カテゴリ:□週5プロジェクト17( 166 )

顔ニモマケズ どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語

顔ニモマケズ どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語

水野敬也、文響社、2017

2802冊目


NHK「見た目の悩み」

http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=115

その時に予約したもの。


この本の著者本人は「醜形恐怖」という、自分自身の顔が気になって、行動がそれ中心になってしまうという体験をしている。その時NPO「マイフェイス・マイスタイル」に出会い、見た目問題があることを知る。



ユニークフェイスとは、見た目によるチャレンジのある人生。そのチャレンジを超えてきた人たちの姿が、ここにある。


超えられなかった人もいるだろうなあ。今も悩み続けている人もいるだろうな。簡単に、「ほら、だから大丈夫だろ」とか、「頑張って」とか言える問題でもない。


だって、一人一人が答えを見つけなきゃならないことだから。だから「ユニーク」。その答えを見つけようとする道に、その人らしさがある。


全国版にならなくてもいい。家族や職場があればいい。


「人」が生きるってグローバルでも、ユニバーサルでもないんだなということをしみじみと思う。


番組で印象に残っていた河除静香さん。お子さんは「かわいい」と言ってくれると。一人芝居にも取り組んでいる。


河除さん、こちらでも紹介されている。

http://blog.canpan.info/diversityt/archive/178

この顔に生まれて ~人生の“華”咲かせる一人芝居~

201626日(土) 午前11:30~午前11:5424分)



もう一つ、NHKの番組で「ユニークフェイス」というのがあった。

http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/summary/2015-07/13.html


番組で取り上げられていたのは「ユニークフェイス」の活動をしてきた石井さん。


もう「顔面」問題だけで、活動することへの動機付けがなくなったくらい、自分として生きている、って感じ?


■顔面漂流記

http://ericweblog.exblog.jp/7623928/

■顔にあざのある女性たち 「問題体験の語り」の社会学

http://ericweblog.exblog.jp/9674250/


与えられた条件を引き受けて生きる。そのことが目に見えやすい人と、そうでない人がいる。


最近、自閉症についての面白い研究があったので、それも次に紹介したい。


あなたは、何を引き受けていますか?



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by eric-blog | 2017-06-01 08:33 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

キッチハイク

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2017年5月29日 東京新聞

キッチハイク! 突撃! 世界の晩ごはん

山本雅也、集英社、2017

2801冊目


面白い!

https://kitchhike.com


でも、すでに、有料なんだねぇ。この本で紹介されているビジットも、有償でお願いしたのかなあ。


面白いのはやはり市場から一緒に巡ること。わかるわあ。旅先での市場って、とっても興味深いんだけれど、でもできないんだよねぇ。持ち帰って調理というのが。それがとっても悔しい!


キッチン付きのホテルの部屋ってやたら高いし。


もう五年も、こういう活動をしているらしいけれど、ホームページに紹介されているCookさんたちの素晴らしさ。写真だけだけど。


でも、3000円以上だよ? フツーに高いよ。レストラン業でもないのに許されるのか?


折しも、国会では「民泊」についての議論が行われている。

https://minpaku.yokozeki.net/minpaku-shinpou/


でも、化学物質過敏症とか、訳ありの人のためのキッチンでも始めようか?




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by eric-blog | 2017-05-29 10:14 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

介護殺人 追い詰められた家族の告白

介護殺人 追い詰められた家族の告白

毎日新聞大阪社会部取材班、新潮社、2016

2800冊目


2010年から2014年の5年間の新聞記事で介護が原因とみられる事件を選び出し、その後を取材した。


障害があるこども、認知症の親、連れ合いなど、介護が長引くケースで、介護をする方もつかれて行く。


社会的支援の問題もあるが、経済的な問題もある。


介護によって経済的に困窮することも起こる。


結論の出る問題ではない。長くともに生きてきた家族は、その不在が悲しいものなのだ。



■死ねない老人
杉浦敏之、幻冬舎、2017


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by eric-blog | 2017-05-26 17:54 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

