と並んで紹介された論文を読んだことを思い出す。
水産庁が日本の漁業権などによる資源管理の先進性を主張するのにも使われた。遠洋漁業における「略奪」的採取には口をぬぐうダブルスタンダードはおぞましかった。

いま、グローバルな貿易によって森林利用圧力が減って緑は残ってるかに見える。ここでもダブルスタンダードは健在だ。
明治以来身に染み付いてきた、しみつかせてきたその体質と時間的空間的「距離による割引」にぼやけてしまった共同体感覚はこれからの資源管理にとっての暗雲を投げ掛けているように思う。
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by eric-blog | 2006-07-29 09:02 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

美しさという神話

141-2(676) 美しさという神話
リタ・フリードマン、新宿書房、1994
Beauty Bound, 1986

すでに旧聞に属する内容であろう。流れ的には『誰が日本の森を作ったか』に行きたかったのですが、それはまた明日明後日の名古屋出張の後ということで、とりあえず、「出かける準備に時間がかかる」女子大学生たちの顔を思い浮かべながら、こちらを先にレポートします。

美人コンテストの歴史は1921年。日本で始まったのは1950年代ではなかったか。八頭身美人という基準が取りざたされたのを覚えている。そして、1970年代にフェミニストたちが最初の抗議活動の場として選んだのも美人コンテスト。

この本は、女性のからだ、女性の美についての観念が「男性中心」に作られていて、それこそ、二重拘束、ダブルバインド、周りの言う基準を自分自身も取り込んで、自分をひげする、自分を受け入れられない、自分を認められないという心理がうまれると言うのです。
「わたしたちは皆、男であれ、女であれ、女性の身体に脅迫的な関心を持つことを助長するシステムによって縛られているのだ。」12
「抑圧的な固定観念を打破しようと闘っているからには、理想化された女性美と言うものは、その固定観念の一部と見なされなければならない。」12

しかし、それは女性だけでもないだろう。と思うが、著者は次のような研究をあげている。

・被験者に写真を見せて評価させる実験では、多くの場合、女性の写真は男性の写真よりはるかに魅力的だと判定されている。26
・年配の男性は、なお男らしいと見なされるのに対し、年配の女性はあまり女性的でなく、魅力的でもないと判定される。27
・若い女性の場合、美しさは、本人の幸福度や自負心と正の相関関係を持ち、神経過敏度と負の相関関係を持つ。男性には、精神的特徴と外見の間には何ら関係が見つかっていない。27
・成人女性の半数以上が、自分は昔お転婆だったと言った。成長期の少女では四分のさん近くが、自分をお転婆だと分類した。204
・どちらの性別だったらいいと思うかというテストをすると、男の子で女性を選ぶのは10人中一人、女の子は三人に一人が男性を選ぶ。205
・お転婆だったことがない女性は、派手な色の服を好み、結婚願望が強く、職業志向が低い。208
・大学生の男子の75%は自分の全体的な外見や顔の特徴を気に入っている。女子は45%。
・ニュースキャスターの男性は半分以上が40歳以上、女性で40歳以上は3% 325  
・女性ニュースキャスターの顔にはしわがない。


「人間は、知識を単純な二つの概念にまとめてしまう傾向がある。...二分論は多様性に対応するのに役立つ。」36
「女性を賞賛する理由となるのは、仮定としての女性の美しさであるが、まさにそれこそが同時に、女性の劣等性を示す烙印なのである。...女性は美しさのゲームを止める自由をもっていない。...美しさのゲームを続ける女性もまた、同じことを証明している。」ユーナ・スタナードからの引用、95
「おとぎ話の登場人物たちは、善くも悪くも極端であり、子供達にわかりやすい性格になっている。」110
『弱者の力』エリザベス・ジェインウェイからの引用156
「弱者の間に無力さを温存させる要因・・・弱者の生活が、平凡な取るに足りないものであること。・・・孤立感・・・自信と自尊心の欠如」
美しさの儀式はこれらの3つの傾向を助長すると著者は言う。
タルコット・パーソンズからの引用170
「美しさは、女性が職業の世界から閉め出されていることに対する埋め合わせである」
ピアジェの理論より194
「子供は、自分の体験を理解しようとすることによって、生活に適応しようと努力する。我々は、自分自身や自分の環境に関する概念を構成することによって、頭の中に世界を再構成しようとするようにプログラムされている生物だ。...頭の中のフアイルカードは、社会的「現実」になるべく近づくように、何度も書き直される。男らしさとか女らしさと言う概念は、知的成長過程の一部として習得されていく。」
「矛盾する体験の中から知的な秩序を生み出そうとする基本的な欲求」195

