カテゴリ:□週5プロジェクト17( 166 )

「生活保護なめんな」ジャンパー事件から考える 絶望から生まれつつある希望

「生活保護なめんな」ジャンパー事件から考える 絶望から生まれつつある希望

生活保護問題対策全国会議、あけび書房、2017

2872冊目


小田原市の職員たちが、「生活保護なめんな」「不正を罰する」などと書かれたジャンパーを着て、窓口対応などを行なっていた問題が、今年の1月に問題になった。


どのような文言が書かれていたかについては、こちらが詳しいが、きっかけとなった2007年の「切りつけ事件」については誤認があるようだ。

http://nariblog.com/seikatsuhogo-namennna/

こちらはちょっと問題視している方。

http://newsyo.jp/?p=7968


切りつけられたら嫌だよね、と同情的なのだが、事件の経緯は「居宅」保護であった人を「無料定額宿泊所」に変えようとしたことが発端。ホームレス扱いにされたのだ。


事件についてはこの本が詳しいし、また、この問題提起を受けての小田原市の対応も含めて一章を割いて詳述している。



検討委員会を設置し、その委員に生活保護利用経験のある人を入れた。


職員の質も問題。


社会福祉法では「社会福祉主事」を置くこと。そしてその人物について「人格高潔、思慮円熟、社会福祉の増進に熱意」のある人となっている。76


にもかかわらず、研修体制すら整っていない。異動年限が短い。


生活保護「マイクロアグレッション」の事例を作りたいなあ。



■ホームページの点検項目(田川英信さんが考えたもの)


a0036168_15362441.jpg

■しおりの点検項目
a0036168_15363224.jpg

a0036168_15364234.jpg



[PR]
by eric-blog | 2017-09-07 10:33 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?

きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?

平山亮、古川雅子、朝日新書、2016

2870冊目


最初、この本を手に取った時、「きょうだい」というので、てっきり障害のある人たちの兄弟姉妹が抱えるリスクのことを書いているのかと思っていた。

ま、副題を見れば、それは勘違いであることは簡単にわかるのだけれど。


兄弟姉妹問題については、ラッキーなことに、今の連れは三人弟妹、わたしも三人姉弟という稀有な組み合わせ。連れはすでに介護も卒業、わたしの方には元気な自立生活者の母のみ。


唯一の心配は、「弟たちが中高年離婚されないか?」だけだ。


これについてわたしは、かなり前から本気で心配していて、母が義妹とソリが合わない時も、「離婚されませんように」とのみ祈っていた。その弟もそろそろ定年が迫っている。アーー、ドキドキする。


だって、嫌でしょ?


中高年男性はただでさえ、一般的に言えば、社会の不機嫌倍増装置、風景暗転化アンファッショナブル物体である。


そんな奴を引き受けたがる奴なんかいないよ。経済的依存を目論む奴以外は。


しかも、「引き受けないといけないかも」とその引き受ける内容から責任感までをリアルに想像するのは「女」ですよ。男はそんなこと、想像もしないに違いない。自分に降りかかるなんて思いもしないだろうし、自分がするとは思いつくことすらないだろう。


ああああああああ。


でも、わたしには優秀な姉がいる。彼女が何とかしてくれるに違いない。いや、しかし、その前に、一にも二にも、離婚されないこと!


一方で、わたしはフェミニストなので、いざ離婚となれば、実弟や義弟の側ではなく、義妹や義弟嫁の側に立つ。やればいいじゃん、不幸になる必要はないよ、と叫ぶようなフェミなのだ。


弟も義弟も経済的には何の問題もない。引きこもりでもない。しかし、この不安感は、いつからだろうか?


女が不幸にならないリスク回避の方法はあるのか?


この本を読んでわかったことは、わたしの不安などは何でもないくらいに、経済的にも社会的にも人間関係的にもリスキーなきょうだいがいるということ。


ひきこもりの成人した子どもについて、それは家族の責任なのか? とこれまでも思っていたけれど、この本を読んで、ますます、家族の責任だけにすることはできないと思った。


生活扶助義務が親ときょうだいまでのレベルに対してはあるらしい。


ま、「経済力のない姉」に不安を感じているのは弟たちの方かもね。


好き勝手に行きてきた姉の面倒を見ろって?

