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ERICnews488atERIC/from ERIC2016年5月8日

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ERIC NEWS 488号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年5月8日
ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

このニュースが届く頃は、TEST in 大阪2016を、御幣島駅近くのあおぞら財団の研修室でやっている最中のはず。

去年も同じ会場でやったのですが、栗本知子さんが財団で働き始めたのが、知るきっかけ。あおぞら財団は、公害問題についての経験値がとても高いところですが、一昨年、昨年のESDがらみでのくりともさんの活躍は、まさしく「水を得た魚」。

わたし自身、全国自然保護連合やその他の大会で、現地見学会が開かれるのに、そのノウハウがどこにも蓄積されていないことが残念でならなかったのですが、それらの知見を積み上げてくれそうな動きもあります。

一つは「公害資料館連携フォーラム」
http://ericweblog.exblog.jp/20265034/

一つが政党に対する公開質問状です。

日本における市民運動が、「公害問題」という住民運動に根ざしながら、どのように発展していけるか、一つのモデルケースだなと思っています。そのような連携がESDの「サービス学習」の実践とどう関われるか、今回のTESTでもしっかり考えたいと思っています。


◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  TEST in 大阪 教育力向上講座 Since 2003 and Next!
◆◇◆2. 2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. TEST in 大阪 教育力向上講座 Since2003 and Next!◆◇◆

1999年度のERIC主催研修の一コースとして始まったTEST。3月という年度末に、主催研修の総まとめのような形で実施してきました。そして、TES in 大阪は、2003年から始まり、毎年欠けることなく、14回目の開催。

そして、なんと、東京での開催よりも、いつも人数が多いのです!

ネットワーカーがコア・メンバーにいるから、ですね。

最初の頃は「セッション分担方式」でしたが、いまはかくたがファシリテーターをしています。「据え置き型ファシリテーター」を目指しているので、なるべく、参加者の発意でころがっていくように、支援しています。

アクティブ・ラーニングは、まさしく、学習者が学ぶこと。

今回は次のような「補助線」を準備しました。素材があって、それをぢう調理するかのHowがあれば、後は参加者が舵取りしていく。

セッション1 共通基盤づくり

共通基盤づくりで扱うのは以下の課題です。(『STEP5』参照)
・ノートテイキング、傾聴、話し合いの心がけなど、参加のスキルを整える。
・研修の目標や期待の共有
・研修の目的に従った「アクティビティ」を何か一つ。これによって「テーマ」についてのキーワードなどについての共通理解を耕し始めて行く。

スキル、言語、共通理解の醸成。それがセッション1でやりたいこと。

TEST2016では、地学の教材として「石」がハンズオン、リアリアとして持つ力は何かを考えました。
http://eric-net.org/news/LB21TEST16.pdf

新聞記事の日付からわかるように、前日のものです。地学オリンピックで、参加者たちが「石」を読み解く。その読み解く力をつけていくのが地学の学びである。ではどういうことを知っていれば、いいか。そこから地学のカリキュラムが構成されていく。地球の歴史を内包している「石」にわくわくさせられました。

TEST in 大阪2016では、この前研修会に参加させてもらった二之江中学校で見た「相似」の証明問題を素材にしようと思います。どうすれば、「アクティブ・ラーニング」の質をあげることができるかを考えたいと思っています。
http://ericweblog.exblog.jp/22739934/

二之江中学校は、「コの字型」に机を並べて、そこに四人一組で「学び合い」を組み合わせた実践を、もう10年以上続けている学校です。最初、本当に低学力、低意欲などの課題を抱えた学校として取り組み始めたという経緯があるからか、校長先生には本当に熱意を感じました。

しかし、授業検討会は「コの字」ではあったが、グループ討議はなかったのでちょっとがっかり。さらには、35名ほどの教員中、8名が新任、つまりは25%、1/4ぐらいが入れ替わる状態。

教員の人事異動は、いろいろな理由があると思いますが、一番の理由は「教組つぶし」だとわたしは思っています。長年同じ学校にいると、仲間づくりもしやすいですからね。

ま、そのような根無し草化された教員が、どこまで「アクティブ・ラーニング」の主体としての学習者を育てることができるか? 疑問です。

では、私立校だったらいいのか? そういう面もあると思います。

「根無し草化」された教員が、「コの字型、四人グループ」の実践をやっている学校に異動してきて、一生懸命適応しようとしているのが、伝わってきました。でも、数年、この学校でその方法をやったからと言って、次の転任先でもその実践を続けるかどうかは、わからない。

単独で実践している方が出している本もありますが。
http://ericweblog.exblog.jp/22774143/

とても楽しみ。

セッション2 ESDの目標を再確認する。
セッション3 ESDの学び方「サービス学習」
セッション4 ESD推進のバリア
セッション5 価値観は育ったかな?
セッション6 個人的行動計画

セッション1で、参加者のコミットメントを引き出せたら、その後はついてくる。

楽しい二日間になりそうです。


メルマガの申し込みはこちらから。

http://www.mag2.com/m/0000004947.html
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by eric-blog | 2016-05-04 17:53 | ERICニュース | Comments(0)

ERICニュース2015 ふりかえり

ERICニュース2015 ふりかえり

2015年度は、先週末、3月27日発行予定の「with ERIC」を含めれば51本のニュースを配信することができました。

以下の五本の柱で、四人が分担して執筆。それぞれに個性的な編集方針と内容で、ERICニュースという統一感は、巻末のお知らせだけなのではないでしょうか?

◯atERIC/from ERICかくた
◯PLT事務局ニュースつのだ
◯by ERIC    かくた
◯ツリーニュース梅村
◯with ERIC   佐藤宏幸

ツリーニュースとLT事務局のニュースがあるために、環境教育が多いように思いますが、佐藤さんがご自身の子育てに活かすファシリテーションを通して「幼児期からの参加型」、そして、かくたが人権や教育についての話題と、幅広く扱っていると思います。

2006年1月7日に配信を始めて以来、10年。通し番号482を数えるまでになりました。読者はいまが過去最高の1470名。ありがとうございます。時々のみなさまからの反応が励みです。
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by eric-blog | 2016-03-28 12:50 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 480号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年3月13日

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ERIC NEWS 480号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年3月13日
ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

3.11から5年が経ちました。

被災された方、避難を余儀なくされた方、そしていまも続く立て直しの途上にあるみなさま、お疲れのことだと思います。

3.11の後、国際会議の場で、ふだんは静かで沈黙の参加者であることが多い日本人参加者の方々が、積極的に震災のことを語る姿に驚いた覚えがあります。

わたしたち、みんな、何かしら突き動かされたのです。見ることによってすら。

突き動かされ方がとても大きくて、人生行路からはずれてしまったように感じている方もおられることでしょう。

でも、確かに、あの震災を経験して、わたしたちはどこかで変わってしまったのです。これまで通りでは続かない。

変わってしまったにもかかわらず、その「考え直し」のチャンスを、日本社会は逃したように見えると、冷泉彰彦さんは言います。

それはどこか離れたところから見ている人の感想だなと思いました。突き動かされるゆらぎの中で「絆」が叫ばれ、人々は何かを取り戻そうとしたのです。

取り戻しやすいものに、飛びついたのです。「考え直し」て、違う道を選ぶ余裕などなかったのだと思います。「考える」ことはできます。しかし、からだは、システムはそう簡単には別の動きをしてくれない。生活習慣病のように、「これまで通り」が忍び込んだのだと思います。

混乱の時には「幼い脳」をのっとりやすいものが蔓延るようにも思いました。

「考え直し」に必要なのは、ていねいなプロセスです。

参加型学習をとりいれていて思うことは、参加にはていねいな一人ひとりの参加のスキルの習熟、使っていることばについての共通理解、参加や民主主義という価値観への信念などの条件があるということです。

そのいずれもが欠けている混乱の場。それがこの五年間だったように思います。

少しは落ち着いて、未来への持続可能なビジョンを創造し、ていねいに、実現のために必要なステップを構想していきましょう。

年月を刻むこと、ふりかえりの時を持つことは、わたしがわたしであるために、大切なことですね。

3.11という時が、あなたがあなたであることを再発見する時になったことだと思います。一人ひとり、引き受けているものは違うけれど、それぞれ一生懸命。

そんなお互いに、寄り添って生きている。独りじゃない。

合掌。


◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1. 環境教育からESDへ、PLTを森林ESDへ
◆◇◆2. 2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1.  環境教育からESDへ、PLTを森林ESDへ ◆◇◆

1. 森林ESD研究会報告書『企業・NPOと学校・地域をつなぐ森林ESDの促進に向けて』

国土緑化機構は、国民参加の森づくりを永らく推進してきた団体です。緑の少年団は全国で3000もあると言います。その8割が学校少年団です。

森を切り口、世界への窓としたESD、森林ESDを、国土緑化の活動にからめていくことができないだろうか? 

森林保全、林業の促進という目標は、それ自体が「持続可能性」の課題だと言えます。森を通して、わたしたちの社会の持続可能性の課題を探る、問題解決のための行動を起こすアクティブ・ラーニングの場として、テーマとして、森が有効なことは、論を待ちません。

2014年のあいち・なごやESDフォーラムでは、プレゼンテーションと事例発表を共有する場を持ちました。その前日に見学会も行われ、学校における優れた森林ESDの取り組み、企業林での学校受け入れプログラムなどを訪問しました。(資料編2 ESDフォーラム報告 参照)

今回、それらの実践と理論をまとめた報告書が出されました。『企業・NPOと学校・地域をつなぐ森林ESDの促進に向けて』。入手は国土緑化機構まで。

平成26年度に行われた森林ESD研究会での理論的検討、実践事例、そして、学校教育において森林ESDを実践するチャンスを探るきっかけとすることができる教科書分析等が資料編も充実した報告書です。

特に、教科書分析は、教科書会社ごとに記述が分析されているので、あなたの地域の学校で使われている教科書がわかれば、どの単元でどのような森林に関する学習が行われるかがわかるようになっています。あなたの地域の学校では、どの教科書会社の教科書を採用していますか? 

