カテゴリ:□週5プロジェクト17( 233 )

社会の仕組みがわかる本 子どもにきちんと教えたい!

社会の仕組みがわかる本 子どもにきちんと教えたい!

イデア・ビレッジ、メイツ出版、2003

2952冊目


「子どもに尋ねられて説明できなくて困る」もの69のトピックについてイラスト&図で見開き二ページで説明したもの。


解説の通り、「説明」だけで、だからどうだ、とか、主権者としてどう関わるかなどの項目は全くない。


社会性市民性教育の関連テキストを現在まとめ中。

30冊。北欧の学校教科書も何冊かあったように思う。


テキスト名

00446いっしょに学ぼうー学びかた・教えかたハンドブック Global Education 4-7ファウンテン、スーザンERIC国際理解教育センター

00449わたし、あなた、そしてみんな 人間形成のためのグループ活動ハンドブック ME YOU and OTHERSキャリスター、エリザベス/ティヴィス、オエル/ポープ、バーバラERIC国際理解教育センター

00672地球市民教育のすすめかたーワールド・スタディーズ・ワークブックデイヴィット・ヒックス、ミリアム・スタイナー明石書店

00862喜びの教育 サンコシンセシス教育入門ダイアナ・ホイットモア 手塚郁江訳              春秋社

00867"地球市民を育む学習

Global Teacher, Global Learner""グラハム・パイク、ディヴィッド・セルビー共著

中川喜代子 監修、阿久澤麻理子 訳"明石書店

00889"ホリスティック教育

いのちのつながりを求めて""ジョン・P・ミラー

吉田敦彦.中川吉晴,手塚郁恵訳"春秋社

00953"わたし出会い発見 Part3

人権総合学習プラン集"大阪府同和教育研究協議会 編大阪府同和教育研究協議会

00966"学習:秘められた宝

ユネスコ「21世紀教育国際委員会」報告書"天城 勲 監修ぎょうせい

00967"ナチュラル・ステップ

スウェーデンにおける人と企業の環境教育""カール=ヘンリク・ロベール

市河俊男 訳、レーナ・リンダル協力"新評論

01146考える練習をしようMバーンズ/著 Mウエストン/絵 左京久代/訳晶文社

01163"世の中を変えて生きる -学校・家庭・職場・ボランティアで、身近にできる社会変革の実践マニュアル-

""Bクーバー、Eデイーコン、Cエッサー、Cムーア/著

三国千晶、陣内雄次、高橋明子/訳"嵯峨野書院

01165WHOライフスキル教育プログラム"WHO/編 川端徹朗、西岡伸紀、高石昌弘、石川哲也/監訳

JKYB研究会/訳

"大修館書店

01287新しい開発教育の進め方 -地球市民を育てる現場から開発教育推進セミナー古今書院

0132021世紀の子どもたちに、アウシュビッツをいかに教えるか?"ジャン=F・フォルジュ/著

高橋武智/訳 高橋哲哉/解説"作品社

01577"子どものためのライフスタイル

考える練習をしよう"マリリン・バーンズ晶文社

01698"カリキュラムの批評

公共性の再構築へ"佐藤学世識書房

01702NGO/NPO キャンペーンハンドブック福田紀子、中本啓子/編未来のための教育推進協議会

01726メディア・リテラシー 入門編鈴木みどり/編リベルダ出版

02291持続可能な未来のための学習 "ユネスコ

阿部治、野田研一/監訳"立教大学出版会

02321図解 フィンランド・メソッド入門北川達夫、フィンランドメソッド普及会経済界

02596young citizens (写真とのセット)Save the Children

02597Participation Spice It Up!Save the Children

02610わたし・出会い・発見 vol.7 子どもとつくるキャリア教育大阪府人権教育研究協議会

02624チョコレートから世界が見える 人権を基盤にしたESD教材集ヒューライツ大阪

02696フィンランドの高等教育 ESDへの挑戦 持続可能な社会のためにフィンランド教育省明石書店

02761エネルギーと私たちの社会 デンマークに学ぶ成熟社会ヨアン・S・ノルゴー、他新評論

02800平和の文化 8つのキーワード平和の文化をきずく会平和文化

02841テキストブック わたしたちと法Center for Civic Education 公民教育センター現代人文社

未登録幸せの教育学


ERIC所蔵図書以外


北区図書館学校における対話とコミュニティの形成

http://ericweblog.exblog.jp/238017868/


北区図書館社会の仕組みがわかる本


あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書
アーネ・リンドクウィスト、ヤン・ウェステル、新評論、1997

http://ericweblog.exblog.jp/6697673/


"スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか 単行本 2016/12/9ヨーラン スバネリッド"