というような圧力が、個人個人の生き方を制約する。それが家族主義だ。


老後の不安に、こんな問題までもついて来るのか。大変だな、この国に生きるのは。


この年まで働いてきて、ランチに入った隣の席の若造に「禁煙でお願いできますか」と頼んだら、「働いているんで」と返されるようなくだらない社会である。お前の倍以上、働いてきたっちゅうんだ。こっちは。


日本のこどもの自己肯定感が低いという調査結果が出たら「グローバル人材育成のためにも対策を」と考えるような社会である。


北朝鮮が脅しにミサイル撃ったら、頭抱える訓練するような国である。

それに乗っかって、防衛省が予算要求を激増させるような国である。

惨事便乗型我田引水エリートたちが跋扈する国である。


さてもさても、破綻が透けて見える未来であるが、高校生たちは、明るいなあ。今日も。91日は、もう二学期の始まりじゃないのに、「自殺しないで」コールの喧しいのにも驚くが、学校行きたくなければ、逃げていいんだよ、って短絡的でびっくりする。根本的な教育問題を考えないのか?


どう見ても、この国、幸せじゃないだろう?


中途半端はやめて、いい加減、個人をベースに制度設計しようよ。



a0036168_11311126.jpg


[PR]
by eric-blog | 2017-09-02 12:47 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

あの人の声は、なぜ伝わるのか 相手の心に届く 揺さぶる「倍音」コミュニケーション術

あの人の声は、なぜ伝わるのか 相手の心に届く 揺さぶる「倍音」コミュニケーション術

中村明一、幻冬舎、2013

2869冊目


尺八奏者が発見した、あの音をずっと続ける呼吸法。「密息」。骨盤を倒すことで腹腔を広く保ち、横隔膜の上下動の幅の自由度を確保して、息を貯めやすくする。


尺八の音の研究から「倍音」の研究に取り組み、整数次倍音と非整数次倍音の違いに思い至り、そこから人の声の質の研究にも踏み込んでいる。


同じ著者による『倍音』については松岡さんの「千夜千冊」に詳しい!

http://1000ya.isis.ne.jp/1492.html


面白い、と思ったのだけれど、うーーん、動画を見て熱が冷めてしまった。中村さんの顔が好みじゃなかったんだよね。


尺八の音? うーーん、わからん。


でも、声の出し方については、参考になりますよ。




[PR]
by eric-blog | 2017-08-31 11:36 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

森の幼稚園 シュテルンバルトがくれた素敵なお話

森の幼稚園 シュテルンバルトがくれた素敵なお話

今泉みね子、合同出版、2003

2868冊目


とある森の幼稚園の様子を小説仕立てで表現したもの。


駐車場に集合して「朝のあいさつ」。

駐車場にはコンテナがあって、よほどひどい嵐の時には中でランチを食べることもできる。

朝集まってくる子どもたちは10人程度。そしてその子どもたちの面倒を見るのは2人の先生。

いでたちは長靴に濡れないようにオーバーズボン。


出かける先は、シュテルンバルト。 星の森 というフィールドの中で、歩いたり、実験したり、発見したり、物語を紡ぎ出したり。


仕掛けは少なく、体験を幅広く。


・りんごを使って流れの速さの実験

・木枠を使って、ゴミの変化の比較、人工物と自然物


フィンランドの教育の時と同じく、見学が殺到しているのだろうなあ。


今泉さんはドイツではガイドブックや理論書などがたくさん出ていると言うけれど、日本ではまだまだかな。

PLTの『幼少期からの環境体験』は役に立つと思うがなあ。

[PR]
by eric-blog | 2017-08-24 15:16 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

