上司と部下の深いみぞ パワーハラスメント完全理解

281-4(1257)上司と部下の深いみぞ パワーハラスメント完全理解
岡田康子編著、紀伊國屋書店、2004

日本社会の○△□や日本語は階級遵守語という特性を考えれば、職場におけるコミュニケーション不全のケースなど、多々、想像できるし、思い当たる。
NGO, NPOにマニュアル世代が持ち込むものにもしらじらしいものがあるし、それはきっと企業でも同じだろう。そのマニュアルの根底に「上司と部下」のパワープレイが織り込まれているのだから。

さて、この本は、日本発の「パワーハラスメント」というジャンルを開拓したものだ。概念自体は、メンタルヘルスサービスの支援サービスを行っている中で「セクハラという異性間、性別役割期待に限らないハラスメントに対してどうすればいいのか」という相談が寄せられたことで、生まれてきた。

日本型コンフリクト研究会の中で、性差についての指標は「力の格差の感覚が大 Power Distance」の項目、△に一本化した。「対等さ」を前提としたアメリカ型「対立の扱い方」が通用しない日本型コンフリクトというのは、パワーの格差がコミュニケーションのスタイルの前提である。性別のパワーも、上下意識の感覚と、共通するものが多かったからであり、それを強化するものとしての性別差別があると分析したからだ。また、女性男性双方の参加者がいる中で、共通する問題として分析できる枠組みの方が望ましいと考えたからだ。

「力の格差の感覚が大」というコミュニケーション・スタイルは、本当にいろいろなところに影響すると思う。

著者らはロビンスの『組織行動のマネジメント』からパワーの源泉として5つのタイプを引用し、それに一つ追加した6つのパワーの濫用がパワハラにつながると指摘します。48-

強制、報酬、正当、専門、同一視、 そして正当性力

パワハラの4つタイプ 攻撃・否定・強要・妨害 など。66


プレッシャーを受ける側にも
自立か依存か、主張か非主張かで四つのタイプが紹介されています。126
主張・自立型  対立・訴訟
主張・依存型  不平不満
非主張・自立型 転職
非主張・依存型 病気・休職

いずれにしても、パラハラの組織的なコストは高く、解決策が求められることに違いはありませんが、そもそもの企業風土、コミュニケーションのスタイルを問題にすることなく、上司と部下の問題に帰することはできないと思いました。社会的な変化も、組織内での関係の変化に影響するでしょう。コミュニケーション上手になる上司の努力だけでいいのだろうか? 中間管理職の重責も思わずにはいられない内容でした。
何よりも、抱え込まないことですね。(^ ^)/
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by eric-blog | 2009-02-09 10:58 | ■週5プロジェクト08 | Comments(0)
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