この詳細な教科書分析では、小学校の生活、理科、社会科の教科書から、森林ESDに関わる記述を抽出し、一覧表にまとめています。

森林にかかわる活動、野外活動体験を提供している方々にとっては、学校のニーズを知るための貴重なとっかかりです。教員は、教科書に書かれていることを、どのように「アクティブ・ラーニング」として展開できるか、頭を悩ませているのですから。

ぜひ、この報告書を手に取って、教科書分析のページを開いて、地域の小学校の新一年生、三年生、五年生、六年生を担当する教員に連絡をとってみてください! 学校のニーズに合わせる。それが森林ESDを責任ある教育活動として展開していくポイントです。

E+SD 教育を知り、持続可能性の課題を知る。森林ESDは、その課題の切り口を森林においているESDのことです。森林で(in)、森林について(about)、森林の持続可能性のために(for)学ぶ。それは正しくPLTが言う「森林を世界の窓口として」森林を通して(through)学ぶということです。

2. PLTファシリテーターズ報告会読書会&意見交換会

報告書の成果を汲み取りつつ、次へのステップに活かすべく、PLTファシリテーターの方、数名に集まっていただき、ワークショップを行いました。
http://ericweblog.exblog.jp/22590947/

ワークショップの記録は、わたしのブログにアップしています。また、詳細の記録、特に写真やPDFが見たい方は、かくたまでご連絡ください。

報告書についての発見は、大きく二つです。

一つはすでにお伝えしました教科書に対応する、です。ぜひ、教科書分析を学校との協働アプローチのためにご活用ください。

もう一つは実践例の特徴です。報告書では以下の四分類で紹介されています。
(ア)出前型
(イ)受け入れ型
(ウ)課題解決型
(エ)個別対応型

学校が中心になった実践だけでなく、企業やNPOなどの「第三者」による森林ESDプログラムの提供というのが大きな柱になっています。だからこそ、その第三者がESDの考え方をしっかり理解し、学校のニーズに応えるだけの「質の高い教育」活動を提示できるひとが大切だということでした。

学校の担い手である教員は異動します。そのために、地域とのつながりや継続した森林保全活動にはかかわりつづけることが難しい。第三者の存在のニーズ、コーディネーターやつなぐ人の存在が求められるのがここだと言えるでしょう。

PLTのプログラムを、自分たちの場で提供している方々にも、今回の報告書でまとめられている視点は役立つのではないでしょうか。

PLTファシリテーターが、PLT=森林ESDの推進を課題に会するのは今回が初めてです。改めて、PLTと森林ESDの同質性を確認する機会となりました。

PLTは、「何を教えるのか」ではなく、「どう考えるか」、Teach not what to think, but how to thinkと、考え方、協働で学びあうことを教授法の中核に据えています。それは正しくESDのアクティブ・ラーニングそのものです。

最終的にはPLTの実践見学会を、社会教育、学校教育で行い、その後にふりかえりミーティング、公開ワークショップを行う一泊二日の「PLTファシリテーター・スキルアップ&森林ESDタイアップ」企画をできないかということになりました。

来年度にPLTを子どもたち対象に行う機会がありましたら、ぜひ、その見学会をご企画ください。その後の勉強会やワークショップの企画運営は、協力してすすめましょう。

ぜひ、ご検討ください。実践例は、さきほどの学年・単元だと、すばらしいですね。

それに先立って、今回のような報告書勉強会を、地域で開催しませんか?
ワークショップのプログラムは今回の流れを参考にしていただければいいですし、また、ご相談いただければ、ファシリテーターとして協力いたしますよ!

3. 学校は「ストック」、プログラムは「フロー」

先週末、3月5日にはJEEF主催の「環境教育フェスタ」にも参加しました。その報告も、ブログにあげています。
http://ericweblog.exblog.jp/22571697/


ESDにおいて、学校とのコラボは欠かせない。これから、学校はアクティブ・ラーニング、そして、持続可能な未来のための教育の場として、どんどん成長していくことでしょう。それが国際的なトレンドなのですから。

報告書には、日本の教育行政や学習指導要領の変遷もまとめられています。その流れをふりかえった時、客観主義の知識中心教育と構成主義の学習者中心教育の主張が、ふりこのように振れていることを感じます。

近代科学技術産業社会は行き詰まっています。巨大科学は破綻しているのに、一方ではナノ技術やロボット技術によって、わたしたちの生活や労働そのものが大きく変わっていく未来。人間は、その時、どう生きていくのでしょうか?

人間が人間らしく生きることができる社会。制度の奴隷でもなく、技術の歯車でもない。

大きな流れは近代の人間化を要請しているのです。

教育は、未知なる時代をどう切り拓いていくかという課題に応えるものでなければならないことは明らかです。

わたしたちはどこへ行きたいのか?
なってしまう未来ではなく、なりたい未来へ。

課題解決型の先、ビジョン形成能力、ビジョン実現能力が、鍵なのではないでしょうか。

ESDは、そのような未来を拓く価値観とコンピテンシーの教育目標をしっかりと見据えています。その実現したい未来、その未来に生きる力をどうつけていけばよいか? 

わたしたちがしなければならないことは、バックキャスティングによって、現状を点検し、習熟の道筋をつけていくことです。学校教育は、子どものそのような発達をサポートする「ストック」づくりの機能を果たさなければなりません。「生きて働く力」というのは子どもがこれからの社会に生きていくための「ストック」の蓄積・形成に他ならないのです。

知識も必要です。道徳や倫理も育てなければなりません。未来の世代への責任も学んでほしいし、何よりも学び続ける姿勢と学び方を身につけてほしい。

学校教育カリキュラムには、そのような配慮がすでに取り込まれているのです。

では、第三者が提供できるものはなんでしょうか? 

それを「フロー」と呼んでおきましょう。質のよいフローとはストック形成を促進するもの。

学校はストックに責任をもつがゆえに、「フロー」への要請もしっかりしている必要があります。

「フロー」を提供する側は、価値観やコンピテンシーへの貢献を明確にしつつ、協働する。

学校とのきめ細やかな打ち合わせをしているえんぱわめんと堺の実践にはいつも感動させられます。学校カリキュラムを見るにとどまらず、一人ひとりの子どもを見ているからです。
http://www.npo-es.org

学校の大人とは異なる大人との関わりというのも、えんぱわめんと堺のプログラムの良さだと、北野さんは言います。先生には言えないことでも言えたり、異なる視点やものさしを持っている人を知ることは、子どもたちの世界を広げます。

そういうことも、「第三者」がかかわることで生まれるメリットですね。そこで出会う大人が、学校の大人よりもESDの精神を先取りしている人、SDの実践を体現しているモデルであれば、学校や子どもにとってもよい影響につながります。

ESDの時代。ESDの精神とアクティブ・ラーニングの方法を先取りした人たちが、よりよい、そしてより大きい影響力を発揮していくことが、学校が変わるための支援になるのです。

楽しみですね。
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by eric-blog | 2016-03-12 17:40 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 478号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年2月28日

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ERIC NEWS 478号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年2月28日
ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

 谷中千縁さんぽに出かけようと知人を誘ってから、図書館で「千円」というキーワードで検索してみて驚いた!『東京千円さんぽ』という特集が「散歩の達人」によって組まれているではないか! 内容を読むと、ほとんどが地域の商店街の町歩きであることも、しごく当然の感じがする。

そして、その出版年である2011年というプレ自民党政権の時代に「千ベロ」などの考え方があったことを思い出した。

安上がりに楽しむという考え方が社会的に受け入れられたデフレの時代。

いまや一億総活躍時代。活躍して収入を得、もっと使おうという時代にこのコンセプトは死に絶えたかのようだ。

しかし、実はわたしはいまの資本主義経済圏において、できるかぎり「冷温停止」した方がいいのではないか。その経済圏の外で豊かに生きることはできないかと、考えているのだ。だから「千縁」。つながりや発見の共有や、笑顔や無償の価値をシェアすることの方を選びたい。

http://ericweblog.exblog.jp/22534690/

◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1. ESDファシリテーターズ・カレッジの歴史 Since2000
◆◇◆2. 2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1.  ESDファシリテーターズ・カレッジの歴史 Since2000◆◇◆

3月5日土曜日の環境フェスタで、これまでの取り組みを商会させていただくことになりました。
改めて、ESDファシリテーターズ・カレッジについて、ご紹介しておきましょう。

•カレッジ=指導者育成のための高等教育機関として
•集中講義2日間=2単位相当として構想

カレッジという名称は、教育的指導者のための二年間専門コースが必要だという考えから名付けました。大学の単位で言えば、年間で12単位程度で「参加型学習」の学び方・教え方を習熟できる内容を提案したいという意図です。

前期 3つのテーマから課題に気づき
後期 3つのキー・コンピテンシーで問題解決に迫る

6回の研修中、前半の三回は「国際理解」「環境」「人権」という三つのテーマについての学びで、後半の三回が「わたし」「あなた」「みんな」のスキルを育てるための研修として構成されています。

•二日間6セッション12時間
•すべて参加型で

遠方からの参加者にも配慮して、週末の二日間で開催しています。二日間で12時間、2時間一セッションを6つで構成しています。

すべてのセッションを参加型で行っています。16年の間に試行錯誤はありましたが、現在は次のような6セッションの構成になっています。

セッション1 共通基盤づくり
セッション2 流れのあるプログラム体験/スキル演習アクティビティ体験
セッション3 参加型学習についてのふりかえりとまとめ
セッション4 アクティビティ開発(a)・プログラム開発(b)
セッション5 アクティビティ・プログラム実践と評価
セッション6 ふりかえりと個人的行動計画

前半のテーマでは「気づきのためのアクティビティ」の開発を中心に、セッション4を行い、後半の三回の研修では、プログラム開発・カリキュラム開発の考え方を取り入れます。というのもスキルやコンピテンシーというのは、単発のアクティビティを取り入れたり、一つのプログラムの実践によって身に付くものではないからです。スキルを習熟するためには次のような継続的努力が求められるのです。

