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新版 ライフヒストリーを学ぶ人のために

271-4(1219)新版 ライフヒストリーを学ぶ人のために

谷富夫編、世界思想社、2008

1996年に出版されたものの再版。
『ライスヒストリーの教育学』を紹介した後において、この本を紹介することは、いささか気がひける。というのも、前者は単なる語りやナラティブ、ライフストーリーのインタビューではなく、社会的な位置づけを通してライフヒストリーとする、と定義していたのに対し、この本では、「ここでは個人の一生の記録、あるいは個人の生活の過去から現在にいたる記録」となっているからだ。
前著で、はたと膝をうって、なるほどなあ、と感心したので、今度は拍子抜け。読んだ順番は逆だったんだけれど、こちらはもう紹介しないで置こうかと思ったほど。

しかし、生活史研究の4つの視角という二次元軸表など、基本的な事柄がまとめられているのも事実。108
事実 意味付与
解釈 データ収集

寄せ場研究者の類型118
専門家 生活者 / 認識 実践
アカデミズム型 政策提言型 研究と運動の緊張型 運動一体型

また、都市的世界において、日雇い労働者の類型を中心と周縁の二次元軸で、葛藤型、超越型、情念型、絶望型としているのも、おもしろい。126

沖縄からの移住者、越境者
性・民族・医療において周辺化されていく人々

ライフヒストリーをあくまでも、ライフストーリーと同一で考える人々が研究対象とする人々とは、個人を描くことによって、十分に「気づき」が得られる対象者ばかりなのだという印象が残る。
by eric-blog | 2008-12-12 09:41 | ■週5プロジェクト08
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