かくたです。
2003年12月2日配信 いやー、このミンデルという人に会いたいな−。どなたか、御存じないですか。 目指せ、長老の心。 心理学と社会理論と、政治学が統合されたのはわかるが、教育はどこに位置づくのか なー。 --------------------- 27-2(108) 紛争の心理学 ミンデル, アーノルド 講談社現代新書1570、2001 Sitting in the fire, Arnold Mindell, Lao Tse Press, 1995 エミリー・ミンデルと二人での集団ファシリテーションの実例。 カウンセラーではなくファシリテーター、アクティビティではなくワーク。 たぶん、ERICが「プロセス・ファシリテーター」と言う時、ミンデルの言う「ワーク」 、対立や葛藤やに向き合う作業は、とても役立つことだろう。 「プロセス指向心理学」とミンデルが呼ぶ心理学は、「心理的、精神的、感情的混乱 や運動の過程は、それ自体、知恵を内包している」ことを前提にしている。 「たえず変化していく生命のありようを信頼し、尊重し、そこから知恵を引き出しな がら、自己を成長させていく。」 監修者である永沢哲による前書き「融合の炎」では、ミンデルの心理学の特徴を三つ あげている。 一つは、プロセスの全体を尊重すること。それまでのあり方や物の見方に固着するこ となくはっきり理解したうえで、軽やかにそれらを手ばなすこと。東洋的タオ的な視 点。10 タオ的直観「自然成長する生命の流れを自由に解放する」 二つ目は、非判断的(non-judgemental)な態度と繊細な観察。カウンセラー的訓練と ならんで東洋的瞑想。そして増幅13 3つ目は全体論的性格。「夢のからだdreambody」「心の連続体」宇宙的真実の直観 にそのまま結び付く、そういう感ぜんに解放された意識のあり方。 すべて生命は幸福を求める。16 さらに、対立や衝突のさなかにある集団を場として実践される「ワールドワーク」17 集団は個人の心理をこえた独自のダイナミックスを持っている。 心理学的な手法を、社会の抱える問題を解放する手段として使うこと。19 ミンデルのワールドワークは深刻な緊張をかかえ、両極化した諸集団や個人が、それ ぞれの立場を表現できるように支えることによって、和解と融合をもたらし、共同性 を創造する。20 技法はあるけれども、その背景に横たわる感情(「メタスキル」)のあり方のほうがよ り重要。20 ワールドワークは、古の共同体において、弱者を救い、全体の福祉を実現するために 行われた集会や長老(エルダー)のはたらきを蘇らせるもの。 祭や儀礼を失い、異文化が、正面から激突する過程から、人類の共同性を創造するこ とはいかにして可能か。指向ではなく直観、正しさの基準ではなく知恵、善悪や理性 の言葉ではなく、それを生み出す感情の「場」や雰囲気。 ・文化を含めた多様性の徹底的尊重。世界が普遍的文化に収斂するという単系的進化 のヴィジョンをはっきり否定する ・地からの不均衡に対する鋭敏な自覚を保ち続けること。23 力の違い=「特権・ランク」=無自覚はただちにその乱用につながる。 「政治的・経済的力に欠け、周縁化されている階級や集団は、そのことを 強く主張しなければ、つねに無視される。政治的・社会的主流派が「上品」で理性的 なコミュニケーションの様式を要求するなら、それは無視したいという意思表示のメッ セージになる。24 抑圧者からも犠牲者からも解放された社会、「深層民主主義」 ------------------------- ワールドワークのパラダイム32 ・混乱 ・学ぶ姿勢 ・開かれた心 ・自己認識 ・未知なるもの 進め方のポイント ・「場」を扱う=なぜ?の背後の感情 ・隠されたメッセージを浮上させる ・力の乱用を浮上させ、明確にする 「いかなる力であれ、善し悪しは別に、もし自覚されなければ、抑圧的かつ有害なも のになる」38 ワールドワーク「プロセスワーク」は、1970年代後半からプロセス指向心理学の実践 を3人から1000人以上の人間集団に適用することで発展。 ワールドワークは、閑居ぅについてのエコロジーの関心、個人に焦点を当てる心理学、 む歴史的な変化に関する社会理論の理解を結び付ける。41 61page 「自分が生まれた抑圧された環境を生き残った者が、指導者になるだろう。同時に二 つの世界で生きる人々、すなわち多数派の文化において否認された集団の一員である 人々は、犠牲者になることを強いられているだけでなく、生き残って多文化の指導者 になることをさだめられている」 紛争解決の方法に多く見られる主流派的な偏向を自覚しなければならない。