「外見が美しいという幸福は複雑なものだ。...妙齢の美女は、セックスの獲物にされやすく、...両親に見せびらかされたり、...(美しさの)社会的な特権を得ようとする友だちに「利用」されたり、...外見しか見てもらえなかったり」210

特別な力がある人に共通していることだと思うけどなあ。美しさも、それぞれに違ってもっている、備わっている、獲得した力の一つなのだよね。力には魔がつきもの。

「人間の社会には自然なものなどない。...女性は...彼女のからだや彼女と世界との関係を修正した他人の行動様式によって決定されているのである。」シモーヌ・ド・ボーヘヴォワールより283

「女性が成熟して知恵や資格を身につけても、それらは彼女のしわや脂肪の埋め合わせにはならない。」325

最近、「教室の中の世界探検」でつながりの中に国際標準探しをしています。「からだ」は国際標準じゃないと言う発言が出ると、本当?美の基準や標準体重、健康の基準だって、国際標準があるよね、というひっかけをし、しかし、一人ひとりのからだこそが個性の源とひっくり返しもし、するのですが、みなさんはどう思いますか。

いずれにしても、個人差も大きいことを前提にしながらも、キャロル・ギリガンの『もうひとつの声』で女性が関係性の中でアイデンティティを築くというのについても、他者との共感性に動く脳内分泌物の役割などから考えて、ものの見方の価値観が変わってきているようには思う。「美しさ」の競争や儀式に取り込まれなかった有名人としてジョージア・オキーフェがあげられている。
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by eric-blog | 2006-07-26 09:55 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

Index タイトルおよび1-5の項目訳

Index 1教科との対応
Index 2学年対応
Index 3時間と場
Index 4テクノロジーとの対応
Index 5トピックとアクティビティの対応
Index 6思考スキルへの対応
Index 7アクティビティのABC順


Index 1教科との対応
美術
言語
数学
体育
科学
社会
演劇

Index 3時間と場
1時限
2-4時限
学期/年間
室内
屋外
室内/屋外

Index 4テクノロジーとの対応
ワープロソフトウェア
表計算ソフトウェア
プレゼンテーションソフトウェア
CGソフトウェア
CG編集ソフトウェア
デジタルビデオ/カメラ
周辺機器
インターネット

Index 5トピックとアクティビティの対応
動植物の適応
審美的
大気汚染
動物の痕跡
自動車→交通
木々の価値
生物的多様性
カムフラージュ
キャリア
文明
気候
消費主義
文化的側面
サイクル
分解
妨害
多様性→生物的多様性
経済
生態系
絶滅危惧種
エネルギー
環境影響
流出
実験/実演
火災
民話→物語
食糧
食物連鎖
森林の健康
森林製品
森林保全活動
地理
地質学
地球気候変動
地球規模のつながり
政府
木の成長、年輪
健康と栄養
歴史
相互依存
調査リスト(生物種)
土地利用

ライフスタイル
文学、環境関連の
計測
メディア
鉱物と鉱山
音楽
先住民の文化
帰化種
非再生可能資源
古い再生林
包装

公園
光合成
植物の成長
植物の世代交代、植生の変遷

政治→政府
公害、汚染
人口増加
降水量
捕食者/獲物
リクリェーション
リサイクル
再生可能資源
四季の変化

感覚
サービス学習
シェルター、隠れ家

silviculture
におい

固形廃棄物管理
太陽エネルギー

スプロール
スチュワードシップ
物語り
世代交代
太陽光
持続可能性→再生可能資源
symbiotic relationship

テリトリー
触る
交通
木々

水辺
湿地
野生
野生動物(管理)

動物園と水族館
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by eric-blog | 2006-07-23 20:20 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)