老いる東京

老いる東京

佐々木信夫、角川新書、2017

2799冊目


東京都の政治が「ハード重視経済重視」と「生活重視ソフト重視」を振り子のように揺れていると言う指摘は面白い。



都市の住宅地もゴーストタウン化していっていることは、ニュータウンに限らず指摘されている。

http://www.mag2.com/p/news/250661?utm_medium=email&utm_source=mag_news_9999&utm_campaign=mag_news_0526


これからは災害に強く、持続可能な都市へと少しずつ畳んでいく 157


それが大事だと著者は言う。


しかし、実際には古い家を残したまま、新しい住宅を建築することが空き家を増やしている。


先の「高級住宅街」では、昔の価格を知る相続人たちが、バカバカしくて売れない、と言うのが理由だったが、「農地を潰して住宅建設がしやすい状況」のせいだと言う。(谷隆徳、日本経済新聞)


2020年がターニングポイントだというのだが。ものすごい凋落が起こりそうだ。




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by eric-blog | 2017-05-26 17:40 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

私とは何か 「個人」から「分人」へ

私とは何か 「個人」から「分人」へ

平野啓一郎、講談社現代新書、2012

2798冊目


『ドーン』という彼の小説で出された概念「分人」について、著者本人が口述した内容を編集部が文字起こし、そして著者が修正した「わかりやすい解説」。


確かにわかりやすい。


「個人」は英語で言われるような「in-dividual」ではなく、「dividual」な存在なのだという。


個人は社会関係の中で、色々な場合に応じて多様なキャラを持っている。その関係性の中で現れる「その人らしい応答性」が「分人」であり、わたしたちは多様な側面を生きている。


「分人」とは、さらにはその関係性の中に「入り込む」存在でもあり、ある関係そのものを、その相手と共同生成しているものでもある。その共同生成するものがかけがえのないものであればあるほど、その関係は、その人にとって大切なものだということになる。


個性とは「分人」の構成比率と重みで決まる。


頭の良い人なのだなと思う。


『ドーン』を読んで、「分人」という概念に納得がいった、「個人」という概念に違和感があったことが説明されてスッキリした気がした、という感想があったという。


まだ読んでいないからなんとも言えないが、頭のいい人が出てきそうな気がする。


そして、私が日本社会に対して感じている違和感も、きっと顔を覗かせるのだろうと思う。そう、役割社会。


著者の言う「分人」の中で、「自分があまり好きではないキャラ」より、自分自身が好きでいられる「分人」でいられる関係をたくさん持てばいいと言う。


選択の問題。


選択の幅の問題。


選択の可能性の問題。


頭のいい人だなあ。と言うのが感想になるのも、宜なるかな。


彼の議論から、「女」と言う役割や記号は、意味がないのだろうか?


わたし自身は「女」と言う記号が嫌いで、それを求められる関係性を拒否してきたと思う。結果、結構狭いよな。仕事の面でも。趣味の面でも。


ま、居心地はいいけれどね。


役割社会、男性優位文化における強者の側の「分人」論は、どこかに逃げがあると思う。自分のせいではないと言う説明。ある役割としての「分人」の行動だからと言う正当化。



だから、「分人」としての課題としてあげられるのが「複数の人を愛することができるか」と言う問題になるわけだもんね。


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by eric-blog | 2017-05-26 17:25 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

憲法と民主主義の論じ方

憲法と民主主義の論じ方

長谷部恭男、杉田敦、朝日新聞出版、2016

2797冊目


朝日新聞での連載に載せられなかった内容も含めて収録したもの。


京城帝国大学の尾高朝雄(ともお)を隊長と呼んだことがある。


これからの政治状況次第では、長谷部さんも「隊長」として振る舞わざるを得なくなるだろう、と杉田さんは前書きにいう。


対談としては、とてもよくまとまっている、にもかかわらず読みやすく、論点が一つずつ明確であり、そして、2人の間の相違もはっきりと自覚されつつ、話がススンで行く。


話題も広い。


憲法について論じるということの視野が示されていると言える。章立てのみ。


  1. 1.立憲主義
  2. 2.砂川判決
  3. 3.誰が決めるのか ポジティブリストとネガティブリスト
  4. 4.低成長時代の政治
  5. 5.選挙
  6. 6.積極的平和主義
  7. 7.セキュリティ問題 内閣法制局の役割


