カテゴリ:□週5プロジェクト17( 120 )

自閉っ子、こういう風にできてます!

自閉っ子、こういう風にできてます!

ニキ・リンコ、藤家寛子、花風社、2004

2836冊目


その10年後に「自閉っ子、こんな風に生きています」的な続編、続々編が出ている。それなりに、漫画家、エッセイストとしてお二人は生きているようである。よかった、よかった。


身体感覚の違いなど、どう説明されても、わからないとしか言いようがない。

また、言葉をそのままの意味で受け取るとか。「ごはん食べよう」とは米粒のことかと、思ってしまうとか。


昔も、いたんだろうなあ。地域って、変な、というか、外れた人、いたよ。

でも、そんな人も祭りの時には生き生きするとか、釣りに関してはすごいとか、あるいはエヘエヘしていても、和んでいるとか、誰かが面倒見ているとか。


カテゴリーは診断としては必要なのだろうけれど、そのカテゴリーが正解でも内容も思える。ものすごい違いが「自閉症」のカテゴリーの中にもあるんだ。


診断の結果、手立てがあるのであれば、カテゴリーにも意味があるけれど。


って、一応三冊読みましたが、うーーーん、何を分かれと言われているのかなあ、この個別性について。



[PR]
by eric-blog | 2017-07-08 11:03 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界

第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界

伝田光洋、朝日出版社、2007

2835冊目


『皮膚は考える』2005


資生堂のライフサイエンス研究センターの研究員。なるほど。


皮膚はすごいセンサーを持っているできシステムである。

うまく制御が効かなくなることが「老化」72


脳は遍在する。そして、皮膚は第三の脳。

人間では脳と身体で心が作られている。



そのために様々な「超能力」のような現象も説明できると。106


視覚障害者のハチマキをさせると「見えなくなる」という。123


皮膚の不思議が詰まった本である。



[PR]
by eric-blog | 2017-07-07 12:49 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

入門 家族社会学

入門 家族社会学

永田夏来、松本洋人、新泉社、2017

2834冊目


家族の変化の三段階


近代家族成立以前

近代家族、役割分業による「主婦」の成立

ポスト近代、「脱主婦化」


そして、「主婦」を支えた「男性稼ぎ手モデル」と「企業福祉」と「女性の無償労働による福祉の負担」。


しかし、これが揺らいだ時、先進国では、様々な対応があった。


自由主義

社会民主主義

保守主義


女性革命を進めること。女性の就労と断じ平等を公的責任で支援する。228


と、ざっと見てきたが、「家族社会学」がその名前を変える頃、変化が具体的に起こっているような気がする。


教科書にできるようなものとして編集されているのだから、目新しいものがないのは当然か。



[PR]
by eric-blog | 2017-07-07 12:14 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

財政から読みとく日本社会  君たちの未来のために

財政から読みとく日本社会  君たちの未来のために

井手英策、岩波ジュニア新書、2017

2833冊目


この前読んだ本より、絶対に分かりやすかった。


分断社会を終わらせる 「だれもが受益者」という財政戦略

井手英策、古市将人、宮崎雅人、筑摩書房、2016 

http://ericweblog.exblog.jp/23137362/


歴史的に「シーリング」「総量規制」で考えることになった経緯が解説されていて、それを変える大変さが、伝わる。しかし、それを踏まえてもなお、若い次の世代は、財政をどうするかを考えなければならないと、エールを送る。


著者である井手さんは、学者でありながら、覚悟を決めて社会に発信し、動いている人。本当にすごい。


経済は互酬と再分配で成り立っていた。3


人が地域共同体であるコミュニティを離れて都市に移り住んで、貨幣労働を始めた時、仕事を失った人はたちまち貧民に。4


戦争が続いたために軍隊が必要になった。必要が財政を誕生させた。

財政とは公共の経済のこと。みんなが必要だと思うものを満たすもの。


特徴1 小さくて信用されない政府

一般政府は、中央政府、地方政府、社会保障基金からできている。9

この支出のGDPに占める割合と、労働力人口に占める公務員の割合で、政府の大きさがわかる。9


日本は公務員人口が10%以下で少ない。OECD平均で20%、多いところは30%を超えている。10


世界では78%なんて国もある! 雇われていないのは誰なんだろう?

http://tmaita77.blogspot.jp/2016/02/blog-post_28.html


しかし、公式的な数字に、行政法人、公益法人で働いている人が含まれているかどうか、準公務員と言える外郭団体とか。さらにはパートや非常勤はどうなっているのか? 疑問があると指摘するこのブログでも、12%程度ととしている。

https://plaza.rakuten.co.jp/basala/diary/201203070000/



疑問1 なぜ小さな政府を作ってきたのか?