○本人の自己習熟をうながす 
➢個々への働きかけ
○集団に対する働きかけを行う
➢コミュニケーションやアサーションを育てるスキル演習
➢カリキュラムやプログラムの目標に組み込む カリキュラムアプローチ
○学校全体の風土をサポーティブな風土にする 学校全体アプローチ

何より大切なのは、学校全体アプローチだと言えるでしょう。どの指導者も同じ姿勢とビジョンを共有していることが、矛盾のないメッセージとなって学習者に届くからです。

すべての研修を参加型で行うことができるという取り組みは、Teaching for Sustainable Worldというテキストに基づいて、オーストラリアのブリスベン大学環境教育センターのジョン・フィエン氏の元で一週間の研修を受けた時以来、指導者育成すべても、参加型でできることに確信を得たからです。

【何を】
•国際理解、環境、人権について伝えたい「本質的な」学びを
•教育的指導者として参加型学習の学びを提供する方法を
•アクティビティ、プログラム、カリキュラムを構成する方法を

どのような内容でも、参加型で教える工夫は可能です。知識・理解こそが参加型協同学習による「わたし」「あなた」「みんな」の学びあいによって、単なる言葉の習得で終わらない学びになるのです。

【なぜ?】
•参加のスキルは参加することでしか身に付かない。
•力は発揮することで伸びる。

なぜ、そこまで「参加型」にこだわるのか。それは参加の力は参加することでしか身に付かないし、学習者がどの段階にも参加することで「学習計画への参加」など、いま言われ始めている学習者主体の学びにつながっていくからです。

【どのように】
•気づきのためのアクティビティによって「環境」「人権」で共有したい概念を
•12のものの見方・考え方によって「高次の思考スキル」の習熟を

ERICが活用している参加型の学び方(How)には大きく三つあります。それはERICがこれまでの学びから、整理してきたものです。
1.気づきのためのアクティビティ 国際理解教育、環境教育、人権教育などのテーマについての気づきをもたらすための参加型
2.参加のスキルを伸ばすためのアクティビティ 対立から学ぼう、いっしょにできるよ、いっしょに学ぼうなど、参加のためのスキルを伸ばす参加型
3.社会調査、合意形成のためのワークショップや会議 フューチャーサーチ会議、地域評価法、実践コミュニティ、学び続ける組織など。

ESDファシリテーターズ・カレッジでは、社会調査・合意形成のための方法論をカバーすることは必ずしもできないのですが、スピンオフ企画や受託事業で実践しています。また、それらの方法論を学んだ時に得られた考え方は、すべての研修に生きています。

3月4日5日の環境フェスタで、ぜひお会いしましょう!
http://www.jeef.or.jp/activities/festa/
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by eric-blog | 2016-02-29 13:58 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 475号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年2月11日

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ERIC NEWS 475号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年2月11日
ファシリテーターズ・カレッジ スピンオフ企画「文明病」!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

去年からファシリテーター養成講座のスピンオフ発展企画を「文明病」をキーワードに12月から2月3月の主催研修空白期間に実践してきました。

上映会と連続学習会です。

2月10日、昨日の報告も含めて、ニュースです!

勉強会の成果物pdfは以下からご覧いただけます。
https://www.dropbox.com/sh/xoxngltmivnmrvp/AACjVSvJBYQ3Y9H3OUqec3Wia?dl=0

◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1. ファシリテーター養成講座スピンオフ企画
◆◇◆2.  2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆

わたしたちの社会は科学技術産業社会、大量消費大量生産の「化石燃料依存症」なのです。

現在の化石燃料依存社会は「豊かさ」の反面、痛みもあります。

「文明病の痛みと負担は誰が?」
http://ericweblog.exblog.jp/19526903/
http://ericweblog.exblog.jp/19501478/

第一回の報告
http://ericweblog.exblog.jp/22327697/

1月28日 実施プログラム
1. 教室の中の世界探検
2. 風土か文化か文明か
3. 石油文明の光と陰
4.  文明病の痛みは誰が負う? わたしたちにできること

「教室の中の世界」で、いまの社会がつながりのおかげで豊かであることを確認、そのような「社会的有利性」の配分の正義について考えた。
豊かさの陰で起こるマイナスもある。それを「文明病」と呼ぶ。その負担は誰が担っているかを考えようとした。

2月10日 実施プログラム
1. 文明病のいろいろ 分類と特徴
2. 化学物質の規制化、用途別規制の流れ
3. 便益分析=メリット・デメリット=全体と個人、個人vs個人
4. 今日学んだことのまとめと共有

前回、化学物質過敏症の問題が焦点化できなかったことの反省から、今回はがっつり、化学物質そのものを入れたいと思い、流れも上のようにした。

文明病、科学技術産業社会の陰の部分は「職業病」「利用者被害」「環境被害」の三つに分けられる。

職業に伴うリスクとして、アスベスト、塵肺症、農薬中毒、放射線技師、原発労働者などが考えられるが、因果関係の解明と規制がすすめられてきている。

利用者被害としては薬害エイズやワクチン、化粧品、サリドマイドなどがある。これらも因果関係の証明と規制がすすめられてきている。

もちろん、証明は簡単ではないが、曝露者と被害の関係が簡単であるために、放置すれば繰り返し現れるため、放置しにくい。

それに対して「環境型」は
1. 曝露と発症の関係に個人差が大きい場合
2. 薄く広がるため、その他の要因との区別化が不明確になりやすい。
3. 被害そのものが劇症が少なく、不定愁訴のような「どこか調子悪い」ものであり、死亡者がいない。
という、aboutな部分が解明→対策という流れが生まれにくい。リスクは「死亡」がなければなかなか認識されないことがよくわかった。

スーパーファンド法につながった事例として「ラブカナル」の廃棄物汚染があるが、環境型として住民運動が不可欠であることがわかる。

【参考】LB8-2ラブカナルの住民運動20人以上のクラスでもすぐやれるフォーマットで提供。NGOの役割、市民社会についてのアクティビティ。¥1,400。

それに対して、では自然環境、生態系や生物に対する化学物質の影響については『沈黙の春』『奪われし未来』などの問題提起が社会的解決につながっている。一方で自閉症の増加など人間への影響も指摘されているのに、なかなか問題解決に至らない。

それは、化学物質依存が広範にわたっているせいと、影響の個人差が大きく、また、因果関係の証明も困難であるせいだ。

生物や生態系の被害についての科学と人間の被害に関する科学とでは、どこがどう違うのだろうか? 次なる課題のような気がする。

また、「車社会」は交通事故というリスクを抱えているが、車という凶器を使う人について免許・資格・学習を必要としている。それに対して化学物質の利用についてはまったく学習が欠如している。誰でもが入手、利用できるというのも特徴だと言える。

今回学んだことを最後に共有した。

・不特定、不確定の部分で微量、低被ばくがすすんでいる。影響なしとはしないものの、対策もない。
・医学という人間に関する科学が対応できていない。「医療費抑制」のための予防原則の問題として提起できないか。
・「無知につけこむコマーシャリズム」を再発見した。汚い、臭いという「恐怖」につけ込んでいると思う。
・運動の側も被害や「恐怖」を誇大視する傾向がある。
・推進側も反対側も、描いているのは恐怖で変わりがない。上から目線も同じ。
・科学的な見方や快をめざす「なりたい未来」を考える方向にはならない。
・医療モデルから社会モデルに、化学物質過敏症対策も移行する必要がある。

なぜ、医学はかくも社会モデルに疎いのでしょうか?

化学物質過敏症の問題は、日本の「医療モデル」の問題なのでもあると発見。

【参考情報】
奪われし未来を取り戻せ 有害化学物質対策-NGOの提案
化学物質問題市民研究会編、リム出版新社、2000
http://ericweblog.exblog.jp/5207042/

海中の沈黙の春はいまそこに
http://ericweblog.exblog.jp/17979632/

ミツバチが地上から消える日 
When the Honey-bees Vanish from the Face of the Earth, 2011
浅井隆、第二海援隊、2011
http://ericweblog.exblog.jp/12195890/

ニルスの国の認知症ケア―医療から暮らしに転換したスウェーデン
藤原 瑠美、ドメス出版、2013
http://ericweblog.exblog.jp/22096687/


◆◇◆2.  2016年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ日程 ◆◇◆

前期のテーマ・コース三本と後期スキル・コース三本です。

2016年度の日程は以下です。御問い合わせください。
■2016年(平成28年)6月25日26日テーマ「国際理解」 
■2016年(平成28年)7月30日31日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」 
■2016年(平成28年)9月24日25日テーマ「人権」 
■2016年(平成28年)10月29日30日スキル「対立から学ぼう」 
■2016年(平成28年)11月26日27日スキル「未来を学ぼう」
■2017年(平成29年)3月下旬予定TEST教育力向上講座
                     <いずれも、土日実施、各回参加費2万円>

■2015年度の主催研修の記録はホームページおよびブログに載せています。ERICホームページはこちらから。
http://www.eric-net.org/by-eric.html#AT

以下は、ブログ記事です。
■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
http://ericweblog.exblog.jp/21882789
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by eric-blog | 2016-02-11 15:21 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 473号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年1月24日

2016年1月25日 東京新聞

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ERIC NEWS 473号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年1月24日

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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

一月も下旬になり、残すところ一週間になりました。晦日が日曜日だと、一月が長く感じますね。

大晦日には東京国際フランス学園に折り鶴を届けました。ちょうど49日にあたる祈念のためでしたが、当然ながら、学校は閉まっていました。

その後、トルコで、インドネシアでと爆撃が頻発してきました。もちろん、わたしたちの側が攻撃される以前に、シリアなどで、空爆されて死んでいる人びとはたくさんいることも忘れてはいけないし、頻発する爆撃に慣れてはいけないと思いつつ、「またか」と自分の身近でことが起こるまでは、日常を続けるのだろうなと思ってしまいます。