デンマーク国民をつくった歴史教科書
ニコリーネ・マリーイ・ヘルムス、彩流社、2013

http://ericweblog.exblog.jp/18884720/

デンマークの歴史教科書:古代から現代の国際社会まで

著者等   イェンス・オーイェ・ポールセン/著 2013




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by eric-blog | 2017-11-30 10:45 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

天上の葦

天上の葦

太田愛、角川書店、2017

2951冊目


『国益 ナショナルインタレスト』というテレビ番組を製作している立住。その内容を公にされたくない公安警察が動く。児童ポルノ所持疑惑で、逮捕される。


その捜査に関わった警察官が、証拠偽造に疑いを抱き、内部告発をしようとする。


戦中派のメディア王、医師、故郷に帰った物の三者は戦争中につながりがあり、それぞれが動き出す。


立住の疑惑を晴らすために動く興信所の男、鑓水。そして、彼が動かしていくメディアの中の仲間たち。


追っ手が迫る瀬戸内海の島。島の祭りを妨害した追っ手たちに、島人立ちが巧妙に罠を仕掛けていく。


東京に戻った彼らはネットを通じて情報を流し始める。


しかし、握りつぶし工作が進む。風前の灯火。鑓水は賭けに出る。


戦中に、情報操作に関わった戦中派の思い。「火は大きくなったら消し止めることはできない。」


渋谷の街にゴンドラがあった頃。その空を見上げる彼らの思い。この平和を維持したい。


メディア操作の時代に警鐘を鳴らすストーリー。面白い。



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by eric-blog | 2017-11-29 12:21 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

「被害者問題」からみた死刑

「被害者問題」からみた死刑

イワン・シモノヴィッチ、United Nations Human Rights Office of the High Commissioner, 菊田幸一監訳、日本評論社、2017

2950冊目



犯罪被害者週間 1125日から121日まで。

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/09/22/12.html

法テラス

http://www.houterasu.or.jp/higaishashien/page00_00016.html

警察庁

http://www.npa.go.jp/hanzaihigai/joho/week/week.html


平成1712月に成立した「犯罪被害者等基本法」の前一週間が啓発習慣として位置付けられた。


それが「被害者」の考え方である。日本では。


同様に思って、この国連の報告を手にとって驚愕した。パンギムン氏による序文は「21世紀に死刑の場所はない」と始まっている。

そもそも「被害者」とは誰なのかの議論から序論は始まる。


なんという認識の食い違いか。大丈夫か? 日本。最近、いろいろな場面で感じることだけれど。


被害者とは誰か?

・犯罪被害者

・犯罪被害者の遺族

・死刑が及ぼす影響

・冤罪被害者

・特別な保護を必要とする人々に死刑を適用することは彼らを被害者にする。

・故意による殺人以外の理由で有罪とされた人々は死刑の被害者

・法の適正な手続きによって、被告人としての権利の保護を受けなかった人。

・死刑囚として収監されている間に

・死刑判決を受けた人の家族

・死刑執行に至る法的手続きに関わる人々

・死刑が執行されるまでの間時間を共に過ごした人々、執行に立会い携わる人々


死刑の執行は、これらすべての被害者を「敗者」にしてしまうのだ。



日本の啓発活動は、なんだか被害者の範囲を狭くすることで、「行動」がわかりやすいように見えるが、実のところ、考えを狭め、考えることなく行動する傾向を助長するのではないかと思えてしまう。「キャンペーン」と銘打たれていることもそうだ。


犯罪被害者に焦点を当てることは死刑廃止につながる道なのだとこの報告書は言う。



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by eric-blog | 2017-11-27 13:26 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