Appendix 15

Appendix 15  自然を持ち込む

教室に飼育場terrariumを作るためのヒントです。また、塩水あるいは真水の水族館を作るための参考文献も紹介しています。

基本編
容器
飼育場を作るためにまず必要なのは容器です。水槽、金魚鉢、広口瓶、古いガラス製のコーヒーポット、透明のブラスティック貯蔵容器ナど、いずれも役立ちます。次のような特徴を持った容器を探しましょう。

■ 透明で、色の着いていないガラスあるいはプラスティックでできたもの
■ 造作のための手を入れることができる広い口があるもの
■ 植物が育つのに十分な大きさがあること。植物のネットワークは2.5cmの深さの土と、土の上5-7.5センチほどの成長のための空間が必要です。

動物飼育のために森林あるいは熱帯的な状況を作り出そうとしているのであれば、ふたも必要です。(下記参照) プラスティックあるいはガラス(取扱いに注意して)、スクリーン、金網、プラスティック製のラップでも、口を完全に被うことができれば、役立ちます。

手を汚す
飼育場は三種類作ることをお勧めします。沙漠、森林、熱帯です。森林と熱帯タイプの飼育場は、育てる植物の種類や必要とされる光りや熱以外では基本的には同質です。飼育場に基本的に必要なものが三つあります。石ころ、土、そして植物です。これらは園芸店で入手できます。野生から採取してくることもできます。しかし、以下の「採取上の注意」に留意してください。三つのタイプの飼育場の作り方は以下のように進めます。

沙漠
1. 容器に1.88センチほどの深さまで石ころを入れます。日本手ぬぐいかナイロンのストッキングで、被います。
2. 植木鉢用の土、perlite、と砂を同量まぜて「沙漠の土」を作ります。5-7.5センチの深さに敷き詰めます。
3. あなたが希望する沙漠の植物を植えます。土壌が湿気を帯びるまで、水を撒きます。
4. 飼育場をきれいに拭いて、一日3-4時間は直射日光が当る場所に置きます。

森林
1. 容器に1.88センチほどの深さまで石ころを入れます。日本手ぬぐいかナイロンのストッキングで、被います。
2. 植木鉢用の土、あるいは庭用土を5-7.5センチの深さに敷き詰めます。
3. 森林の植物を植えて、庭用土を植物の周りに少量まき、ならします。
4. 土壌が湿気を帯びるまで、水を撒きます。
5. 飼育場をきれいに拭いて、プラスティックでふたをし、直射日光が当らない涼しい場所に置きます。

熱帯
1. 容器に1.88センチほどの深さまで石ころを入れます。日本手ぬぐいかナイロンのストッキングで、被います。
2. 植木鉢用の土、あるいは庭用土を5-7.5センチの深さに敷き詰めます。
3. 熱帯の植物を植えて、庭用土を植物の周りに少量まき、ならします。
4. 土壌が湿気を帯びるまで、水を撒きます。
5. 飼育場をきれいに拭いて、プラスティックでふたをし、明るいけれども熱すぎない光(蛍光灯がよい)があたる、暖かい場所に置きます。

特別バージョン
飼育場を特別なものにするためのいくつかの方法があります。一つは、植物を植える前に、部分的に土を盛って岡や谷を作ることです。岩や小枝、種などを植物を植えた後に置くことで、飼育場が「自然」で興味をひくものに見えるようにすることができます。

どこもかしこも水だらけ
森林と熱帯の飼育場は一週間に一度くらいの水やりが必要でしょう。植物に水やりが必要かどうかは、土を1.25cmほど圧してみて、乾いていたら、水やりが必要だということです。もし、飼育場の側面に水蒸気が着いているようなら、一日ほどふたを外して、水分が蒸発するようにします。もし、水滴がそれでも着くようなら、容器とふたとの間に、隙間を作る必要があります。例えば、容器の上の四隅にコルクを張り付ける等によって、少なくとも3ミリほどの隙間を作るようにしましょう。

沙漠の飼育場の水やりはもっと少なくて良いでしょう。しかし、水やりをする時には、必ず土壌が湿気を帯びるまでやりましょう。

動物
飼育場に動物を入れるのも良いでしょう。何が相応しいかは、専門家に相談しましょう。どこで入手するか、どのように世話をするかなどについて、聞きましょう。地域の動物園、科学博物館、子ども博物館あるいはペットショップ等が情報をもっているでしょう。