「折り鶴」は祈りの形として宗教宗派を越えるものとして、とてもよいと思っています。人権研修でも、取り入れました。
http://ericweblog.exblog.jp/22256609/

例えば、教会派のキリスト教徒の方は祈りの時間を持つでしょうし、イスラム教徒の方は一日に五回、祈ります。キリスト教の教会では、その時々の「痛み」に対する共感を説教に取り入れているように思います。

イスラム教徒の祈りが何を祈っているのか、体験したことがないので、わからないのですが、一人ひとりがそれぞれに祈っており、教会のような「共感」としての祈りとは少し違うように感じます。

そのような祈りを共有する時間が、とても大切な気がしています。

今度のTESTで「慈悲心」を扱うのですが、いま、日本社会がとても冷たくなっている気がしています。

格差が拡大しているのに、労働者の権利保障も弱ければ、チャリティも少ない。
「ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らす。」
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/a2411aad82ead5aaf0dbba0624267778

こんな数字もあります。

世界寄付指数は下記の行動をここ数ヶ月以内に行ったかどうかのアンケート調査を世界各国で行い、その回答結果を処理し指数化したものだ。
人助け指数: 異邦人、助けを必要としている見知らぬ人を助けたか?
寄付指数: 宗教団体や政治団体、慈善団体等に寄付を行ったか?
ボランティア指数: 組織的なボランティアに時間を捧げたか?
http://blogos.com/article/142286/

その指標が、日本は世界でも最低なのです。

さらに、日本は「民主主義指標」においても、「欠陥のある民主主義」にランクを下げてしまいました。政治参加のスコアが悪化したからです。
http://www.eiu.com/public/thankyou_download.aspx?activity=download&campaignid=DemocracyIndex2015

誰の心にもある暖かい同胞心。道徳教育がもしも「国家主義」のものになるならば、とてもいびつな国になってしまいますね。多様な文化、社会の中での共生のために、これらの点検の視点を活かしていきたいですね。

人権教育ファシリテーター・ハンドブック 実践編の最終章は「人権尊重社会のために」スキルを伸ばすためのプログラムを紹介しています。

その一つのプログラムが「めざせ!満点アドボカシー社会」です。社会的な提言を行う、そのような団体を支援することで、社会参加しようという内容です。

政治参加と政治文化が未熟な日本。18歳選挙権を機会に、しっかり取り組んでいければと思います。


◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画
◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆


スピンオフ企画第二回は、文明病の体質改善にまで踏み込んで、問題提起を広げていくための研修プログラムを考えていきたいと思います。1月だけでなく、2月にももう一度行う予定です。

2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。

キーワードは「インクルーシブ」包摂的な社会デザインとしての教育のあり方ということです。光あるところに必ず陰あり。文明の力が強ければ強いほど、それは均質化と波及力が強いということを意味するのだが、その排除の力、否定の力も強くなる。ゆるやかに、多様な存在を包摂することができる文明へと、近代の人間化へと舵をきる時が来ていると思います。

そして、その鍵は教育に、広い意味での学びに、そして学び続ける個人と社会にあるのではないでしょうか。

「文明病」というのは近代文明の恩恵の背景にある陰の部分です。

・産業科学技術社会の陰 原子力、医療、石油文明、軍需産業
・近代国家成立の陰 アジア蔑視、教育、周辺化された地域
・平和の陰

わたしたちが受けている文明の恩恵。ロールズの「正義」の定義に従えば、その配分の適切さは担保されているのでしょうか? その配分の決定の手続きは適切でしょうか?

一方で「公正さとしての正義」がなされていない上に、陰の部分は弱者に集中していく。

・物理的身体的弱者
・経済的弱者
・南北格差
・政治的弱者

みんなの頭で、いっしょに考えましょう! 未来に向かう言葉を獲得するために。



◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 教育力向上講座 ◆◇◆

16回目のTEST教育力向上講座。日程が決まり、案内ができました。
2016年3月26-27日です。年度末の最終週末です。ぜひご参加ください。
http://www.eric-net.org/news/atERICTEST16youkou.pdf

ケアする心、地球のいのちとのつながりをとりもどすマインド&ハート、未来を拓く価値観とビジョンをESDの中核に据える指導者育成のあり方を考えます。

参考にするのはCBTL, Coming Back TO Life, Work that Reconnect
そして、環境教育者ジョン・フィエン氏の「ケアする心」です。

【参考URL】
http://www.joannamacy.net/books-dvds/284-coming-back-to-life-the-updated-guide-to-the-work-that-reconnects.html
http://workthatreconnects.org

http://ericweblog.exblog.jp/18988625/

人の痛みに共感する心を「慈悲心」と仏教では言うのだと、ジョアンナ・メイシーの著書『アクティブ・ホープ』から学びました。鈴木大拙ではないですが、東洋の伝統を、西洋から学び直すというところでしょうか。

■これまでの主催研修の記録はホームページおよびブログに載せています。ERICホームページはこちらから。
http://www.eric-net.org/by-eric.html#AT

以下は、ブログ記事です。
■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
http://ericweblog.exblog.jp/21882789
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by eric-blog | 2016-01-24 18:04 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 470号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年1月3日

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ERIC NEWS 470号 ともによりよい質の教育をめざして  2016年1月3日
生きたい未来を生きる価値観とビジョンを学ぶ
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

2016年、明けましておめでとうございます。

みなさま、よいお年をお迎えのことと、お慶びを申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。

2015年は、わたし自身60才、還暦を迎え、エポックメイキングな年でした。

ERICの在庫処分の方向性を決め、ERICネットワークの皆様にもご協力を呼びかけました。

個人的には、髪を「ヘア・ドネーション」(毛髪寄付)に提供しました。小児がんの子どもたちのためのカツラに役立たせるそうです。ERICアルムニのOさんは、つい最近25センチ切ったばかりなのにと、悔しそうでした。30センチ以上の長さが必要なのです。わたしの場合は6束ほど、とれました。「記念撮影されませんか?」「いいんですか?」と感動の物語を期待されましたが、何もありません。いたって健康です。

個人的なことではないですね。そもそも伸ばし始めたきっかけが、2012年の選挙なのですから。2006年の第一次安倍政権の教育基本法改定以来、民主教育から国粋主義的教育への転向なのではないかという疑問が頭から離れませんでした。教育で「愛国心」が強調されるのではないかということでした。

わたしは21世紀に必要な教育は、愛国心教育ではなく、地球市民教育であると思います。COP21が示すように、わたしたちには協力して解決しなければならない課題があるのです。より高次のアイデンティティの獲得によってしか、協力はできない。そのアイデンティティが地球市民というアイデンティティなのです。あるいは地球に生きるいのちの仲間と言った方がよいでしょうか。

■近代国民国家のための教育を越える

近代国民国家への改革が明治時代の日本でした。そのための教育装置が学校教育制度でした。そのことは忘れることができません。学校の校舎の形、学校というあり方そのものに「近代国民国家」が色濃く反映されています。

愛国心教育は、郷土への愛などではなく、国家への忠誠です。国家主義は決して地域主義ではありえないのに、地域主義と愛国心がセットでカリキュラムに取り入れられます。伝統の技を体験するとか、地域の歴史を学ぶとかです。

そのすり替えが行われたのが明治時代です。家族を愛し、地域を愛し、国家を愛し、地球を愛するという同心円的アイデンティティの誤謬が、意識的に取り込まれたのが「教育勅語」です。(石田雄さんの『明治政治思想史』参照)

地域の中で、家族は多様です。国家の中で地域は多様です。その多様性に対する意識が、「同心円的」アイデンティティの拡大の中で、「みんなで一緒に」という均質性の中に取り込まれてしまうのです。おかしいと思いませんか?

確かに「地球市民」というアイデンティティも、同心円的な拡大の延長にあるかのように思います。しかし、地球市民教育は文化的社会的経済的政治的多様性についての理解を根本においています。愛国心教育はどうでしょうか?

知らず知らずに受け入れさせられる「均質性」の罠。それが「同心円的アイデンティティ」の拡大の延長としての「国家」なのです。大和言葉の「クニ」すら、国家は収奪してしまったのです。悔しくないですか?

お国言葉で憲法を、という多様性を含んでいるのが「クニ」なのです。決して国益主義ではないのです。

長い前置きでしたが、そんなこんなの危機感から、伸ばし始めた髪でした。某自民党女性議員が野党に転落した時に伸ばし始めた髪を、政権復帰に合わせて切ったというのを聞いてのことでした。彼女は三年伸ばしました。わたしも、三年伸ばしました。

地球市民教育をあきらめない。それは多様性と地球益にねざした価値観とビジョンの教育です。仮想敵に対する戦争を前提に、積極的に平和を構築するために軍事予算と協力を拡大し、自己防衛に終止している愛国心教育の対極にある開かれた教育です。

■教育は息の長い社会運動

2012年以来、選挙活動に参加しつつ、気づいたことは、投票行動は「地縁血縁学縁鞄縁」に基づいているということでした。

選挙巧者だと言われる小沢さん率いる「未来の党」を支援した時、その事務所に選挙ボランティアに来ていたのは東北出身の方でした。

選挙巧者だと言われる山本太郎さんの参謀が率いる選挙を支援した時、地縁血縁学縁鞄縁を越えることはできませんでした。

地球市民とは「環境」とか「人権」というテーマ型コミュニティなのです。価値観を共有し、ビジョンを共有する人々のつながりです。

これまで「テーマ型コミュニティ」が「ローカル型コミュニティ」に勝利するところを、選挙で見たのは山本太郎さんだけです。

その山本太郎さん型選挙は、地方では、成就しませんでした。

地球の持続可能性という共通のテーマが、選挙で地縁血縁学縁鞄縁を越えることができるでしょうか? リアルで、強い「絆」に、ほのかで、弱くて、信じがたい「テーマ型」のつながりは、勝てるのでしょうか?