これならできる! 楽しい読書活動 アニマシオン、ビブリオバトル、ブックトークなど気軽に実践するための事例集

これならできる! 楽しい読書活動 アニマシオン、ビブリオバトル、ブックトークなど気軽に実践するための事例集

吉田和夫・稲井達也編、学事出版、2015

2949冊目


どの教科でも、活用できる読書活動。


  1. 1.新学期に教科書を前年のものと比べて、三つ以上、違いを上げさせる。これからの学習にワクワク感。
  2. 2.朝読書 1988年船橋学園女子高等学校から始まった。
  3. 3.理科で絵本づくり
  4. 4.図書館ノートで辞典、年鑑、百科事典の活用に親しむ。
  5. 5.グループで討議しながら読む「クリティカル・リーディング」
    1. ()自分だったらどうするか
    2. ()なぜそういう行動行為をしたのか
    3. ()この終わり方でいいのか
    4. ()物語の続きを考える
    5. 6.社会科のアニマシオン 絵本『ヘンリー・ブラウンの誕生日』を使って奴隷貿易について
    6. 7.みんなで本屋さん 学級文庫の本を紹介し合う
    7. 8.地域図書館が主催、二校対抗方式のビブリオバトル
    8. 9.全校書評座談会
    9. 10.新聞を活用 NIE読書活動
    10. 11.ブッククラブ 大学でもできる





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by eric-blog | 2017-11-27 11:41 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

坂本龍一語彙

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坂本龍一さんについての映画や本がぞろぞろ、である。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171122-00010003-jisin-ent


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by eric-blog | 2017-11-27 11:00 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

読書で遊ぼうアニマシオン 本が大好きになる25のゲーム

読書で遊ぼうアニマシオン 本が大好きになる25のゲーム

モンセラット・サルト、柏書房、1997

2948冊目


スペインで著者が始めた読書を楽しくする活動。


言語はどこまで行っても抽象的なものであることに変わりはない。それが「鉛筆」というような言葉であってもである。


読書という言葉による活動を、ではどのようにリアルなものにできるか? その工夫がアニマシオンである。


理解し、楽しみ、深く考える。ことを目標に考えられた活動が25


作戦1 「ダウトを探せ」アニメーターの読み間違いを子どもが言い当てる

作戦2 「これ、誰のもの?」持ち物の絵を見て登場人物を当てる

作戦3 「いつ? どこで?」時間と場所についての質問に答える

作戦4 「おもしろ言葉遊び」作家が創った言葉を見つけて意味を連想する

作戦5 「この人いたかな?いなかったかな?」物語に出てきた人物と登場場面を見つけるゲーム

作戦6 「本を囲んでワイワイ話そう!」本を読んで感じたことを元に考えを述べ合う

作戦7 「名探偵は私だ!」探偵気分で登場人物を分析する

作戦8 「わりこみはアウト!」段落内に紛れ込んだ異質な文章を見つける

作戦9 「そのカード、誰のこと?」登場人物の特徴から人物名を当てる

作戦10 「まちがいセンサー」他の人の間違いを発見し、その場で指摘する

作戦11 「僕のタイトル、世界一!」読んだ本に新たにタイトルをつける

作戦12 「物語バラバラ事件」順不同になった文章をもとどおりに並べ替える

作戦13 「変装文を見破れ」本から抜き出した文章の変更に気づく

作戦14 「語り芸人コンテスト」役を演じ分けて大きな声で読み上げる語り手のコンテスト

作戦15 「クイズで決闘だ!」 2チームに分かれて、本から問題を出し合って競う

作戦16 「やっと会えたね」見出しを見て、それがどの章のものか思い出す。

作戦17 「本のかけらが語り出す」本から抜き出した文章からその場面や中心人物を思い出す

作戦18 「本の植木屋さん」三つのあらすじの中から本物のあらすじを選ぶ

作戦19 「インベーダーをさがせ」抜き出した段落に侵入した物語の筋に反する言葉や文を見つける

作戦20 「狂言回しは誰?」登場人物の中から狂言回しをさがすクイズ

作戦21 「視点を変えてみたら」本は様々な視点から読めるということに気づく

作戦22 「クイズ その脇役は誰でしょう?」本から抜き出したひとつの文をヒントに脇役の名前と人物像を探る

作戦23 「カット!カット! カット!」意味を変えないで文章を短くする

作戦24 「今日から書評家。エッヘン!」 客観的に本を評価する

作戦25 「史上最大のクイズ作戦」チームに分かれ、本に関する問題を出し合う大人数のゲーム大会


作戦ごとの参考図書リストが巻末にまとめられているのがとてもいい。


作戦4 なんてのは、ねぇ?

