上司は思いつきでものを言う

かくたです。
「心」をかるーーーく、生きましょうね。

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48-1(199) 上司は思いつきでものを言う
橋本治
集英社新書、2004

先先週つれあいの友人が設立した会社の3年目の株主総会に列席。暇だったので読ん
でいたのがこれ。なかなか、「上司」であることも難しいものなんだなと思うが、橋
本の「心軽さ」が好きだ。1948年生まれだから、わたしより7才年上。これからます
ます心軽く生きていけるようなんだなと、うれしくなる。
ということで今週は、何冊か彼がかかわっているものを、これまでに読んだものも含
めて紹介します。引用したり、ページを書いたりするもんじゃあないね。
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現場と会社の分裂。中間管理職は現場を離れたばかりの会社人間。故郷の現場を懐か
しく思い、そのために部下から上がってくる提言に対して「必ず」思いつきでものを
言う。
なぜなら、建設的な提言は、自分の過去の否定であり、現在の管理職に対する批判で
あるからで、もう一方で、現場という故郷を懐かしく思うために嫉妬し、部下の戸惑
いという優位性の確認をしておきたい気持ちが働くからだ。

そして、豊かになるとともに、会社が現場をやせさせ、太った会社は「新しい現場」
を創ることで肥大する。現場がうまくいっていて会社もうまく行っている時はいいけ
れど、「下から上へ」がない組織では、会社が現場と分裂したり、現場がやせている
のに会社はやせなかったりすると、修正がきかなくなる。

「官僚」というのは究極の「会社」で、現場をもたない。「民」が現場なのであるか
ら。
「官」は現場の声を聞かなくていい。ふつうの会社では吹いている「上から下へ」
「下から上へ」というふたつの風の一方しかないのが「官」の組織。しかも、日本の
会社の多くが同じように官僚的になってきている。

ここで大切なのは、「人間的な声」を出すことだ。「現実離れ」している思いつきに
対しては、「あきれる」ことが大切です。そのためには「上司は部下よりえらい」と
いう儒教的イデオロギーにしばられた反射的対応から解放され、「バカにせず、バカ
かもしれない可能性も考えた」あきれかたがいいのです。「バカにしない」というの
は、それが民主主義の基本だからです。

いずれにせよ、会社には「健全な対流現象」としての「下から上」「上から下」とい
う風が吹いているべきです。現場と会社が分裂していない場合は、同じことをめぐっ
て、流れが起こっているだけのことなのですから。

日本の高度成長は、「現場の声」に応える商売と技術力によるものでした。
おもしろいことにわたしたちの儒教的態度は「西洋は日本よりえらい」というイデオ
ロギーにもつながっており、国際社会においても「あきれる」ことができません。
21世紀の「やせた現場」をコツコツ歩き回って、どうやったらこの現場をもう少し豊
かにできるかを考えるのが、日本のやることです。「"大きくなる"は古くなっちゃっ
たしな」とつぶやきながら。そして、適切に「あきれ」ながら。
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by eric-blog | 2004-09-04 16:02 | ■週5プロジェクト04 | Comments(0)
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