そんなことを考えながら、髪を切りました。伝わる言葉がない自分を感じながら。強い、しっかりしたものに憧れる自分をいましめながら。教育に信頼と希望を寄せながら。

今年も、参与観察を続けつつ、選挙について、政治について、国際社会について、考え、行動しつづけたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。


◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  What’s New? ERICテキストの人気度は?
◆◇◆2. ファシリテーター養成講座スピンオフ企画のご案内
◆◇◆3.  ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジの記録
◆◇◆4. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New? ERICテキストの人気度は?

箱単位で「爆買い」をお願いしてきた「在庫処分ご協力お願い」。お申し出くださった皆様、本当にありがとうございます。

お願いしてきた在庫処分予定の13種のテキスト。

ワールドスタディーズ、PLT木と学ぼう、フードファースト、テーマワーク、わたし、あなた、そして、みんな、地球のみかた、対立から学ぼう、未来を学ぼう、環境教育指導者マニュアル、人権教育ファシリテーター基本編、発展編、実践編、
レッツ・コミュニケート

爆買い人気の高いのはなんと『環境教育指導者育成マニュアル』! でした!

うれぴーーーー!

熊本で倉庫を提供しつづけてくださっている加藤千尋さんと、二人三脚でまとめた力作。分厚いうえに値段も高いので、なかなか売れませんでした。

その反省から人権テキストは三部作と、分割することにしたのですが、『環境教育指導者育成マニュアル』は、本当に優れたカリキュラムだと、我ながら思っているので、この人気はとても嬉しいです。

環境と人権、持続可能性の二本の柱だと思っています。

環境系の人は人権教育の講座には参加せず、人権系の人は環境教育の講座には参加しません。『環境教育指導者育成マニュアル』は、環境教育のテキストでありながら、南北経済格差の問題も扱っているものです。毎年の主催研修では、人権と環境の関わりが、どちらから切り込んでいくものであっても、鹿田ぃとしています。

お申し込みいただいた方は、「研修に使いたい」とおっしゃってくださっています。まだ、お申し込みになっていないファシリテーターの皆様、ぜひ、ご検討ください。

その他、申し込みが多かったもの、つまり、なんらかの活用が見込まれてのお引き取り希望があったということですが、は、以下の四種でした。

ワールドスタディーズ、
わたし、あなた、そして、みんな、
対立から学ぼう
人権教育ファシリテーター基本編

『未来を学ぼう』も、お高い系なので、この機会にもっと希望者が出て来ると嬉しい限りです。このテキストを活用した研修の記録はこちらから。

http://ericweblog.exblog.jp/21882789/

http://eric-net.org/news/atERICesdfc1402223kiroku.pdf

原著であるイギリスの開発教育グルーブが作成したテキストのタイトルは「価値観とビジョン」Values and Visionsです。

これからの未来を生きるためには、価値観とビジョンを育てることが大切であり、一人ひとりの価値観とビジョンが集合的に、わたしたちの社会の全体を導いていくのです。一人ひとりを育てることが社会を育て、社会を育てることが、一人ひとりを育てます。どちらかだけでは、教育は成り立ちません。

今回の11月の研修は、ちょうどパリの自爆攻撃事件の後で、特に、第2部ふりかえりの鍵「祝いと嘆きを共有する」が心に沁みしました。大きな衝撃があった時に、そのことを語ることができる場があることは、とても大切なことです。

阪神淡路大震災の直後の研修でも、3.11直後の研修でも、参加型の良さはタイムリーであることにもあると実感しました。

今回は、ERICの研修以外の場でも、「折り鶴」を通して、「祈り」の心を共有できたことも、良かったことでした。

1月1日午前4時は、奇しくもパリ事件から49日にあたりました。

9.11、3.11、忘れることのできないメモリアルデーです。

そして、1.17には阪神淡路大震災から21年を迎えます。「祈り」を日常化させた「教会」に毎週通うこと、「一日に五回お祈りすること」などの宗教的行為の意味深さを、改めて認識させられました。

イスラム映画祭で観た『法の書』は、生まれたときからイスラム教徒、まわりみんながイスラム教徒という人々が「コーラン読みのコーラン知らず」になっていないかということを皮肉っていて、面白かったです。

日本の民主主義も形式民主主義、「学級会」民主主義などと、形骸化していることが指摘もされ、批判もされていますが、改めて、考える必要がありますね。


◆◇◆2.ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆

ここ2-3年、主催研修参加者に化学物質過敏症の方がいらっしゃいます。研修の場に「化学物質」を持ち込まないために、参加申し込みの方には「研修参加にあたってのお願い」などの文書を事前に送って、参加にあたっての配慮をお願いしています。

香料の強いシャンプー、洗剤などの使用を控えていただくというのがお願いの中心ですが、意外なことに柔軟剤などが、何度洗濯しても落ちないなどの課題も見えてきています。

わたし自身は電解水洗濯機を使っているので、もう十数年? 洗剤を使わない生活をしてきています。そのために世間でどれほど柔軟剤や香料のきつい洗剤が使われているか意識していなかったのですが、わたしの子どもの頃の3倍以上の生産量になっていることを、改めて知って驚きました。人口は3倍にはなっていないわけですから、一人あたりの消費が激増しているのですね。

http://www.live-science.com/bekkan/data/senzai1.html

一人当たり一日6Lの石油を使っていて、このうちの5分の1が原料などとして使われています。
https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/2-3.html

そして、なんとエネルギー消費はわたしの子どもの頃の4倍にもなっているのです。
http://www.hkd.meti.go.jp/hokno/graph_oil2013/graph2013.pdf

グラフを見てわかるように、「再生可能エネルギー」なんて、まだまだ微々たるものでしかありません。

わたしたちの社会は「化石燃料依存症」なのです。

パリで開かれていたCOP21は、二酸化炭素排出量の削減にすべての国が取り組むことに合意しました。議論されたのは燃料としての石油・石炭ですが、その他、原料としての石油の有用さを鑑みる時、わたしたちは、石油依存から抜けることができるのでしょうか?

地球温暖化というのも「化石燃料依存」の病理ですが、石油文明はそれ以外にも「化学物質過敏症」のような病理も生み出しています。そもそも化学物質がなければ、過敏症にもならないのですから。

障害のある人々が社会に出て行きにくいのは、社会に障害があるからだというのが、「社会的障害」という概念で、障害の責任は社会の側にあると主張しています。

そして、障害者差別解消法は「合理的配慮」を求めています。

同様に、わたしたちがその有利性を享受している石油文明の結果、生み出されている病理については、個人がその負担を負うのではなく、社会がもっと「社会的障害」を削減するように努力する必要があるでしょう。化学物質過敏症の人たちが、もっと社会に出て行きやすくするために。

「文明病の痛みと負担は誰が?」
http://ericweblog.exblog.jp/19526903/
http://ericweblog.exblog.jp/19501478/

スピンオフ企画第一回は、COP21に合わせてナオミ・クラインの「これがすべてを変える」上映会を開催いたしました。

上映会の報告については以下より

http://ericweblog.exblog.jp/22028764/

第二回のご案内はこちらから。
2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。
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by eric-blog | 2016-01-02 20:13 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 468号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年12月20日

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ERIC NEWS 468号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年12月20日
アクティブ・ラーニング、チーム学校、学び続ける社会を生きる
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

12月も三分の二が過ぎて、つまりは今年も後残すところ10日ばかり。
いかがお過ごしですか?

ERICも倉庫の移転先も決まり、在庫処分のご協力も受付はこの年末までとさせていただき、年度内に、事務所への在庫の移転、静岡への移転などを完了させたいと思っています。

去年からファシリテーター養成講座のスピンオフ発展企画を12月から2月3月の主催研修空白期間に実践しています。去年は「犯罪弱者」というキーワードで講座を三回行いました。

今年は「文明病」をキーワードに上映会と連続講座を企画しました。

こくちーずはこちらから
12月23日 ナオミ・クラインの「これですべてが変わる」上映会
http://kokucheese.com/event/index/360961/

2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。



◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画
◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3.  ERICのテキスト在庫処分中! 受付は12月末まで。
◆◇◆4. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New? ファシリテーター養成講座スピンオフ企画◆◇◆

ここ2-3年、主催研修参加者に化学物質過敏症の方がいらっしゃいます。
参加申し込みの方には「研修参加にあたってのお願い」などの文書を事前に送って、参加にあたっての配慮をお願いしています。

香料の強いシャンプー、洗剤などの使用を控えていただくというのがお願いの中心ですが、意外なことに柔軟剤などが、何度洗濯しても落ちないなどの課題も見えてきています。

わたし自身は電解水洗濯機を使っているので、もう十数年?洗剤を使わない生活をしてきているので、世間でどれほど柔軟剤や香料のきつい洗剤が使われているか知らなかったのですが、わたしの子どもの頃の3倍以上の生産量になっていることを知りました。

http://www.live-science.com/bekkan/data/senzai1.html

一人当たり一日6Lの石油を使っていて、このうちの5分の1が原料などとして使われています。
https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/2-3.html

そして、なんとエネルギーはわたしの子どもの頃の4倍にもなっているのです。
http://www.hkd.meti.go.jp/hokno/graph_oil2013/graph2013.pdf

グラフを見てわかるように、「再生可能エネルギー」なんて、まだまだ微々たるものでしかありません。

わたしたちの社会は「化石燃料依存症」なのです。

パリで開かれていたCOP21は、二酸化炭素の削減にすべての国が取り組むことに合意しました。議論では主に燃料としての石油・石炭ですが、その他、原料としての石油の有用さを鑑みる時、わたしたちは、石油依存から抜けることができるのでしょうか?

