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Last Child in the Wood  Saving Our Children from Nature-Deficit Disorder

137-4(661) Last Child in the Wood  Saving Our Children from Nature-Deficit Disorder
Richard Louv, Algonquin Books of Chapel Hill, 2005
邦題 あなたの子どもに自然が足りない

レスリー・コームズさんが、昨年、環境教育者の間でかなり話題になったと紹介された本。著者は、ベビーブーマー世代、日本でいうところの団塊の世代だ。
子ども、教育のテーマを中心に、ここ10年ほど、コラムニストとしてサンディエゴ・トリビューンで執筆、ニューヨークタイムズなどにも寄稿している人である。その間に、全米的に3000人を越える子ども、大人、教員、その他専門家たちにインタビューしてきている。専門書というよりは、インタビューや先行知見などの集大成ということになろうか。そのために、イメージが先行しがちな造語が多い。「自然欠乏症」Nature Deficitというのがそうだ。著者は、この言葉は神経生理学的な用語ではないことを断りつつ、共通のテーマとして考える必要があることを問題提起しているのだ。

第一部は自然と子どもの関係の変化、現状である。
第二部で、自然が果たす人間形成上の意味。
第三部では、しかし、わたしたちの社会が子どもを自然から遠ざけている背景を説明。
第四部から第七部までは、自然と子どもの関係を取り戻すための活動報告だ。

Criminalization of Natural Play27自然遊びの犯罪視傾向

人口が増え過ぎたために、自然保護の観点から「ツリーハウス」のような遊びが禁止された。ここでも例で出てくるのがチェサピーク湾なのだが、人口増加の二倍のスピードで、土地開発が進んでいるとか、過去350年間で開発されたより広い土地がこれからの25年で開発されるような勢いであるとか。30

De-natured childhood31脱自然化された子ども時代
室内遊び中心になった。電子ゲームなどが増加した。

Biophilia43 Edward O. Wilson の仮説、生命親愛、ecopsycologyと呼ばれる生態心理学運動。わたしたちのいのちは地球の進化につながっている。

Re-naturing of Childhood Health52子ども時代の健全さに自然を取り戻す

co-evolution of hominid hand and brain66Frank Wilson、The Hand

Eighth Intelligence70Howard Gardnerは多重知能で知られる人だが、最近8つめを付け足したという。Nature-smartだ。word, number/reasoning, body, picture, music, people, self-smartの7つに加えてだ。PLT会議でKathyのことをPeople SmartとRudyが表現していたのは、ここからだったのだな。多重知能でsmartという言葉をつかっているのか。
五感、パターン認識、生命親愛的、観察力、そしてセンス・オブ・ワンダー
創造力。

自然は"spirit of place"という自信を与えてくれる。85
"loose-parts"という遊びがある。86

自然欠乏症対策の効果がもっとも現れるのがADHDなどの学習困難児童。98-
その子どもたちのためにRestorative Environment自然回復環境を準備してやると、効果が高い。

Nature Time is not Leisure Time 120自然時間は余暇時間ではない。自然の中で過ごす時間は必須であり、子どもに対する必要な投資なのだ。

にもかかわらず、わたしたちの社会は「恐怖」で色どられていて、子どもたちが自然体験をするのはとても難しい。9.11以降、その傾向は激化している。
Bogeyman Syndrome124The Blari Witch Projectのように、沼男恐怖症。何が起こるかわからないのに、その恐怖心が実際に起こることをはるかに上回る。

教育そのものが自然へのバリヤーだ。132
Ecophobia133地球環境問題ばかり学んで、すっかりエコロジー恐怖症になっている。

子どもと自然の再会を果たすために、大事なことの一つは「退屈さ」だという。退屈さが創造性のもとであるからだ。166

そしてnational stranger-danger fear の波を打ち勝つには、自然との触れ合いを増やして、子どもたちに自然遊びが培ってくれる力をつけることだという。184
assessing danger 危険予知能力とでもいうようなものは、経験からしか身につかない、と。

fishing, hunting, waving in the ocean, not the internet, ecoschool, camping, などの勧めはお馴染みだ。
そして、日本でも、というか、木村幸一郎さんの活動などで知っているだけだが、都市野生生物ウォッチング。同様の動きをZoopolisと表現している。241
ヨーロッパの都市緑化運動。245
Village Home 249車の乗り入れのない住居空間
Green architect251緑の空間デザイン
Green Urban Design for Kids255空き地の再利用
都市への人口集中傾向から地方や田舎での暮しへの転向。268