  • λふしぎの国のアリス
  • λマザーグースの歌
  • λもりのへなそうる


作戦14

  • λやかましむらのこどものひ 6人の子どもが出てくる話
  • λ六人男、世界をのし歩く グリム


作戦20

  • λドン・キホーテ
  • λシャーロックホームズの冒険


■アニマシオンの実践に役立つ本はこれかな?

写真がたくさん。


『子どもが必ず本好きになる16の方法』有元ひでふみ、合同出版、2006

読書を個人作業ではなく、コミュニケーションの力と場にする。

スペインで行われている75の方法の中から、日本に会う16を選んだもの。


1. ダウト

2. これ誰のもの?

3. これ誰のもの? 実物と役割演技を加える

4. 聞いたことをからだで表現 登場人物を選んでその役で

5. クイズ

6. この文章はどこにあった?

7. これはどこに出てきたかな?

8. タイトルをつけよう

9. みんなで話そう

10. ダウト

11. ディペート 役割になって気持ちを述べる、青鬼、赤鬼など。

12. クイズ

13. 俳句 上の句、下の句 合わせなど

14. どの詩が一番好き?

15. 詩の音読

16. 詩合わせ 「抜いた文章」「抜かれた文章」のカードを作る




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by eric-blog | 2017-11-25 15:04 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

調査されるという迷惑 フィールドに出る前に読んでおく本

調査されるという迷惑 フィールドに出る前に読んでおく本

宮本常一、安渓遊地、2008

2947冊目


宮本常一さんの本は「調査地被害」(1972年、朝日新聞社『朝日講座 探検と冒険』)20ページほどのものだが、この本の第一章に再録されている。(p.13-p.34)


1. フィールド・ワーカーの心がけ:迷惑かけず、出しゃばらず、喜びを共に。お返しする気持ちで。

2. 人文科学が尋問科学に: 調査する側の方が偉いという錯覚。何回も同じことを聞かれるので、紋切り型が準備される。

3. 偏見理論による歪み。大内宿の事例。村人の努力を「貧しさ」と紹介。理屈を持ち込むが、実現の手続きは示さない。

4. 「調査をしてやる」という意識 地元を案内してくれる人がいないと、調査などできない。奈良吉野山の岸田日出男さんなど。

5. 略奪調査の実態

・古文書を借りて、借用書を出さない。返さない。

・ものもしかり。返さない。

・植物、鉱物、石造物の泥棒


「調査というものは地元のためにはならないで、かえって中央の力を少しずつ強めて行く作用をしている」34


第二章は安渓さんによる「される側の声」の聞き書き。


宮本さんの調査地被害を裏付ける話が紹介されている。

さらに

「いや、それはどうでもいいので、質問に答えなさい」のような物言い。

神職を「情報提供者」としてしか見ない。そのために「徳」が削がれるきがすると。「知らないうちに蝕まれたものが、私たちの心の中にできている。」45



第三章 地元の言葉

・知らないところで公表される

・拒否しても活字化される

・褒めて書かれても、その結果が良いことばかりとは限らない。

・抗議しても誠意ある対応が望めない。

・あなたのことかも?


そして、フィールド・ワークのエピソード満載の後半。






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by eric-blog | 2017-11-25 14:01 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

学校における対話とコミュニティの形成 コールバーグのジャスト・コミュニティ

学校における対話とコミュニティの形成 コールバーグのジャスト・コミュニティ

荒木寿友、三省堂、2013

2946冊目


コールバーグが、ものすごい多作な研究者であることはこの本の23ページにもわたる引用参考文献を見ればわかる。そして、「被引用度」の高さの証明でもある。


にもかかわらず、図書館にあったのはこの本だけ。なぜなのだろう?