146ページ。政府の変質、だんだんトーン。


集団的自衛権は9条の改革なしでもできてしまった。

しかもその判断は政策判断でできちゃった。

行使するにあたっても、憲法改正の必要はない。


ますます憲法改正は必要なくなっていないか?


そして、憲法違反を言い続けることの意味はなんだろう?



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by eric-blog | 2017-05-23 12:24 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

世界史のなかの台湾植民地支配 台南長老教中学校からの視座

世界史のなかの台湾植民地支配 台南長老教中学校からの視座

駒込武、岩波書店、2015

2796冊目


大学、キリスト教系、植民地。



1. 植民地帝国大学   台北帝大、京城帝大

2. 植民地キリスト教系学校 台南長老教中学、淡水中学、など。

3. 内地キリスト教系大学  上智大学、同志社大、立教大学、関西学院大学


この三つが重なるカテゴリーとして植民地におけるキリスト教系大学がある。


1の大学はほぼ100%内地人が教授。学生数も少ない。

2は教会を手掛かりに自治を引いていたが、30年代になると排撃運動に晒された。

3. は常に学校閉鎖の攻撃にさらされていた。


内地におけるキリスト教系学校の変質状況 623


1.神社参拝

2. 御真影下賜

3. 日本人校長就任


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                            640ページより


排撃運動が展開された時期 641



内地のカトリック系学校 1932-33

台湾のプロテスタント系学校 1934-36

朝鮮のプロテスタント系学校 1935-36

内地のプロテスタント系学校 1937年以降


そして、そのような弾圧をどう生き延びたかが、戦後にも影を落としている。

台南神学院で指摘されたこと。「戦後のことにも関心を持って」705あとがきより



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by eric-blog | 2017-05-23 12:09 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

単身急増社会の希望 支え合う社会を構築するために

単身急増社会の希望 支え合う社会を構築するために

藤森克彦、日本経済新聞出版社、2017

2795冊目


6章 海外の高齢単身世帯との比較




米国、ドイツ、スゥエーデン


日本は同居率が高く、単身世帯の割合は低い。15.5%


一方で単身世帯は、友人などの頼れる人が少なく、社会的に孤立している傾向がある。


社会活動に参加したことがないという人の割合も高い。223


また、単身世帯は収入も低い傾向がある。持ち家率も低い。

単身世帯が急増しているのは女性では80代。一人暮らしの長期化傾向も見られる。


412ページに示されているように、支え合う社会の構築は、社会の力を底支えするものであり、決して無駄な投資ではない。



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では財源は? それこそ、「復興予算」を当てたらどうなのか?わたしたちはすでに増税に答えているのだから。



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by eric-blog | 2017-05-23 11:46 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

介護する息子たち 男性性の死角とケアのジェンダー分析

介護する息子たち 男性性の死角とケアのジェンダー分析

平山亮、勁草書房、2017

2794冊目


著者を個人的に知らないし、ネットでチェックもしていない、東京都健康長寿医療センター研究所がどんなところかも知らない。が、かなり変な人らしい。外れている「男性」として、男性学に疑問を持ち、「男性が履かせてもらっている下駄の自覚」と「男性の大変さ」の両方を提示することはできないかという試み。


第二章 息子によるケア


息子によるケアの特徴(マシューズ)