「旅する蝶」のように ある原発離散家族の物語

「旅する蝶」のように ある原発離散家族の物語

岩真千、リベルタ出版、2017

2867冊目


あまりにもアタフタとした行動に、小さい子供を抱え、身重の妻をどう守るかという課題を突きつけられた著者の動揺が、かえってひしひしと伝わってくる。


311日の地震、そして原発事故の発生から、放射線被ばくへの懸念、そして発表される企業、行政、専門家などに対する不信。


ガイガーカウンターもない、しっかりとした知識もない、しかし、危険性については聞いてきている。


場所は宇都宮。


米軍関係者で沖縄に在住している義父の誘いに乗る形で、315日、タクシーで成田へ、そして羽田へ。お金がかかっても命には変えられない。残っていた最終便に滑りこむ。


しかし、実母と再婚した義父とが暮らす家は、認知症の祖母を見とるために同居している家。家族のための別室がある訳でもなく、気詰まりな「避難生活」が始まる。


仕事のために宇都宮に戻る著者。後に「それって単なる育児放棄じゃない?」と指摘されるものの、大学でも課題満載。震災で影響を受けている学生たち、一学期をどのような形で開校するのか、などなど、やることは湧いてくる。


自宅の周りの人々はほとんど避難していない。子どもに弁当をもたせただけで白い目で見られるような、放射線に対する無防備さ。



行政が言っていることを信じているわけではない。しかし、みんなが受忍しているのであれば、それは一緒に受忍しようよ、という論理なのだろう。その結果、問題が起こったならば、その時もまた「みんなで一緒に」問題提起したらいいじゃないか。地域の団結はその交渉力のためにあるようなものなのだ。


ということなんだろうなあと、改めてこの本を読んで思った。もし、幼い子どもや妊婦を逃すというのであれば、それはコミュニティの決定としてそうするべきなのだと。


今、ふと思ったが、そんなコミュニティが一つもなかったことが、そのタイプのコミュニティとその長の資質の限界なのだろうなあ。


学童疎開という決定ができなくなった。


本当に、気恥ずかしいぐらい、夫婦喧嘩あり、親戚との断絶あり、罵り合いあり、迷いあり、いじめあり。


著書は、2015年、来年三月から栃木県南部の小さな町に越す決意を妻に告げるところで終わる。


あれほど著者の「避難する」という決定を批判し、育児の全てを彼女に背負わせていることを罵ってきた妻は、沖縄の人間関係に支えられ、乗り越え、明らかに成長しているなあ。すごい人だ。


Weの連載の一つに「取り乱し性風俗アフター」というのがありましたが、それに通じるものを、男性著者が書いたものに感じるのは、とても不思議な感覚だ。



[PR]
by eric-blog | 2017-08-24 14:56 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

日本型ヘイトスピーチとは何か 社会を破壊するレイシズムの登場

日本型ヘイトスピーチとは何か 社会を破壊するレイシズムの登場

梁ヨンソン、影書房、2016

2866冊目


何回も貸し出し延長して、読み続けた。いま、ERICの蔵書も処分しつつあるため、新しく本を買うことは滅多にない。逆に使い捨ての情報本は買うのだが。


とてもしっかりと構成された本。


「日本型」の特徴

他国の人種差別禁止の現状

日本の課題


「日本型」と言っていいのかどうか、他の人種差別も同様のことがあるように思うので、基本は同じ。このような本がしっかり海外でも紹介されていればいいのになあと思う。


基本は、過去の植民地支配と搾取をベースに、暴力的に支配してきた相手を、植民地の宗主国内においても、劣位に見る態度。そのようにして学ばれてきた態度を、今も正当化し、相手からその問題点を指摘されたり、反撃されたりすることが我慢ならない。対等に見ることができない。過去を反省することができない。


日本の場合、政府も同じ病にあるので、相乗効果が加わる。そういうところが「日本型」。反レイシズムのモノサシがない。(しかも、国際社会のモノサシには準拠する気がない。)