コールバーグの価値観の発達段階は知っていた。1985年、ちょうど私が大学院を修了した頃の出版であり、流行であるのだ。しかし、これまで紹介したことがなかった。出版されている本が、今や手に入りにくいからだ。


今回、Rafe Esquithの教育実践の中で、この倫理的発達の6段階がとても重要な役割を果たしているので、紹介しておきたいと思った。


わたし自身、「原則」によって成長を促すことはとても大切だと思っている。そして、「繰り返し」その原則に従って、実践を点検し続けることが成長の伴奏者には必須だと思っている。そして、Rafeはそれをやるのだ。しつこくしつこく。どのスピーチを聞いても全く同じことを彼は言うのだ。

http://ericweblog.exblog.jp/238002747/


この本自体はコールバーグの理論とその実践を研究したものであり、コールバーグだけに焦点を当てているわけではない。


その上で、「価値観の発達」にまつわる様々をまとめておきたいと思う。


1. 品性教育の衰退と復興

品性教育とはCharacter Educationであり、アメリカにおける道徳教育のルーツだと庁舎は言う。

19世紀から20世紀にかけて、産業革命と大都市における貧困格差の拡大から、「共通の価値体系」の共有が社会的に要請されるに至った。


1917年のハッチンスの徳目リストはこのようなものだ。「正しい生活の十の法則」

・自己統制

・健康

・思いやり

・スポーツマンシップ

・自己信頼

・義務

・確実性

・誠実

・正しい労働精神

・チームワーク

これらの価値を子どもに内面化させる品性教育もあった。


しかし、第二次世界大戦後、アメリカの道徳教育は注目されなくなった。科学教育が取って代わった。労働者に必要になったのは科学的リテラシーになったのだ。


品性教育の衰退の原因を著者は以下のようにまとめている。28

・パーソナリズムの高揚、主体性、自律、自由、価値の相対化

・公立学校での宗教教育の禁止、1964

・道徳への無関心


また、家族構成の変化、伝統への疑念・不参加、権利の過剰なども指摘されている。


そのような中で、1996年から1997年にかけて、クリントン大統領が教育の優先課題に子どもの品性教育を上げるに至る。30


品性教育が復興する一方で、「価値明確化」教育も始まる。「価値は個人的な事柄」と言う考えを堅持しつつ、子どもの主体的な道徳的判断力を高めることを目指すものだ。35


Rafeの指導法はまさしくこれに当たる。第6段階では、個人の内発的な価値観に従って行動すると言う段階だが、それが何であれ、彼はそれを尊重するよと、彼は子供達に繰り返し繰り返し、伝えている。


ラスらがまとめた価値明確化の過程は7つの基準を求める。36

  1. 1.自由に選択すること
  2. 2.複数の選択肢の中から選択すること
  3. 3.各々の選択肢の結果についての十分な考慮のあとで選択すること
  4. 4.尊重し大切にすること
  5. 5.肯定すること
  6. 6.選択に基づいて行為すること
  7. 7.繰り返すこと


それに対して疑問を呈する人は、子どもたちが「相対主義者」になるだけであることを懸念している。彼らの価値観はこの社会の中で生きるのに、賢明なものになるのだろうか?と。42


発達段階別の判断の根拠の違いも考慮されるべきだとコールバーグも批判。


そこでコールバーグが取り組んだのが「仮設ジレンマ授業」である。56


そのジレンマ解消に「正義」と言う共通の価値観がなければ、相対主義にジレンマの検討そのものも陥ってしまうと言うのだ。


それがコールバーグが主張した「ジャスト・コミュニティ」と言う実践である。


これ以降のページはそのコミュニティの方法論、対話のあり方など。


一つだけ、コールバーグの主張を引用して紹介しておく。85


道徳判断と行為に最も影響を与える雰囲気の要素

  1. 1.正義すなわち公平さに焦点を当てた自由な討論が行われること。
  2. 2.異なった考え方と、高い段階の推論の提示による認知的葛藤がここのせいに生じること。
  3. 3.規則の作成への全員の平等的参加が認められ、それに伴う力と責任が学べること。


学校における隠れたカリキュラム「群衆、賞賛、権力」をコールバーグは「自由、平等、参加、個人の尊重」の課題としてとらえ直したのだ。集団の持つ道徳的な成長を促す力もあるのだ。民主主義とは道徳性の発達のための手段として機能する。


ここで再びRafeを思い起こす。教員がすごいのではない。しかし、そこに教員が介在することで、大人が知っていることを子どもに示すことができる。

教員はどのようなカタリスト、触媒になり得るのか?