特徴2 社会保障の偏り

社会支出は平均並みだが、高齢者への支出が大きい。13



特徴3 公共投資が大好き

オイルショック以降、先進国では景気高揚のために公共投資を増やした。が、その後景気の持ち直しとともに減らしたのに、日本はそのままさらなる公共投資へ。結果、巨大な財政赤字に。15

バブル崩壊後、長い停滞に。

1990年代後半には他の先進国並みになるが、リーマンショックと311で再び増大。


特徴4 農業人口は多い

特徴5 教育とへの投資が少ない

特徴6 税金は安いのに痛税感は強い。

特徴7 融通がきかない予算  シーリング重視で「何が必要か」を議論しない。


第二章では「総額に気を使う予算」の成り立ちが説明されています。1979年の大蔵省幹部長岡実さんが「伸び率ゼロ」を。「みんなでやれば、納得する」53


3章 少しずつ貧しくなっている日本。

社会保障が高齢者に偏る中、若い世代の収入は減っている。将来への不安。

貯蓄率の低下、


 第4章 公共投資の増加と農業経営の効率化が同時並行。地方に人口を留めた。1970年代に与党支持が7割まで増大。族議員が誕生、コミュニティが支える小さな政府の形。コミュニティ間の対立。利益配分の調整としての議員。


経済成長、勤労国家という前提が崩れている。

みんなの利益を考える社会が求められている。


君たちが考えるんだよ、と語りかけているが、それは簡単なことではないな。





[PR]
by eric-blog | 2017-07-07 11:38 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

男尊女卑という病

男尊女卑という病

片田珠美、幻冬舎新書、2015

2832冊目


今日の授業で「みんなが言っている」というアクティビティで、「カテゴリー」について考えた。


役割社会がきついほど、一人一人を見ること、個性を見ることが少なくなり、人を役割機能で見るようになってしまう。面白い文章としては「男はみんな、女を家事ロボットと見ている」というのが出て、ショックを受けた。というのも、以前、「理想のパートナー」というアクティビティを男女別のグループに分かれて行ったことがあって、その時に、男性のグループが出したのが「美人、料理上手、節約上手、子供好き」などだったのに対して、女性グループが出したのが「やさしい、包容力がある、尊敬できる」などの人格的なことだった。

男性にとってパートナーとは何か、「条件」であることを考えさせられた。


結婚というものがそういうものだと考えられているのだとすれば、それも根深いものがある。


この本は以下のような構成になっている。


・無意識に現れている男尊女卑

・社会意識としての男尊女卑容認

・無意識なのか学習なのか  (教育学者としてはこの対比が意味わからんが)

・そして、精神科医としての処方箋。(これはいいかも)



1章 どんな行動に現れているか?

・「責任者」は男

・男性のお茶だしに対する空気感

・妻を人前でバカにする夫

・週末になると動悸が激しくなる、不安になる妻(これは病的だなあ)

・「女は泣けばいいと思っている」とか「すぐ感情的になる」と小馬鹿にする

・「女の武器」を使うことを仕事の上で強要する上司


第二章 容認する社会心理

・雅子さまバッシング

・女性タレントの不倫騒動

・未婚の母に対する風当たり

・年の差婚に対する「非対称性」

・「女性活用アピール」は男女不平等の現れ

・小渕優子を経済産業省の大臣にした安倍首相の底意地の悪さ

・ママ友世界の「マウンティング」 女の序列の複雑さ、自分ではなく夫の


3章 無意識か学習か?

フロイトの男根コンプレックスからの説明。

理解できないけれど。

男性の男根愛?