まとめるとこんな感じ。


■ヘイトスピーチの酷さ  p.41

「だれにでも見えるひどさ=反人間性・暴力」 嗜虐性、侮蔑性、残酷性、物理的な暴力との一体性、

「見えないひどさ」=レイシズム、民族差別、歴史否定。


■反レイシズムというモノサシ

歴史否定に対するモノサシが弱い。


■レイシズム行為のピラミッド p.57

前田朗編『なぜ、いまヘイトスピーチなのか』などから作成した図。

1. 偏見

2. 偏見による行為

3. 差別包括的な差別禁止法、人種差別撤廃条約が義務付ける規制

4. 暴力   厳罰化、刑事事件対象。

5. 虐殺


■レイシズムはセシクズムを伴う。   p.67


人種という生物学的な発想に支えられているので、「他人種」を根絶やしにすべきという生物学的関係をつくりだす。セクシズムはそのための手段。


■レイシズムと国家  p.74


政治空間、上からの差別扇動。

「暴力を可能にするような社会・政治・制度の条件の下で起きる。」ヴィヴィオルカ『レイシズムの変貌』


■植民地支配における朝鮮人支配の方法  p.92

大量の殺人

植民地支配とは、経済的政治的利益を得るために作られたレイシズムのシステムである。


他国の主権を奪い、領土に組み込み、経済的政治的支配下に置くこと。


1876年、江華島条約という不平等条約を押し付け、絹・綿の市場を開拓し、安い米屋労働力を内地に輸入した。


弾圧による支配。


尹東柱を思い起こす。


3章はこれまでの暴力の事例。


■レイシズムが暴力につながる条件  p.144

1. 直接行動に走る集団

2. 「朝高は怖い」という感情を持つ、虚偽の情報に囚われている層

3. 暴行を傍観する市民のおおく

小沢有作『在日朝鮮人教育論』による分析。


戦後新しく生まれたレイシズム


■在特会型レイシズム暴力  p.178

三つの源流: 「右翼崩れ」の街頭演説などのノウハウ、歴史修正主義から係争課題としての「歴史否定」を、ネット動員という動員ポテンシャルを学んだ。



■反レイシズム政策とのズレ  p.195

「人種差別撤廃条約」-=レイシズムは違法行為である。

ドイツの「過去の克服」、反ナチス規範

米国、奴隷制の歴史、公民権法、エリック・ブライシュ『レイシズム』



■なぜヘイトスピーチは頻発し続けるのか  235

1. 民主主義の脆弱さ、左派政権の不在

2. 市民社会の最低限の平等さえ実現できない企業社会状況

3. 差別を内包する日本型雇用システム


■上からの差別扇動と在日特権攻撃

朝鮮高校の無償化からの排除など、自治体による差別。



[PR]
by eric-blog | 2017-08-23 16:57 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

お菓子放浪記

お菓子放浪記

西村滋、講談社文庫、2005、単行本1976

2865冊目


映画『エクレール・お菓子放浪記』

https://www.youtube.com/watch?v=8XDoKk4YGb0


浮浪児

http://waiwai3.exblog.jp/23142606/


終戦直後、日本でも戦争によって孤児になった子どもたちは悲惨な状況で生きていた。いま、世界で難民化している子どもたちも、同じような境遇にあるのだとしたら、わたしたちの社会は何を学んだのだろうか?


もちろん、国際支援も大切だ。しかし、もっと根源的には家族を奪われないことの方へ、わたしたちは努力すべきなのだ。


武力は戦争を抑止しない。外交努力、民間交流、積極的対話のチャネルを開くこと。そして、そのような努力を支持する市民力を高めるための教育が求められているのだ。ナショナリズムや自民族優越主義、排他主義が国際社会の共生の未来を脅かすことは間違いありません。教育のあり方に、そのようなメッセージが入り込まないようにするだけでなく、積極的な共生の価値観と行動を、わたしたちみんなが習熟していくこと、実践し続けることを、教育的な課題としたいと思います。