地球温暖化というのも「化石燃料依存」の病理ですが、それ以外にも「化学物質過敏症」のような病気も生み出しています。そもそも化学物質がなければ、過敏症にもならないのですから。

障害のある人々が社会に出て行きにくいのは、社会に障害があるからだと、社会的障害という概念で、責任は社会の側にあると主張しています。

障害者差別解消法は「合理的配慮」を求めています。

同様に、わたしたちがその有利性を享受している石油文明の結果、生み出されている病理については、個人がその負担を負うのではなく、社会がもっと「社会的障害」を削減するように努力する必要があるでしょう。化学物質過敏症の人たちが、もっと社会に出て行きやすくするために。

「文明病の痛みと負担は誰が?」
http://ericweblog.exblog.jp/19526903/
http://ericweblog.exblog.jp/19501478/

スピンオフ企画第一回は、COP21に合わせてナオミ・クラインの「これがすべてを変える」上映会を開催いたします。

■ This Changes Everything「これがすべてを変える」紹介ビデオ9分もおすすめ!
http://www.theguardian.com/business/video/2015/mar/06/this-changes-everything-naomi-klein-oil-video

ナオミ・クラインは、気候変動の問題に取り組もうとは考えていませんでした。しかし、環境破壊と不平等の関係に気づいたとき、すべが変わりました。ナオミの故国、カナダでは、政府がアルバータの油砂(タールサンド)に石油を求めてむらがる企業にほとんど野放しのような許可を与えました。その結果、フォート・マクマレイのような町が生まれました。世界の環境保護活動家たちと同じく、アルバータの先住民の人々も環境破壊に反対して立ち上がりました。世界に点々とちらがっているこれらの気候変動と不平等についての運動をどうつなぐことができるのでしょうか。
これは、まだ作業中のものを編集したものです。劇場映画のような長さの「これがすべてを変える」は、Avi Lewisが監督し、今年、公開されるでしょう。
ナオミ・クライン、チャーリー・フィリップ、ジュリエット・リデル、アビ・ルイス、シャイ・ロドゴウスキー


■ナオミ・クラインの仕事

○ナオミ・クラインは『ノー・ロゴ!』で国際デビューしたジャーナリストだ。

有名商品がどのように売り込まれていくか。ブランドなんか要らない。
http://ericweblog.exblog.jp/3291838/
それは商品だけのことではない。政治家だって「ブランド戦略」だ。わたしたちは「売り込まれる」時代にいる。消費の時代。消費するためのお金のために働く時代。

○ナオミ・クラインの告発第二弾は衝撃的だった。

ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く
ナオミ・クライン、岩波書店、2011
http://ericweblog.exblog.jp/18813065/
そして、3.11によって、わたしたちも惨事便乗型資本主義の正体を見た。
いや、いまも続く、わたしたちが目撃しているものは「惨事便乗型政治改革」である。緊急事態の名の下に個人情報が把握され、官僚の裁量が拡大し、安全保障関連法が整備され、民主的意思決定の手続きが無視される。
いま、わたしたちは惨事便乗型復興推進と経済政策と政治改革のトリプルで目撃している。緊急事態宣言をやすやすと認める心へと、誘導されていく。

わたしの好きなジャーナリストです。

彼女の紹介および上映会の紹介についてはブログを参照してください。
http://ericweblog.exblog.jp/21919196

こくちーずはこちらから
12月23日 ナオミ・クラインの「これですべてが変わる」上映会
http://kokucheese.com/event/index/360961/

スピンオフ企画第二回は、この映画の内容を受けて、これまで化学物質過敏症の人に対して「合理的な配慮」をどのように行うことができるかを考えてきたことを一歩すすめて、文明病の体質改善にまで踏み込んで、問題提起を広げていくための研修プログラムを考えていきたいと思います。1月だけでなく、2月にももう一度行う予定です。

2016年1月28日 「文明病の体質改善を考える」勉強会
http://kokucheese.com/event/index/361237/
ぜひ、お申し込みください。

キーワードは「インクルーシブ」包摂的な社会デザインとしての教育のあり方ということです。特に、文明の闇の部分にかかわるものをどのように「抱きしめる」ことができるか。だんだんゲド戦記のような気分になってきましたが。

光あるところに必ず陰あり。文明の力が強ければ強いほど、それは均質化と波及力が強いということを意味するのだが、その排除の力、否定の力も強くなる。ゆるやかに、多様な存在を包摂することができる文明へと、近代の人間化へと舵をきる時が来ていると思います。

そして、その鍵は教育に、広い意味での学びに、そして学び続ける個人と社会にあるのではないでしょうか。


◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ5本終了しました。◆◇◆

前期のテーマ・コース三本とスキル・コース2本が、いずれもゼミ程度ではありますが、新たな参加者を得て、無事終了しました。
去年採択されたesdGAPおよび持続可能な開発目標(SDGs)は、これからのわたしたちの社会のあり方を導く道しるべであるのですが、特にesdGAPは教育にとっての重要な指針です。
毎回、esdとしてどうよ?というふりかえりを入れるだけで十分かどうか、2016年の課題としたいと思います。

そんな2015年をふりかえり、そして2016年度に橋渡ししていくのが年度末3月に開催する「TEST教育力向上講座」です。3月下旬を予定しています。ぜひ、開催日時についての御要望をお寄せください。

■これまでの主催研修の記録はホームページおよびブログに載せています。ERICホームページはこちらから。
http://www.eric-net.org/by-eric.html#AT

以下は、ブログ記事です。
■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
http://ericweblog.exblog.jp/21882789
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by eric-blog | 2015-12-22 11:40 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 465号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年11月30日

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ERIC NEWS 465号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年11月30日
遊びが学び、没頭するフロー体験が人を育てる!
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

前回もアクティブ・ラーニングについて書いたが、国立教育政策研究所の研究プロジェクト報告書『資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究』を読むと、愕然とする。アクティブ・ラーニングって実質「参加型学習」とわたしたちが言ってきたものと同じなのに、「参加型学習」として「気づき」の経験学習的アプローチや参加のスキルなどを整理してきた蓄積があるのに、また、多様な方法論だけに引き戻された感がある。

 報告書でアクティブ・ラーニングの先行事例として類型化されて紹介されているのが
問題解決型学習/ 問題基盤型学習
探究学習
発見学習
プロジェクト型学習

まるで1970年代のデジャブである。元木先生、水越先生などが、昭和30年代から提唱してきていた学習ではないか。議論のふりこがまた戻ったということなのか。

 そこに、「コンピテンシー目標」が達成できるとか、「三層構造のリテラシー」に合致するとか。いま風の専門用語がちりばめられているが、本質的には変わらない。

 わたしたちの「助成金」もそうだが、「研究」というのもどこか新規性やオリジナリティが求められる。オリジナリティの表し方は、「古いものの新しい組み合わせ」にすぎない。

研究者はそれでいいのだろうが、現場はふりまわされるだけにならないか。

 現場の「研究」主体を育てることこそが、課題であって、研究プロジェクトの結論が大事なのではない。

 齋藤学さんは、「学びの共同体」において、「研究課題」を新しいものにとびつかないこと、「ていねいに改善していくこと」を指摘している。その通りだと思う。

 学校共同体の主体性を取り戻すこと。それが一番の課題だと思う。


◆◇◆目次◆◇◆

◆◇◆1.  What’s New? 「遊びが学び」
◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ
◆◇◆3.  ERICのテキスト在庫処分中! 12月末まで受付中
◆◇◆4. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New?  「遊びが学び」 ◆◇◆

 子育て中の世代の方々を対象に、練馬でプレイパークなどの実践をされている団体が主催した三回連続講座に参加しました。限られた人数の研修なのに、申し訳なかったなあと思いましたが、とても面白かったでした。

第一回で学んだのは「Playwork」という概念。イギリスでは大学にコースがあるそうです。
http://ericweblog.exblog.jp/21822254

ここで紹介されたもので、とても役立っているのが『遊び合いを妨げる17の症候群』リストです。参加型での研修の「学び合い」を阻害するものとの共通性の高さに驚きます。今回の『未来を学ぼう』研修でも活用しましたが、「Wimping」怖がるという概念を「Wimpiちゃん」というキャラクターにしてしまいました。

ベテルの家の統合失調症の方が自分の症状に名付けることで対応することを学ぶように、わたしたちも「ついつい学び合い、遊び合いを妨げてしまう自分自身の傾向」に名前を付けることで、その「起こり」に気づき、対応することができるようになるのではないでしょうか?

講師の嶋村仁志さんにご紹介いただいた本も読みました。
『男の子の乗りこえる力を育てるワンパク体験』
http://ericweblog.exblog.jp/21828552

イラストレーターの親御さんが、ネタなのか、過剰に心配性なのが気になりましたが、そういう人でも安心して参加できるようにしなくちゃいけないんだなあと、どこか納得。

Play遊びはwork効きます!

で、今日、三回目。プレイパークの実践と「感覚統合」の理論の関係について学びました。

感覚統合という概念も参加型学習にとっては新しい概念ではありません。

そう、あのわかりにくい「全体言語主義」こそが感覚統合そのものなのです。

PLTファシリテーター研修を受けた方ならPLT研修の五つの特徴というのを覚えておられているでしょうか。

・構成主義
・協同学習
・概念をツールに
・全体言語主義
・コミュニティの課題解決、問題解決学習

感覚統合という概念は、学習困難、自閉症児のための学習指導で使われ、発展した来た方法論のようです。検索してみると、図書館にある本のほとんどが支援学級の実践や指導者用のようです。

人の感覚は、千差万別。センサー万別なんて、変換してしまいました。

子どもの感覚は、発展途上。大人と同じようには働かない。

諸感覚の「でこぼこな」発達があたりまえ。どこかが突出しつつ、どこかが欠けつつ、それらが相互に刺激しあって発達していく。それが子どもの発達の姿だということ。

遊びという没頭体験が、もっともからだ諸感覚の統合的成長につながるのだということ。

諸感覚という時、六感以外のものを今日の研修では「実感」する演習がありました。
・三人一組になる。
・軍手をはめた手で、かばんから財布を取り出し、「穴の開いていない硬貨」を一枚取り出す。
・グループの一人が、軍手をはめたままで、5種類の資料をグループの人数分取りにいく。
・帰ってきて、軍手をはめたままのグループの他の人が、それを順番に並べ、みんなに配る。

・ペアになる。
・握手する。一歩近づく。身体接触の感覚。パーソナルスペースの感覚。
・相手の背中の真ん中を指の先で上から下へなぞる。
・片脚で立って10秒数える。
・右手で複雑な形を作って、耳のそばに置く。合図で、左手でも同じ形を耳のそばで作る。

三人一組では、別のワークもしたのですが、ポイントとしては「子どもの感覚を実体験する」ことが大切だったと思います。高齢者の感覚を学び合うために、ど近眼の眼鏡をかけ、手袋をし、からだにおもりをつけて動き回る、鍵をあけるなどの経験をしたことがありますが、子どももそうだったとは!