足立区の公園での取り組みを思い出すような内容だ。でも、あの時も、来たのは就学前から三年生ぐらいまでだったなあ。だとすれば、親と一緒というのもいいんじゃないか。
10才くらいまでの間に、どれだけ自然の中で遊べるか、だね。
最後は、精神性のための自然の必要性、To Be Amazedの章で著書は終わっている。

そして、2003年10月の南カリフォルニアでの大火事は、著者の家の数ブロックのところまで迫った。ゲリー・スナイダーが言うように、naturaとnasci生きることと再生することと。サンディエゴは正しく灰からの再生・芽生えを見てきたのだ。

これからの方向は変えられるはずだと著者は言う。わたしたち人間の生存に必要なものは何かを考え、そして計画すること。種を播くこと。

著者は最後に、もう大学を卒業した長男と、高校2年の次男が幼かった頃に出かけたキャンプのシーンを回顧する。子どもたちに、親が自然との触れ合いや自然への畏敬、愛の気持ちを伝えることができる期間は短いのだと。10年にも満たない。しかし、その経験はからだ、心丸ごともものであり、彼らの物語りTurtle Talesとして残っていることだろうと。
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by eric-blog | 2006-06-30 12:28 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

「レジ袋」の環境経済政策

137-5(662) 「レジ袋」の環境経済政策
舟木賢徳、リサイクル文化社、2006

1952年生まれで、会社勤めから高校教員、授業でも環境問題など取り上げるうちにはまり、筑波大学の大学院へ。本人いわく、レジ袋なんてマイナーな研究をしていると日本では食えなくなったので、昨年、2005年からシニアボランティアでタイに派遣されているとか。

2007年からレジ袋税が導入されるということだ。
滋賀県を中心として展開している平和堂の3割を除き、スーパーでの買い物袋持参率は、目標の20%にははるかに及ばず、5%前後を低迷している。スーパーとしては、スタンプやポイント制、不要カード、ノーレジ袋デー、マイバスケットなど、さまざまな取り組みをしていてこれなのだから、税金なんてとんでもないと言う。お客の意識改革までがスーパーの責任なのかと。
都民生協はレジ袋5円なので、これまで2-3回しか買ったことがない。けれど、わが家にはレジ袋がたまっている。それは、連合いが「レジ袋をごみ捨てに使うからもらっていい」派だからだ。

さて、舟木さんの調査によると、「レジ袋がゴミ袋として利用できると持参率は半分以下、レジ袋が二倍乱用される」44というではないか。
ゴミ袋一枚あたり、レジ袋その他袋合計7.7枚が平均して捨てられているという。親袋の中に子袋、子袋の中に孫袋、そしてさらにその中の曾孫袋として入っているレジ袋が平均で0.2枚なのである。47

やい参ったか。というと、連合いは、「確かに溜めておいて汚くなったものや使いづらいサイズのものなど、時々は処分したりしているけれど、日常的には台所の流し下のレジ袋入れの量一定の法則を維持しており、問題はない」と、姿勢を変えない。やっぱり、レジ袋全廃、ゴミ袋は別売というような強硬策でもとらない限り、このレジ袋論争は止まりそうにない。

で、そこまでしての削減効果は? 28-29
原油換算で、製品と製造工程を合わせて、55.89万kl (処理にかかるエネルギーは含まず)
総輸入量の0.23%

これからの石油ひっ迫状況を鑑みるに、早急な対策が望ましいのでは? というのが著者の立ち場。

レジ袋の問題点として
・風に飛ばされやすい
・焼却炉で高温になる
・自然に還元されない
・紙製品にしてもエコバランス的には同じ
ということで、買い物袋持参のライフスタイルの確立が必要なのだと。