62 暗黙のうちに、あるいは明白に怒りを禁止する紛争解決の手続きは、結局衝突をあおっ てしまう。その手続き自体が、社会的な苦悶を避けることができる地域に住める、特 権的な人々によって好まれるものだからである。 力の乱用をなくすことではなく、それらに注意を向け、,,,グループ全体の自覚を促 すことである。 内面化された抑圧63 潜在的に行き渡る抑圧64 エッジ(行き詰まり)からホットスポット(極限)へ 何を行うかではなく、どのような気持ちで行うか。71 ワールドワークの目的は、ランクを超越することではなく、ランクを自覚し、それを 建設的に活用することである。89 自分の特権を知る121-125 1.あなたはどの民族集団に属しているだろうか。国籍、ジェンダー、職業、宗教、 学歴、経済階級、人間関係、年齢、健康? 2.あなたがアイデンティティのゆえに剥奪されていると感じる法的特権や利益は 何?アイデンティティのゆえに引き起こされている経済的な問題は?社会的特権の欠如 に関連して、引き起こされている心理的な問題は? 3.自分のアイデンティテ?ある特権。旅行、移住、小さなコミュニティへの所属、 多数派?知的、社会的、経済的力?、健康な肉体に関連する特権?自慢、収入、学歴、 家族の階級?他の人が求めているもので所有しているもの? パートナーの選択や母国語や教育に関わる特権?公の場で演説することでできるだろ うか。自信のある指導者になれるだろうか。 4.自分の特権を、心の中で、あるいは友人と祝福しよう。感謝しよう。喜ぼう。そ のような特権を与えている神聖な存在を想像してほしい。 5.自分の心理的な特権について思い起こす。子ども時代に問題がない、朝前向きに 考えることができる、将来について心配することがない、緊張や諸問題と取り組むた めの個人的方法がある。そうであれば非常に高い心理的ランクを持っている。 6.霊的な特権。現世むや来世に対する信仰とつながっているか?神を信じているか。 7.自分の特権をどのように活用しているか。 8.自分の属する集団では、どのような緊張や問題が浮上しているだろうか。 9.自分のランクや特権を、人間関係や個世界を変化させるために活用することを想 像してほしい。 第5章「復讐と文化変容」 テロリストとは主流派によって傷つけられ、皆の自由のために闘っている人々のこと なのである。128 消極性−復讐の最初の兆候134 その後、復讐への欲求は、抑圧者に対抗して団結する形になって現われる。 暴動、市民的不服従、革命。 組織発展の技法である「ロバートの秩序の法則」は、経営者に従う人を賞賛するが、 これはテロリストわ抑圧する方法である。154 テロリズムは、文化変容の必要性がありながら、それが妨げられているときの時代精 神である。 世界を変化させる復讐の権力をひとたび体験すると、テロリズムは中毒になる。164 世界を変えようとする熱意は、あらゆる種類の権力の乱用を招きうる。165 ワールドワーカーは、自分の仕事を楽にするために権力を乱用して、他者が変わるこ とを強いてはならない。人々はそのままのあり方で世界に必要とされている。165 グループ・プロセスにおけるテロリズムの兆候 1.権力志向 2.絶望 3.無謀 4.忠誠 5.中毒 6.復讐の禁止 7.集団に対する非難 8.自己破壊 9.強さに対する無自覚 第7章 虐待のワーク 「身体的、心理的、社会的に平等な立場にないために、それに対して自分を守ること ができない人への身体的、心理的、社会的な力の不正な乱用」181 状況が虐待的かどうか、人権、公民権、公正さ、民主主義の感覚が関連する。 第8章 公然の虐待と自分の声を見い出すこと ひそかに公共政策となっている虐待 その兆候 −ひきこもり、沈黙、そして怖れ −しゃべり続けること −自己不一致のコンセンサス=無気力や絶望 −過剰適応 第9章 長老のメタスキル 指導者と長老219 ・指導者は「ロバートの秩序の法則」に従うが、長老は「霊」に従う。 ・指導者は多数派を好むが、長老はみんなの味方をする。 ・指導者はトラブルを止めようとするが、長老はトラブル・メーカーが何かを教えよ うとしていると捉える。 ・指導者は正しくあろうとするが、長老はすべての中に真実があることを示す。 ・民主的な指導者は民主主義を支持する。長老は、独裁者やゴーストにも耳を傾ける。 ・指導者は自分の仕事をうまくこなそうとするが、長老は他の人達も長老になるよう 促す。 ・指導者は賢くあろうとするが、長老は自分の考えを持たず、自然の出来事に従う。 ・指導者は考える時間を必要とするが、長老は何が起こっているかを自覚するために ほんの一瞬を要するだけである。 ・指導者は行っているが、長老は学ぶ。 ・指導者は戦略を必要とするが、長老はその瞬間から学ぶ。 ・指導者は計画に従うが、長老は神秘的な未知なる河の方向性を尊重する。 老子「道徳教」より 「手放す勝者」 自然は力を持っている。グループ・プロセスの全体の流れに従う介入方法だけが、唯 一効果的なのである。229 水、風、無心などについて。 第10章 自覚という革命 長老の心はコミュニティという河が再び流れるように促す。 長老の心を養うことが、人間の意識に革命をもたらす。242 世界を変えるための具体的な10ステップ248- 1.「誰が自由を望んでいるか」と問う 2.自分達について自覚し、受け入れる 3.隠れたランクとダブルシグナルを自覚する。 4.復讐のダイナミックスを思い出す。 5.自分の声や「霊」を知る。 6.歴史とその課題を知る。 7.技術を身につける。 8.メタスキルを身につける。 9.混乱を大切にして火を消さない 10.始める 「人間の意識の領域で地球規模の革命が起こらなければ、人間味のある社会は現われ ないだろう」ハベル大統領、チェコ 257 すべてにみんなが関わっている 261
by eric-blog
| 2004-08-16 16:10
| ■週5プロジェクト03
|
最新の記事
ERICからのお知らせ
2023年度ERIC主催研修
ESDファシリテーターズ・カレッジ 前期 テーマについて学ぶ 【ESDイシューズについて学ぼう!】 3つのイシューズから課題に気づき、問題解決に取り組む 前期 【テーマ: ESDイシューズについて学ぼう!】 3つのテーマから課題に気づき、問題解決に取り組む 環境/PLT 2023年6月24-25日 国際理解 2023年7月29-30日 人権 2023年9月23-24日 後期 【スキル: ESDコンピテンシーを育てる!】 3つのキー・コンピテンシーで問題解決の力を高める わたし 2023年10月28-29日 あなた 2023年11月25-26日 みんな 2024年 1月27-28日 各講座土日開催です。 TEST教育力向上講座は2024年3月に開催予定。 参加はオンライン受講も受け付けます。お問い合わせください。 参加申し込み: webでの申込はこちらから https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfCwrZxu0NEhmJINrbtxX7knhM_eqIX3Qahd--mdkvgyowGlw/viewform ==問い合わせ== eric(a)eric-next.org メルマガ登録はこちらから。 http://www.mag2.com/m/0000004947.html 検索
カテゴリ
●3.11地震・津波・原発 ○子ども支援・教育の課題 ◎TEST 教育力向上プロジェクト ☆よりよい質の教育へBQOE ☆アクティビティ・アイデア ☆PLTプロジェクト ◇ブログ&プロフィール・自主学習ノート □週5プロジェクト23 ■週5プロジェクト22 ■週5プロジェクト21 ■週5プロジェクト20 ■週5プロジェクト19 ■週5プロジェクト18 ■週5プロジェクト17 ■週5プロジェクト16 ■週5プロジェクト15 ■週5プロジェクト14 ■週5プロジェクト13 ■週5プロジェクト12 ■週5プロジェクト11 ■週5 プロジェクト10 ■週5プロジェクト09 ■週5プロジェクト08 ■週5プロジェクト07 ■週5プロジェクト06 ■週5プロジェクト05 ■週5プロジェクト04 ■週5プロジェクト03 △研修その他案内 □研修プログラム □レッスンバンク ▲ファシリテーターの課題 ?リンク 草の根の種々 ERICニュース 国際理解教育and You詩歌 □ 最新のコメント
フォロー中のブログ
PLT2006年版翻訳プ... ERIC用語集 PLT 幼児期からの環境体験 リスク・コミュニケーショ... アクティブな教育を実現す... プロジェクト・ラーニング... エコハウスでのエコな生活... 外部リンク
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2003年 05月 最新のトラックバック
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||