負ける建築

かくたです。

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ERIC 2004-2009年 鍵となる方針

1. 持続可能性のための指導者育成を充実、拡大する。
2. 指導者育成のための制度や方法論について社会的提言を行う。
3. 持続可能性のために、紛争解決、和解などの平和的問題解決の方法を探る。

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49-2(205) 負ける建築
隈 研吾、岩波書店、2004

都市計画や建築をやっている人っておもしろいですね。前事務局長の吉田さんも都市
計画出身だし。「計画」「デザイン」というのは思想なしではできないということな
のでしょうね。
わたしと同年代の著者ですが、現在の巨大資本投資による「テーマパーク」化したエ
ンクロージャーに問題を感じながら、20世紀における建築における民主主義の敗北、
あるいはそのような旗手たちの裏切りの過去をひもときながら、明確な都市の開き方
が見えない。「石をぽつんと、都市においてみて、そこで何が始まるかを見たい衝動
にかられる」
建築を、少し、違う目で見てみませんか。
六本木ヒルズの賑わいは、あっという間に「とりかえしのつかないふてぶてしさ」に
なっていくのでしょうか?
にもかかわらず「建築する」という行為をわたしたちの社会は必要としているのです
かね。新幹線をより速くするという行為が必要とされるいるのと同じ程度に、かな。
ERIC蔵書ではありません。
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建築が嫌われる理由「大きさ」「浪費」「長寿」
・大きい、目障り
・物質の浪費
・取り替えしがつかない=建築の寿命の方が人生よりながい=ふてぶてしさ

機能主義のモダニズム

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建築の規制が始めてできたのは1784年のパリ
今日の建築規則の原型は、1916年、ニューヨークのゾーニング法
しかし、社会が建築を必要としていた。建築そのものよりも、「建築する」という行
為を。建築を促進する2つの方法。
・持ち家政策
・財政政策→ケインズの公共投資→公共建築=「大きい建築」→権力と建築の共犯関

それは典型的には、ヨーロッパの計画的公共集合住宅建設と、アメリカの住宅ローン
制度という二つの政策として20世紀初頭に現われた。

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経験とは時間に対する想像力である。
時間に対する想像力が精緻になり深められることで、持ち家政策もケインズ政策も破
綻せざるを得なかった。
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今度こそ、もう少し精緻な解答を出せないものだろうか。性急で感情的な答えではな
く、深く、射程の長い解答。

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批評性はその表現者のポジションを過剰に保護する。,,,
,,,日本の伝統的な芸術、芸能はこの構図を反復してきた。茶道も、能も、歌舞伎も、
すべて既成の芸術に対するみずみずしい批評性からスタートしている。しかし、,,,
様式というかたちで完成されると、,,,美学の再生産システムが確率されてしまう。
,,,「新劇」,,,タイムスパンは短縮される一方,,,批評性の凍結、様式化、堕落、ダ
イナミズムと攻撃性の喪失

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公共投資の対象となる建築は、公共という主体、
すなわちひとつの共同体全体のコンセンサスを獲得するもの,,,共同体の固有性を強
く表現すること,,,またその建築を体験することを通じて、人々の名かに、ひとつの
共同性が立ち上がらなくてはならない,,,

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ケインズ政策とは、クローズな社会とオープンな社会とが混在した状況の中で、有効
な政策であった。,,,クローズな社会において、公共工事は有効なインパクトを発生
する。しかし、,,中だけで財源の確保はできない。,,,オープンな社会で調達した財
源をクローズな社会へと投入し、,,,

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クローズな社会が消滅したときに、建築家はスポンサーを失ってしまったのである。
,,,オープンな社会の中で、なおかつ必要とされる建築は何か。,,,人々を見事に説得
しきれた時のみ、建築家に仕事が与えられる。ネネネクリティカルとは斜に構えて、
社会から自己を防衛する姿勢の別名であった。斜に構える余裕は、社会にも建築家に
も、とうに失われたはずである。斜めから正対へ。徹底的にポジティブでアクチュア
ルに。

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共同体が開き、外部と直面する時、人々は外部に対して「勝つ」レトリックを競い合
う。共同体が閉じ、外部を失った時、人々は負けを偽装し、内輪の人間関係を保ち、
自らを守ろうとする。,,,由緒正しい村落共同体的マナー
建築はどんなに負けようが、,,それでもまだ強いという事実を自覚すること,,,
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デモクラシーという幻想/シンドラー
民主主義の建築とは?
施工段階における民主化と、計画段階における民主化
職人的な閉じられた施工法に変わって、工業化による開かれた施工法
機能主義とは、建築の計画段階における民主化の言い替えである。権力の表象を目的
とした建築にかわって使いやすさを優先した建築。

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建築という巨大な物質の集積と、民主主義的な手続きとの間に存在するギャップ
大衆の出現によるこの困難の加速

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「開かれた技術」によって誰もが施工できる建築というのは幻想,,,巨大資本に占有
される高度な「閉じた技術」

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すべての人々に開放された客観的な手法(科学)によって計画され、デザインされた建
築が、すべての人々に開放された技術(工業)によって、安価で大量に建設されること。
それが初期モダニズムの目標
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否定したはずの「芸術」への回帰
コンクリートによる「芸術建築」

202
20世紀最高の建築家と呼ばれるル・コルビジェが、画像処理の達人であった
建築の世界は「写真だけによる美女コンテスト」
写真という危ないメディアと、建築という危ない世界の合体


206
視覚的な美はいくらでもねつぞうできる。,,,大切なことは舞台からひきずりおろし
て実際につきあってみること。同じ時間、ひとつのプロセスを共有すること。そうい
う体験の重みだけが、人間にとって意味を持つということを、ほかでもない、コンピ
ューターが教えてくれた。

209
近代的権力
2つのツール
。建築規制
・巨大な公共建築による都市の代用品づくり
切断される建築
広い土地→郊外→巨大建築

210
すべてはエンクロージャーに向かう。すべてはテーマパークに向かっている。
綿密に計画され、構築された現実の社会の代用品。
リスクの遅延による拡散
都市に対して建築を開く
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by eric-blog | 2004-09-04 16:08 | ■週5プロジェクト04 | Comments(1)
Commented by eric-blog at 2004-09-04 16:18
これで、7月から始めた「週5プロジェクト」も、これまで紹介してきた本を「週5プロジェクト03」として紹介し終わりました。ちょうど、夏休み、引っ越しと、一ヶ月「週5」は休みつつ、03年度のものをキャッチアップすることができました。やったー!!
後は、毎週5册を目標に、ぐわんばるぞー!
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