ここまでのこだわりのもとは、自分自身が長崎の離れ小島で見たレジ袋の風景やテレビ番組で見たクジラのお腹から出てきた50枚ものレジ袋だったという。やっぱり、自然体験は大事だね。

2400円は少々高い気がするけれど、身近なレジ袋調査を生徒たちと実施しようという時には、調査の方法などについてもいろいろなサジェスチョンがもらえる良いネタ本である。

http://www.recycle-bunkasha.com/
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by eric-blog | 2006-06-30 12:28 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

心臓を貫かれて

137-3(660) 心臓を貫かれて 
マイケル・ギルモア、文芸春秋、1996
Shot in the Heart, 1994

村上春樹さんの訳である。1976年、もう10年も死刑が執行されることがなかった米国で、死刑再開第一号となった殺人犯を兄に持つ著者による実話である。

ユタ州に流れるモルモン教の「血の贖い」という感覚が、絞首刑や銃殺刑という死刑の制度を残していること。

モルモン教は1820年代にアメリカで始まった新興キリスト教であるが、迫害の結果、西へ西へと安住の地を開拓しつつ、ユタに行きついたのは1850年頃だという。

幽霊や霊魂などやモルモン教に対する弾圧や弾圧を逃れてきたユタでの外ものの虐殺の歴史など残酷な話しが語り継がれる風土。
定着せず、偽名を使い、州毎に違っている法り眼をかいくぐりつつ生きている夫婦に生まれた4人の子供達。小さい頃からの父親の体罰と制裁。
年が離れて生まれた末っ子である著者にはない記憶。かけ離れた父の印象。

家族から疎まれつつ、しかし、家族の不名誉になる決定的な前科にはつながらないように弁護士だけはつけてもらうという支援の中で、非行から暴行に走り、結局は少年院刑務所と16才からの人生の9年間を拘置され続けてきた兄が、終身刑よりは死刑を選ぶ。
監獄の「quality of life」は堪え難いものなのだ、と。
そして時代の中であまりにも有名になってしまった兄の決断。

暴力が日常であった家族から逃れることばかりを考えてきた著者が、家族のもとに止まり、最後まで母親の面倒を見続けた長兄との対話から再度見つめた家族の物語。

人間と人間の生き方の幅に改めて驚く内容である。

死刑の後、母親が死に、長兄は連絡をたつ。10年を経て、この本の執筆にかかり出した著者が探し当てた長兄は、著者のライターとしての成功を知りながらも連絡しなかったという。「おまえはうまく過去を捨てられたんだ。俺たちののうちの一人は、なんとかうまく抜けだせたんだ。そっとしておいてやらなくちゃいけない。  あいつが家族の絆に縛られていなくちゃならない理由はなにもない」569

果たして、著者が抜けだせたと言えるのはどうのようなことなのか、うまく抜けだせたように思う時もあり、また再びそれと向き合って本を書くというような作業の必要性にかられる時もあり、著者は言う。「生きている者の人生は続くものなのだ」と。
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by eric-blog | 2006-06-29 19:07 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

街のホモ・サピエンス 自己家畜化するヒト

137-2(659) 街のホモ・サピエンス 自己家畜化するヒト
小原秀雄、徳間文庫、1999

1981年に合同出版から出されたものに加筆修正したもの。同著者による『自己家畜化論』については
ペット化する現代人
副書名 自己家畜化論から
著者名 小原 秀雄/著
  羽仁 進/著
叢書名 NHKブックス 1995
などもある。昔、むかし、そのものずばりのタイトルの本を読んだように思うのだが、いま、検索してみると図書館にもないようだ。

著者は人間の特徴として人工生物界、人為生態系を作って、自分で食物環(食物連鎖のつながり)を創った。47ことをあげる。栽培植物と家畜がそれだ。生物は環境に働きかけ、多少なりとも、環境との相互的影響関係によって成り立っているが、人間の場合は、その度合いがはなはだしいということだ。人間自身が人間が作り出した環境の産物であり、作り出された環境の中であたかも家畜やペットのように「飼われている」という。