話し合い
生徒たちにこれらの飼育場とそれらが現わしている実際の生態系の間の違いは何か、たずねましょう。(動物がいない、他の生態系からプラスティックやガラスによって隔離されている、気候などの変化がない、など) 飼育場から自然の生態系について学べることはなんでしょうか。

採取上の注意
1. 土地の所有者である個人あるいは組織からの許可なしでの採取はしない。国立、州立公園からの採取はできない。
2. 絶滅危惧種、希少種は採取しない。あなたの地域にそのような種があるかどうかは、州の資源局などに問い合わせればわかります。電話帳などで調べましょう。
3. 特定の場所に一つしかない植物は採取しない。換わりに、たくさん群生しているものを採取する。
4. 健康そうな植物を採取する。昆虫などがついてるものや病気のように見えるものは取らない。葉や幹、根などを、飼育場に植える前に洗いましょう。
5. 同じような光り、温度、湿度の条件で育っている植物を採取しましょう。飼育場に、光が好きな植物と日陰が好きな植物の両方を共存させるのは、不可能ではないにしてもかなり難しいことです。
6. 植物を掘り出す時には、できる限り、根をすべて掘り出すようにします。
7. プラスティック袋を使って、採取した植物を保護しましょう。根を濡らしたペーパータオルでくるみ、小さいプラスティック袋に入れ、そこに新鮮な空気を入れるようにしてから閉じます。
8. もし、自分で土壌を採取するのであれば、飼育場に使う前に、消毒しましょう。浅いベーキングパンに入れて、華氏250度で2時間焼き、それからさまします。


翻訳上の課題
・ terraというのは地球、土などの意味があるのだが、辞書では動物飼育場となっている。適訳は何だろうか
・ 採取上の注意事項は日本でも同じなのだろうか。土の消毒も?
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by eric-blog | 2006-07-23 20:12 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)

ブログ二周年! 訪問者数3万人!

ブログ二周年! 訪問者数3万人!

一週間に5册ずつ、1000册の本を紹介しようと始めた「週5プロジェクト」。2003年5月から始まって、141週(一度数え間違っているので、実際は142週)をカウントして、675册。ということは、平均して4.7册ほど。悪くない、だね。出張などが重なる週や長期休暇で休んだ週もあるのですが、3年と4ヵ月で140週。年間40週程度。35週をめざしているので、これもまあまあ。

内容を紹介するということと同時に、引用するために原文をそのままに、ページを明記した備忘録的な文になっているにもかかわらず、たくさんの人が読んで下さっていることに感謝。

1000册という目標に対して、ちょうど三分の二あたり。やはり、5年、後2年ほどで、目標は達成できそうである。問題は、やはり、紹介する本の質ですよね。ERICの資料室にある和書1000册も、実は玉石混交。

Reading Connections Enrichmentsにつながるようなブログおよび資料室を目指して、何を選び、何を読み、何を御紹介するかについての明確な基準が見えてくればいいのですが。
PLT翻訳推進ブログも始まりましたが、アクティビティのエンリッチメントにつながる本探しも進めたいですね。

・よりよい教育の質を考えることにつながる「人間と人間の社会」についての理解と洞察につながる本
・国際理解、異文化理解につながるもの
・グローバルな視野、地球規模の課題についての理解につながるもの
・環境教育や国際理解教育などのアクティビティの背景の理解につながるもの
・アクティビティの中で生徒たちに読ませたいもの

と、まあ、読書の傾向を書き並べてみると、これからも雑多な本たちとの出会いが続くことは、間違い無さそうですね。

ということで、ぜひ、お勧め図書についてのご意見を寄せて下さい。
eric1@eric-net.org
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by eric-blog | 2006-07-23 18:36 | ◇ブログ&プロフィール | Comments(0)

