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アイヌ神謡集

54-1(221) アイヌ神謡集
知里幸恵編訳
岩波文庫、1978年、2004年35刷り
元本大正12年刊

知里幸恵さんは、元本が刊行された大正12年に弱冠19才にして鬼籍に入られた方で、金田一京助さんとの出会いから、自らの民族的出自であるアイヌ語に開眼した人である。
この本は、彼女がローマ字表記によっておこしたアイヌの謡に、さらに日本語訳をつけたものである。まだ、ローマ字を利用したアイヌ語表記の型も定まらぬ時のことであったが、この岩波文庫版では、元々の彼女の表記を尊重した編集になっていると言う。
彼女の弟である知里真志保さんの「神謡について」という論文も収録されている。

『ユーカリの実のなるのを待って』にも、キリスト者の存在が不可欠であるが、知里さんたちも、生母が函館の伝道学校で修学、キリスト者となった方です。明治から大正にかけての日本の近代化に、キリスト者の大きな関わりを感じる。

謡自体はローマ字音をひらって音読するだけで、アイヌの朗唱が思われる。意味のわからないままに、何度も口ずさみたい思いがする。「文字を必要としない社会・文化」との出会い方の例が、ここにもあったことを忘れまい。

■100分で名著 ちりゆきえ
2022年9月5日月曜日 午後10時45分
15歳で金田一と出会い、アイヌの口承文化の大切さを知る。

https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/pEwB9LAbAN/bp/pw2yRjpRjm/?fbclid=IwAR2tmpl5gjeMSx2C9PJFzpXQJZRge72u83ZcDrc51cNkfsZY_lYZ28wSlDY

北海道推し! 北海道道「没後100年・知里幸恵とアイヌ語のいま」

初回放送日: 2022年12月15日

https://www.nhk.jp/p/ts/2ZG97LMMWQ/episode/te/NZ2MJZPJ8N/

by eric-blog | 2004-09-06 14:09 | ■週5プロジェクト04
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