男根願望?


わからん。


・自分が優位に立てる女性にしか近づかない男性 自己愛が肥大してしまって女性を見下す これはわかる。でもそれが無意識か学習かは別問題。


・トロフィーワイフは男女共犯


4章 男女平等観の変遷

5章 男女の違いをどう捉えるか

・「女性」役割を受け入れない女性の生きづらさ

・高学歴エリート女性の葛藤

・男性に対する見えない負荷が重くなっている

・喪失に弱い男


6章 男尊女卑のスパイラルに陥らないために

・小馬鹿にし続ける夫

・「男性のプライド」上げ底作戦

・現実を認める

・「私の人生なんだったの」にならないために

・狭い社会をスルーする

・セクハラ問題をこじらせない

いじめとは「自分より弱いものに対して」「継続的に」「相手に苦痛を」与え続けること。


付け込まれる女のタイプ

・自責感が強い

・他人の願望を満たそうとする

・自己肯定感が低い


「こんな」処方箋ではこの病は治りそうにもない。


なんて書き込んでいると、隣に葬式帰りの中年ご夫婦。男性がガムの入れ物を持っていたが、封が空いていない。女性が受け取り、封を切って、中身を取り出し、手渡して、ゴミば自分のバッグに処理している。あはははははは!


なるほど、なかなか治らんなあ。



[PR]
by eric-blog | 2017-07-06 16:06 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

アール・ブリュット アートNIPPON

アール・ブリュット アートNIPPON

保坂健二朗監修、平凡社、2013

2831冊目

日曜美術館で紹介されたしょうぶ学園のヌイ・プロジェクト。衝撃的だった。

http://www.shobu.jp/nui.html

そして、この本でも紹介されているNO-MAは滋賀県近江八幡市にある。

http://www.no-ma.jp

田島征三さんがともに制作活動に関わった信楽青年寮の活動『ふしぎのアーティストたち』

http://www.shigarakikai.or.jp

わたしが驚いた陶器の作品はこちらのものなのか?

著者の一人でもあるはたよしこさんは、絵本作家であるが、「すずかけ作業所」で共同制作を続けている。こちらは兵庫県。

http://www.ichiyou-kai.or.jp

日曜美術館では「アート・ブリュット」自体についての番組もあったんだなあ。

http://iejima.dreamlog.jp/archives/51712397.html

http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2010/0620/index.html

アーティストにとって、どうやって食べていくかが課題だが、キュレーターでもある保坂さんは「支える」ことの大切さをゴッホの例を引きながら語る。155

しかし、わたしはつい最近BSで放送された『炎の人』での印象は、テオが十分な経済的支援をしていたようには見えない。少なくとも家族を養えるだけのものは出していないのだ。それは、画家が求め続けている「愛」を遠ざけるものなのだ。そんな風に満たされない画家の表現を、画商としてのテオは求めたのではないかとすら、映画を見て思った。あの俳優の影の薄さと黒っぽい服装のせいかしら?

ここまでわたしが紹介したアート・ブリュットは障害者施設の入所者によるものなので、「支える」という意味では、彼らは問題を抱えていない。純粋に、自分の心の赴くままに、自分にあった表現手段と出会えれば、その表現を開花させることができるのだ。

三人に一人が詩人を自称するロシア。

芸術家を支えるアーティスト・ベーシック・インカムのような仕組み。156

今は転換点なのかもしれない。

Brutとは生のこと。

ダウン症の人たちの表現は「アート・イマキュレ」無垢なと言われる。

中沢さんは保坂さんとの対談の中でいう。

グローバル資本主義の世界に飼い慣らされることのない私たちを獲得することとプライマルな心の表れとしてのアートは同じもの。141

アトリエ・エレマン・プレザントの出会い。

http://www.element-present.com/html/project.html

「ここには闘争がない」と中沢さんはいう。143

天使と悪魔ですら闘いだと、中沢さんは、言う。

日曜美術館の番組では鹿児島のしょうぶ学園の理事長が、「彼らにとって大切なのは秩序ではなく、矛盾のないこと」なのだと、そこに彼らの表現が、わたしたちの中にあるものを揺さぶる共通点があるのではないかと。

面白い! 闘争とは秩序をめぐる戦いなのだ。

秩序だった世界を「平和」と捉えれば、闘争は終わらない。

草間彌生さんしかり、ニキしかり、山下清しかり、

芸術家の集中力は、常人を逸しているし、逸しているところが表現になっているように思う。

「ありえなさ」の驚き以上にそこには人間としてのプライマルなものに響くものがあるのだ。

病院とアート・ブリュットとのコラボもそのためなのだろう。

健康とは秩序ではなく、矛盾のないこと。どう、この定義?

