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Raising Self-Reliant Children In A Self-Indulgent World

かくたです。
                            2003年9月23日配信
ERICにある本で、「スキル」系のものをまとめてみようかと。

いまならば、「生きる力を育む7つの力」という題名で翻訳出版すると売れるのでは
ないかと思うような内容の本です。

何よりも、最初の問題意識の整理がいいなと思いました。簡単なのですけれどね。

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19-2(72) Raising Self-Reliant Children In A Self-Indulgent World
GLenn, H.Stephan、Nelsen, Jane
PRIMA PUBLISHING & COMMUNICATIONS、1989

教育が変わらなければならない理由

家庭教育だけでは伝わらないものを教えるようになった
価値観を共有する必要がある
都市化 75%が都市に住む
テレビなどのマスメディアの登場

より成熟した個人が、すなわち兄弟姉妹、親、親類、先生、近隣などの地域社会の構
成員が、若い人たちの学習環境において、、対話と協同によって、彼等の思考を発達
させ、明確にし、彼等が成熟し、識別力と判断能力が育つ。29

対話の減少によって起こった変化をまとめてみよう。

表1.1 ライフスタイルにおける主要な変化30-31

特徴 1930年代 1980年代
家族の相互関係 高い 低い
価値システム 単一 多様
役割モデル 一致 不調和、不協和
論理的帰結 経験豊富 回避
世代間交流・関係 多い 少ない
教育 より少ない より多い
情報のレベル 低い 高い
技術 低い 高い
有無をいわさぬ義務 多い 少ない
家族の仕事・家事 たくさん 少し
家族のサイズ 大きい 小さい
家族の形 拡大 核
家族形態の多様性 少ない(10-15%) 多い(35-42%) (単身、混合、義理)
学級サイズ 18-22 28-35
近隣学校 主流 まれ

いくつか、日本の状況と違っているかもしれないが。

若い人々を育てるために必要で、しかも、いま、わたしたちの社会において、少なく
なっているもの

1.ネットワーク
2.意味ある役割
3.生涯をかけた現場教育
4.親としてのリソース

1.子育て支援ネットワークのようなものだね。親に対する支援ではなく、子ども自
身のネットワークという視点がいいなー。
「昔は、子どもが親から誤解されたり、疎外されても、価値を共有してはいるが、別
のおじおば、いとこなどによって受容されることがありえた」それがサポート・ネッ
トワーク。

2.子どもが、家族でも社会でもなんの役割も果たさなくていいという初めての世代
がわたしたちだ。しかも、儀式も、伝統も、文化的な活動も、スタビリティの高いも
のではない。別に必要とされてもいない。彼等がいなくても、学校でも何の問題もな
い。

3.これはテレビの影響のこと。アルコールやマリワナが満足をもたらすとか、性の
軽さとか、暴力容認であるとか、コマーシャルなどを通して、どのようなメッセージ
が、コンスタントに伝えられているか。

4.「豊かさ」のコスト、44
1.あなたは靴を一足以上持っていますか。
2.毎食、何を食べるかについて、選択肢がありますか。
3.交通手段への自立したアクセスがありますか。
4.下着が一枚以上ありますか。

これらの質問に対する答えが「イエス」なら、あなたは豊かです。国際的な水準から
考えて。そして、これらのものを簡単に手にいれるとはどういうことなのか、そして
それらを大切にするときどういうことなのかを子どもたちに教えていません。「豊か
である」ということは、子育ての効果をよくするための条件ではない。若い人々のセ
ルフ・エスティームと価値の感覚を破壊する最善の方法は、彼等のためにやってあげ
すぎることです。人生における有意味な存在になるために、自分自身のwell-beingお
よび他者のwell-beingにとっての積極的な行動者にすることが大切です。
現在の形の親業というものは、歴史上初めてで。血のつながった非熟練の、フルタイ
ムの一人の人間が、子育てをする。あるいは、一方でフルタイムの仕事をしながら、
パートタイムで親業もする二人によって育てられる。

このあたりの議論は何を言いたいのかよくわからないけれど。

7つの要素 Significant Seven

1.自分自身の能力についての認識
2.自分自身の重要さについての認識
3.自分の人生に対する力や影響の認識
4.intrapersonalスキル、自己に向かう力
5.interpersonalスキル、対人関係のスキル
6.システマティックなスキル
7.判断能力

子どもはすべてリスクを負って生まれてくる。これらの7つは人生にとって重要であ
るが、開発され、維持されなければ、意味がない。これらの分野で強い力を持ってい
るということは、次のようなことができるということだ。

1.「わたしはできる」という自信
2.「わたしは意味ある貢献をしているし、必要とされている」
3.「わたしはわたしに起こることに影響することができる」
4.「わたしは、わたしの感情に気付いているし、それをどう受け止め、扱えばいい
か知っている、経験から学ぶことができる。」
5.友情、コミュニケーション、協力、ネゴシエーション、共感、聞くことなど。
6.責任、柔軟性、適応力、統合
7.知恵、状況判断、適切な価値観

教育、子育ての目標は、これらの分野における弱さを力に転じていくこと。
by eric-blog | 2004-08-11 10:31 | ■週5プロジェクト03
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