Last Child in the Woodsを読んでいく時に、ぜひ、このような視点を背景として共有しておきたいと思います。

そのほかにデズモンド・モリス『裸のサル』、嗅覚の退化によって密集生活を可能にしている、E.ホール『かくれた次元』に紹介されたカルハーンの実験、

加筆部分として『奪われし未来』の環境ホルモンの問題。

「飼育されている動物は、見ようによってはよく世話を受けている。しかし、それは「管理されている」のだ。だから「理由なき反抗」に見えるのが、理由があることとなる。」203
「飼育、狭い檻(家)、よい管理(管理社会)の中にいる動物は、高等動物であるほど、...変貌する」204

「科学は現代社会の中で生活している科学者の研究成果である。その科学者の考えは現代社会の中で育成されたものだ。また、研究には機械や金が必要で、それらが科学には社会的条件を加える。一方、研究対象となっている生物は自然の存在であって、研究者のものの見方は、対象の性質に規定される。」242

動物学者である著者は、最後に総合的人間科学を提唱して結びとしている。人間は長い歴史のうえでの産物である。生物として遺伝子にも規定されている。しかし、生物にすぎないというのも極論である。人間の特殊性というのもある。それらをどのように統合するか、その視点が「街」の「ホモサピエンス」というタイトルに凝縮されているのだとする。
グリーンピース時代、動物会議やCITESのNGOフォーラムなどでよくお世話になった方である。来年80歳を迎えられることになる。
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by eric-blog | 2006-06-28 09:51 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

ザ・マインドマップ 脳の力を強化する思考技術

137-1(658) ザ・マインドマップ 脳の力を強化する思考技術
トニー・ブザン、ダイヤモンド社、2005

58-59
放射思考という、中心点から連想的に思考を拡げていくことである。
マインドマップは放射思考を外面化したものであり、人間の思考の次の進化の段階である。

中心イメージ=関心の対象
主要テーマを枝ブランチ状に展開
重要なイメージ、重要なことばに発展させる

色、絵、記号、立体などを使うと、面白さ、個性が加わり、創造力や記憶を助ける。

学ぶことが楽になる。
脳の力を解放する。
95パーセントの人が退屈なノートをとっている。 直線的で、シンボル中心、分析が貧弱。脳の持つ力の3つしか使っていない。

脳が持つ知的技術には次のようなものがある。37
1. 言語
2. 数
3. 論理
4.リズム
5. 色
6. イメージ
7. 空間把握

放射思考はこれらすべてを使う。37

2-3人で練習する。「連想こそが個性」64
頭は使えば使うほど個性的になる。65

・ポジティブに
・模写、模倣して学ぶ
・責任を持つ
・ばかげたことを真剣にやる
・できるだけ美しく作る

明確さ、強調、連想を育むこと。

手と目の連携能力を向上させ、視覚スキルを発達させる理想的な機会。114

きれいな本です。
参加型で伝える12のものの見方・考え方も、マインドマップの発展系ですね。
Tool 8
Step 5
に続いて
12のものの見方改訂版にも挑戦しますかね。あのまとめ方は秀逸だと思うのですが。
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by eric-blog | 2006-06-28 09:08 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

PLTファシリテーター養成講習会

PLTファシリテーター養成講習会(6月24日-25日)報告
田中 利男
【開 催 日 時】2006年6月24日(土)14時~25日(日)16時30分
【開 催 場 所】長居ユースホステル
【参 加 者 数】9名
【講 師】   田中利男(環境共育オフィス、大阪府地球温暖化防止活動推進センター)
【実施プログラム】
一日目

 ①「じっくり観察する」
・ 参加者のみなさんから、会場に来るまでの道のりにあった樹種をあげてもらった。
クスノキとイチョウを選んだ人たちがそれぞれ、室内で選んだ木を描いた後、実際の
木をフィールドに見に行って、じっくりと観察した。
・ 気づいたことを発言してもらった。
  