矛盾のないことというのは外からの判断のこと、ではなく、ね。


[PR]
by eric-blog | 2017-06-30 12:18 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

国のために死ぬのはすばらしい? イスラエルからきたユダヤ人家具作家の平和論

国のために死ぬのはすばらしい? イスラエルからきたユダヤ人家具作家の平和論

ダニー・ネフセタイ、高文研、2016

2830冊目


実は、ダニーと出会ったのは電車の中。彼の被っている帽子があまり素晴らしかったので、話しかけて、それを作ったのがお連れ合いだと聞き、木工工房をやっていると知り、それ以来Facebook友達になった。


最近の彼の講演会活動は目覚しいものがある。


その講演内容をまとめたのがこの本だ。


彼のイスラエルにおける生い立ち、軍隊経験、イスラエルという国では「国のために戦う」ということが教育や社会を通じてどのように刷り込まれていくか。


日本でも、自衛隊の体験入隊や出前授業、銃刀剣が体育の授業に取り入れられるなどの動きがあり、そして、それに対する反対運動が繰り返されている。しかし、自衛隊の海外派遣や改憲の動きと合間って、「自衛隊もあくじゃないし、公務員だし、いいんじゃないの、目くじら立てなくて」という雰囲気も感じる。


しかし、この本を読むと、「国のために戦うことはすばらしい」という刷り込みは、思考停止に陥る危険があることを再認識させられる。


著者の家族は、アウシュヴィッツを生き延びてドイツからイスラエルに移民したユダヤ人。


日本はイスラエルと兵器開発で協力することを約束したが、日本の防衛予算は軍事国家イスラエルの2.5倍もある。188億ドル/498億ドル。

いつの間にか、日本の防衛予算は国家予算の12%にもなっている。158


兵器開発は特に無人機で、だ。


イスラエルは軍事についてドイツからも協力を引き出している。


「ドイツとイスラエルの関係は普通であってはいけない」在独イスラエル大使、2015625

ドイツには永遠に謝罪する立場でいて欲しいのだ。


戦争という手段を絶対に放棄しないイスラエル人 168


ダニーさんがそのあり方に疑問を感じたのが2008年のガザ侵攻だ。そして、日本国内でイスラエルについて講演を始めるようになった。


そして、今、日本の「帰還不能点」についても語っている。




[PR]
by eric-blog | 2017-06-30 11:06 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

ナビラとマララ 「対テロ戦争」に巻き込まれた二人の少女

ナビラとマララ 「対テロ戦争」に巻き込まれた二人の少女

宮田律、講談社、2017

2829冊目


一方はイスラム過激派に襲撃され、重症を負ったが、その後イギリスで治療を受け、国連でスピーチし、ノーベル平和賞も受賞。

一方は、アメリカ軍による無人機攻撃によって祖母や親戚を亡くしたが、その話をアメリカで話しても聞いてくれない。


 著者はこの格差をアメリカ軍が戦っている相手であるか、それともアメリカ軍の攻撃によるかという違いなのだという。わたしもナビラさんが来日した時の学習会に参加したが、ちょっと違う印象を持っている。ナビラさんが攻撃されたことと、ナビラさんの主張は無関係である。しかし、マララさんが攻撃されたことと、マララさんが学校に通い続けて居たという行動やその行動の背景にある主張とは関係がある。だからこそ、マララさん個人が語り、その主張が人を動かすのだ。


