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顔面漂流記

266-2(1193)顔面漂流記
石井政之、かもがわ出版、1999

車いす体験より、きついかもしれない。顔面醜形。簡単にやれるよね。
でも、人権の研修でも、車いす体験や高齢者体験はあるけれど、顔面アザなどは、ない。

なぜだろう? そして、それはエスノグラフィの本でも紹介されていたが、障害でもなければ、保障もされない。しかし、あきらかに、就職、結婚などに影響するのだという。

なぜだろう? その女性も、「最初からバツイチの男性しか紹介されない、存在なんですよね」と見合いの頃を振り返るが、いまは幸せ。痣のことなど、忘れてしまう忙しい日常があるだけだという。そして、この著者も、「顔面漂流」を遂げて、ジャーナリストとしての地歩を築いたいまは、『病気だョ!全員集合』で、「あれは8年も前の本だよ。いまはアザも気にならない。」と言いきる。

そうなのだ。子ども時代から青年期までは、比較の時代なのだ。
競争の時代なのだ。
ものさしの時代なのだ。
追い立てられる時代なのだ。

本当にそうでなければならないのか?
それとも、それは日本が「ココロ的な意味で内戦状態」(『病気だョ!全員集合』p.075)

ゴッフマンのスティグマ、欠点、短所、ハンディキャップの三種。58
身体的
精神的
集団的
注意をひき、回避され、そこしか見られず、それさえなければ、受け入れられる特徴。

子どもの反応が特にきつい、という。
しかし、彼がアザにこだわって世界を旅したとき、ベトナムでレバノンで、子どもの反応は、違っていた。つまり、子どもの反応は日本でこそ学習されているものなのだ。

そのことを、もっと整理してほしかったなあ。って、いつも、「教育」や「学校」について、言ってくれ、って言ってるだけだけど。
by eric-blog | 2008-11-02 07:26 | ■週5プロジェクト08
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