 ②「木にかかわる思い出」
・ フィールドで車座になってそれぞれの「思い出の木」の思い出に浸ってもらった。
・ どんな思い出だったのかを共有した。
    

 ③「木の年輪」
・ 木の輪切りをグループ毎に渡して、年齢を調べた。
・ 木の成長の記録を年輪から想像してみた。



 ④「私の年輪」
・ 木になってみる。(導入が弱かったと反省・・・目を閉じての言葉掛けなどが必
要)
・ 描いた年輪の上に立ってみる。
・ 木にとって必要な要素を出し合った。<水、太陽、土(養分)>
・ 要素が描かれた紙切れをそれぞれの足元に撒き、ルール説明後開始した
  
水不足や農薬散布などのダメージの要素を入れて解説
人間の活動によるダメージの大きさなど、様々な環境の要因により負荷がかかってい
る。

脚が生えていない樹木に対して愛情を注ぐようになった、「森作り(私がコーディネー
トをさせてもらっている)」に参加していた子どもとの出会いの話などを交えてまとめ
ると良かった、と反省。(実体験に基づきコメントするようにしているのですが・・・)

⑤ 周囲の気温をデジタル温度計で測定
・ 土の上、石の上、木の幹(それぞれ日向、日陰)
・ 緑があると、木があると気持ちいいのは感覚的にはわかる。それを実測し数値化
するとこんなに気温差に違いがあるのか、ということがわかった。
・ 周囲の土の温度と木の温度が一緒だった。

 ⑥「ナチュラルアート」
・ 即興のアートを個人に作成してもらった。
・ 個性が出て楽しめた。

 ⑦「木って食べたことある?」
・ 水ナスと毛馬きゅうり(大阪野菜の浅漬けをつくって持参)を試食
・ 美味しいと好評。
・ 我々は植物(生産者)に依存している。とは言え、日本の食糧自給率40%の現状。
・ 地産地消の重要性とフードマイレージ、地球温暖化の話に繋げた。

⑧ PLTの5つの概念について解説

二日目

◎朝は「アイスブレイク大会」を1時間弱程度行い、気分をリフレッシュさせて、ティー
チバックに向けて気持ちを盛り上げた。
◎以下、グループによるティーチバック
 ①「おしゃべりラベル」
 ②「町の音、森の音」
 ③「葉っぱさがしリレー」


(突然の雨のため、室内のアクティビティを入れた)


           
「ポジティブ・フィードバック」
・ 参加者同士がお互いを木にたとえて称えあい、感謝するワークを振り返りで行っ
た。

【まとめ】
「相互依存」と人間による「環境負荷」そして、「地球温暖化問題」や「省エネルギー
学習」、はたまた「カウンセリングマインド」など、いつもと同様にPLTの範疇から若
干飛び出して、問題提起と各自の課題を明確にする予定でした。
しかし、雨天により、都度予定を変更しながらの実施だったので、流れがうまく作れ
なかったと反省・・・そして、時間管理が弱かったのも反省点です。明確な指示に欠
けていた。「経験を積んでいるから、これくらい分かってもらえるやろ。」という気
持ちがどこかにあったのかも知れません。
 反面、熟達者が多く参加されていたため、いろいろと助けていただきながらすすめ
ることができました。今までの中で一番参加型に近かったのかも知れません。
今回のつながりを大切にして、これから益々自分自身のスキルアップにも努めて行こ
う!と改めて思った講習会でした。
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by eric-blog | 2006-06-27 19:27 | ☆PLTプロジェクト | Comments(0)

バカの壁・ワークシート

バカの壁

・自分が知りたくないことについて自主的に情報を遮断してしまう。
・「わかっている」「知っている」と安易に思う。
・「客観的事実が存在する」と思っている。
・「科学の世界なら絶対があるはず」と思っている。
・一度何かを採択するとそれを頑として変えない。特に官庁
・事実と推論の違いがわからない。
・自分の知っている世界、情報には限界があって、その外側にも世界があるということがわかっていない。
・自分は不変だと思っている。
・自分が所属する共同体から受けている無意識な束縛、枠に気付かない。
・無意識のものはないものだと思っている。
・「共通了解」を文明は進めてきたのに、「個性」を求める。
・個性は「頭」ではなく、からだそのものにあるのに、頭で「個性的であろう」とする。
・頭でわかっていることだけに価値があると思う。

その他、あなたの「壁」は、どこ? 何?
このリストをどう使う? 誰に? 
出典 バカの壁、養老孟司、新潮新書
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by eric-blog | 2006-06-24 16:49 | □レッスンバンク | Comments(0)

スルメを見てイカがわかるか!