それに対してナビラさんは、無人機攻撃というアメリカ軍の無差別殺人の犠牲者の目撃証人でしかない。11歳の彼女には、本人の状況理解も、主張はない。それがわたしが話を聞いた時の印象だ。だから、この本のタイトルにあるような対比にはうなづけないものもありつつ、しかし、わたしにとっては「無人機攻撃」の問題は大きな関心事であるので、ぜひ、ナビラさんの物語は紹介したいのである。


そして、その物語はしっかりと聴かれるべきなのだ。


この本は、とても丁寧に今の中東、そしてインド・パキスタンの状況に至る19世紀ごろからのヨーロッパ、特にイギリス、フランスなどの大国の干渉とその帰結についてまとめられている。かの有名な『アラビアのロレンス』というオスマン帝国とアラブ人の戦いにイギリス人が参加して居たことの意味。そして、レバノンのシリアからの分離など。


日本も大国主義から逃れて「国民国家」を確立しようともがいて居た時期のことだ。


その頃のイギリスって、何? って感じだけど。簡単にまとめることなどできないので、詳細は、本を読んでください。大国主義の惨さと言う印象だけが残る。


そして、近年。そのような介入役はアメリカに席を譲ったのか。


ナビラさんは言う。「わたしたちを攻撃した無人機の弾丸は一発で850万円ほどもする。それだけのお金を教育や病院につぎ込めば、よっぽどこの地域は安定するだろう」と。


ブッシュ政権の時に起こった9.11以降、アメリカ軍は、中東での戦争に地上軍を送り続けた。しかし、その犠牲の大きさに、オバマ政権では地上軍は撤退、無人機攻撃に切り替えた。


無人機攻撃で殺されているのは戦闘員や軍事工場、軍事施設だけではない。多くのシビリアン、一般人が巻き込まれているのだ、ナビラさんの故郷のように。


無人機攻撃をこれ以上拡大させてはならない。それは贅沢な戦争どころの騒ぎではなく、機械やAIが人を殺す時代に道を開いてしまうからだ。戦争は人間の行為の中でも非人間的なものだが、それを脱人間化することの先を誰が知ることができるだろうか?



[PR]
by eric-blog | 2017-06-29 11:58 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

憲法が危ない!

憲法が危ない!

鈴木邦男、祥伝社新書、2017

2828冊目


一水会設立者の一人。日本会議の母体ともなった「生長の家」学生会の書記長としても活躍。右翼として憲法改正運動に長く関わってきたが、その視点から見て、今の「憲法改正」の動きの危うさを指摘している。


現在、生長の家は日本会議に入った元メンバーを教条主義者だと批判している。36 ことは言っておかないとね。


「自由のない自主憲法より
自由のある押し付け憲法のほうがまだいい」

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396114992


いまのネトウヨのおかしさを例えば、

従軍慰安婦の問題について朝日新聞の記者として書いた植村隆さんに対して、攻撃した例を挙げる。


「甚だして人権侵害だが、・・・「オレたちは国のために国賊を伊勢バイしているのだ」と。  24


愛国心が犯罪の動機づけになっている。あるいは正当化の言い訳に使われる。

しかも「日本の公安警察は自称愛国者たちを左翼つぶしのために巧妙に使嗾した節がある。」25


教育基本法にも入れられたが、愛国心を国家が声高にいうと危うい。憲法に入れるなんてもってのほか。  27


評価されるようになってしまう。


愛国心のあるなしで人を攻撃する行為には、人に対する愛がない。28


国民があって、憲法がある。


日の丸は徳川政府軍の軍旗だった。官軍は錦の御旗。38


君が代は平和の歌。39


士気が上がるような歌ではない。試合前には歌いたくない。


小林節さんも憲法に愛国心を入れることに反対。49


靖国神社近くでは、思い上がった愛国者たちが、自分たちの行動を邪魔するやつらは非国民だと言わんばかりの行動を展開する。キモいなあ。


第二章では、憲法が戦争しないという目的のために作られたものであり、それを否定することは、憲法の精神そのものを否定することになる。自衛隊は、軍隊としての進化系なのだから、戻すことはない。

「世界から核兵器をなくす、戦争をなくす、そのために私たちは捨て石になる」ぐらいの覚悟で憲法で宣言しようじゃないか。76


3章では、「家族、家庭」「道徳」まで憲法に入れるな!