終章で著者は「現代の学校の荒れとジャスト・コミュニティ」を関連づける。

いじめ、自殺などは道徳教育だけでは対応できないと。

「個々の正義を保ちながら、他者との密接な人間関係、すなわちケアの関係を形成しつつ、学校コミュニティを構築して行くと言う、席次、ケア、コミュニティの三者の調和的な取り組み」が課題だと言う。


個性を尊重されることを約束された個人の集まりが、一つのコミュニティとなって行くのがジャスト・コミュニティ実践である。



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by eric-blog | 2017-11-25 12:23 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

水俣から福島へ 公害の経験を共有する シリーズここで生きる

水俣から福島へ 公害の経験を共有する シリーズここで生きる

山田真、岩波書店、2014

2945冊目


2011年以降「放射能から子どもたちを守る全国小児科医ネットワーク」代表。

って、自分の本の奥付で団体名間違ってどうする。

子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク

http://kokokara-hp.org/programs/kodomokenko/doctors


水俣病患者のチッソ本社交渉の時に、ハンガーストライキのドクターストップを判定するボランティア医師として同行。診療後も彼らの姿に押されて支援に。


あとがきに言う。


福島第一原発では放射線を浴びながら作業している労働者がおり、不安の中で住み続けている市民がいるのに、政府は収束宣言を出した。


(だったら、IAEAの「収束後」基準を守れよ、とわたしは思う。)


福島と同じような風景を過去に何度も見てきた。199

被害者を切り捨て、その事件を忘れてしまうことを繰り返しながら生き延びてきた。


これ以上繰り返せば、完全な破局が訪れる。


著者が自らの経験として書いているのは、

・森永ヒ素ミルク中毒

・水俣病

・広島長崎の原爆

・ビキニ海域水爆実験

・福島第一


2011年以降の福島の風景は、1971年に訪れた水俣湾の美しさを思い起こさせる。vi


そして、この本と時を同じくして出版されたのが、これだ。

『イタイイタイ病とフクシマ これまでの百年とこれからの百年』

100年以上前に被害が起こっていたという三井金属鉱業神岡鉱業所。1911年明治44年頃から岐阜県の鉱業所からの排水で、富山県の神通川流域の住民が被害を受けてきた。2013年にようやく結着。


これまで行われてきた無数の棄地と棄民が行われてきた。201


『谷中村』を訳しているが、最近、訳した部分も、日本社会の支離滅裂を表している。一方で銅山からの鉱害対策に金を出しながら、古河氏に森林を安く下げ渡すことに政治家が奔走している。この厚顔無恥な損益相反する行為が、いまにも続いていることを痛感している。


10章より

" The Government declared that it regretted the ignorance of the damage therefore would spend 8 million yen to dig the river beds, to restore the banks, to plant seedlings and so on. Then why is this? They are practically destroying the mountains and rivers publicly. Look! They spend 6.5 million yen to restore the river banks, while on the other hand at the Tone Public Forest in Gumma Prefecture they sold out 4000 hectors of t hick forest to Mr. Furukawa at such a low price as low as 4000yen! This sell-out was successful through the efforts of all the politicians of Gumma, National and Prefectural, for the benefits of the Miner Furukawa. Why?