考えてみれば、当然のことなのに、まさか、そこまでとは、思っていませんでした。

子どもの手先感覚、あなたも実感してみませんか?


◆◇◆1. at ERIC主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ2015年度のお知らせ◆◇◆

2015年度の6本の研修中、5本が終わりました。
いずれの回も、ゼミ程度の人数で、じっくりと「学び合う」ことができました。
記録は以下からご覧ください。

■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 終了
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」 終了 http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 終了
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 終了
http://ericweblog.exblog.jp/21780337

■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」終了
http://ericweblog.exblog.jp/21882789

■2016年(平成28年)3月下旬予定TEST教育力向上講座

御案内はこちらからダウンロードできます。
http://www.eric-net.org/news/ESDfc2015pamph.pdf

しばらくお休みして、3月に、今年度最後の主催研修となります。
日程については、参加者のご希望によって決定していきます。
ぜひ、日程候補を御知らせください。First come, first served!


◆◇◆2.  ERICのテキスト在庫処分中! 受付は12月末まで ◆◇◆

 熊本の倉庫から在庫を、処分することにいたしました。これまで、ご高齢になられた加藤さんのご実家に甘えていましたが、いろいろ終活をすすめていくお気持ちになられたのだと思いますし、当然だなあ。

 とご案内していたところ、静岡のPLTファシリテーターの方から、倉庫のご提供の申し出がありました。ありがとうございます。とはいえ、在庫を整理すると宣言したので、12月末まではご協力者を受け付けます。
 研修のテキストとしてご活用ください。

=====在庫廃棄処分引き取り希望調査表=====
一箱入冊数
ワールドスタディーズ20
PLT木と学ぼう20
フードファースト20
テーマワーク20
わたし、あなた、そして20
地球のみかた20
対立から学ぼう17
未来を学ぼう15
環境教育指導者マニュアル10
人権教育ファシリテーター20
   〃  発展編20
   〃  実践編20
レッツ・コミュニケート40

処分予定日は、2015年度末までです。

以下のような内容を書き込んでいただき、メールでお申し込みください。
==========================
申込者:
氏名                
住所                                  
    
送り先住所: 同上 その他の場合は記入してください。

連絡先: 電話番号            、e-mail            

ERICステイタス: いずれかにチェック
□スタッフ □理事 □遠距離運営委員 □アルムニ(卒業生) □その他

一箱あたりの処分費用は3000円です。

入金予定日:             

*わたしは、ERICの活動の趣旨に賛同し、在庫処分のために協力いたします。


入金確認後、熊本から発送いたします。倉庫作業の都合上、通常のテキスト発送より時間がかかります。ご了承ください。
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by eric-blog | 2015-11-30 19:21 | ERICニュース | Comments(0)

ERIC NEWS 463号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年11月15日

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ERIC NEWS 463号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年11月15日
アクティブ・ラーニング、チーム学校、学び続ける社会を生きる
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

ボクササイズにはまっています。これまで気功、太極拳、ヨーガなど、からだのメインテナンスにつながるものは定期的にやってきていましたが、大汗かくような「運動」はやったことがありませんでした。いつも自転車なので、それが有酸素運動につながっているだろうと安心していたせいもあります。

それがトルコで「口笛が吹けない!」という事態に直面し、顔面筋も使わなければ衰えるという事実を発見。もっと動かさなければと、思い知りました。結局、帰国後、口笛は回復しており、気候が乾燥していたせいもあるかということにはなったのですが、ショックをきっかけに体質改善。

ボイストレーニングの講座が区立体育館であったはずと、チェックをしたら、人気の講座で満員。いつでも空いているボクササイズで通っておけば、タイミング良く申し込むことができるのではないかと、定期的に通うことにしたのです。ちなみにボクササイズは受講者7名ほど。

三つ、気づいたことがあります。
1. 肩甲骨を寄せるって難しい。
2. 顔と左ひざを前に向けたまま、腰と肩を回転させることがわからない
3. いつも動かさない筋肉がたくさんある

肩甲骨と骨盤は、頭蓋骨と並んでからだの中の大きな骨。それをぐらつかずに回転させる? わかりません。つい去年、背中にまわした手のひらを合掌することができるようになったばかり。その肩甲骨をさらに動かす!

毎週、腰肩まわりは筋肉痛。とはいえ、動かし方がおもしろいので、続けます。その内に「極意」に至れるかもしれません。人体模型も購入して、目下インナーマッスルと骨格の動かし方をイメージトレーニング中。

新しいことに出会うのは愉しい! 自分に合っているものに出会えると、愉しさ倍増ですね。

さて、今週のERICニュースatERICfromERICは、主催研修につながる最近のニュースから。

◆◇◆目次◆◇◆
◆◇◆1.  What’s New? いじめ対策と教員の資質向上
◆◇◆2.  2015年度、ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジの予定
◆◇◆3.  ERICのテキスト在庫処分中! ぜひご協力ださい。
◆◇◆4. by ERIC これまでの活動


◆◇◆1. What’s New?  いじめ対策と教員の資質向上◆◇◆

今回の「What’s New?」では、いじめ問題と教員資質の向上の二つを取り上げたいと思います。

■「いじめ対策」という対症療法ではなく、関係性と社会性のスキルを育てる

教育という場において、いじめ対策とか、予防教育って言い方は変だと思うということは、すでに書いて来たことです。教育はすべて「予防」ですから。

特に学齢期の教育は、人生の試行的実験段階だとも言えるでしょう。もちろん、生きるということの質が低いとか言っているわけではありません。わたしたちはみな、一度きりの人生、いつだった試行錯誤、いつだって学び、です。

それに、いじめは人間関係不全症候群の一つで、その対症療法だけをとることは集団の健全な関係性づくりの基礎にはなりません。悪くすると「これをしちゃいけない」というような萎縮した感覚や触らぬ神にたたりなしの態度を増長してしまうかもしれません。

民主的な社会の基盤を作るための教育は、民主的な人間関係とコミュニケーションのスキルを教えるものでなければなりません。その基本は、「わたし、あなた、みんな」の三つの参加のスキルだとERICではまとめています。

わたし  自己理解、自尊感情、自己主張
あなた  関係性、相互尊重、建設的なコミュニケーション
みんな 社会性、市民性、協力、

ERIC主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジも後半に入り、スキル編が始まっています。10月は関係性のスキル「対立を力に」をテーマに行いました。11月は社会性のスキル「協働参画の未来を拓く」を開催します。

「対立を力に」の研修記録は以下のブログで見ることができます。
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/

その中で、参加者とともに確認したことは、対立は人生で避けられないことだから、「対立の扱い方」を教えた方がよいし、対立はないよりあった方がよいということでした。ついつい避けたくなる対立ですが、人生のスパイスでもあり、失敗もまた、学びの素なのです。

TEDで「思うはまねく」というプレゼンを行った植松 努さんは、「いじめる人はいる。傍観者にならないこと」と言っています。
https://www.youtube.com/watch?v=gBumdOWWMhY
http://tsutomu-uematsu.hatenablog.com/entry/2014/10/10/115552

いじめは大人の社会の方がすごいのだと、植松さんは言います。そして、明らかに力関係がそこには働いています。学校のように教員が止めてくれるとか、介入するなんてことは期待できません。だからこそ、仲間の力が大事だと言います。

いじめられている人がいたら、ちょっとその人に寄り添う。見方だよというシグナルを送る。理不尽な力の使い方は許さないことを態度で示す。それも一つの勇気であり、スキルです。

とても現実的な対処法を、植松さんは教えてくれます。学校時代というのは、そんな勇気やスキルも含めて、もっといろいろと関係性について学びがある方がよいのではないでしょうか。

例えば、「日本社会」についての学びです。高校の政経や倫社で「日本人論」などをやるかもしれません。しかし、日本社会における関係性について、明示的に学んだことは、少なくとも中学校まではないのではないでしょうか? 

『対立から学ぼう』のカリキュラムを翻訳した後、日本社会の対立のあり方について、研究会を開催しました。その時発見したのが「日本社会の○△□」でした。

○は「均質さを好む」傾向であり、悪く言うと「排他的」です。
△は「力の格差の感覚が大」、つまり、上下関係が強く、力による支配にまかれる。
□は「変化を好まない」、問題解決的でないということです。

このような傾向は、あきらかに国際的な人権尊重社会がめざす方向性とは異なります。国際的な人権についての動向をまとめると次の三つです。

○inclusive 包摂的、多様性を受け入れる
= equity 対等さ、平等に扱う
? プロセス思考、いまの社会に問題がないとは言わないが、問題提起を受けとめて課題解決のために協力することが大事だと考える。変化することを前提としている。

わたしたちは、このような「日本社会の○△□」の関係性やコミュニケーションについて、「学んだこと」はないのです。「まねたこと」がほとんどではないでしょうか。植松さんも、自分自身の体験から、学んで来たのです。

民主的な社会を作る力が「学級会」や「委員会活動」といった組織運営の形だけでなく、しっかりとしたコミュニケーション論に根ざしていること。そのような学びの中で、問題が起これば、またそこから学び、改善するような問題解決行動をとること。

ビジョンなき対症療法は、問題解決学習につながりません。

では、どのようなビジョンや価値観を体現したスキル学習が求められるのでしょうか。

ESDは「人間の尊厳」「社会的責任」「自然の一部としての人間」「文化的多様性」というような価値をベースにしています。

「いじめ」が人間関係不全症のあらわれだとして、いじめの起こらない人間関係というのを考えてみましょう。そのような関係性に向けて努力すること、問題を克服しつつ、「いいパターン」の習熟を続けることが、学び続けることになる。