136-4(657) スルメを見てイカがわかるか!
養老孟司、茂木健一郎、角川書店、2003

バカの壁、など、このブログでも何冊か紹介しているのではないかと思っていたのですが、『自分の頭と身体で考える』以来二冊目なんですね。前のは甲野さんとの対談。今回のは理学博士との対談。

仙台のシンポジウムの参加者から、わたしの発言に対して、まったく同じことをこの本でも言っていたと聞いて、読んでみようかなと。

ことばは脳が、身の回りに存在するものを自然と獲得する特質によって獲得される。しかし、数学はまた別の約束事をもっており、その約束事にのっかって考えられるかどうかによって「できる」「できない」が決まる。
脳の働きは言葉によって共有されている。11

表題の「スルメからイカがわかるか」というのは、情報やデータ、カルテなどから患者という生身がわかるかという比喩です。15
生物学というのはイカという生きている対象物ををスルメという止まっている対象物にすること。16

数学や哲学が持つ「強制了解」の力を、人間の脳は「共通性を高める」プレッシャーの一つ、学問という領域で第一に活用した。18

自然科学もしかり。強制了解性は権力である。19

リンゴがなぜアナロジーとして出てくるのかよくわかりませんが、レスリーさんのワークショップで出されたリンゴのアナロジーがここでも紹介されています。28

物理法則は人間の脳が作り出したものであり、その人間の脳も、また物理法則にしたがう物質である。47

わたしたち人間は脳から逃れられない。
常に変化しつづける脳。生きている限りずっと学習し続ける。

ま、対談のあたりはすっとばして。
茂木さんの第5章、結論です。

言葉は無意識から発せられる。178
言葉は人間の意識と結びついている。しかし、言葉を磨くためには、意識を通して、無意識にこそ働きかけなければならないのである。178
私たちにできることは、大切な自分の無意識を手入れしてあげることだけである。179

自分の脳に対して、あたかも他人に対するように、よかれと思われる刺激を入力して、あとは脳がそれを編集、整理して何らかの意味に結実させるのを辛抱強く待つことだけなのである。180

ははははは、おもしろい!!!!
脳が健やかに育つ刺激を、心がけたいねえ。自他共に対して。
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by eric-blog | 2006-06-24 07:36 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

心の傷を癒すということ

136-3(656) 心の傷を癒すということ 神戸365日
安克昌、作品社、1996

阪神大震災の直後から、避難所や仮設住宅などに対して心のケアのために訪れたり、またボランティアの精神科医を組織したりしてきた精神科医の記録。

心的外傷

恐怖、日常の崩壊
家族の喪失、愛情依存の対象の喪失
住み慣れた環境や地位、役割からの別離
自分自身のアイデンティティや誇りや所有物の喪失
助けられなかった人々の記憶
自分を助けたために死んでいった人々の記憶

そして、その後に継続的につらなってくる一連の変化

不安、日常の再建と未来への不安
火事場の馬鹿力、災害マニー(躁)、高揚感
高揚感の不在によるうつ

この本を読んでもわからなかったことは、「ことば」の働きだ。

・メディアで流されることばと言葉
・周りの人から流される発せられることば
・自分の頭の中で繰り返すことばと言葉
・自分が人に語ったことば、書いた言葉

再帰的であるという近代のトラウマについて書いていたのは誰だったか。

あれから10年、子どもたちはどう育ったのだろうか。
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by eric-blog | 2006-06-22 10:41 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)