What the results of this sell-out the public forests and clear-cutting them is something the Government has had learned for long, is it not? And that's exactly why they are spending millions of yen for the remedy, is it not? And these politicians are the ones when the floods reached as far as to Tokyo, out of the fear of outbreak of the mine pollutions to the public, asked the Government spend this money, are they not? Their acts of helping Mr. Furukawa is that of a person who's never know his guilt, misbehavior nor shamefull acts and never be sorry. I would think that there are more than killing a small village, unconsciously, behind this. "



まえがきで著者は言う。「空襲被害者に対しての補償はゼロ」


「棄民を生み出す国家の論理」直野章子『世界』20139月号

遺族による訴訟に対して国家は「受忍論」によって切り捨てられた。1968年。vii

戦中のことではない。戦後に生み出された論理なのだと直野は言う。シベリア抑留者もそうだ。大阪空襲訴訟もそうだ。


水俣病の窒素は1906年に野口遵が鹿児島県川内川に水力発電所を作ったことに始まる。

・国策企業として守られ

・被害隠しを行い

・原因を迷走させ

・認定と補償を渋り

・無理やり収束させる。


この図式がフクシマも同じだ。谷中村もだ。


そして、あたかも「人体実験」のように、人の命が棄てられていく。


著者は「最果ての二人」を引きながら、知らないと言うことを語る。


『原発は滅びゆく恐竜である』

「東電ほど陰湿で官僚体質の強い会社はない」 89


そして、第五福竜丸については、アーサー・ビナードさんのお話が生々しい。

http://ericweblog.exblog.jp/237757817/

195431日。被爆。


そして、フクシマ。


195回国会20171120日の本会議で、岸田文雄外務大臣は、自民党としての代表質問で、「いまだに風評被害に苦しむ福島」と表現する。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=47579&media_type=fp

虚偽もなんども繰り返されるうちに、刷り込まれていってしまう。当事者にも、外部にも。そして、今の日本社会は、権力者の言説以外の物言いを許さない国になっているのだ。


現地に行き、線量を測っている著者は言う。とてもまだらなのだと。福島市が0.2マイクロシーベルトなどとは到底表現できるようなものではないと。150


不安を口にする人は糾弾される。


健康相談の窓口を開設した著者らは暗澹たる気持ちにならざるを得なかったと言う。154


さらには「子ども被災者支援法」ですら、被災者が望むものは何一つ実現されていないと言うのだ。権力のための法律はすぐに運用され、市民のための法律は空文化される。156


そして健康被害。

放射線による健康障害の実態を知るには大規模な疫学調査が必須。193


しかし、国は「甲状腺癌」だけの押さえ込みに必死だ。


歴史は繰り返す。この国においては、多分、これからも。そして、次の被害者は、あなたかもしれないのに?


人道支援の国。人間の安全保障という緒方貞子さんらが提唱した国際的な原則を貫ける国になりたいものだ。






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by eric-blog | 2017-11-24 13:27 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

僕らは物語探偵団 まなび・わくわくアニマシォン

僕らは物語探偵団 まなび・わくわくアニマシォン

岩辺泰吏、柏書房、1999

2944冊目


アニマシオンとは英語のアニメーションと同じ意味のラテン語です。フランスではアニマドーレという「社会・教育・文化の活性化に当たる専門職員」として活躍しているという。1970年から。探究的な美術との向き合い方。


モンセラット・サルト『読書で遊ぼうアニマシオン』


25のゲームが紹介されていて、それを実践してみた。


選んだ本は

・アナトール工場へ行く

・大砲の中のアヒル

・わすれられないおくりもの

・オバケちゃん

・セロ弾きのゴーシュ

・スズメ帽子

・十五少年漂流記

・エルマーの冒険


25のゲームは紹介されていないが、タイトルから整理してみる。

  1. 1.ダウトを探せ
  2. 2.そのカード、誰のこと
  3. 3.名探偵は私だ
  4. 4.物語バラバラ事件
  5. 5.ぼくのタイトル世界一
  6. 6.今日から書評家、えっへん。
  7. 7.これ、誰のもの?
  8. 8.まちがいセンサー円陣ダウト
  9. 9.クイズ大作戦
  10. 10.この人いたかな?
  11. 11.おもしろことば遊び
  12. 12.第三代大統領を選ぼう
  13. 13.授業大変身
  14. 14.このお話どんな話
  15. 15.ぼくたちはぼうけん作家
  16. 16.語り部コンテスト


タイトルからだけでも、どんなことをするのか想像ができる。


アニマシオンの本はたくさん出ているけれど、どの本を見れば、25のアクティビティが一覧できるのかなあ。



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by eric-blog | 2017-11-23 15:47 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)