1. 求め応じてサポートを提供しようとする

2. 連携プレーが少ない

3. 親の自立を目指して介護する。


「お膳立て」という感覚的労働、マネジメントは誰がしているか。


「どうすれば男たちは、弱きものを弱きもののまま尊重することができるのか」という課題。



5章 「老母に手を上げてしまう息子」

男性は、感情に支配されやすいので、(起こってしまった感情に対してコントロールできない)、逆に感情的にならないようにする。

感情自体に対しては受け身。


「完璧な息子」による介護に対して母親は「諦め」ている。

「女性の仕事」を積極的にになうことが、ケアされる相手に絶大な支配権をもつ。207


ケア役割を担っていた側からケアされる側になる落差が母親にはある。209


被介護者からの暴力を自分で抑えられると思うのも男性に多い。結果、けがさせられる。「手に負えない」と認められない。


自立し自律した男性というのは公的領域における男性同士の社会関係においてのみ。

私的なものへの依存を不可欠なものとしながら、同時にそれを「なかったことにする」、という欺瞞的な操作によって男性性は完成する。223


母親の私的領域による役割に依存していたために、それが欠如した混乱やままならなさに突き動かされてい、母親を攻撃してしまう息子。223


男性は家庭においては社会関係を調整してもらわなければならない受動的な存在。224


*****************


自立のねじれというのはおもしろいなあ。しかし、そんなにも「枠」というのは逃れ難いものなのか。



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by eric-blog | 2017-05-23 11:06 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

沈黙する人権

沈黙する人権

石崎学、遠藤比呂道編、法律文化社、2012

2793冊目



人権は「バラ色の目標」を望み見る「強い個人」のものなのか?

それとも「苦しさ」が底にあるのか? 014


2章人権教育再考 阿久澤麻理子


著者は日本の人権啓発事業の特徴を「おもいやり」と「こころ」の啓発だという。

それは人権を「個人の心」の問題であるかのように位置付けている、つまり問題解決も「個人の心の持ちよう」に求めている。045

そこには国や自治体が加害者になり得るという発想もないし、責務を問う姿勢もない。


さらには「パターナリズム」すら見え隠れする。「弱者を思いやり、助けよう」

その姿勢からは、弱者自身が人権の主体であり、自己決定の権利を持つということを忘れ去らせてしまう。


「いたわる」ことの中に含まれる「ほろぼす」(緑川、1992)


弱者に対する役割期待も問題である。


では、どのような対象を志向すればいいのか?


ネオリベラリズムが元こむ「強者」と「弱者」の間の分断。049


「自由」が自己責任と裏腹である社会においては、自らの権利を学び主張することを目指すだけでは、強者のサバイバルのための人権教育になってしまう。050


共感、普遍的な権利の理解、共同性の感覚。


自己責任自己救済ではなく、連帯を作り出すこと。


5章 スティグマと人権


「社会が機能不全に陥っているとすれば、その社会への社会適応はすこぶる危険なこと。・・・完全な社会適応をしている爆撃機のパイロットは、爆弾は自分の中にあると妄想する入院中の分裂患者より、人類の生存という意味でははるかに脅威かもしれません。我々の社会自体が生物学的な機能障害的になっているのかもしれません。」(レイン、1973)



9章「語り」をめぐる権力と人権 熊本理抄


同和について語ることを強いられた時、語り得ないもどかしさ、そして語りによって同級生とどのような共通性を持ち得るのかという課題。231


しかし、「消費」される語り。「いい話を聞けた」聞く側の「いい人」。今の生活や関係性、位置性を維持した上での、良心の問題。233


聞く側、語る側の非対称性。


「成功物語」や「立派な語り」など、モデルストーリーをなぞらえてしまう。


自分にとって都合の悪い現実は「聞かない」「応答しない」「無視する」=沈黙。


マジョリティの沈黙は特権。


語らせ続けることは拷問。243


マイノリティの特権化、絶対化、

序列化。

部落、結婚、子供、運動、職業、教育、などなど



■彼女の「正しい」名前とは何か 第三世界のフェミニズムの思想

岡真理、青土社、2000

http://ericweblog.exblog.jp/1021582/

■ライフヒストリーの社会学、中野卓・桜井厚編、弘文堂、1995

http://ericweblog.exblog.jp/7770907/



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by eric-blog | 2017-05-20 11:50 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)