いまの天皇に対する政権の態度は無礼極まりない! 憲法でコントロールするなんて。


思想信条の自由が認められている国であり続ける方が、ずっといい。102


憲法に期待しすぎないこと。


愛国者達のおごりが生まれる。異議を唱えることが難しくなる。


寛容性のない社会にしてはならない。191


新しい時代のための憲法をという気概もない。つまらんね。


と、憲法改正に情熱を燃やしていた青年は、長年の熟考から、今は憲法改正ありきでことをすすめるべきではないと、言う。



書評

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396114992


一水会設立者の一人。最近では脱原発などでもよく発言をしていて、一般的な右左の範疇には収まらない思想家である。学生時代は、日本会議の母体ともなった「生長の家」学生会の書記長としても活躍。右翼として憲法改正運動に長く関わってきたが、その視点から見て、今の「憲法改正」の動きの危うさを指摘する。

危うさのポイントは一つだけ。

「自由」のない国なんて、意味ないだろう?と言うことだ。自分たちが「改憲運動」をしてこれたのも、国民の「自由」があるからだ。しかし、いまの改憲は愛国心や家族の規範、道徳を憲法で規定しようとしている。

憲法というお墨付きを得て愛国者達は驕るだろう。いま、まさに靖国神社の前で起こっていることが、全国で起こるようになる。愛国心を邪魔する奴は非国民だと攻撃するのだ。そこには議論はない。

著者は言う。

いまの憲法は戦争しないと言う目的のために作られた。「世界から核兵器をなくす、戦争をなくす、そのために私たちは捨て石になる」ぐらいの覚悟で、新しい時代の憲法で宣言しようではないかと。昔に戻りたいだけの改正に何の意味があるのかと。

さすが、右翼。日本国民としての覚悟と矜持がある。そして、それは憲法で、法律で、ちょっとした文言の言葉で涵養されるようなものではないのだ。

人生をかけて問うてきた人の覚悟と矜持が、法律の文言一つで国民全員に身につくのであれば、それはあまりにも人を馬鹿にした話であるよね。


[PR]
by eric-blog | 2017-06-28 11:07 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より

死体格差 解剖台の上の「声なき声」より

西尾元、双葉社、2017

2827冊目


法医学で行う解剖は四種類。

1. 司法解剖

2. 調査法解剖

3. 監察医解剖

4. 承諾解剖

4の承諾解剖以外は、法的根拠に基づく解剖で、遺族の承諾を必要としない。29


解剖医として20年間勤めてきた著者が見てきた「望ましくない死」から見える日本社会。それがこの本に描かれているものだ。


1章 貧困の死体

カップラーメンばかり食べ続けて肝硬変になっていた死体。

借金取りから逃れるためか床下に隠れていて凍死してしまった死体。

アルコール依存。

路上生活者、独居者。


法医学教室で手がけた20161-8月の症例117例中25例、21.1%が生活保護受給者。生活保護率が1.71%であるのに、だ。19


自殺者が借金を抱えていたと言うことはよくあるが、その金額は500万円程度なのだと言う。39


第二章 孤独の死体

熱中症、脳溢血など、周りに人がいれば、病院に行けば助かっているケースがよくある。


死体は緑色に変わっていく。

死体の匂いは消せない。


精神疾患と事件の距離

「他殺」被害者の23.5%が精神疾患。その加害者の8割以上が親族。62


3章 老いの死体


老老介護の中、認知症の連れ合いに気づかれることなく、亡くなっている死体。

入浴介護中に、溺れ死んでしまったケース。

認知症による徘徊での凍死。



4章 死後の格差

まずは、解剖されるかどうかに地域格差がある。法医学認定医は全国で150人程度。

薬物中毒は、それを疑って解剖しないと見つけにくい。


薬のPTP包装を飲み込んでしまい、それによって傷ついた内臓の感染症?!

などもあるらしい。


司法解剖を大学の法医学教室が行うことの意味は大きいと著者は言う。警察との馴れ合いが起こらないからだ。


死を見つめることが生に貢献している。



[PR]
by eric-blog | 2017-06-25 13:37 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)