そのような戦争孤児の問題だけでなく、様々なことを考えさせられるとても良い自伝的な小説だと思いました。


孤児として刑事に捕まった時、買ってくれた菓子パン二つ。十把一絡げで検挙される頭数の扱いではなく、一人の人として、私にくれた好意の象徴としてのお菓子。


少年は、お菓子に愛を見出す。そして、それを励みに収容施設でも、年に二回のお菓子を楽しみにする。


お菓子を独り占めして食べても幸せではない。

偽物のお菓子をもらっても嬉しくない。


お菓子は人を幸せにするものでなければならないんだ。


そのこだわりが少年の人生を、一つのしっかりとした価値観に導かれたものにしていく。


昨年、2016521日に亡くなった著者。1925年生まれ。我が父と同い歳かあ。


母に言わせれば、まだキャラメルを食べたことがあり、それを懐かしむことができる世代だそうだ。


小説の中でも、だんだんお菓子がなくなり、代用品すらなくなっていく時代が描かれる。


1930年に生まれ、1931年満州事変からの15年戦争と生まれてからずっと戦下を生きた母には、「お菓子」という希望も記憶も、ノスタルジーも、喪失感もなかったのだ。



[PR]
by eric-blog | 2017-08-21 11:02 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

空と風と星と詩 尹東柱

空と風と星と詩

尹東柱、岩波文庫、2012

2864冊目


映画を見た。彼の詩がちりばめられていた。

しかし、シーンがあまりにも速いので、読みきれない。


・序詩  1941/11/20

・自画像 1939/9

・星を数える夜 1941/11/5

・たやすく書かれた詩  1942/6/3

・懺悔録 1942/1/24

・弟の印象画 1938/9/15


恥ずかしい。生きていることの恥ずかしさ。それが胸を打つ。

恥かしくないものなど、いないはずなのに。


映画。

http://movie.walkerplus.com/mv63180/


白黒で撮られた静謐な映画。


NHKの『731部隊の真実』で暴かれた人体実験。

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170813


拘束されたユンと宗も、海水を注射されると言う人体実験を受けている。


供述書に署名しろと迫る警察。強制的に連れてきて、そんな手続きにどんな意味があると問いただすのに対して「文明国だから」と。


罪状はまだしてもいない国家転覆のための試み。やっていないのではなく、成功しなかった、成功させたかったと署名する宗。


宗に引っ張られていただけで、主体的ではなかったことが恥ずかしいと署名を拒否するユン。


日本帝国の欺瞞が、じりじりと突き刺さる。


劣等感と支配欲と。


[PR]
by eric-blog | 2017-08-17 18:02 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

『焼き場に立つ少年』は何処へ ジョー・オダネル撮影『焼き場に立つ少年』調査報告

『焼き場に立つ少年』は何処へ ジョー・オダネル撮影『焼き場に立つ少年』調査報告

吉岡栄二郎、長崎新聞社、2013

2863冊目


ジョー・オダネルは、終戦直後の記録を撮るための従軍カメラマンとして長崎、広島などを訪れている。一方で個人的にカメラを携行しており、その写真は43年間、封印していた。


これではいけないと、写真展を開こうとするが、非国民扱いされる。その物語を聞き書きしたのが

『トランクの中の日本:米従軍カメラマンの非公式記録』

ジョー・オダネル/写真、ジェニファー・オルドリッチ/聞き書き、小学館、1995

Japan 1945:A U.S.Marine’s photographs from Ground Zero、2005

などの写真集だ。


その最も有名な写真が「焼き場に立つ少年」である。


結論を言うと、この少年は特定されなかった。


ベトナムの「走る少女」が見つかったりなどしていることを考えると、この日本で見つからないのは、不思議だ。


この本に収録されているオダネルさんのインタビューでも、この少年のことを気にかけていることがわかる。


ぜひ、写真集の方も見てください。



[PR]
by eric-blog | 2017-08-17 17:09 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

弟の戦争

弟の戦争

ロバート・ウェストール、徳間書店、1995

Gulf1992

2862冊目


作家のできることって、すごいね。猫の視点から戦争を描いてみたり、弟が交信しているイラクのラティーフと言う男の子の目を通して湾岸戦争を描いたり。


とにかくすごいの一言。



[PR]
by eric-blog | 2017-08-17 17:00 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)