291-3(1305)新しい貨幣の創造 市民のための金融改革
ジョセフ・フーバー、ジェイムズ・ロバートソン、日本経済評論社、2001
協同組合論についての論客である石見尚さんが翻訳し、そしてNew Economic Foundationからの出版。となれば、すごい本だ!
政府が持っている通貨発行権が、いまの金融制度の中では無意味化している。投資のための貨幣と日常経済のための貨幣を分けなければならない。
そして、投資のための通貨を政府が発行し、コントロールすることで金融と経済の両方のコントロール力を取り戻すということだ。
ということがわたしが理解できたことである。
その提案の妥当性や有効性を証明するための議論が延々とされているのだけれど、それは専門家に任せたい。
ただ、貨幣という制度も、わたしたちが作ってきたものなのだということを、改めて思い出させる、そして主体的に考えていく、選びとっていくことができる世界なのだということに、信頼が持てた本だ。