309-3(1347)闇の中の翼たち ブラインドサッカー日本代表の苦闘
岡田仁志、幻冬舎、2009
フリーライターである著者と、ブラインドサッカーの接点はなんと「キャプテン翼」! 著書に『キャプテン翼 勝利学』がある。
視覚障害者が行なうことができるスポーツの中で、晴眼者の手助けなしでプレイできる唯一のスポーツだ。もちろん、ゴールの後ろのコーラー、フェンスがない場合のサイドやゴールラインにおける人垣など、晴眼者との協働で、大会が成立することは、否めない。しかし、フィールドで、ピッチで動いている時、選手は、一人だ。
追っかけるボールは「音のなる」ボール。シュートの時には、アニメもどきの「バシューーーーーー」という効果音まで出る。というのはウソ。中に鈴が入っているのだそうだが、ドリブルの時に、「鳴らないように運ぶ」技の持ち主もいるそうだ。反則ではない。
プロサッカー選手が、からだ感覚でゴールの方向や距離を把握しているように、聴覚以外の感覚、からだでフィールドを熟知していくことも大切だ。ピッチサイズや人数、ルールはフットサルに準ずる。
http://futsal.jfa.or.jp/futsal/index.html
さすが、『勝利学』のライターだけあって、日本代表のプレイについて、動きが詳細に描き出される。ところがこれを読むのが、わたしにとっては苦痛なのだ。言葉が動きにつながらないからだ。で、ほとんどの部分を読み飛ばしてしまう。
で、残った部分で言うと、2001年から始まり、2003年アジア大会で優勝、2008年北京のパラリンピック出場をめざすも、アジア枠から敗退。
毎回の海外遠征で、「強豪」と言われるチームのプレイぶりに刺激を受け、しかし、毎回の大会に出場する国数も増え、レベルの格差は歴然としている。仕事も持つ選手たちは苦悩する。
しかし、すごい選手がいるものだなあ。これもぜひ実物を見に行きたい。