心を生み出す遺伝子

136-2(655) 心を生み出す遺伝子
ゲアリー・マーカス、岩波書店、2005
The Birth of the Mind, How a Tiny Number of Genes Creates the Complexities of Human Thought by Gary Marcus, 2004

大隈典子さん訳のもの。現在自分の取り組んでいる脳生理学がわくわくするほど面白いと思っておられる訳者が、その「面白がっている」ことを伝えるのに格好のものだと思ったという本だ。

著者が、2年間、ニューヨーク大学から休暇をとってこの本の執筆にあたったという、とてもよく練り上げられた遺伝子学についての一般書である。レスリー・コームズのワークショップではないが、いずれの専門家も、狭い分野のことしか研究できない現在にあって、例え遺伝子学という限られた分野のことであっても、自分の研究を離れて、より広い関連諸分野の専門家たちと交流し、対象となる聴衆(audienceの直訳でありながら、元のaudienceが獲得しつつあるより広範な対象を含意するに至っていない訳語だが)についての理解をもつ編者を得、熟考の元に書き上げられなければならないということがよく示されている本だ。

謝辞にサイモン・フィッシャーの名前を見つけて驚愕したのだけれど、Dr. Simon Fisher is a Royal Society Research Fellow and head of the Molecular Neuroscience group at the Wellcome Trust Centre for Human Genetics (WTCHG), University of Oxford, UK. ということで、ワールドスタディーズの著者とは関係なさそうだ。

遺伝学について人々が持っているいくつかの誤解、からハナシは始まる。アクティビティとしては「10の神話」アプローチである。
・遺伝子の不足(エールリッヒ)から考えると、遺伝子が脳を制御するとは考えにくい、にもかかわらずゲノムを「青写真」のように考える
・生まれか育ちかの議論に研究がいつか決着をつけてくれるという期待 「遺伝子は環境がなければ役立たず、生き物は遺伝子がなければ環境に対応できない」9
・遺伝率という統計が示すもの

「我々は学ぶように生まれついている」16
「学習本能は線虫アメフラシにも見られる。連合と馴化」29
ホオジロのナビゲーション・システム、ミツバチの方位システム、コウウチョウの歌学習など。

ヒトのまねる能力の高さと文化の多様性33
新しい単語を覚える才能37
「ほとんどどんな環境でも子どもは文法の基礎を獲得できる。」39
「若いヒトの脳の回復力は、作業をしながら自らを再構成する」51

一遺伝子-一形質ではなく、発生の段階で無数のIF-THENカスケードを繰り返し、近接する遺伝子と調整しあいながら、発現していく。78

経験と遺伝子発現128
記憶形成プロセスにおける遺伝的要素130

ヒトという種に独特なこと  言語   159

言語によらない思考はありえるが、言語が思考にまったく役割を果たさないことは示されない。161
言語は、「頭の中で情報を「復唱」するのを助ける。162
言語は、複雑な概念に単純なとっかかりを与えることによって思考を容易にする。162
「言語システムが、単一の真新しい脳の部分からできていると期待すべきではなく、以前から存在していたさまざまな下位システムを寄せ集めて変化させる、新しい方法によってできている」171

胚の発生に環境が影響する。心と脳を作るレシピは常に環境に敏感。214
遺伝子は、子どもの時期も、大人になってからもずっと共にある。216
遺伝子は、学習を可能にする神経構造の成長をガイドすることによって学習を支えている。217

著者はこれからの遺伝子工学の先行きに疑問をていしつつ筆をおいているが、わたしとしては、ここまでのことがわかっているのに、子どもの脳が育つ時期にどのように環境を整えるのがよいのかについての根本的な改革がなされそうにもないことに驚くばかりである。だって、最後の「遺伝学者、分子生物学者、神経科学者、心理学者、言語学者、そして化学者物理学者さえも、みんなが一緒になって研究する必要があるだろう」って、完璧に無視だし。243
世の中のヒトの考えることは、わからん。
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by eric-blog | 2006-06-22 10:26 | ■週5プロジェクト06 | Comments(0)