キプリングの日本発見

141-1(675) キプリングの日本発見
ヒュー・コータッツィ、ジョージ・ウェッブ編、中央公論社、2002
Kipling's Japan, 1988

キプリングは、インドで記者として活躍していたのだが、文筆で身をたてるべくロンドンに帰国することにした。東回りで帰るその途上に日本に滞在、その間15本の記事を新聞社に送っている。1889年明治22年4月中旬から5月下旬にかけてのことである。
そして、1892年にも再来日。5本の記事を書いている。
それらの記事は刊行本にまとめられもしたが、編者らは、キプリング自身の編集は省くことが多く、原本に含められた多くのことが失われているために、1986年に版権が消滅したことを期に、日本研究者とキプリング研究者の合作で、日本関連の紀行文として再編集することにしたと言う。

1889年の記事は、いかにもインド国内の読者を対象にした臨場感あふれるレポートという風情であるのに対し、1892年のものはもっと紀行文という趣きであり、一文ずつも長い。
サイードの『文化と帝国主義』で言及されていたディケンズとキプリングを読んでみようかと、前者の『大いなる遺産』と後者の『キム』を予約したのだが、ついでに、もっとも最近に出たこの本があったので、興味を惹かれて予約、次の日に手に入ったのが『大いなる遺産』とKipling's Japanであったということでしかないのです。『大いなる遺産』は、一言で言って「わからない」本でした。文盲の人々の暗さ、愚鈍さが、全体を被い、金持ちは何でも自分の思いのままで鼻持ちならず、遺産を巡ってすりよってくる親類縁者たちはおべっかつかい。囚人に対する扱いのむごさと、オーストラリアへの「島流し」。なんでこんなもの読まにゃならんのだ? で、上巻だけで放棄。

キプリングよ、お前もかと思いつつも手にとってみると、何より訳者の加納孝代さんの後書きがおもしろかった。英語で書かれた日本についての記事を日本語に訳すという作業は、日本の読者を想定した場合、何について書かれたものかを理解しなければ、訳せないという。わたしも大阪出身なので、造幣局の「通り抜け」にはなじみがあるが、記事ではran alongを本当に駆け抜けたと訳して良いものかどうかを迷ったすえ「通り抜け」とかっこつきで訳されたという。この本の読みやすさとおもしろさは、二人の編者と一人の翻訳者の努力の結実なのだと思う。ただ、書名は「キプリングの日本」とそのままにしてほしかった。

人が唾をはかない、喧嘩をしない、大食いしない。
清潔で、礼儀正しい。
芸術的で、工芸が美しい。

いまの日本がなくしたものが見えると、編者、訳者は言うが、いまも大多数においては、日本はその良さを十分保っていると、わたしは思うのだが。失われた町中の緑と風、近郊の田園風景を除けば。

帝国列強が、その富みによって世界漫遊家globe trotterを排出していたころのお話である。

「我々にとってはプラスなのだ。日本を指導して日本を侵略や併合の恐怖から守ってやる代わりに、この国が自分の好きな道、つまりおとなしく座って芸術的なものを作り続け、我々に芸術を教え続けると言う道を選んでくれることは。」101同行者であるヒル先生の発言として。
「日本人はほんとうにすごい。石工は石と、大工は木と、鍛冶屋は鉄と戯れ、芸術家は生、死、そして目に入る限りのあらゆるものと戯れる。...全世界を手玉にとって戯れることさえしかねない国民だ。...全世界を手に入れたのは私たちの方だった。(こうしてわたしたちの世界には西洋のものがあふれ)貧弱この上ない代償ではないか。」162

第二回の訪問が、取引銀行の破産によってたった二ヵ月だけで終わってしまったのが、残念ではある。
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by eric-blog | 2006-07-23 12:18 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

PLT06版翻訳推進用ブログ

かくたです。

週5プロジェクトという、一週間に5册の書籍紹介をするためのブログでしたが、PLT06版の翻訳推進に関する情報も載せてきました。

今後、アクティビティ数が98、インデックス、アペンディックスなど合わせると100以上にもなる予定です。ということで、推進プロジェクトを進めていただいている足立えりさんが、新たなブログを立ち上げます。翻訳推進に御協力いただける方は、ぜひ、ERICに御連絡ください。

