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国際理解 重要用語300の基礎知識

かくたです。
                          2004年3月1日配信
ちょっとがっかりだなー。
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35-6(147) 国際理解 重要用語300の基礎知識
大津和子、溝上泰、明治図書、2000

300もの項目から、ひっかかったところだけ。
項目数は
1.現代社会の特質 8
2.国際理解教育 16 *
3.異文化コミュニケーション教育 15
4.異文化理解教育 11
5.多文化教育 25
6.海外・帰国子女教育 12
7.グローバル教育 12 **
8.開発教育 48
9.環境教育 41
10.平和教育 22
11.人権教育 52
12.国際交流・国際協力39

という大項目で整理されていて、「参加型」というキーワードがあるかどうかをチェックしてみた。ない。(それぞれに含まれる項目数を右にあげている。各項目は一ページで解説。)

ワークショップ、ロールプレイ、シミュレーション、ランキング、フォト・ランゲー
ジ、ワールド・スタディーズなどの項目を、「開発教育」の項目に入れているのだ、
この人達は。スゲー。しかも、ワールド・スタディーズを解説しているのは大津さん、出版社は「めこん」その次のページは「開発教育協議会」そうとうに、故意を感じるね。
大津さんは、みんな知っているとおもうけど、溝上泰さんというのは鳴門教育大学学
長らしい。北海道教育大学と鳴門教育大学は、ぜったい許さない二つの大学だなーーー。いやいや、わたしはボーディチッタの修練していますから、言ってるだけですけれどね。

まあ、それはそれとして、じゃあ「参加型」とか市民参加を言わずに、どのように
「未来志向の国際理解教育」*を語っているのか、見てやろうじゃないかと、ページ
をくったら、永井滋郎さんという帝塚山大学国際理解研究所の客員教授が「子どもた
ちに、夢と遊びを通して自由に考えさせる未来志向の国際理解教育の実現が待望され
るのである」と牧歌的なことをのたまわっている。

未来がこうなら、じゃあ、歴史はどうとらえんだよ、このばかやろう、と「地球時代
の歴史教育」**を見てみることに。森田真樹さんという広島大学の人が、歴史教育が、いまの問題の構造の再生産につながっていて、国際理解教育的な観点から改善が要求されているとしながらも、1.国内の多様な文化の歴史、2.国際理解学習としての歴史を中核にカリキュラムを組むこと、などと、トートロジーに終始している始末だ。

この人達の成長しなささと来たら、いやになる。

「新しい歴史教科書」の問題をしっかり指摘しろとまでは言わないが、少なくとも、
異文化との接点に焦点を当てる多文化教育のバンクス、マイノリティの視点からの歴
史、大文字の歴史に対する小文字の歴史、交流による豊かさと配分の正義、などを中
核に据えるべきだぐらいのことを言って欲しいものだ。

もう、これ以上はひどいので、ほっくり返したくない。事実とか年代については、しっかりしていると思うけどね。そんなことばっかり、論文とかでもチェックするような奴らなんだよなー。ウゲ。これで教育される人達がかわいそうだっちゅうの。ほんとに。
by eric-blog | 2004-08-20 10:21 | ■週5プロジェクト03
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