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虫捕る子だけが生き残る

312-1(1360)虫捕る子だけが生き残る 脳化社会の子どもたちに未来はあるのか
養老孟司、池田清彦、奥本大三郎、小学館新書、2008

大胆なタイトルだなあ。

昨日今日と子どものための釣り教室に参加した。主催している彼らに言わせれば、「魚釣る子だけが生き残る」なのだろうか?

『あなたの子どもに自然が足りない』が言うように、そして「子どもが家畜と触れ合う体験を」とアレルギー対策を考える人が言うように、子どもを自然環境、多様な生物に触れ合わせつつ育てることは、必須条件であるようだ。

この本の著者である三人は虫捕る人々。12年前にも「三人寄れば虫の知恵」を出したそうな。

虫を捕ることは感覚→脳→身体→感覚と情報をぐるぐると回していく作業に他ならない。脳は回転によって、働く。

第一章は虫の世界からみた教育論
至言である。
・ 殺して食べる「身体のための殺生」、虫取りは「精神のための殺生」
・ 論より標本
・ 事実は複雑、概念化は社会としての生きる知恵、しかし、世界のディテールを観察すると、自分なりの価値基準ができあがる。
・ 教育で教えられることは概念、個性は感覚からくる
・ 個性を磨くには外に出るしかない
・ 感覚というインプットと運動というアウトプットの間に脳の活動がある。
・ 「捕る」「集める」「調べる」活動のセットが虫取りである。

第二章は、虫の世界からみた環境論
と言いながら、ほとんど、あの虫がとれなくなった、この虫がいなくなったという報告の連続。確かに、虫は少なくなったのだろうなあ。

子どもよ、外に出よう! 大人よ、子どもとともに外に行こう!

子どもの育つ環境として自然環境、社会環境の双方が、いま足りないと、わたしは思う。隔離し過ぎ、コントロールし過ぎ。
by eric-blog | 2009-09-14 09:25 | ■週5プロジェクト09
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