                        ※印は要検討課題

********************************
〈1〉ブログの全体像案
■excite 非公開ブログ 
■ブログタイトル 
 PLT2006年版翻訳プロジェクト Adopt an Activity
■ブログのカテゴリー
 このブログについて/2006年版イントロダクション
 進め方と共通理解
 アクティビティ翻訳済
 インデックス翻訳済
 アペンディックス翻訳済
 背景(Background)関連情報 
 読書による発展(Reading connection)関連情報
 テクノロジーによる発展(Technology and Connection)関連情報
 質の高い環境教育ガイドライン翻訳
 翻訳用語集
 リソースパック更新情報  

※PLTに関する基本情報はリンクを貼り、PLT by ERICページから見てもらう。
 http://www.k3.dion.ne.jp/~eric-net/plteric.htm
 
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by eric-blog | 2006-07-20 06:41 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)

翻訳済みアクティビティ&Appendix, Index

翻訳済みアクティビティ
9 Planet Diversityベタ.doc
act13 We All Need Trees .doc
14 再生可能か不可能か ベタ.doc
アクティビティ50 400エーカー
活動52 アルミニウムの観察.doc
Activity 57 Democracy.doc
アクティビティ82 資源はめぐる

翻訳済みAppendix, Index
Appendix11.doc
Appendix 14.doc
Index 6 スキル.doc

タイトル引用箇所数アクティビティ引用ページ引用箇所数
Appendix 1用語集369, 7110, 293, 3043
Appendix 2概念枠組み44, 4, 9, 104
Appendix 3ストーリーライン43, 4, 5, 94
Appendix 4参考図書・リソース535, 73, 77, 924, 148, 315, 332, 4035
Appendix 5PLTラジオ番組1131
Appendix 6都会や地域での実践1131
Appendix 7個別化された教授法171
Appendix 8テクノロジーの関連性191
Appendix 9教材の探し方657, 61, 71, 88245, 247, 251, 263, 306, 3836
Appendix 10多文化教育とのつながり
Appendix 11協力学習のステップ161
Appendix 12論争の的である問題をどう教えるか333, 56, 59139, 242, 2533
Appendix 13二つの帽子
Appendix 14野外で教える 採集のためのガイドライン72, 46, 47, 48, 7820, 197, 198, 200, 201, 204, 3387
Appendix 15自然を室内に持ち込む244, 48191, 2052
Appendix 16レビュアー1iv, 61
Reosuurces and References1873781
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by eric-blog | 2006-07-18 07:00 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)

PLT2006年版翻訳プロジェクト“Adopt an Activity”進行シート

PLT2006年版翻訳プロジェクト“Adopt an Activity”進行シート

■検討対象となるアクティビティの指標 What is “Strong”?
・ よく活用されている
・ PLTのコア概念、コア・バリューの体現
・ Guidelines for Excellenceをよりよく満たすもの
                       2006.6.22ミーティングより
■翻訳検討対象のアクティビティ:アクティビティ名に網かけ。引き続き作業とともに検討を進める。
・セカンダリーモジュールに収録
 ・2006年6月のレスリー・コームズ来日企画で活用されたもの
 ・2005年実践ベスト10(日本事務局調べ。翻訳版テキストより)
 ・2006年ESDカレッジPLT研修で活用したもの

■翻訳者からのフィードバック(06.07.05まとめ)
・ ホームページの使い方がうまい(角田)
・ 背景については、本当に教員自身の理解が深まるようにしっかりと書かれている(足立)

■翻訳上の課題(06.07.05まとめ)
・ 計画がいいかプランがいいか(角田)
・ fragmentationについての専門語の確認(角田)
・ wildlifeの訳 野生生物、野生動物(角田)
・ 背景の説明については日本あるいは地域の情報が必要(角田)
・ reading connectionについても同様(角田)(木野)(足立)
・ level, subject, concepts, skills, (角田)
  ・natural resources の訳 天然資源でよいか(木野)
   ・disposingの訳 処理でよいか(木野)
   ・media center の訳(木野)
・ 共通理解すべき単語として「生物多様性三つの要素」などは、現段階ではインターネット等で共通に使われている言
 葉を調べたのみで、これから日本語で学べる読み物をもっと探したり、学びながら校正が必要かと思った(足立)
・ demonstrationを「実演」でいいか、要検討及び共通理解。シミュレーションという語は別個に使われている(足立)
   ・確認すべき語: sustainable yield(足立)
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by eric-blog | 2006-07-18 06:46 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)