あなたがつくっている関係性が実現している価値観をESDの価値観でチェックしてみましょう。


■「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」(答申案)に対するパブリックコメントの公募がありました。

文科省のホームページに掲載されています。ぜひ、お読みください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/002/houkoku/1360150.htm

アクティブ・ラーニングという言葉が、毎ページと言えるほど出てきます。参加型学習は、アクティブ・ラーニングの走りと言えると思いますが、「古い革袋に新しい名前」だけでは改革にはつながらないことはあきらかです。

具体的にはアクティブ・ラーニングとは以下のような学習方法があげられます。
小集団での話し合い
オープンエンドな協同での調べ学習
ロールプレイ、シミュレーション、ディベート
情報源についての検討
コミュニティの人々との交流、協働
海外、コミュニティ外とのライブな交流
インタビュー、物語、伝記などを通して、人の生活、人生に触れる。
変革の民主的なプロセスに参加する。

など、まさしく「アンガージュマン」なんて懐かしい言葉ですが、関わっていく態度を養うことがアクティブ・ラーニングであるわけです。

答申は、教員養成、現職教育およびミドル・リーダーの育成、更新研修などの資質向上の機会をとりあげていますが、同時に教員自身の「学び続ける」姿勢の大切さも強調しています。

子どもとともに生き生きと学ぶ。その姿は、教員を志す者であれば、誰しも心奪われる光景ではないでしょうか?

わたしも、カンボジアでボランティア教員をした時に、教室いっぱいのきらきらした眼に触れた時、「わあああ、癒される!」と思ったものです。ひょっとすると、日本の学校で疲れた教員のリハビリにもなるのではないかすら考えました。

さて、わたしが提出したパブリックコメントです。論点を四つにまとめました

論点1 アクティブ・ラーニングの実践について
論点2 ESD としての方向性について
論点3 チーム学校で取り組むために
論点4 教員の多忙化に対する対策
◇論点1 アクティブ・ラーニングについて、指導法として習熟すべきことが
多様な教科において求められています。
わたしが勤務するNPO法人国際理解教育センターでは、「参加型学習」の方法を使って「国際理解教育」「環境教育」「人権教育」などの内容教科を参加型で教える学ぶ方法を、指導者育成研修において実践しています。
教員養成の免許において、「教科に関する科目」ではアクティブ・ラーニングの視点が取り入れられていますが、教育の基礎理解に関する科目においてはその言及がありません。教育目標、教育内容、教育方法などについての参加型でも学びの体験が「チーム学校」において、目標、内容、方法についての合意形成にも活かされるのではないでしょうか。

ぜひ、すべての科目において、できる限り「参加型」アクティブ・ラーニングの視点からの学び合いをとりいれてはいかがでしょうか。また、米国の着要員養成課程においては「協同学習」「プロジェクト学習」を取り入れることで、自主的な学びの中で、内容の修得の深化を図っています。

そのような工夫もすべての科目について行うことが可能であると思います。

◇論点2 ESD としての方向性について

ESD持続可能な未来のための教育は「価値観」の教育であると言われています。いまのままでは続かない、危機的な状況にある産業科学技術社会をどう持続可能な社会へと舵取りするか、そのためにはわたしたちの価値観が変わらなければならない。そのことが昨年岡山県や愛知県で開かれたESDフォーラムで採択されたGAPでも繰り返し確認されています。すべての教育をESDへと「再方向付ける」ことがアクション・プログラムの中でも求められています。
しかし、今回の答申を読んでもESDとしての再方向付けという文言は出ていません。「はじめに」においてなぜいま見直しが求められるのかという問題意識としては持続可能性も含まれているように思われますが、それだけでは十分ではないと思います。
持続可能な社会の基盤となる価値観と、そのような社会を主体的参加によって築きあげるためのコンピテンシー、生きて働く力の両方が大切なのです。

そのような価値観とコンピテンシーを育てる教員にも、そのような価値観とコンピテンシーが身に付いていることが求められるのは当然なのではないでしょうか? その上で、答申が何度も強調しているように「学び続ける姿勢」、時代の変化や要求に応えていくことができる力があるのではないでしょうか。

◇論点3 チーム学校で取り組むために

もう一点、答申の特徴は、学校全体で取り組む姿勢の提案である。
Whole school approachというのは環境教育やESDでずいぶん前から指摘されてきたことであり、ESDが価値観の教育であるということを鑑みれば、学校全体に首尾一貫性があることが、効果的な教育につながることは容易に諒解できることである。従って、教育的効果の点からも、「チーム学校」によるアプローチは必須である。
一方で、すでに総合学習の時間における教員の協力についての前例が存在する。総合的な学習というのは教科横断的な内容であり、かつ、問題解決の行動化へのつながることが期待された学習でした。しかしながら、総合的な学習推進のための加配も、研究支援も、体制もなく、それぞれの教員と学校にお任せでした。
今回、ミドル・リーダーというOJTを支援する体制メンバーが強調されているようですが、これまでの教員養成の中に「協同学習」やアクティブ・ラーニングの学びはありませんでした。
なんの支援策もないまま、制度先行になるのではないかと危惧します。
いま、学校現場に「中堅どころ」が少ないのは現実です。しかし、それはこれまでの教員採用の無計画さによる結果であって、急に改善できるものでもありません。また、無計画な教員採用縮小によって、教員養成系学部が疲弊もしたのです。
今回の答申に、これまでの教員採用について反省があるように思えません。
チーム学校を推進するためには、そして、学び続ける学校づくりのためには、例えば『学習組織 五つの原則』など、チーム学習についての理論、そしてコミュニティ・オブ・プラックティスなどの実践が役立つのではないでしょうか。
チームを成功に導くカギは「システム思考」であるとピーター・センゲは言うわけですが、わたし自身は「ビジョンの共有」こそが鍵だと思っています。
果たして、今回の答申に従った改革で、学校に「チーム学習」のための時間とノウハウは生まれるのでしょうか?これまで、一匹狼であった教科教育の牙城、中等教育においてこそ、チーム学校をすすめるための方策がしっかりと考えられるべきではないでしょうか。

◇論点4 教員の多忙化に対する対策
答申は教員の資質能力の向上についてですので、教員養成や更新研修などについて述べられています。しかし、大切なことは育成された資質や能力をいかんなく発揮することができる環境整備ではないでしょうか。
チーム学校に対する支援策も環境整備の一つだと言えますが、なんといっても必要なのは、特に「学び続ける」教員という答申の大切な柱について言うならば、教員の多忙化に対する対策ではないでしょうか?
集金などの雑務、クラブや特別活動、そして進学指導などが、教科教育以外にも教員の時間とエネルギーに食い込んでいます。もちろん、学級定員が削減されれば、それだけかかる時間も少なくなるでしょうが、それだけで十分だとは思えません。
いま、非正規の学習指導員や支援員が増えています。実際には教員に、それらの人々を効果的に活用するためのコーディネーションという役割も求められているのです。今回の答申を読みますと、正規雇用の教員には、ミドル・リーダーという新たな役割も期待されるようになり、さらなる多忙化につながるのではないかという恐れすらいだきます。

答申には教員の多忙化に対する根本的な解決策が求められることも、かきそえていただきたく思います。


◆◇◆2. at ERIC主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ2015年度のお知らせ◆◇◆

10月からはスキル、行動力アップにつながる参加型学習の方法を学んでいます。

ESDはコンピテンシー、知識偏重ではなく、学んだことが「生きて働く力」となって、行動につながる教育を目指します。もちろん、その行動がESD的価値観に根ざしていることが大切です。

次回の研修「未来を学ぼう」は、未来志向の行動のあり方を提起するものです。

カリキュラムは未来志向の価値観に根ざして作られており、現状肯定的、伝統礼賛的な価値観ではなく、現状を理念に照らして課題を明らかにし、問題解決的に取り組もうとする姿勢を育てています。

「なってしまう未来」を「仕方ない」とあきらめるのか、それとも「なりたい未来」を想起し、そこに向かう行動を選択して行くのか。一人ひとりの主体的選択を育てることが民主主義教育の基本です。そしてESDとは、その行動選択の規準に「環境」や「人権」という価値観が反映していることを求めるのです。

一人ひとりの日々の選択の結果が、未来なのです。

どんな未来を望むのか。学習性無力感を強化する教育に、あなたの教育はなっていませんか?
■ESDファシリテーター養成講座 スキル「未来を学ぼう」
平成27年2015年11月28日(土)29日(日)

■研修プログラムの概要

研修プログラム

セッション1 共通基盤づくり
11:00-13:00
1. 二日間の内容について
2. 「未来を学ぼう」って何だろう? [出発点「知っていること・知りたいこと」]
3.  傾聴
4. 二日間の心がけ[一人で→ペアで→全体で]
5. ふりかえり

セッション2 流れのあるプログラム体験
14:00-16:00
1.世界のイメージ図を書こう、好きな点・嫌いな点
2.差別のある状況
3.理想の未来は
4.行動計画づくり

セッション3 『未来を学ぼう』教え方・学び方の特徴
16:00-18:00
1.3つの省察・ふりかえりシート
2.点検、ESDとしての再方向づけの視点を持つ
3.『未来を学ぼう』の特徴テキスト・リーディング
4.ふりかえりとまとめ

セッション4 アクティビティ実践
9:00-12:00

セッション5 プログラムの評価
13.00-15.00

セッション6 まとめと個人的行動計画
15.00-16.00

■これまでの主催研修の記録はブログに載せています。

■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
http://ericweblog.exblog.jp/21486407/

■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」  http://ericweblog.exblog.jp/21488427/

■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
http://ericweblog.exblog.jp/21688691

■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
http://ericweblog.exblog.jp/21780337/
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by eric-blog | 2015-11-16 09:04 | ERICニュース | Comments(0)